衆議院

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第一五四回

参第四号

   国の行政機関の職員等の営利企業等への就職の制限等に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、国の行政機関の職員並びに政府関係特殊法人の役員及び職員について、その離職後、国の行政機関又は政府関係特殊法人と密接な関係にある営利企業等の地位に就くことの制限、営利企業等の地位との兼職の禁止等の措置を定めることにより、国の行政機関の業務の公正な執行及び政府関係特殊法人の業務の適正な運営の確保を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「国の行政機関の職員」とは、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人の職員を除く。)並びに国家公務員法第二条第三項第三号から第八号まで、第十号、第十一号及び第十六号に掲げる職員(同項第五号、第六号から第七号の二まで及び第十一号に掲げる職員にあっては、国会議員でない者をもって充てられたものに限る。)をいう。

2 この法律において「政府関係特殊法人」とは、次に掲げる法人(独立行政法人(独立行政法人通則法第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。第四項において同じ。)を除く。)をいう。

 一 法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人

 二 前号に掲げるもののほか、法律の規定によりその役員の全部若しくは一部を主務大臣が任命し、又はその役員の全部若しくは一部の任命について主務大臣の認可を要するものとされる法人

3 この法律において「認可法人」とは、特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を受けた法人(政府関係特殊法人を除く。)をいう。

4 この法律において「外郭団体」とは、その行う業務が国の行政運営と密接な関連を有するものとして政令で定める法人又は団体(独立行政法人、政府関係特殊法人及び認可法人を除く。)をいう。

5 この法律において「営利企業」とは、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業をいう。

6 この法律において「業者団体」とは、営利企業を営む会社その他の団体を主たる構成員とし、その共通の利益を増進することを主たる目的とする団体又はその連合体をいう。

 (就職の制限)

第三条 国の行政機関の職員並びに政府関係特殊法人の役員及び職員(以下「国の行政機関の職員等」という。)は、その離職後、政府関係特殊法人、認可法人、外郭団体、営利企業又は業者団体の地位(以下「営利企業等の地位」という。)で、その離職前五年間に在職していた国の行政機関又は政府関係特殊法人のうち政令で定めるものと監督関係、契約関係その他の密接な関係にあるものに就くことを承諾し、又は就いてはならない。

2 前項の規定は、国の行政機関の職員等(国の行政機関の職員のうち事務次官、局長その他これらに準ずるものとして政令で定める官職にある職員及び政府関係特殊法人の役員を除く。)が、政令で定める基準に従い行う任命権者(国家公務員法第五十五条第一項の規定その他の法律の規定により任命権を有する者をいう。以下同じ。)(政府関係特殊法人の職員にあっては、主務大臣。次項において同じ。)の承認を受けた場合には、適用しない。

3 任命権者は、前項に規定する承認を行い、又は行わないこととする場合には、国家公務員離職者就職等審査会に付議し、その議決に基づいて行わなければならない。

 (兼職等の禁止)

第四条 国の行政機関の職員等は、営利企業若しくは業者団体の役員若しくは顧問の地位その他これらに相当する地位に就き、又は自ら営利企業を営んではならない。

2 前項の規定は、国の行政機関の職員等が、政令で定める基準に従い行う任命権者(政府関係特殊法人の役員及び職員にあっては、主務大臣。次項において同じ。)の承認を受けた場合には、適用しない。

3 前条第三項の規定は、任命権者が前項に規定する承認を行い又は行わないこととする場合について準用する。

 (政府関係特殊法人の役員の任命等)

第五条 政府関係特殊法人の役員の任命又は当該役員の任命に係る認可に当たっては、当該政府関係特殊法人の役員の数の一定割合以上のものが、国の行政機関の職員の経歴を有する者で政令で定めるものによって占められることとなってはならない。

2 前項に規定する一定割合は、当分の間、三分の一とする。

3 政府関係特殊法人の職員の任用に当たっては、当該政府関係特殊法人の職員のうち政令で指定する地位にある者の数の一定割合以上のものが、国の行政機関の職員の経歴を有する者で政令で定めるものによって占められることとなってはならない。

4 前項に規定する一定割合は、当分の間、四分の一とする。

5 政府関係特殊法人の役員の任命又は当該役員の任命に係る認可に当たっては、政府関係特殊法人の役員の経歴を有する者が、当該役員の地位に就くこととなってはならない。

6 前項の規定は、政府関係特殊法人の役員の経歴を有する者が、政令で定める基準に従い行う主務大臣の承認を受けた場合には、適用しない。

7 第三条第三項の規定は、主務大臣が前項に規定する承認を行い又は行わないこととする場合について準用する。

 (役員の給与等の支給基準)

第六条 政府関係特殊法人の役員が受ける給与及び退職手当の支給の基準は、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の適用を受ける国家公務員の給与及び退職手当の例に準じて定められるものとする。

 (国会への報告)

第七条 内閣は、毎年、遅滞なく、国会に対し、前年において任命権者又は主務大臣が行った次の各号に掲げる承認の処分に関し、それぞれ当該各号に掲げる事項その他必要な事項を報告しなければならない。

 一 第三条第二項の承認の処分 承認に係る者が離職前五年間に在職していた同条第一項の国の行政機関又は政府関係特殊法人のうち政令で定めるものにおける官職等、承認に係る営利企業等の地位及び承認をした理由

 二 第四条第二項の承認の処分 承認に係る者が承認の時に在職していた国の行政機関又は政府関係特殊法人における官職等、承認に係る同条第一項に規定する地位(自ら営利企業を営むことに係る承認の処分にあっては、当該営利企業の事業の内容)及び承認をした理由

 三 第五条第六項の承認の処分 承認に係る者が有する政府関係特殊法人の役員の経歴、承認に係る政府関係特殊法人の役員の地位及び承認をした理由

 (罰則)

第八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 一 第三条第一項の規定に違反して営利企業等の地位に就いた者

 二 第四条第一項の規定に違反した者

   附 則

1 この法律は、別に法律で定める日から施行する。

2 国家公務員離職者就職等審査会の設置及びこの法律の施行に伴い必要な経過措置、関係法律の整備その他必要な事項については、別に法律で定める。

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