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答弁本文情報

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昭和六十年十二月二十七日受領
答弁第二二号

  内閣衆質一〇三第二二号
    昭和六十年十二月二十七日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 坂田道太 殿

衆議院議員春日一幸君提出防衛費のGNP一%枠に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員春日一幸君提出防衛費のGNP一%枠に関する質問に対する答弁書



一の1について

 GNPとは、一国において一年間に生産された最終財及び最終サービスを市場価格で評価した合計額に、海外からの要素所得(純)を加えたものであり、国民経済全体の規模を示す代表的な指標である。
 また、GNPを含む国民経済計算は、適切な経済運営の前提として、当該国民経済の規模、構造、経済成長の速度等を正確に把握するために作成されるものである。

一の2について

(一) GNPを含む国民経済計算は、国連で定めたガイドラインに沿つて推計される支出、生産、所得の分配・再分配、貯蓄投資バランス、資金循環、国民貸借対照表等の多面的な体系となつている。そのうち支出面(需要面)からのGNPの推計は、財貨・サービスを品目ごとに集計し、主としてコモディティー・フロー法という手法により行われる。
(二) なお、政府及び非営利団体が生産するサービスについては、各種決算書や非営利団体調査結果を基に推計する。
(三) GNPは、コモディティー・フロー法で求めた家計最終消費支出、総固定資本形成及び在庫品増加を合算し、さらに政府及び非営利団体の最終消費支出及び家計への販売額並びに国際収支表を基に推計する輸出を加えたものから、輸入を控除して求められる。

一の3について

 我が国においては、GNPを含む国民経済計算の推計基礎となる統計の整備水準が高いほか、推計に当たつても国連のガイドラインによる概念規定に沿つてコモディティー・フロー法等の国際的に確立された手法を用いており、その推計精度は高いものと考えている。

一の4について

 政府は、毎年度の経済見通しの作成に当たり、可能な限りの努力を行つているところである。
 しかしながら、我が国経済は民間活動がその主体をなすものであること、また、特に国際環境の変化には予見し難い要素が多いことにかんがみれば、見通しの数字はある程度の幅をもつて考えられるべきものである。
 この点については、従来から政府経済見通しの本文で述べているところである。

一の5について

 GNPを含む国民経済計算の推計に当たつては、各種の経済統計を基礎データとして利用しているが、この基礎データの中には産業連関表、国勢調査のように、五年ごとに公表される膨大な統計がある。このため、国民経済計算では、これらの統計調査の結果がまとまるのを待つて、毎年の推計とは別に、五年ごとに名目値の改定作業を行い、精度の向上を図ることとしている。
 また、国民経済計算における「実質値」は、特定年次の価格で評価されているが、その基準年次を五年ごとに改めることにより、可能な限り最近の経済実態を反映した価格体系を基礎に実質値を算定することとしている。

一の6について

 国民経済計算の名目の諸計数が基準改定により、既公表の計数と比較して上下どちらの方向に、いつからそ及して改定されるかは一概には言えない。すなわち、毎年の推計に利用できない基礎統計が公表されるまでの間に推計に利用している統計データの動きと、五年に一度実施される産業連関表、国勢調査等のデータの動きとの関係により、国民経済計算の基準改定における改定の方向、程度、期間も決まつてくるものである。
 なお、実質値については、基準改定により基準年次を改定した場合には、可能な限り、過去にそ及して改定することとしている。今回の五十五年基準改定では、現行の国民経済計算概念により推計が行われている初年度の昭和四十年までさかのぼつて改定を行つた。

二及び三について

(一) 我が国は、現在、防衛計画の大綱に従い、これに定める防衛力の水準の達成を図ることを目標に防衛力の整備を行つているところであり、その際、国際情勢、周辺諸国の軍備の動向、諸外国の技術的水準の動向等を考慮し、これに対応し得る効率的な防衛力の整備を図ることとしているところである。
(二) 防衛力の整備の具体的実施に際しては、我が国防衛上の必要性という見地から具体的な整備内容を検討するとともに、その時々における経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつこれを行うこととしている。
    昭和五十一年の三木内閣の防衛費に関する閣議決定の方針は、かかる観点に立つて、当面の各年度の防衛費のめどについて、政府としての総合的な見地から定めたものである。
(三) 防衛力の整備は、適切な文民統制の下に実施されるべきものであることは当然であり、今後とも文民統制の一層の充実を図る観点から、中期防衛力整備計画を国防会議及び閣議で決定し、これを国会へ報告したところである。

 右答弁する。




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