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答弁本文情報

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平成十一年五月二十一日受領
答弁第三〇号

  内閣衆質一四五第三〇号
    平成十一年五月二十一日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出事務次官の適性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出事務次官の適性に関する質問に対する答弁書



一の(1)について

 「人格」とは、人柄や人品を意味するものであるが、これを客観的にはかる基準があるとは考えられない。また、「品性」は、基本的に「人格」と同じ意味を有するものとされている。

一の(2)について

 大蔵省の事務次官という重要な職責を有する役職には、おのずからそれにふさわしい人材を任用することとなると考える。

一の(3)について

 大蔵事務次官就任前に国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)に基づく懲戒処分又はこれに準ずる措置を受けた者は、以下の七名であり、いずれも監督責任を問われたものである。
 昭和五十四年十月二十九日付け
  処分当時 大臣官房長 松下康雄 「戒告」
  処分当時 主計局長 田中敬 「文書厳重注意」
  処分当時 大臣官房秘書課長 小粥正巳 「訓告」
  処分当時 主計局主計官 尾崎護 「文書厳重注意」
 平成二年八月十日付け
  処分当時 大臣官房審議官 小川是 「訓告」
 平成七年三月十三日付け
  処分当時 主計局長 篠沢恭助 「口頭厳重注意」
  処分当時 大臣官房長 小村武 「口頭厳重注意」
 平成七年九月八日付け
  処分当時 主計局長 小村武 「訓告」

一の(4)について

 大蔵省の事務次官には、その役職にふさわしい人材を任用するよう努めることとしたい。

一の(5)について

 過去の不祥事の反省に立ち、引き続き綱紀の厳正な保持を徹底するなど、行政に対する国民の信頼回復に向けて努力してまいりたい。

一の(6)について

 大蔵省においては、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)等関係法令に基づき予算編成事務を行っているものであり、今後とも、法令に基づき適切な予算編成に努めてまいりたい。

一の(7)について

 御指摘の社説にあるような事実は承知していない。なお、人事は任命権者の判断において行うべきものと考えており、御指摘の社説にあるようなことにより人事が左右されるものではないと認識している。

一の(8)及び(9)について

 御指摘の社説にあるような「官治」が現在横行しているとは認識していないが、国家公務員は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を深く自覚し、法令に従い、不偏不党かつ公正に職務の遂行に当たるべきものであると考えている。

一の(10)及び(11)について

 大蔵省における人事の基本は、同省がその任務を適切に果たしていくため、各人の能力、適性等を踏まえ、適材を適所に配置することにあると認識している。
 なお、大蔵省においては、過去の不祥事の反省に立ち、行政に対する国民の信頼回復に向けて努力していく必要があると考えている。

二の(1)について

 法務省の長たる法務大臣を助け、省務を整理し、同省各部局及び機関の事務を監督するという事務次官としての職務を遂行するために十分な能力と適性を備える必要があると考える。

二の(2)について

 法務省の事務次官という重要な職責を有する役職には、おのずからそれにふさわしい人材を任用することとなると考える。

二の(3)について

 二の(1)についてで述べた能力、適性を備えていたものである。

二の(4)について

 平成十年七月に中村前法務大臣が就任した際には、原田法務事務次官が、私費をもってお祝いのために酒を贈っている。
 それ以前の例については、法務大臣が交付したすべての場合について承知しているものではないが、同じような例もあったと承知している。

二の(5)について

 原田法務事務次官が、私費で購入した酒を陣内法務大臣に贈った行為は、私的なものである。
 右の酒は、法務省職員が、公務のために同大臣の参議院議員会館内の事務所に公用車を使用して赴いた際に、併せて持参した。

三の(1)及び(2)について

 国家公務員は、国家公務員法により、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべきこと、官職の信用を傷つけるような行為をしてはならないこと、一定の政治的行為をしてはならないこと等の服務義務が課されており、御指摘の政治家、大臣との関係等においても、これらの規定を遵守することが必要であると考える。

三の(3)について

 御質問の「指揮権」に関する件については、中村前法務大臣が、平成十年七月の就任後間もないころ、検事総長らに対し、検察官は、議院内閣制の下、国会の指名を受けた内閣総理大臣によって任命された法務大臣の指揮監督下にあることを認識して、国民のために職務を遂行するべきである旨述べたものと承知している。
 御質問の石垣島のリゾート施設に関する件については、同年八月二十九日、石垣島にホテルを持つ同大臣が他社の開発に待ったをかけた旨の報道がなされたため、同年九月一日ごろ、当該報道につき、同大臣が、報道関係者に説明をした後において、刑事局長を含む法務省幹部がいる席で、同大臣からその経過の説明がなされたものであるが、同大臣が、検事総長や刑事局長に対し、同リゾート施設に関する事件の捜査を促した事実はないものと承知している。
 御質問の顛末書に関する件については、同年十月二十七日、アーノルド・シュワルツェネッガー氏の上陸を特別に許可した際に、大阪入国管理局関西空港支局において同人から顛末書を徴し、同書面が同支局から法務省入国管理局へ送付された後、同局の担当課長が同書面を大臣室に持参し、その後、同書面が大臣室から同局に返されたものである。

三の(4)について

 御質問の調査については、内閣において調査を行い、その結果を参議院予算委員会に報告することとされたものの、その後、中村前法務大臣が、自らの言動をめぐり国会審議に重大な支障を来し責任を痛感しているとして辞任されたことから、政治家として最大の責任の取り方をされたものとして、同委員会理事会の御了解を得たものと承知している。

三の(5)から(7)までについて

 国家公務員は、国民全体の奉仕者としての自覚を持ち、国民の疑惑や不信を招くような行為を厳に慎むことが必要であると考える。
 しかるに、このような公務員の本分をわきまえない一部職員の不祥事により、行政と公務員に対する国民の信頼を傷つける結果となったことは、遺憾である。
 政府としては、不祥事の再発を防止するため、国家公務員の綱紀保持を徹底するとともに、議員立法として御提案いただいているいわゆる公務員倫理法案が成立した際には、その適正な運用に万全を期してまいりたい。





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