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答弁本文情報

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平成十一年三月十六日受領
答弁第五号

  内閣衆質一四五第五号
    平成十一年三月十六日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出残虐な刑罰に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出残虐な刑罰に関する質問に対する答弁書



一の(1)について

 死刑執行命令は、確定した刑事裁判の執行という刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定に基づく法務大臣の固有の職責であり、内閣総理大臣等に対し、事前にその報告等は行っていない。

一の(2)について

 死刑執行命令の書式は特に定められていないが、法務大臣は、特定の死刑確定者について死刑を執行するよう命じる書面に記名押印し、死刑の執行を命令している。

一の(3)、(5)及び(6)について

 死刑の執行に際しては、法務大臣は、常に省内関係部局をして判決及び確定記録の内容を十分精査せしめた上で、その報告を徴し、刑の執行停止、再審又は非常上告の事由の有無、恩赦を相当とする情状の有無等につき、個々の事案に応じて、十分な時間をかけて慎重に検討し、これらの事由等が存在しないことを確認した場合に、死刑執行命令を発している。

一の(4)について

 申し上げるまでもなく、死刑はその言渡しを受けた者の生命を断つ極刑であることから、その執行を命ずるに当たっては、いずれの法務大臣も、慎重な態度でこれに臨み、最終判断を下しているところである。法務大臣が死刑執行命令の決裁を拒んだことがあるかどうかを明らかにすることは、これにより、既に死刑を執行された者の遺族、死刑確定者やその家族等に対し、無用な誤解や不安感を与えることにもなりかねないので、答弁を差し控えたい。

一の(7)について

 調査した範囲では、現行の刑事訴訟法が施行されて間のないころには、法務大臣の死刑執行命令から五日以内に執行しなかった事例があったようであるが、その後は、刑事訴訟法第四百七十六条の規定に従って執行している。

二の(1)について

 死刑は、法令に従い適正に執行しているところであり、調査した範囲では、立会人を欠いた執行の事例はなく、また、検察官等が執行の立会いを拒んだ事例もない。

二の(2)について

 検察官及び検察事務官が死刑執行に立ち会うのは、死刑が法令に従い適正に執行されるよう監督するとともに、その執行を確認するためである。
 死刑執行には、執行を指揮した検察官の属する検察庁の検察官及び検察事務官が立ち会っている。

二の(3)及び(5)について

 調査した範囲では、御質問のような事例はない。

二の(4)について

 例えば、当該死刑確定者が宗教教誨を希望した場合の教誨師である。

三の(1)及び(2)について

 執行始末書は、死刑が法令に従い適正に執行されたことを明らかにするために作成されるものである。執行始末書は、執行を指揮した検察官の属する検察庁において保存されており、各庁においてその保存期間が定められているが、必ずしも永久保存とされているものではない。

三の(3)について

 調査した範囲では、御質問のような事例はない。

三の(4)について

 死刑は、法令に従い適正に執行しているところであり、調査した範囲では、執行始末書に検察官等の署名押印を欠いているものはなく、また、検察官等が執行始末書への署名押印を拒んだ事例もない。

三の(5)について

 執行始末書は、執行事務規程(平成六年法務省刑総訓第二百二十八号大臣訓令)にその書式が定められており、死刑の執行を受ける者の人定事項、執行の日、執行の場所、執行経過等執行の始末に関する事項等を記載することとされている。

三の(6)について

 法務大臣は、死刑執行後、速やかに省内関係部局から執行に関する詳しい報告を受け、自らが命じた死刑の執行が法令に従い適正に行われたことを確認しているところであり、執行始末書によって確認しているものではない。

四の(1)及び(3)から(5)までについて

 死刑の執行に際しては、法務大臣は、省内関係部局をして判決及び確定記録の内容を十分精査せしめるとともに、所要の調査を遂げ、刑の執行停止の事由の有無等について慎重に検討し、これらの事由等が存在しないことが確認された場合に、死刑の執行命令を発しており、昭和二十四年以降、心神喪失の状態にある者又は懐胎している女子に対し、死刑を執行した事実はない。

四の(2)、(7)及び(8)について

 個々具体的な死刑執行に関する事項については、答弁を差し控えたい。
 なお、一般論として申し上げれば、四の(1)及び(3)から(5)までについてでお答えしたとおり、法務大臣は、死刑の執行に際して、刑の執行停止の事由の有無等を慎重に検討しているので、死刑確定者が心神喪失の状態にあること又は懐胎していることが判明した場合には、執行停止を命じることとなる。また、刑事訴訟法第四百七十九条第三項は、「前二項の規定により死刑の執行を停止した場合には、心神喪失の状態が回復した後又は出産の後に法務大臣の命令がなければ、執行することはできない。」と規定しているので、心神喪失の状態が回復するなど死刑の執行停止事由がやんだ後は、法務大臣の命令により、執行することとなる。

四の(6)について

 昭和二十四年から平成八年までの年別の死刑執行者数は、死刑の執行などに関する質問に対する答弁書(平成十年一月十三日内閣衆質一四一第二一号)一の2についてでお答えしたとおりであり、平成九年の死刑執行者数は四名、平成十年の死刑執行者数は六名である。
 そのうち、死刑の執行を受けた女子は、昭和四十五年に二名、平成九年に一名である。

五の(1)及び(2)について

 死刑は、法令に従い適正に執行しているところであり、御質問のような事例はない。

五の(3)から(6)までについて

 個々具体的な死刑執行に関する事項については、答弁を差し控えたい。
 なお、一般論として申し上げれば、死刑は法令に従い適正に執行しているところであり、職員が違法な行為を行うことはない。

五の(7)について

 御質問のような措置は行っていないところであり、調査した範囲でも、そのような事例はない。

六の(1)について

 死刑は、法令に従い適正に執行しているところであり、昭和二十二年五月以降、大祭祝日、一月一日、同月二日及び十二月三十一日に死刑を執行した事例はない。

六の(2)について

 死刑は、法令に従い適正に執行しているところであり、調査した範囲では、御質問のような事例はない。

六の(3)について

 御指摘の法令の各条項は、監獄法施行規則(明治四十一年司法省令第十八号)第百七十七条第二項及び第三項を除き、いずれも適用し得る。

七について

 死刑執行をいつ行うかについては、答弁を差し控えたい。





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