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第一六一回

衆第一四号

   金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の一部を改正する法律案

 金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律(平成十四年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

 題名を次のように改める。

   金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律

 第一条中「措置」の下に「並びに預貯金通帳等を譲り受ける行為等についての罰則」を加え、「及び第五十五条」を削り、「並びに」を「及び」に改め、「促進」の下に「並びに預金口座等の不正な利用の防止」を加える。

 第十六条の次に次の一条を加える。

第十六条の二 他人になりすまして金融機関等との間における預貯金契約(預金又は貯金の受入れを内容とする契約をいう。以下同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、当該預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報その他金融機関等との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるために必要なものとして政令で定めるもの(以下「預貯金通帳等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、五十万円以下の罰金に処する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。

2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。

3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。

 第十七条第三号中「前条」を「第十六条」に、「本条」を「同条」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、附則第三条の規定は信託業法(平成十六年法律第▼▼▼号)の公布の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から、附則第四条の規定は金融先物取引法の一部を改正する法律(平成十六年法律第▼▼▼号)の公布の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から、附則第五条の規定は日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律(平成十六年法律第▼▼▼号)の公布の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

 (地方自治法等の一部改正)

第二条 次に掲げる法律の規定中「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」を「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」に改める。

 一 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)別表第一金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律(平成十四年法律第三十二号)の項

 二 商品取引所法の一部を改正する法律(平成十六年法律第四十三号)附則第二十九条(見出しを含む。)

 三 株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(平成十六年法律第八十八号)附則第十三条及び第百二十七条(見出しを含む。)

 四 証券取引法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第九十七号)第十条(見出しを含む。)

 五 金融庁設置法(平成十年法律第百三十号)第八条及び第二十条第一項

 (信託業法の一部改正)

第三条 信託業法の一部を次のように改正する。

  附則第百五条(見出しを含む。)及び第百六条(見出しを含む。)中「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」を「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」に改める。

 (金融先物取引法の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 金融先物取引法の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。

  附則第四十一条(見出しを含む。)中「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」を「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」に改める。

 (日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律の一部改正)

第五条 日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律の一部を次のように改正する。

  第七条(見出しを含む。)中「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」を「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」に改める。


     理 由

 インターネット等を通じて売買された他人名義の預金口座等を不正に利用した詐欺等の犯罪行為が多発している現状にかんがみ、預貯金通帳等を譲り受ける行為等についての処罰規定を設ける必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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