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答弁本文情報

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平成十一年九月七日受領
答弁第四二号

  内閣衆質一四五第四二号
    平成十一年九月七日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員佐藤謙一郎君提出マンションの外断熱に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員佐藤謙一郎君提出マンションの外断熱に関する質問に対する答弁書



1について

 内断熱(躯体の室内側に断熱材を施工することをいう。以下同じ。)の鉄筋コンクリート造の住宅において、断熱材と内装材との間に防湿層が適切に設けられていない場合には、冬期の暖房時に躯体と断熱材との境界付近に結露が起こることがあり、また、断熱材の厚みが不足する場合には、冬期の暖房時に室内の壁の表面に結露が起こることがある。
 また、外断熱(躯体の屋外側に断熱材を施工することをいう。以下同じ。)の鉄筋コンクリート造の住宅において、断熱材と外装材との間に空気層が適切に設けられていない場合には、冬期の暖房時に断熱材と外装材との境界付近に結露が起こることがあり、また、急激に室内温度が上昇した場合には、室内の壁の表面に結露が起こることがある。
 このように、施工の方法、温湿度等の条件により、内断熱と外断熱の結露の起こしやすさは異なるため、どちらが結露を起こしやすいかを一概に断定することは困難であると認識している。

2について

 鉄筋コンクリート造の住宅の躯体は熱容量が大きいため、室内温度の変化の影響を受けにくい。
 したがって、外断熱の住宅においては、躯体の屋外側に断熱材が存在するため室内温度が躯体の温度の影響を受けやすいことから、暖冷房の開始時に短時間に効果が現れにくく、終了時に効果が継続しやすい。
 一方、内断熱の住宅においては、躯体の室内側に断熱材が存在するため室内温度が躯体の温度の影響を受けにくいことから、外断熱の住宅と比較して、暖冷房の開始時に短時間に効果が現れやすく、終了時に効果が継続しにくい。
 このように、内断熱とするか外断熱とするかにより暖冷房の効果の現れ方は異なるが、どちらが効果が高いかを一概に断定することは困難であると認識している。
 なお、一般的に、熱橋(界壁等周囲の部分より熱が通りやすい躯体等の部分をいう。)による熱伝導の影響を低減する上では外断熱が有効な面があると認識している。

3について

 鉄筋コンクリート造の住宅の躯体は、温度変化、雨水等の影響により経年的に劣化するものであり、施工の方法、気候等の条件により劣化しにくさは異なるため、内断熱と外断熱のどちらが劣化しにくいかを一概に断定することは困難であると認識している。
 なお、一般的に、外気の温度の変化の影響に対して躯体の膨脹、収縮や水分の凍結による亀裂の発生を低減する上では外断熱が有効な面があると認識している。

4について

 御指摘の「ドイツとスウェーデンのコンクリートの住宅が石油ショック以降、ほとんどすべてが外断熱となっている」理由の詳細については承知していないが、北欧においては、寒冷な気候のため短時間の暖房を行うことが一般的ではないこと、外断熱の施工技術が既に定着していること等であると聞いている。





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