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答弁本文情報

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平成元年六月九日受領
答弁第二四号

  内閣衆質一一四第二四号
    平成元年六月九日
内閣総理大臣 宇野宗佑

         衆議院議長 田村 元 殿

衆議院議員村山富市君提出政府とNGOの連携強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員村山富市君提出政府とNGOの連携強化に関する質問に対する答弁書



一について

 援助の分野におけるNGO(Non−Governmental Organizations)について公式な定義といったものはないが、一般的には、民間の非営利団体で、開発協力、資金援助、物資援助、人材派遣、研修員受入れ、開発教育、開発協力に関連する広報啓発活動等開発途上地域における経済・社会開発及び福祉の向上に貢献する活動を行っている団体を指すものとされている。

二について

 NGOによる開発協力活動は、いわゆる草の根レベルでのきめの細かい援助の効果をもたらすという点で、政府レベルの援助事業と補完関係に立ち得るものであり、また、国民参加による経済協力の推進の見地からも重要な役割を果たしている。
 しかし、我が国のNGOの多くは、歴史も浅く、欧米のNGOのごとく安定した財政基盤の上で具体的な開発協力事業等を展開することは困難な状態にある。
 政府としては、かかるNGOの具体的な事業を支援、拡充するために、平成元年度予算において国際開発協力関係民間公益団体補助金(以下「NGO事業補助金」という。)を設けることとしたものである。
 政府としては、開発途上国への経済協力において、NGOの果たす役割の重要性を認識するとともに、NGOの自主性を十分に尊重し、政府とNGOとの対話を重ねつつ、NGOの健全な発展のために、今後ともNGOの支援に積極的に取り組んでいく所存である。

三について

 募集に際しては官報に掲載する等して、広く公募することとしている。
 補助金の交付決定は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号。以下単に「適化法」という。)に基づき、事業の概要、申請団体の概要、実施方法等について審査の上、事業の適切性、申請団体の能力及び事業対象地域の事情等を十分に勘案し、予算の範囲内において申請事業に対し行われる。

四について

 本補助対象事業は、政府開発援助(ODA)による対応が困難なものを対象とし、途上国の経済・社会開発及び福祉の向上に貢献するものであって、途上国国民のニーズがよりよく把握されており、かつ、途上国国民の自助努力による自立を促すものとする。具体的には、我が国NGOが実績を有する農漁村開発、人材育成、保健衛生、医療、職業訓練、生活環境改善等の分野における事業をその対象に考えている。

五について

 補助金の交付を受けた当該NGOは、適化法に基づき、補助事業の遂行の状況につき、また、補助事業が完了したときには、その成果等につき、外務大臣に報告することになっている。他方、外務大臣は、かかる報告に基づき審査及び必要に応じて現地調査等を行うほか、必要と認められる場合には、当該補助事業につき是正措置等を当該団体に求めることができる。
 補助事業の結果は、公表することとする。

六について

 平成元年度のNGO事業補助金に関する事務処理は、適化法に基づき外務省が行う。

七について

 御指摘の補助金の交付は、我が国の経済協力政策と軌を一にし、開発途上国の民生の安定、発展に貢献することを目的とする事業を実施する民間公益団体であって、かつ、政府開発援助の補完的な役割を果たす特殊かつ専門的な業務を実施する団体に対して、その奨励が経済協力政策上適当と認められる事業について、予算の範囲内で行われる。

八について

 海外技術協力推進団体補助金の交付を受ける団体に対しては、NGO事業補助金の交付を行わない。

九及び十について

 小規模無償資金協力は、従来の無償資金協力では対応が困難であった開発途上国の地方公共団体、研究・医療機関及びNGO等からの比較的小規模な要請案件であって、いわゆる草の根レベルにおいて開発途上国の経済・社会開発、民生の安定、福祉の向上等に寄与すると認められる事業を対象として実施しようとするものであり、この点につき対象国によって異なることはない。
 実施案件の選定は、経済・社会状況等当該開発途上国の事情に精通している我が国在外公館が、その事情を踏まえ、被援助団体の要請に基づいて行うこととなる。

十一について

 NGO事業補助金の予算額一億千百六十二万円については、海外において開発事業を行っている我が国のNGOの具体的事業の内容、経費等を調査するとともに、現地調査を通じて途上国のニーズ等を勘案した結果、総額を計上したものである。
 小規模無償資金協力の予算額三億円については、一件当たりの規模(当面一件当たり数百万円程度とすることを考えている。)及び在外公館の実施体制等を勘案し計上したものである。





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