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答弁本文情報

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平成五年十一月九日受領
答弁第一号

  内閣衆質一二八第一号
    平成五年十一月九日
内閣総理大臣 細川護熙

         衆議院議長 土井たか子 殿

衆議院議員横光克彦君提出低用量ピルに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員横光克彦君提出低用量ピルに関する質問に対する答弁書



一の1について

 経口避妊薬(以下「ピル」という。)については、開発を行っている数社の製薬会社から承認申請が出されているが、それらの承認の可否については中央薬事審議会(以下「審議会」という。)に諮問し、現在審議が行われているところである。
 承認の可否は、審議会の答申を待って判断することになるが、その時期を特定することは困難である。

一の2について

 審議会においては、承認申請が出されたピルの個々の品目について、有効性、安全性等に関する審議が行われており、いまだ結論が出ていない。
 なお、関連する問題として、ピルの使用が後天性免疫不全症候群(以下「エイズ」という。)の病原体(ヒト免疫不全ウイルス。以下「HIV」という。)の感染の拡大に与える影響などについて、公衆衛生上の観点からの議論も行われている。

一の3について

 御指摘の要望書については、その趣旨を審議会に伝達している。

二の1について

 避妊については、家族計画の手段として、エイズの予防の問題とは別に、母性の保護や児童の健全育成等を図るために行うものである。
 なお、避妊は、性行為に関し行われるものであり、その方法が性行為感染症としての性格を持つエイズの予防と関連する面があると考えられる。

二の2について

 コンドームによる避妊は、実行が容易でその費用も安価であること、使用者にとって安全であること等の利点を有しており、また、その避妊効果も使用法が適切であれば、十分高いものと考えている。

二の3について

 エイズに関する正しい知識の啓発普及のため、国においては、ポスター、パンフレット、テレビ等による広報のほか、都道府県等を通じ広く広報活動を実施しているところであり、その中で、HIV感染の予防に関しコンドームの有効性及び正しい使用法について、啓発を行っている。

二の4について

 入手している情報の範囲では、そのような国はないと承知している。

二の5について

 女性自ら選択し得る避妊法として、IUD、ペッサリー等の方法がある。
 なお、コンドームは使用法が適切であれば避妊効果も十分高く、また、使用に当たって不可欠な男性の協力については、保健所等における新婚家庭等に対する指導を通じてその確保に努めている。

三の1について

 我が国においては、避妊法として、コンドーム、IUD、ペッサリー等が使用されているが、これらは適切に使用すれば、十分な避妊効果が得られるものと考えている。また、その使用法等については、保健所等における新婚家庭等に対する指導や保健婦による訪問指導等を通じて指導を行っている。
 二十歳未満の人工妊娠中絶件数は、昭和五十年代から増加していたが、平成四年には、三万千九百六十九件と報告されており、前年と比べ千三百件余り減少している。

三の2について

 人工妊娠中絶は、母性の保護等を目的として、限られた要件に合致した場合にのみ行われるものであり、今後とも、その趣旨にのっとり、適正な実施が図られるよう努めてまいりたい。

四の1について

 低用量のピルの治験は、その有効性、安全性等を評価する目的で行われたものであり、治験に参加した女性が治験後にどのような避妊法を行っているのかについては把握していない。

四の2について

 中高用量のホルモン配合剤については、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に基づく承認に当たり、避妊の効能又は効果は認められていない。なお、中高用量のホルモン配合剤は、医師から処方せんの交付又は指示を受けた者以外の者に対して販売又は授与してはならない要指示薬に指定されている。

四の3について

 我が国における母子感染によりHIVに感染した者の数は、平成五年八月末現在で七名と報告されている。
 HIVの母子感染の予防に関しては、「HIV母子感染予防のガイドライン」等を作成し、母子感染の確率をできる限り少なくするための方法について、医療機関等への周知徹底を図っているところであり、今後とも適切に対処してまいりたい。

四の4について

 ピルの承認の可否については、我が国における臨床試験の試験成績に関する資料等に基づき、その有効性、安全性等について審議会において慎重な審議を行っているものであり、「日本独特の鎖国施策」を採っているとの指摘は当たらないものと考える。

四の5について

 ピルは、審議会において、その有効性、安全性等について慎重な審議が行われている段階であり、その承認の可否、また仮に承認された場合に医師の処方又は指示によるとの指定を行うか否か等についての結論は出ていない。





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