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答弁本文情報

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昭和六十二年五月十九日受領
答弁第三六号

  内閣衆質一〇八第三六号
    昭和六十二年五月十九日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員草川昭三君提出救急医療対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員草川昭三君提出救急医療対策に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「二十四時間体制による受入れを行つている病院」には、救急病院等を定める省令(昭和三十九年厚生省令第八号)第一条に規定する病院(以下「救急告示病院」という。)が該当するものと考えられ、その数及び救急自動車による搬送患者数の過去五年間の推移は、次のとおりである。

救急告示病院の数及び救急自動車による過去五年間の推移

二について

 現在、専ら救急医療に対応するために複数の医師を配置している大学附属病院は、国立大学十七病院、公立大学一病院及び私立大学十七病院である。

三について

 現在、救急医学に関する講座を設置している大学は、国立大学二校、私立大学五校である。

四について

 救急医学・医療については、高度に専門分化した医学・医療の各領域を一つのまとまつた考え方の下に教育・研究組織あるいは診療組織として統合することに種々の困難があること、また、各地域の医療態勢において、大学附属病院が置かれている状況が異なること等の事情があると考えられるが、これらに対応できる大学にあつては救急医学に関する講座を置き、また、附属病院に専ら救急医療に対応するための組織を設けているところである。

五について

 救急医学に関する講座を設置している七大学について見ると、救急医学の講義時間数は十二時間から六十時間であり、その臨床医学の講義に占める割合は一パーセントから六パーセントである。また、救急医学の臨床実習時間数は二十二時間から百二十時間であり、その臨床実習に占める割合は二パーセントから七パーセントである。
 なお、救急医学に関する講座を持たず、他講座等において救急医学に関する教育を行つている場合、その授業時間数等を特定することは困難である。

六について

 救急医学に関する講座に置かれている教授の人数は七大学とも一人であり、助教授の人数は一人から三人、講師の人数は〇人から六人、助手の人数は〇人から五人である。

七について

 国立大学附属病院の救急部は、二十八大学二十九病院に設置されているが、このうち専任教官一名を配置しているのは二十七病院である。
 また、救急部における専任教官の業務内容は、救急診療に従事するとともに救急部に所属する看護婦等医療技術職員や施設設備の管理運営を行うことである。

八について

 診療については、専任教官の配置数が一名の大学附属病院救急部においても、二十四時間、救急患者の受入れが行えるようになつており、必要に応じて各診療科の応援を受けられる態勢となつている。
 また、教育・研究については、講座が設置されていない場合でも、救急医学に関する授業科目を設け、あるいは関係の講座、授業科目において救急医学に関する教育・研究を行うことなどにより対応しているところである。
 救急医学・医療に関する教育、研究、診療体制の整備については、各大学の意向、検討状況、地域における救急医療態勢等も踏まえて適切に対処してまいりたい。

九について

 診療科名の新規認定については、「診療科名等の表示に関する検討会」を設け、現在、診療科名の認定に関する基本的考え方等について検討が行われているところであり、その結果を待つて検討いたしたい。

十について

 政府としては、重篤な救急患者に対応するための高度の診療機能を有する救命救急センターの整備を進める等救急医療体制の整備に努めているところであるが、救急医療を行う病院において専ら救急医療を担当する医師を配置するか否かについては、当該病院の事情、当該地域における救急患者の発生状況等諸般の事情を考慮して、各々の病院において適切に判断されるべき事柄であると考えている。
 御指摘の「専業救急医」については、専門医一般をどう考えるか等の問題もあり、また、救急医療の動向や救急医療に関連する他の医療の分野の動向等とも関係するので、慎重に対応していくべき事柄であると考えている。

 右答弁する。




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