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答弁本文情報

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昭和六十一年十一月十一日受領
答弁第八号

  内閣衆質一〇七第八号
    昭和六十一年十一月十一日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員(注)長亀次郎君提出沖縄の振興開発に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)長亀次郎君提出沖縄の振興開発に関する質問に対する答弁書



一の1について

 沖縄振興開発事業費の計上に当たつては、第二次沖縄振興開発計画(以下「二次振計」という。)を踏まえ、長期的、総合的観点に立つて生活・産業基盤としての社会資本の整備等を図ることに配慮している。
 また、沖縄総合事務局が公共工事を発注するに当たつては、可能な限り県内企業の受注機会の拡大及び県内産品の積極的使用に努めている。今後とも、分割発注、共同請負制度の活用等による県内企業の受注機会の確保及び県内産品の積極的使用に配慮してまいりたい。

一の2について

 観光産業を始めとする沖縄経済の自立的発展を図るため、引き続き地場産業の育成強化及び県内産品の利用の促進を図ることが必要であると考えている。

一の3について

(1) 沖縄経済の自立的発展を図り、活力ある地域社会を実現するとともに就業の場を確保していくためには、産業の振興開発は最も重要であると考えている。

(2) 政府は、従来から沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)に定める工業開発地区の指定の拡大を行い、既存企業の振興及び新規企業の導入を図つてきたところである。

(3) 工業団地の糸満地区においては、相当数の県内企業が立地又は立地計画をしており、分譲が着実に進展しつつあると聞いている。
    また、中城湾港新港地区については、昭和六十三年に一部分譲開始予定で現在造成中であり、企業立地が円滑に進ちよくすることを期待している。

二について

 沖縄振興開発予算の計上に当たつては、二次振計を踏まえ、長期的、総合的観点に立つて、生活・産業基盤としての社会資本の整備等を図ることに配慮しており、特に公共事業関係費については、最近の厳しい財政状況の下においても、本土に比べかなり配慮した内容としているところである。
 沖縄の経済社会は、総体としては着実に発展してきているものの、生活・産業基盤の面ではなお整備を要するものがみられ、一方では産業振興の問題を始めとして、雇用や水の確保の問題など、まだ解決を要する多くの課題を抱えている。このため、政府としては、二次振計の目標の達成に向けて更に努力する必要があるものと考えている。
 また、沖縄振興開発審議会においては、現在二次振計後期の振興方策について検討中であるが、同審議会においては、第四次全国総合開発計画の基本的な考え方を踏まえて、できる限り早くその内容を明らかにする方向で審議を進めているところである。
 なお、二次振計が五年余を残している現時点においては、第三次計画の必要の有無を判断するのは、時期尚早であると考えている。

三について

(1) 二次振計では、雇用需要の増大につながる産業振興方策を講ずること等により、昭和六十六年における雇用失業情勢はかなり改善され、労働力人口は約五十三万人、就業者総数は五十一万人を超え、失業者数は二万人未満に減少するものと見込んでいるところである。

(2) 沖縄県の厳しい雇用問題に対処するためには、基本的には、産業を振興して県内における雇用機会の拡大を図ることが必要であり、雇用対策の面でも、産業の振興との有機的な連携の下に雇用機会の拡大に結びつく施策の推進に努めることが重要である。
    こうした観点から、経営基盤のぜい弱な沖縄の地元企業の基盤の強化を図ることにより雇用需要の増大に努めるとともに、若年求職者に対し雇用機会を創出するための職場適応訓練を実施しているほか、学卒就職予定者に対する進路指導、職業指導の充実等を図つているところである。また、沖縄県全域において地域雇用促進給付金制度を適用して地域の労働力需給の円滑な結合を促進するとともに、地方自治体等関係機関の協力の下に、地域の特性に応じた雇用機会の開発を図る目的で、地域雇用開発推進事業を実施しているところであり、今後とも引き続きこれらの施策を推進してまいりたい。
    また、中小企業の倒産防止対策については、従来から中小企業倒産防止共済制度、倒産関連特例保証制度等各般の対策を実施している。
    特に、中小企業信用保険については、円高の進展等に対応し、倒産関連保証の付保限度額の別枠を一千万円から二千万円にすること等を内容とする「中小企業信用保険法の一部を改正する法律案」を去る十月三十一日に提出したところである。
    今後とも、各対策を積極的に活用することにより、中小企業の倒産防止に努めてまいりたい。

四について

 さとうきびについては、砂糖の価格安定等に関する法律(昭和四十年法律第百九号)に基づいて、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、さとうきびの生産費、競合農作物の状況、物価その他の経済事情を参酌し、さとうきびの再生産を確保することを旨として最低生産者価格を適正に決定しており、これに奨励金を加えることにより農家所得の確保に努めているところである。

五の1、2及び3について

 沖縄における日米安全保障条約に基づく米軍の駐留及び自衛隊の配備は、我が国の安全の確保のために必要なものであり、政府としては、今後とも、これらと二次振計の推進との調和を図りつつ、施策を進めてまいりたい。
 なお、日米安全保障協議委員会において了承された施設及び区域の整理統合計画の実施については、政府としても、従来から努力してきているが、移設先の選定が困難である等個々の施設及び区域の具体的状況を勘案しつつ、今後とも一歩一歩推進する所存である。

五の4について

 日米安全保障条約に基づく米軍の駐留は、我が国の安全を確保する上で重要であつて高度の公共性を有し、したがつて、その駐留の用に供するため土地を使用することが憲法第二十九条第三項の「公共のために用ひる」ことに該当することは明らかであり、御指摘は当たらない。

 右答弁する。




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