衆議院

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第一五三回

衆第二二号

   商業広告に係る電子メール通信の適正化に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、商業広告に係る電子メール通信の実状にかんがみ、商業広告に係る電子メール通信を適正化するための措置を講ずることにより、高度情報通信ネットワーク社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「電子メール通信」とは、一又は複数の電気通信網と複数の利用者から構成される通信形態で、利用者が文章その他の情報を、電気通信網の蓄積・交換機能を利用して、目的の利用者に送り届ける通信をいう。

2 この法律において「電子メール」とは、電子メール通信において伝送される情報の集合物で、電子メール通信網(電子メール通信を行うために、蓄積・交換機能を実現する電気通信網をいう。以下同じ。)が蓄積・交換機能を実現するために必要なあて先その他の制御情報及び利用者から目的の利用者に送り届けられる情報から構成されるものをいう。

3 この法律において「特定商業広告メール」とは、商品又は役務の取引の事業を行う者(以下「事業者」という。)が当該取引に係る商品又は役務の内容その他これらの取引に関する事項について広告する電子メールであって、受信者の同意なく又は要請に基づかずに送信されるものをいう。

4 この法律において「電子メールアドレス」とは、電子メール通信において利用者を識別するために割り振られる文字、数字又は符号の組合せであって、電子メール通信網を識別する部分及び当該電子メール通信網における特定の利用者を識別する部分から構成されるものをいう。

5 この法律において「伝送経路情報」とは、電子メール通信において電子メールが伝送される経路を示す情報をいう。

 (特定商業広告メールであることの表示)

第三条 事業者は、特定商業広告メールの送信(他人に委託してする場合を含み、他人に委託されてする場合を除く。以下同じ。)をするに当たっては、当該特定商業広告メールに、総務省令で定めるところにより、特定商業広告メールであることを示す文字を表示しなければならない。

 (特定商業広告メールの送信の拒絶方法等の表示)

第四条 事業者は、特定商業広告メールの送信をするに当たっては、当該特定商業広告メールに、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を表示しなければならない。

 一 当該事業者の氏名又は名称、住所及び電子メールアドレス

 二 以後の当該事業者の特定商業広告メールの送信を拒絶することができる旨及びその方法

 三 その他総務省令で定める事項

 (送信を拒絶している者に対する送信の禁止)

第五条 事業者は、特定商業広告メールの送信を拒絶する旨の意思を当該事業者に表示した者に対して、当該特定商業広告メールの送信をしてはならない。

 (虚偽の電子メールアドレス又は虚偽の伝送経路情報の使用の禁止)

第六条 事業者は、特定商業広告メールの送信をするに当たっては、電子メールの制御情報として、虚偽の電子メールアドレス又は虚偽の伝送経路情報を使用してはならない。

 (電子メールに係る電気通信役務の提供の拒否)

第七条 第一種電気通信事業者(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第十二条第一項に規定する第一種電気通信事業者をいう。)は、電子メールに係る電気通信役務(同法第二条第三号に規定する電気通信役務をいう。以下同じ。)の提供により自己の電気通信設備(同条第二号に規定する電気通信設備をいう。)の機能に障害を与える場合には、当該電子メールに係る電気通信役務の提供を拒むことができる。

 (罰則)

第八条 第五条又は第六条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第三条の規定に違反した者

 二 第四条の規定に違反して、同条各号に掲げる事項の表示をせず、又は虚偽の表示をした者

第十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

   附 則

 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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