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平成元年一月二十七日受領
答弁第二九号

  内閣衆質一一三第二九号
    平成元年一月二十七日
内閣総理大臣 竹下 登

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員東中光雄君提出日本企業等の米国・西太平洋戦域ミサイル防衛構想研究参加に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員東中光雄君提出日本企業等の米国・西太平洋戦域ミサイル防衛構想研究参加に関する質問に対する答弁書



一の(1)について

 昭和六十三年五月、米国防省は戦略防衛構想(以下「SDI」という。)研究計画の一環として西太平洋地域を対象とした地域ミサイル防衛構想研究の実施を決定したが、米国政府から、西太平洋地域における中・短距離ミサイルに対する防衛システムの構想を研究することを目的とし、いかなるシステムの下で、いかなる防衛手段を選択することが有効であるかについて、いくつかの構想を比較検討する専ら防衛目的の技術的な研究を行う旨の通報を前記決定以前に受けた。

一の(2)及び(5)について

 本件研究は、SDI研究計画の一環として行われる西太平洋地域における中・短距離ミサイルからの防衛のための研究であり、中・短距離ミサイルに対する効果的な非核の防御手段としていかなるものが適当か等について技術的な研究が行われるものと承知している。

一の(3)について

 本件研究の対象となる地域は、日本、アリューシャン列島西部、マリアナ諸島北部及びマーシャル諸島並びにそれらの隣接する海域を含むものと承知している。

一の(4)について

 西太平洋地域ミサイル防衛構想研究は、当面平成元年十一月までの予定で進められるものと承知している。
 また、米国のSDI研究計画は、米国が将来、戦略防衛システムの開発・配備の可否を決定するに当たって必要な技術的知識を提供するための研究計画であると承知しており、開発・配備の計画が具体化しているとは承知していない。

二の(1)について

 米国防省戦略防衛構想局(以下「SDIO」という。)である。

二の(2)について

 本研究計画の入札公示等の概要は、次のとおりである。

@ 件名ウェストパック・アーキテクチュア・スタディ(西太平洋地域ミサイル防衛構想研究)

A 研究事項の概要西太平洋地域における脅威の分析、適切な防衛を可能とする技術開発の評価、本件防衛構想に影響を及ぼす技術的問題点の識別等。

B 応募資格要件当該地域の地理、現下の防衛環境等に対する深い理解及びミサイル防衛構想に関する経験を有すること。

C 入札公示日 昭和六十三年五月十六日

D 入札締切日 昭和六十三年八月一日

E 入札決定日 昭和六十三年十一月四日

F 契約締結日 三菱重工業株式会社との間では昭和六十三年十一月二十九日。他の契約者との間については承知していない。

二の(3)について

 SDIOは、昭和六十三年六月二十二日、米国防省において、本件研究計画の入札説明会を開催し、同説明会には、三菱重工業株式会社及び三菱商事株式会社から参加があったものと承知している。なお、同説明会には、在米国日本国大使館からも館員一名が出席した。

二の(4)について

 同研究に主契約者として参加している企業は、三菱重工業株式会社及びエルティーブイ・ミサイルズ・アンド・エレクトロニクス・グループ(以下「エルティーブイ」という。)の二社であり、契約金額はいずれも三百万ドルであると承知している。
 三菱重工業株式会社グループには、株式会社日立製作所、日本電気株式会社、日本無線株式会社、富士通株式会社、三菱商事株式会社、三菱スペース・ソフトウェア株式会社、三菱電機株式会社、ボーイング・エアロスペース・カンパニー、ロッキード・ミサイル・アンド・スペース・カンパニー・インコーポレイテッド、マクダネル・ダグラス・スペース・システムズ・カンパニー、レイセオン・カンパニー及びサイエンス・アプリケーションズ・インターナショナル・コーポレーションが参加しており、エルティーブイグループには、川崎重工業株式会社、ウエスティングハウス・エレクトリック・コーポレーション及びポトマック・システムズ・エンジニアリング・インコーポレイテッドが参加していると承知している。

二の(5)について

 米国内法の解釈に係ることであり、政府として答える立場にない。

二の(6)について

 本件契約に関し、日本政府は資金提供を行っていない。
 契約企業については、米国政府と契約企業との契約に係る問題であるため、政府として答える立場にない。

三の(1)について

 SDI研究計画に関し米国から我が国企業に提供される情報のうち秘密のもの(以下「秘密情報」という。)については、政府間でその受渡しを行う。我が国政府から企業への秘密情報の受渡しは、通商産業省貿易局が行い、米国防省においてはSDIOが引渡しの業務を担当することとなる。

三の(2)について

 秘密情報の名称、件数等については、その性格にかんがみ、公表を差し控えたい。また、米国から提供される情報が、秘密指定されていない情報を含む可能性はある。

三の(3)について

 秘密情報の取扱いに関し適用される我が国の法令は、例えば、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)、外務公務員法(昭和二十七年法律第四十一号)、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法(昭和二十九年法律第百六十六号)である。
 通商産業省の内部における秘密情報の取扱いについては、昭和六十二年十一月一日付けで定めた通商産業省の秘密保護に関する訓令である規程(以下「内部規程」という。)が適用される。

四の(1)について

 内部規程の名称は、「防衛秘密の保護に関する規程」(六二貿第三九七六号)及び「特定技術交流に係る秘密の保護に関する規程」(六二貿第三九七五号)であり、これらの規程の根拠法は、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)である。

四の(2)について

 秘密区分の名称等内部規程の詳細な内容については、その性格にかんがみ、公表を差し控えたい。

四の(3)について

 通商産業省としては、各種の規程を公表するか否かは、各省庁の判断にゆだねられていると考えており、内部規程については、その性格にかんがみ、公表を行っていない。

四の(4)について

 戦略防衛構想における研究に参加する企業の秘密保護能力の確認(以下「能力確認」という。)に関する事務を担当するのは、貿易局輸出課安全保障貿易管理室特定技術交流管理室であり、同室の室員の数は、現在五人である。

四の(5)について

 これまでに、通商産業省が能力確認を行った企業は、三菱重工業株式会社及び川崎重工業株式会社であるが、当該企業における施設の所在地、警備体制等は、その性格にかんがみ、公表を差し控えたい。

四の(6)について

 能力確認を行うのは、通商産業大臣であり、能力確認に関する事務を担当するのは、貿易局輸出課安全保障貿易管理室特定技術交流管理室である。

四の(7)について

 我が国国内において、米国政府が、能力確認のために我が国企業に対する視察、立入検査等を行うことはない。

四の(8)について

 通商産業省は、企業の申請に基づき、当該企業における秘密情報の保護のための施設、設備等及び警備体制並びに秘密情報を取り扱う組織及び取り扱う者に関する資料の提出を受け、当該企業における秘密の保護のための措置が適切なものであると認めた場合に能力確認を行うが、その際、通商産業省の職員が当該施設において、相手方の協力を得て事情を調査することはあり得る。なお、能力確認は、SDI研究計画に参加する企業について行われるものである。

五の(1)について

 防衛秘密の保護に関する訓令(昭和三十三年防衛庁訓令第五十一号)及び秘密保全に関する訓令(昭和三十三年防衛庁訓令第百二号)の規定により防衛庁の確認を受けた企業名等については、相手方企業の立場もあること等から、公表は差し控えたい。

五の(2)について

 これらの訓令の規定による調査、確認等は、それぞれの物件等の製作等を政府機関以外の者に委託する契約を行う者が行う。
 また、これらの調査、確認等に際し、他の政府機関の援助、協力を受けたり、米国政府機関が関与したりすることはない。

五の(3)について

 通商産業省は、秘密情報を取り扱う企業については、当該企業が防衛庁による確認を受けたものであると否とを問わず、申請に応じ、能力確認を行う。企業における内部規則の作成等は、個々の企業が独自に判断して行うべきものである。





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