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昭和六十年十一月十九日受領
答弁第六号

  内閣衆質一〇三第六号
    昭和六十年十一月十九日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 坂田道太 殿

衆議院議員草川昭三君提出自動車損害賠償責任保険に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員草川昭三君提出自動車損害賠償責任保険に関する質問に対する答弁書



一について

 自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)の保険料率の変更については、大蔵大臣が自動車損害賠償責任保険審議会(以下「審議会」という。)に諮つた上で認可しているところであるが、原動機付自転車のような純保険料の額の低い車種については、昭和六十年六月七日衆質一〇二第三三号において述べたとおり、その営業保険料に占める純保険料の割合が小さくなるのは、やむを得ないと考える。

二について

 自賠責保険は、その契約が車両単位で強制されるものであることから、普通乗用車と原動機付自転車を一体化した契約制度を広く利用されるような形で自賠責保険に導入することは、困難ではないかと考える。

三について

 自賠責保険に係る医療費については、自動車保険料率算定会(以下「算定会」という。)における調査を充実する等、従来から、その支払の適正化に努めているところである。
 なお、昭和五十九年十二月十九日の審議会答申の趣旨を踏まえ、本年一月から、算定会及び損害保険会社において、医療費調査担当者に対する研修を強化するとともに、医療費調査担当者数の増員を行つており、また、算定会及び社団法人日本損害保険協会において、交通事故医療に関する調査、研究を強化するとともに、社団法人日本医師会の協力を得つつ責任保険についての診療報酬基準案の作成作業を進める等、医療費適正化のために多大の努力がなされていると承知している。

四について

 自賠責保険及び自動車損害賠償責任共済(以下「自賠責保険等」という。)は、長期的には収支相償うような運営がされているとはいえ、その運用の成果である運用益は損害保険会社等に帰属しており、また、法人税の基本的な考え方からすれば、事業年度を単位として他の保険収支等を含め当該損害保険会社等全体についての所得計算を行うべきものであるから、自賠責保険等に係る運用益のみを別異に扱い、これを非課税とすることは適当でないと考える。

五について

 非業務用の自動車に係る自賠責保険の保険料及び自動車保険料は、その自動車の保有に伴う維持費の一種と考えられ、様々な国民の生活態様の中からこのような特定の家計支出を抜き出して税制上しん酌するにはおのずから限界があること、租税特別措置の整理合理化が急務とされていること等から、これらを所得控除の対象とすることは適当でないと考える。

六について

 損害保険会社が、自動車保険等一般の保険の引受けに当たつて、諸般の状況を考慮して危険の選択を行うことは、保険契約者全体の利益のために当然必要であると考える。
 しかし、保険事業の性格上、損害保険会社が可能な限り保険需要に応じることも必要であることから、損害保険業界においては、自動車対人賠償保険プールを設ける等の努力を払い、業界全体を通じて自動車保険の契約を拒否することが多発しないよう措置していると承知している。
 なお、一部の損害保険会社において、経営上の必要性に基づき、自動車保険に係る営業を縮減する等の観点から、自動車保険契約の引受けに際し、契約者を厳しく選別することはあり得るとしても、損害保険業界全体として自動車保険の契約を拒否することは多発していないと承知している。

 右答弁する。




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