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平成十一年九月十日受領
答弁第五五号

  内閣衆質一四五第五五号
    平成十一年九月十日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出在日ビルマ人襲撃事件と人権政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出在日ビルマ人襲撃事件と人権政策に関する質問に対する答弁書



一について

 我が国は、ミャンマー連邦(以下「ミャンマー」という。)における人権状況及び民主化の進展状況を懸念しており、状況の改善には、同国政府とアウン・サン・スー・チー女史を含む国民民主連盟との対話が重要であると認識している。このような観点から、我が国は、国際社会と協調しつつ、ミャンマーに民主化と人権状況の改善を求め、対話の実施を粘り強く働き掛けていく所存である。

二について

 本年八月十六日付け在京ミャンマー大使館口上書により、キン・マウン・テイン在京ミャンマー大使が同年七月三十日に離任した旨の通報を受けているところであるが、その理由に関する詳細な事実関係については承知していない。

三について

 本年五月二十三日(日曜日)午後六時ごろ、在京ミャンマー大使館員から、外務省アジア局南東アジア第一課所属のミャンマー担当事務官所有の携帯電話に連絡が入り、「現在、日本教育会館において警察当局とのやり取りを行っているが、コミュニケーションがうまくとれないので通訳をしてほしい。」との申出があり、これを受けた同事務官が電話で通訳を行ったがうまくいかず、同館員及び警視庁神田警察署員から、現場において通訳を行ってもらえないかとの申出が更にあったため、同事務官は、同日午後六時三十分過ぎ、日本教育会館に赴き、ミャンマー語を解する一個人としての立場で、在京ミャンマー大使館関係者と警視庁神田警察署関係者との間の通訳を行ったものである。
 外務省の職員がその語学力を活用し、一個人としての立場でボランティアで通訳を行うことは一般的にあり得るものであり、そのような場合の一つとして、捜査当局が外国人と何らかのやり取りを行う場面で通訳を行うことも一般的には排除されないのであって、同事務官が公務外に右のような行動をとったことは不適切なものではなかったと考える。

四について

 外交関係に関するウィーン条約(昭和三十九年条約第十四号。以下「外交関係ウィーン条約」という。)に規定する特権及び免除を享有する外交官及びその家族には、外交関係ウィーン条約第四十一条により、接受国の法令を尊重する義務が課されている。
 右義務にもかかわらず、これらの者が、我が国の刑罰法令に触れる行為を行った場合には、特権及び免除を害しない範囲で、任意の事情聴取に応じるよう求める等の措置をとることとしている。
 また、必要に応じ、派遣国に対して、事案の重大性に応じた適切な対応がとられるよう外交ルートを通じて申入れを行うこととしている。

五について

 外交関係ウィーン条約に規定する身体の不可侵、住居の不可侵等の特権及び免除を享有する外交使節団の構成員及びその家族については、仮にこれらの者が我が国の刑罰法令に触れる行為を行った場合であっても、これらの者を逮捕し、その住居を捜索する等の刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)上の強制処分を行うことはできない。

六について

 外務省が、警察庁の要請に基づき、派遣国に対して、外交関係ウィーン条約に規定する特権及び免除を享有する大使館の職員に対する任意の事情聴取についての協力を求めたことや、外交関係ウィーン条約を踏まえたその他の適切な対応を求めたことはある。

七について

 外務省としては、御指摘の事件の捜査状況については、現在のところ把握しておらず、捜査当局の捜査の結果を待って、対応を検討していくこととなる。
 なお、現場において通訳を行った事務官からは、現場の大まかな状況についての報告を受けているが、その内容は捜査にかかわるものであることから、答弁は差し控えたい。

八及び九について

 御指摘の事件については、現在、捜査当局において、真相解明のため、法令の定めるところに従い、鋭意捜査しているところであると承知している。

十について

 我が国は、ミャンマーにおける人権状況及び民主化の進展状況を懸念しており、ミャンマーに民主化と人権状況の改善を粘り強く求めているところであるが、このような外交的立場のいかんにかかわりなく、政府としては、在日ミャンマー人を含む在日外国人の人権擁護に努め、また、その身体の保護については、その人種、信条、社会的身分等にかかわらず公平中正に行っているところである。

十一について

 御指摘の事件の捜査は、捜査当局において、法令の定めるところに従い、公平中正に行われているものと承知している。





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