答弁本文情報
平成十一年十二月十日受領答弁第五号
内閣衆質一四六第五号
平成十一年十二月十日
衆議院議長 伊※(注)宗一郎 殿
衆議院議員谷口隆義君提出中小企業金融安定化特別保証制度における「通信業」への融資の保証に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員谷口隆義君提出中小企業金融安定化特別保証制度における「通信業」への融資の保証に関する質問に対する答弁書
一、三及び八について
中小企業信用保険法施行令(昭和二十五年政令第三百五十号)第一条第一項各号に規定されている中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)の対象業種については、当該業種に属する中小規模の事業者の数、その資金需要等当該業種の実態に関し、事業者及び事業者団体の意見を踏まえつつ、関係する省庁間で協議の上、見直しを行ってきたものである。
御指摘の「通信業」については、法令上、その定義を定めたものはないが、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)に基づく「電気通信事業」は、電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業であり、「第一種電気通信事業」及び「第二種電気通信事業」に分類される。「第一種電気通信事業」は、電気通信回線設備を設置して電気通信役務を提供する事業であり、「第二種電気通信事業」は、それ以外の「電気通信事業」であって、インターネット接続サービスやボイスメールサービスを提供する事業が含まれる。また、平成十一年十月一日現在で、第一種電気通信事業者の数は二百十三、第二種電気通信事業者の数は七千百二十六となっており、電気通信事業者全体では七千三百三十九となっている。
近年、インターネットの普及等により、中小規模の事業者が多い第二種電気通信事業者の数が増加している。一方、民間金融機関の貸出しは依然低調であり、電気通信事業についても他の業種と同様、資金調達を行うことは必ずしも容易ではないと推察される。
このようなことから、電気通信事業を中小企業信用保険法の対象業種に追加することについて関係省庁間の検討を進め、早急に結論を得てまいりたい。
郵政省においても、現状を一、三及び八についてで述べたとおり認識しているところであり、現在、電気通信事業を中小企業信用保険法の対象業種に追加することについて中小企業庁と共に検討しているところである。
「経済構造の変革と創造のための行動計画」(平成九年五月十六日閣議決定)において、「移動体通信やインターネット等が最近急速な普及を見せている電気通信事業は、社会経済のあらゆる分野での情報通信ニーズの顕在化とともに、事業者間の競争環境の整備等により引き続き成長していくことが見込まれる。」としており、政府としても情報通信関連分野を新規・成長十五分野の一つとしていることからも明らかなように、電気通信事業は成長産業であると認識している。
政府としては、インターネット接続サービスを今後成長する分野であると認識しており、「経済新生対策」(平成十一年十一月十一日経済対策閣僚会議決定)においてもインターネットとの接続に係る施策が盛り込まれているところである。一、三及び八についてで述べたとおり、インターネット接続サービスを含む電気通信事業を中小企業信用保険法の対象業種に追加することについて検討しているところである。
政府は、インターネット・サービス・プロバイダに対し、日本政策投資銀行等を通じた低利融資制度による支援を行っている。具体的には、インターネット・サービス・プロバイダは電気通信事業法上の電気通信事業者に該当し、日本政策投資銀行等において、電気通信事業者が電気通信役務を提供するための施設・設備等を整備するための資金に対する低利融資制度を設けている。また、中小のインターネット・サービス・プロバイダは、その多くが第二種電気通信事業者であり、この低利融資制度の中で、特に、第二種電気通信事業者が行う過疎地等におけるインターネット・アクセス拠点の整備に対する融資に関しては、他の融資に比して優遇した金利区分を適用することとしている。このように、インターネットの普及に向け、インターネット・サービス・プロバイダに対する支援をこれまでも講じてきているところである。
政府としては、今後とも、中小のインターネット・サービス・プロバイダを含む電気通信事業者に対し、所要の支援に努めてまいりたい。