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答弁本文情報

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平成三年一月十一日受領
答弁第一号

  内閣衆質一二〇第一号
    平成三年一月十一日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員平田米男君提出花粉症に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員平田米男君提出花粉症に関する質問に対する答弁書



一の1について

 全国における花粉症の患者数についてはこれまで調査を実施しておらず、その数は不明である。

一の2について

 現時点では、花粉症に限定した患者数の調査を行う予定はないが、平成三年の保健福祉動向調査において、アレルギー様症状があった者の実態及び意識を調査する予定である。

二の1及び2について

 厚生省においては、厚生科学研究費補助金による研究課題として、昭和六十年度から昭和六十二年度まで「植物に起因するアレルギー症の基礎的臨床的研究」を、昭和六十三年度から「花粉症における予防・治療に関する研究」を取り上げたところである。これらの研究の中で、我が国では飛散する花粉の種類としては杉花粉が最も多く、関東、東海地方等で多く飛散し、また、飛散する花粉の量の年次変動が激しいこと及び患者の発症年齢については二十歳代での発症が最も多いこと、また、予防及び治療方法についても、抗アレルギー剤の季節前投与、マスクの着用及び減感作療法が症状軽減にある程度の効果が認められること等を明らかにするに至っている。
 このような成果を踏まえて、今後の花粉症に関する研究体制について検討してまいりたい。

二の3について

 前記「植物に起因するアレルギー症の基礎的臨床的研究」の昭和六十二年度報告書において、くしゃみ、水性鼻汁等の典型的症状を示し、かつ、その症状に季節性がある者であって、鼻汁中に好酸球が増加すること、杉花粉皮膚テストが陽性であること、杉花粉に特異的な血清抗体の検査である杉花粉RASTが陽性であること及び杉花粉誘発反応が陽性であることという四つの基準のうちの二つ以上に該当するものを杉花粉症患者と診断する旨の診断基準が示されているところである。

三について

 林野庁としては、昭和六十二年度から「スギ花粉動態調査」により、杉林の分布状況、杉花粉の発生状況等につき調査してきており、平成二年四月には、当面の対策として、花粉発生量の抑制に資すると考えられる森林施業の推進について指導を行ったところである。
 今後とも、花粉発生に関する調査研究及びその抑制に資する森林施業の推進を図ってまいりたい。

四について

 環境庁としては、現在のところ花粉症を主な対象とした調査は行っていないが、平成三年度から花粉症と大気汚染物質との関連等について調査研究に着手する予定である。

五について

 花粉症の予防・治療に資する調査研究としては、昭和六十三年度から平成二年度まで厚生科学研究費補助金による研究課題の一つとして、「花粉症における予防・治療に関する研究」を取り上げてきたところであるが、平成三年度については平成二年度までの成果を踏まえて取扱いを検討してまいりたい。
 また、その他の調査研究としては、杉林及びひのき林の分布状況、花粉発生状況等の調査、花粉発生量の抑制に資する森林施業の方法等の調査研究及び花粉症と大気汚染物質との関連等についての調査研究を実施し、平成三年度予算案では、それぞれ約三百万円、約千二百万円、約千八百万円を計上する予定である。
 その他の花粉症対策としては、首都圏の花粉発生量の多い杉林木を優先的に間伐する「都市近郊スギ林緊急整備モデル事業」を実施し、平成三年度予算案では、約四千百万円を計上する予定である。





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