細田衆議院議長(国土緑化推進機構会長)は、令和5年6月4日に岩手県陸前高田市で行われた第73回全国植樹祭において、大会会長として次のとおり挨拶を述べ、記念植樹等を行いました。
天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、第七十三回全国植樹祭を開催するに当たり、主催者として御挨拶を申し上げます。
平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらしました。改めて、亡くなられた方々に哀悼の誠を捧げますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
天皇皇后両陛下におかれましては、本大会の開催に際し、四年ぶりに全国植樹祭の会場への御臨席を賜りますことを、大会会長としてまことにありがたく存じます。
秀峰・岩手山や八幡平をはじめとする雄大な山々、起伏に富んだリアス海岸など、多様な自然に恵まれたここ岩手県での開催は、昭和四十九年の現・八幡平市に続き、四十九年ぶりとなります。現在、本県には、御所野遺跡、平泉、橋野鉄鉱山の三つの世界遺産があり、いずれも豊かな森の恵み、木材や木炭の活用など、先史時代から近代に至るまで、我々の暮らしと森林との深いつながりを思い起こさせるものとなっています。また、現在においても、日本一の生産量を誇る生漆は伝統文化として継承され、県の木でもあるナンブアカマツは国民の暮らしを支えており、森と木と人々との営みは絶えることなく続いております。
本年、ここ陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園における大会は、「緑をつなごう 輝くイーハトーブの森から」を大会テーマとしております。岩手県を代表する作家であり、多くの人が親しんでいる宮沢賢治のこの理想郷を思い描きながら、本大会が森林と人間のより豊かな将来を築いていく契機となればと願っております。
この度、栄えある表彰を受けられる方々に対し、心より敬意を表しお慶びを申し上げます。また、御参集の皆様には、今後とも緑化の推進に一層の御尽力をお願い申し上げます。
結びに、本大会を通じ、森林の果たす役割が広く国民に理解され、美しく豊かな緑が未来に継承されていくことを切に願うとともに、大会開催のために力を尽くされた岩手県の皆様をはじめ関係者の方々に厚く御礼を申し上げ、御挨拶といたします。
令和五年六月四日