衆議院

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平成十二年四月四日受領
答弁第七号

  内閣衆質一四七第七号
  平成十二年四月四日
内閣総理大臣臨時代理
 国務大臣 青木幹雄

       衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員伊藤茂君提出北富士演習場地区に係わる林野雑産物損失補償金の支出に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員伊藤茂君提出北富士演習場地区に係わる林野雑産物損失補償金の支出に関する質問に対する答弁書



一について

 林野雑産物補償は、アメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)による演習場等としての使用開始時まで継続的に林野雑産物を採取し農業経営の一助としていた者が、米軍による演習場等としての使用によりその採取が阻害され損失を被ったという事案が各地にあり、関係市町村長等から政府に対し、被害に対する適切な救済措置を講ずるよう要請があったことも踏まえ、調達庁において、「占領期間中ニオケル林野関係雑損失補償要領」及び「林野特産物損失補償額算定基準」を制定し、昭和二十七年度から行っているものである。
 こうした状況の中、北富士演習場についても、昭和二十八年三月、山梨県南都留郡忍野村忍草区長から、林野雑産物の採取が阻害されている者の委任状を付して横浜調達局長に林野雑産物補償の申請があり、昭和二十八年八月、同区長と損失補償契約を締結し、昭和二十五年四月から昭和二十七年四月までの補償金を支払ったものである。その後においても、林野雑産物の採取が阻害されている者から委任を受けた忍草入会組合長と損失補償契約を締結し、補償金を支払ってきたところであり、また、昭和四十八年四月に自衛隊の演習場となった後は、同区住民を含む林野雑産物の採取が阻害されている者から委任を受けた北富士演習場対策協議会会長と損失補償契約を締結し、補償金を支払ってきている。
 なお、昭和十三年までに旧陸軍が北富士演習場用地の買収を完了したこと、昭和十六年に旧陸軍が同演習場における雑粗だ等の採取を許可したこと、昭和二十年十月に同演習場が米軍により接収されたことについては、御指摘のとおりである。

二について

 林野雑産物補償は、現在自衛隊又は米軍が演習場等として使用している林野において、米軍の使用開始時まで継続的に林野雑産物を採取していた者で、その演習場等に立ち入って林野雑産物を採取する農業経営上の必要性が存続し、かつ、その演習場等への立入制限等によりその演習場等における林野雑産物の採取が阻害されている事実があるものを対象とし、その者の申請に基づき、その阻害の程度に応じて、行政措置として行っているものである。
 なお、御指摘の覚書の規定の趣旨は、補償申請者は所属入会組合長を通じ北富士演習場対策協議会会長に委任すること等の補償の申請等の手続について、防衛施設庁と北富士演習場対策協議会との間において協議されたところによるとしたものであり、この覚書によって林野雑産物補償の要件が変更されたものではない。したがって、要件に該当しないにもかかわらず、入会権を主張しない者や北富士演習場対策協議会の言い分に従う者だけに林野雑産物補償金が支払われているとの御指摘は当たらない。

三の1について

 林野雑産物の損失補償額については、当初から、補償の申請者ごとに、耕地面積、牛馬飼育頭数、粗だ使用施設の台数、家族数、演習場等以外の採取地の面積等農業経営の実態を把握し、その資料を基に算定してきたところであり、現在も同様の方法により算定しているところである。

三の2、3及び5について

 北富士演習場については、昭和五十年当時においても、野草は飼料、堆肥及び牛馬飼育時の敷料として、また、粗だは燃料及び野菜栽培時の支柱として引き続き採取する農業経営上の必要性があるとし、林野雑産物補償の申請があり、横浜防衛施設局において、申請者ごとに、耕地面積、牛馬飼育頭数、粗だ使用施設の台数、家族数、演習場以外の採取地の面積等農業経営の実態の調査を行い、林野雑産物を採取する農業経営上の必要性が存続し、かつ、立入制限等により林野雑産物の採取が阻害されていると認められた場合に、補償を行ったところである。したがって、昭和五十年当時、既に野草を必要とする農業経営は存在せず、林野雑産物補償の申請者には既に受給資格がなくなっていた、また、田畑を全く耕作しておらず林野雑産物補償の対象者となり得ない者に対して入会団体の一員だというだけで林野雑産物補償金を支出していた等の御指摘は当たらない。
 また、二についてで述べた林野雑産物補償の要件を備えている者である限り、現実に立入許可日に演習場等に立ち入って林野雑産物の採取を行っていなくても、林野雑産物補償の対象となり得るものである。なお、補償額の算定に当たっては、立入許可日は原則として立入りがなされて林野雑産物の採取が行われたものとして取り扱うこととし、補償の対象から除いているところである。

三の4について

 北富士演習場の林野雑産物補償金については、横浜防衛施設局長において、補償申請者の復代理人である北富士演習場対策協議会会長と損失補償契約を締結し、支出しているところである。昭和五十二年五月、富士吉田市新屋入会組合所属の補償申請者の一部から横浜防衛施設局長に対し、昭和五十年度分の補償金を返還するとして現金が送付されてきたため、横浜防衛施設局長において、同月、契約の復代理人である北富士演習場対策協議会会長に対し、当該申請者及び代理人である新屋入会組合長と円満に解決するよう依頼するとともに、当該送付のあった金員を返還したところである。
 また、御質問の十六名が昭和四十八年度分及び昭和四十九年度分の補償金を自治会に寄附したとの新聞報道等があることは承知しているが、当該十六名に係る林野雑産物補償については、上吉田松山入会組合長等を通じて行われた申請に基づき、三の1についてで述べたところにより調査確認の上、補償金を支払ったものである。

四の1について

 御質問の資料については、公にしないとの条件で提供されたものであり、また、当該資料を公表することとした場合には、地元に混乱を生じさせ、ひいては北富士演習場の安定的使用を損なうおそれがあるので、当該資料の公表については差し控えるべきものと考えている。

四の2について

 昭和五十三年六月、会計検査院の職員が北富士演習場が所在する山梨県に赴き関係者から事情を聴取するとともに、横浜防衛施設局の検査を実施したところである。
 また、防衛施設庁は、林野雑産物補償金の支出について、会計検査院から違法、不当との指摘は受けていない。

四の3について

 北富士演習場については、現在においても、昭和五十年当時と同様に、野草及び粗だを引き続き採取する農業経営上の必要性があるとし、林野雑産物補償の申請があり、横浜防衛施設局において、申請者ごとに、耕地面積、牛馬飼育頭数、粗だ使用施設の台数、家族数、演習場以外の採取地の面積等農業経営の実態の調査を行い、林野雑産物を採取する農業経営上の必要性が存続し、かつ、立入制限等により林野雑産物の採取が阻害されていると認められる場合に、補償を行っているところである。

五の1について

 北富士演習場の林野雑産物補償金の平成九年度支出額は一億千四百九十九万二千六百八十九円であり、昭和二十八年度から平成九年度までに支出した総額は十八億六千百五十八万八千三百七十円である。
 なお、御指摘の一億二千八十五万五千四百九十四円は、平成十年度支出額である。

五の2について

 現在では、林野雑産物を採取する農業経営上の必要性は、実態として皆無となっている等との御指摘については、現在においても、四の3についてで述べたとおり、申請があった者について、農業経営の実態の調査を行い、林野雑産物を採取する農業経営上の必要性が存続し、かつ、立入制限等により林野雑産物の採取が阻害されていると認められる場合に、補償を行っているところである。
 政府としては、林野雑産物補償について、その要件を備えているかどうかを判断するため、今後とも、農業経営の実態の調査を適切に実施してまいりたいと考えている。



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