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答弁本文情報

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昭和五十六年四月二十四日受領
答弁第二六号
(質問の 二六)

  内閣衆質九四第二六号
    昭和五十六年四月二十四日
内閣総理大臣 鈴木善幸

         衆議院議長 福田 一 殿

衆議院議員木間章君提出三菱商事株式会社と三越金属工業株式会社との関係と労使の交渉経過に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員木間章君提出三菱商事株式会社と三越金属工業株式会社との関係と労使の交渉経過に関する質問に対する答弁書



一及び四について

1 三菱商事株式会社(以下「三菱商事」という。)と三越金属工業株式会社(以下「三越金属」という。)との関係については、次のとおりであると聞いている。

 (一) 三越金属は、昭和四十六年七月以後代表取締役社長その他役員の一部を三菱商事から迎えたが、昭和五十二年九月までに三菱商事からの派遣役員はいずれも退任した。

 (二) 三菱商事は、昭和四十三年二月に三越金属の発行済株式の総数の二・五パーセントに当たる株式を取得した。その後、三菱商事は、昭和四十七年中に子会社名義で三越金属の発行済株式の総数の約十五・二パーセントに当たる株式を取得したが、昭和五十二年四月にこれを売却した。その結果、現在、三菱商事は三越金属の発行済株式の総数の二・五パーセントに当たる株式を保有している。

 (三) 三越金属と三菱商事との間には、昭和三十三年以来製品の販売又は原料の仕入れについての取引関係がある。

 (四) 三越金属は、三菱商事に対して多額の債務を有している。
     三菱商事は、昭和四十六年四月以降、累次、弁済の猶予、債務の免除等の金融上の援助措置を行つている。

 (五) 三菱商事は、昭和四十六年二月、三越金属の経営合理化に際して同社から、同社砺波工場の売却を受けた。

2 三越金属に対する更生手続開始の申立てについては、昭和五十六年三月三十日、富山地方裁判所高岡支部に会社更生法第三十条に基づいて、三越金属(代表者代表取締役出合四郎)を申立人として申立てがなされ、現在、同裁判所において更生手続開始決定の可否について審理中であると聞いている。

3 現在、三越金属に対する更生手続開始の申立てについて裁判所において審理中でもあり、その他の事項についての答弁は差し控えたい。

二及び三について

1 三越金属と総評全国金属労働組合三越金属支部(以下「組合」という。)との間における労使交渉、紛争等の主な経過と現状は次のとおりであると聞いている。

 (一) 昭和四十五年九月、三越金属は、組合に対し三越金属砺波工場新設に伴う生産計画及び人員配置について提案を行い、三越金属と組合は団体交渉を行つた。

 (二) 昭和四十六年二月、三越金属が、右砺波工場を譲渡したのに際し、組合は、三越金属倒産のおそれがあると判断した上、組合員の労働債権を保全するためとして、同月、本社工場及び砺波工場を占拠し、同年三月、富山地方裁判所高岡支部に両工場の動産仮差押申請を行つた。その後労使交渉の結果、組合は、両工場の占拠を解くとともに同申請を取り下げた。更に、三越金属と組合は、労使交渉を進めた結果、同年六月、希望退職募集について労使協定を締結した。

 (三) 昭和四十六年八月、三越金属は、組合に対し、会社再建のため生産量及び人員の削減について提案を行つた。労使交渉の結果、同年九月、右労使は、希望退職の募集等について合意に達し、同年十一月、三越金属は、これに基づいて希望退職の募集を行つたが、応募者がなかつたため、従業員二十六人の指名解雇通告を行つた。これに対し、組合は、三越金属に指名解雇撤回を求め、労使交渉の結果、同月、三越金属は指名解雇を撤回し、同年十二月、三越金属と組合は、希望退職募集について労使協定を締結した。

 (四) 昭和四十七年十二月、三越金属は、組合に対し、代表取締役社長名の組合運営への支配、介入等に関する「謝罪及び誓約書」を提出した。

 (五) 昭和五十三年三月、三越金属は、組合に対し、企業経営の安定を目的として希望退職募集等の提案を行い、以後労使交渉の結果、同月、三越金属と組合は希望退職募集等について労使協定を締結し、同年四月、三越金属は希望退職募集を行つた。しかし、三越金属は、希望退職募集人員に達しないとして同月、八人の従業員を指名解雇した。同年六月、指名解雇された従業員八人のうち二人は、富山地方裁判所高岡支部に地位保全の仮処分申請を行い、本年一月、同裁判所は、両名の同申請を認容する判決を行つたが、同月、会社は、当該判決を不服として名古屋高等裁判所金沢支部に控訴した。

2 現在、上記更生手続開始の申立てについて裁判所において審理中でもあり、その他の事項についての答弁は差し控えたい。

五について

1 三越金属に対する更生手続開始の申立てによる三越金属の再建と従業員の雇用と生活の保障のための具体策については、現在、同申立てについて裁判所において審理中でもあり、答弁を差し控えたい。

2 政府としては、本件について、関係地方公共団体と連絡をとりつつ、事態の推移を見守つてまいりたい。

 右答弁する。




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