答弁本文情報
平成八年七月五日受領答弁第三七号
内閣衆質一三六第三七号
平成八年七月五日
衆議院議長 土井たか子 殿
衆議院議員佐々木陸海君提出変額保険被害に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員佐々木陸海君提出変額保険被害に関する質問に対する答弁書
一の1の(1)について
お尋ねの「口頭指導」は、一時払養老保険の保険料ローンが行われていたことにかんがみ、指導を行ったものである。なお、御指摘のような具体的事例については承知していない。
保険募集の取締に関する法律(昭和二十三年法律第百七十一号)第九条に規定するいわゆる無登録募集の禁止に対する違反である。
変額保険については、保険料ローンが行われた例があることは承知しているが、銀行と保険会社の間での提携が行われていたとは承知していない。
お尋ねの「口頭指導」は、大蔵省銀行局保険部保険第一課の職員が、生命保険会社各社の職員に対して、説明会を開催して行ったものである。
保険会社各社への検査について、その有無、内容等、個別具体的な事項を公表することは、検査の円滑かつ適正な執行に支障を来すこととなるので、差し控えるべきものと考えている。
変額保険に関するお尋ねのような指導は行われていないが、大蔵省は、従来から、変額保険を含め、生命保険全般につき、生命保険会社各社に対し、適正な保険募集を行うよう指導してきているところである。
変額保険は、保険数理に基づく生命保険であり、被保険者が死亡した場合には、最低保証としての基本保険金額が支払われるといった点において、投資信託とは異なる性格を有するものであると考えている。
変額保険の導入に際しては、お尋ねのような点を含めて、種々の検討が行われたところである。
変額保険がいわゆる証券規制の対象とされていないのは、変額保険は保険数理に基づく生命保険であり、有価証券としての取扱いにはなじまないものであるとされたことによるものである。
変額保険は、その積立金が特別勘定の資産運用の実績に応じて変動し、保険金額、解約返戻金額がその積立金額に応じて変動する仕組みとなっている。お尋ねの変額保険における自己責任とは、このような資産運用リスクを契約者が負担することを意味するものと考えられる。
変額保険については、「一の1の(3)について」において述べたとおり、銀行と保険会社の間での提携が行われていたとは承知していない。また、お尋ねの「連携」が具体的にどのようなものを指すのか必ずしも明らかではないが、いずれにしても、昭和六十三年の「口頭指導」に反するような保険募集が行われていたとは承知していない。
お尋ねの点は、銀行の行う行為の具体的内容等種々の要素を踏まえて判断していく必要があり、一概に結論を申し上げることは困難であると考えられる。