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昭和六十二年四月七日受領
答弁第二二号

  内閣衆質一〇八第二二号
    昭和六十二年四月七日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員(注)長亀次郎君提出自由貿易地域に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)長亀次郎君提出自由貿易地域に関する質問に対する答弁書



一について

(1) 諸外国のフリーゾーン、自由貿易地域と呼ばれているものについては、特段の定義があるわけではなく各国の貿易施策、関税制度等との関連から設けられ、機能、規制面ではまちまちであり、我が国の保税制度と比較することは困難である。

(2) 沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号。以下「沖振法」という。)に規定する自由貿易地域の制度は、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)に規定している保税地域制度と企業立地のための税制上の優遇措置を組み合わせた制度であり、保税制度面においては同地域は各種の保税地域を併存させ各種保税機能の有機的な連携を図ることを主旨とするものである。

(3) 復帰前の沖縄の自由貿易地域は、輸出加工貿易を主目的として一定の区画を設け、これを一種の外国地域とする取扱いであり、当該地域からの製品の島内輸入が極めて厳格に規制されていた。
    これに対し、沖振法に規定する自由貿易地域は、前記(2)のとおり各種保税機能の有機的な連携を図ることを主旨とするものであり、中継貿易、輸出加工貿易及び国内引取りなど広範な活用が可能である。

二について

(1) 保税工場における保税作業による製品である外国貨物を輸入する場合の関税の課税は、製品課税によるのが原則であるが、保税工場の許可を受けた者があらかじめ税関長の承認を受けた場合には、原料課税を適用することとされており、これは自由貿易地域内の保税工場で製造・加工された製品についても同様である。
    なお、保税製品の関税が、原料の関税を下回る場合には、国内産業への影響等の観点から、原料課税の承認を受けることを保税工場の許可の条件としている。

(2) 今国会に提案している売上税法案等によれば、売上税は、保税地域から引き取られる貨物に対して課税することとされており、これは、自由貿易地域内の保税工場で製造・加工された製品についても同様である。ただし、関税法第五十九条の二の規定により関税の課税について原料課税の承認を受けて保税工場で製造・加工された製品が、売上税が課されないこととされるものである場合には、引き取りの際売上税についても原料課税が適用されることとされている。
    なお、国内から調達される原材料については、売上税込みで購入されることとなるが、別途、売上げに係る税額から控除することができることとされている。しかしながら、売上税が課されないこととされる売上げのために要する仕入れの価格に含まれる売上税については控除することができないこととされている。

三、四の2、3及び5並びに五について

 沖振法に規定する自由貿易地域の設置については、現在、沖縄県において具体的な計画を検討中であり、同計画の内容を見た上で検討することといたしたい。

四の1について

 那覇港湾施設の一部土地について、沖縄県知事から、自由貿易地域の用地として日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二条第四項(a)に基づき共同使用をしたい旨の申請があり、政府としては、この申請を踏まえ、現地の状況等を勘案し、かかる使用につき米側に提案しているところであり、現在、米側において検討中であると承知している。

四の4について

 沖振法に規定する自由貿易地域の設置については、現在、沖縄県において具体的な計画を検討中であり、沖縄県を含む関係地方公共団体が同法第二十七条において準用する同法第十五条に規定する地方税の課税免除又は不均一課税の措置を行うこととなるのか明らかではないが、仮にこれらの措置を講ずることとなれば、同条の規定に従い地方公共団体の減収分について地方交付税において措置することとなる。

 右答弁する。




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