答弁本文情報
平成五年四月二十三日受領答弁第一二号
内閣衆質一二六第一二号
平成五年四月二十三日
衆議院議長 櫻内義雄 殿
衆議院議員草川昭三君提出中東和平とパレスチナ住民への支援策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員草川昭三君提出中東和平とパレスチナ住民への支援策に関する質問に対する答弁書
一について
国連パレスチナ難民救済事業機関(以下「UNRWA」という。)の報告では、UNRWAの千九百九十三年度の必要額に対して、約二千八百五十万米ドルの不足が生じることが見込まれていると承知している。
仮にUNRWAの活動が縮小された場合には、占領地を中心とするパレスチナ難民に対する教育、医療及び救済事業活動が低下し、その結果として現状に対する不満が募り、中東和平プロセス反対の声が高まることは考えられる。
しかし、UNRWAの財政状況が悪化しているのは事実であるが、現在のところ、UNRWAの活動が縮小されるとは承知していない。
過去五年間の我が国のUNRWAへの現金拠出額は、昭和六十三年度から平成三年度まではそれぞれ千万米ドル、平成四年度は千百万米ドルである。
このほか、UNRWAを通じたパレスチナ難民向け食糧援助のため、昭和六十三年度七億八千二百万円、平成元年度七億六千六百万円、平成二年度十億六百万円、平成三年度十億円及び平成四年度九億円を支出している。
さらに、UNRWAへの特別な拠出として、昭和六十三年度六百九十七万四百米ドル、平成元年度二百万米ドル及び平成二年度十三億八千万円を拠出している。
我が国としては、UNRWAの事業の重要性にかんがみ、平成五年度は、前年度から百万米ドル増の千二百万米ドルの現金拠出を行う方針である。
昭和六十三年度の我が国の特別な拠出により、ガザ地域及びジョルダン川西岸地域の病院等において医療設備の整備及び救急車の配備が行われており、パレスチナ難民の医療面での救済に役立っている。
緊急食糧配給については、欧州共同体の食糧援助によって行われているが、我が国の食糧援助は、ガザ地域、ジョルダン川西岸地域等のパレスチナ難民困窮者の食糧不足にこたえるものとして、欧州共同体の食糧援助とともに高い評価を得ている。今後の援助については、同難民の食糧状況及び援助の必要性等を踏まえ、検討していく方針である。