衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十一年九月十四日受領
答弁第五三号

  内閣衆質一四五第五三号
    平成十一年九月十四日
内閣総理大臣臨時代理
 国務大臣 野中広務

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員山本孝史君提出介護保険制度の施行準備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山本孝史君提出介護保険制度の施行準備に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 市町村等において介護保険の保険料が高額にならないよう配慮すべきであるとの要望があることは承知している。こうした要望への対応を含め、介護保険制度の円滑な実施のための対策の在り方については、平成十二年度予算の編成過程で検討してまいりたい。

三について

 御指摘の「介護保険事業計画におけるサービス量の見込み等の算出手順」(以下「算出手順」という。)は、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百十七条第一項の規定に基づく市町村介護保険事業計画を作成する際の参考となるよう、厚生省において、本年四月、都道府県及び市町村に対し、介護サービスの必要量及び同法第九条第一号に規定する第一号被保険者に係る保険料の基準額の見込み等を算出するための手順を示したものである。この算出手順に従って市町村が暫定的に算出した数値を基に、厚生省において、本年七月、平成十二年度から平成十四年度までの三年間の第一号被保険者に係る保険料の基準額の全国平均値を暫定的に取りまとめたところ、一か月当たり二千八百八十五円であった。
 お尋ねの平成十五年度からの第一号被保険者に係る保険料の基準額の見込みについては、介護保険法施行後の実績等を踏まえて正確を期すべきものと考えているため、現時点では推計を行っていない。

四について

 市町村が算出手順に従って暫定的に算出した平成十二年度から平成十六年度までの介護サービスの量の見込みについては、厚生省において本年九月末を目途に中間的に取りまとめる予定であり、現在、都道府県を中心に必要な精査を行っている。したがって、中間的に取りまとめた時点で、介護保険施設の種類ごとの必要入所定員総数の見込みを明らかにしたい。

五について

 介護保険制度においては、市町村は、要介護者等の実態調査を実施し、将来の介護サービスの必要量を見込んで、市町村介護保険事業計画を作成するとともに、都道府県は、市町村との調整を図った上で、当該都道府県が定める区域ごとに当該区域における各年度の介護保険施設の種類ごとの必要入所定員総数その他の介護サービスの量の見込み等を定める都道府県介護保険事業支援計画を作成することとされており、これらの計画に基づき、介護サービスの供給体制が整備されることとなる。政府としては、平成十二年度以降の特別養護老人ホーム等の整備については、市町村介護保険事業計画及び都道府県介護保険事業支援計画に盛り込まれた介護サービスの量の見込み等を基に、適切に対応してまいりたい。

六について

 都道府県知事は、介護保険法第百七条第四項の規定に基づき、療養型病床群等を有する病院又は診療所の開設者から指定介護療養型医療施設の指定の申請があった場合において、都道府県介護保険事業支援計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときには、当該指定をしないことができることとされている。都道府県介護保険事業支援計画の策定に際しては、介護保険施設の種類ごとの入所定員総数の均衡の確保等に配慮することが肝要であることから、厚生省においては、平成十一年五月、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成十一年五月厚生省告示第百二十九号)を策定し、介護保険施設の種類ごとの利用者の数の見込みを定めるに当たって参酌すべき標準等を示したところである。
 また、指定介護療養型医療施設の介護報酬については、現行の医療保険制度における療養型病床群等の診療報酬の単価による六月以上の入院患者に係る平均的な費用の水準等を踏まえて設定するという考え方に基づき、本年八月仮の単価を公表したところであり、今後、介護報酬に関する実態調査等を踏まえて更に検討を進めていく考えである。

七について

 現行制度下における介護サービスの供給体制の整備については、新・高齢者保健福祉推進十か年戦略(新ゴールドプラン)に基づき、着実な推進を図っているところであり、その進ちょく状況は、地域による差はあるが、全国的にはおおむね順調であると承知している。なお、政府としては、介護保険制度の円滑な施行のため、本年十月から実施される予定の要介護認定の結果を踏まえ、現に介護サービスを必要とする者には現行制度下において可能な対応を行うよう市町村に要請しているところであり、この要請を踏まえ、市町村において適切な対応がなされていくものと考えている。

八について

 要介護認定等を適切に実施する上で、要介護者等の心身の状況等の調査に従事する者の資質の向上が不可欠であることから、都道府県において、これらの者を対象とした調査の実施方法等に関する研修が行われるよう、政府としてもその推進を図っているところである。

九について

 介護サービスに対する苦情は、介護サービスを提供する事業者又は施設(以下「サービス提供事業者等」という。)のほか、市町村又は国民健康保険団体連合会においても受け付けられるとともに、市町村又は国民健康保険団体連合会は、必要がある場合は、当該サービス提供事業者等に対し、介護サービスの改善に努めるよう指導及び助言を行うものとされている。
 横浜市の福祉調整委員会や東京都板橋区の介護保険苦情相談室は、住民からの福祉サービス等に関する苦情を受け付け、必要がある場合にはサービス事業者等に改善を求めること等を行う機関であると承知しているが、政府としては、各市町村による介護サービスの評価を含めた介護サービスの質を確保するための様々な施策に対し、必要な助言を行ってまいりたい。

十について

 高齢者が寝たきりの状態になることを予防するため、「新寝たきり老人ゼロ作戦総合推進事業の実施について」(平成十年三月三十一日付け老発第二百二十八号厚生省老人保健福祉局長通知)に基づき、衛生主管部(局)長、民生主管部(局)長、市町村長、保健所長、福祉事務所長、教育委員会、医師会、看護協会、地域住民組織、老人クラブ等の代表者、保健婦(士)、報道関係者及びその他事業の推進に必要と認められる者を構成員とする「寝たきりゼロ推進本部」を都道府県に設置するよう推進しているところである。また、同本部の事務局は都道府県に置かれ、同本部の長は都道府県の実態に即して任命され、同本部の会合はおおむね一年に一回から三回程度開催されているものと承知している。

十一について

 高齢者が要介護状態になることを予防することが今後ますます重要となるものと考えており、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)に基づく医療等以外の老人保健事業の一層の推進を図るため、平成十二年度には新たに第四次老人保健事業計画を策定するとともに、高齢者の生きがい及び健康づくりに関する施策を推進してまいりたいと考えているが、お尋ねの新たな「寝たきり老人ゼロ作戦」の策定については、現在の「寝たきり老人ゼロ作戦」の実施状況等を踏まえつつ、検討してまいりたい。
 なお、高齢者の保健又は介護にかかわる専門職種の人材の確保については、都道府県が策定する老人保健福祉計画及び介護保険事業支援計画において必要な事項を定めることとされている。





経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.