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第一六三回

衆第一〇号

   障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案

 (身体障害者福祉法の一部改正)

第一条 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)の一部を次のように改正する。

  第五条第三項中「訓練」の下に「(就労移行支援(就労を希望する身体障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。以下同じ。)及び就労継続支援(通常の事業所に雇用されることが困難な身体障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。以下同じ。)を含む。)」を加え、同条第五項中「訓練」の下に「(就労移行支援及び就労継続支援を含む。)」を加える。

  第十条の次に次の一条を加える。

  (公共職業安定所との連携)

 第十条の二 都道府県は、身体障害者の雇用の促進について前条第一項第一号に掲げる業務を行うに当たつては、公共職業安定所との連携を図らなければならない。

  第二十一条の四中「よう努めなければならない」を「ものとする」に改める。

  第二十九条及び第三十一条中「訓練」の下に「(就労移行支援及び就労継続支援を含む。)」を加える。

  第三十五条第三号の次に次の一号を加える。

  三の二 第二十一条の四の規定により市町村が実施する事業に要する費用

  第三十六条第三号の次に次の一号を加える。

  三の二 第二十一条の四の規定により都道府県が実施する事業に要する費用

  第三十七条の見出し中「及び補助」を削り、同条第一項第一号中「次号」を「第二号」に改め、同号の次に次の一号を加える。

  一の二 第三十五条第二号の費用(第十八条第一項の規定により市町村が行う行政措置に要する費用に限り、次号に掲げる費用を除く。)、第三十五条第二号の二の費用(第十七条の四又は第十七条の六の規定により市町村が行う居宅生活支援費又は特例居宅生活支援費の支給に要する費用に限り、次号に掲げる費用を除く。)及び第三十五条第三号の二の費用については、その四分の一

  第三十七条第一項第二号中「第十八条第三項、第十九条及び」を「第十八条第一項及び第三項、第十九条並びに」に改め、「第十七条の十の規定により」及び「について市町村が行う施設訓練等支援費の支給」を削り、同条第二項を削る。

  第三十七条の二の見出し中「及び補助」を削り、同条第一項第三号中「第十八条第一項及び第二項」を「第十八条第二項」に改め、「(第十七条の十の規定により市町村が行う施設訓練等支援費の支給に要する費用に限る。)」を削り、同項に次の一号を加える。

  四 第三十五条第三号の二及び第三十六条第三号の二の費用については、その十分の五

  第三十七条の二第二項を削る。

  第五十一条第一項、第二項及び第五項中「第三十七条の二第一項」を「第三十七条の二」に改める。

 (知的障害者福祉法の一部改正)

第二条 知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第三節 居宅介護、施設入所等の措置(第十五条の三十二―第十七条の二)」を

第三節 居宅介護、施設入所等の措置(第十五条の三十二―第十七条の二)

 

 

第四節 社会参加の促進(第十七条の三)

 に改める。

  第五条第三項中「訓練」の下に「(就労移行支援(就労を希望する知的障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。以下同じ。)及び就労継続支援(通常の事業所に雇用されることが困難な知的障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。以下同じ。)を含む。)」を加え、同条第四項中「訓練」の下に「(就労移行支援及び就労継続支援を含む。)」を加える。

  第十一条の次に次の一条を加える。

  (公共職業安定所との連携)

 第十一条の二 都道府県は、知的障害者の雇用の促進について前条第一項第一号に掲げる業務を行うに当たつては、公共職業安定所との連携を図らなければならない。

  第十二条第二項中「前条第一項第一号」を「第十一条第一項第一号」に、「前条第一項第二号ロ」を「第十一条第一項第二号ロ」に改める。

  第三章に次の一節を加える。

     第四節 社会参加の促進

 第十七条の三 地方公共団体は、知的障害者の意思疎通を支援する事業、知的障害者が円滑に外出することができるよう知的障害者の移動を支援する事業その他の知的障害者の社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進する事業を実施するものとする。

  第二十一条の六及び第二十一条の七中「訓練」の下に「(就労移行支援及び就労継続支援を含む。)」を加える。

  第二十二条第二号の次に次の一号を加える。

  二の二 第十七条の三の規定により市町村が実施する事業に要する費用

  第二十三条第二号の次に次の一号を加える。

  二の二 第十七条の三の規定により都道府県が実施する事業に要する費用

  第二十五条の見出し中「及び補助」を削り、同条第一項中第三号を第五号とし、第二号の次に次の二号を加える。

  三 第二十二条第一号の二の費用(知的障害者地域生活援助に係る居宅生活支援費又は特例居宅生活支援費の支給に要する費用及び次号に掲げる費用を除く。)、同条第一号の四の費用(知的障害者地域生活援助及び第十五条の三十二第二項の行政措置に係る費用並びに次号に掲げる費用を除く。)及び第二十二条第二号の二の費用については、その四分の一

  四 第二十二条第一号の二の費用(第十五条の五又は第十五条の七の規定により居住地不明知的障害者について市町村が行う居宅生活支援費又は特例居宅生活支援費の支給(知的障害者地域生活援助に係るものを除く。)に要する費用に限る。)及び第二十二条第一号の四の費用(居住地不明知的障害者についての第十五条の三十二第一項の行政措置に要する費用に限り、知的障害者地域生活援助に係る費用を除く。)については、その十分の五

  第二十五条第二項を削る。

  第二十六条の見出し中「及び補助」を削り、同条第一項中第四号を第八号とし、第三号を第六号とし、同号の次に次の一号を加える。

  七 第二十三条第二号の二の費用

  第二十六条第一項中第二号を第四号とし、同号の次に次の一号を加える。

  五 第二十二条第二号の二の費用

  第二十六条第一項中第一号を第二号とし、同号の次に次の一号を加える。

  三 第二十二条第一号の四の費用(第十五条の三十二第一項の行政措置のうち、知的障害者地域生活援助の提供若しくは提供の委託に要する費用又は同条第二項の行政措置に要する費用を除く。)

  第二十六条第一項に第一号として次の一号を加える。

  一 第二十二条第一号の二の費用(知的障害者地域生活援助に係るものを除く。)

  第二十六条第二項を削る。

  附則第四項、第五項及び第八項中「第二十六条第一項」を「第二十六条」に改める。

 (精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正)

第三条 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

  第二条に次の一項を加える。

 2 国及び地方公共団体は、前項の精神障害者の医療及び保護並びに保健及び福祉に関する施策を実施するに当たつては、精神病院(精神病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む。第十九条の十を除き、以下同じ。)に入院している者が医療及び保護のため入院を継続する必要がないと認められるに至つたときは速やかに退院することが促進されるよう、特に配慮するものとする。

  第五条中「精神分裂病」を「統合失調症」に改める。

  第十九条の五中「(精神病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む。第十九条の十を除き、以下同じ。)」を削る。

  第四十七条第一項中「次条第一項」を「第四十八条第一項」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 第四十七条の二 都道府県は、必要に応じて、就労を希望する精神障害者及びその家族等からの相談に応じ、又は公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)若しくは就職あつせんを必要とする精神障害者に対し、公共職業安定所を紹介しなければならない。

  第五十条の四中「ことができる」を「ものとする」に改め、同条の次に次の二条を加える。

  (社会参加を促進する事業の実施)

 第五十条の五 前条に定めるもののほか、地方公共団体は、精神障害者の社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進する事業を実施するものとする。

  (国及び都道府県の負担)

 第五十条の六 都道府県は、政令の定めるところにより、前条の規定により市町村が実施する事業のうち政令で定めるものに要する費用の四分の一を負担する。

 2 国は、政令の定めるところにより、次に掲げる費用の二分の一を負担する。

  一 前条の規定により市町村が実施する事業のうち政令で定めるものに要する費用

  二 前二条の規定により都道府県が実施する事業のうち政令で定めるものに要する費用

  第五十一条第四項中第二号を削り、第三号を第二号とする。

 (児童福祉法の一部改正)

第四条 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。

  第五十三条中「第五十条」を「地方公共団体の支弁する第五十条の費用」に改め、「第六号の二」の下に「の費用」を加え、「(第一号の二、第二号」を「の費用(第一号の二の費用のうち児童デイサービスに係るもの、第二号の費用のうち児童デイサービス及び第二十一条の二十五第二項の措置に係るもの」に改め、「第四号」の下に「の費用」を加え、「及び第七号」を「の費用並びに第七号の費用」に改め、「に規定する地方公共団体の支弁する費用」を削る。

  第五十三条の二中「並びに第五十一条第一号の二の費用(児童デイサービスに係る費用を除く。)及び同条第二号の費用(児童デイサービス及び第二十一条の二十五第二項の措置に係る費用を除く。)」を削る。

  第五十五条中「第五十一条第三号及び第四号の二」を「第五十一条第一号の二の費用(児童デイサービスに係る費用を除く。)、同条第二号の費用(児童デイサービス及び第二十一条の二十五第二項の措置に係る費用を除く。)、第五十一条第三号の費用及び同条第四号の二」に改める。

  第五十五条の二を削る。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十八年四月一日から施行する。ただし、第三条中精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五条の改正規定並びに附則第三条及び第四条の規定は、公布の日から施行する。

 (検討)

第二条 政府は、障害者の自立の支援及び社会参加の促進を図るため、次に掲げる事項を含む包括的な障害者の福祉に関する法制の在り方について、この法律の施行後二年を限度として集中的に検討を加え、平成二十一年度までに、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 一 福祉に関する施策の対象となる障害者の範囲の拡大

 二 すべての障害者に共通する制度に基づく障害者間の公平な給付水準の確保及び障害の特性に応じた適切なサービスの提供

 三 障害者の所得の確保に係る施策

 四 障害者に福祉サービスを提供するための基盤の拡充及び地方公共団体による計画の策定等を通じた障害者に対する全国的に均質な福祉サービスの提供

 五 障害者に関する施策に係る財政上の国の責任の明確化

 六 障害者に対する差別の禁止の明確化

 (精神障害者に係る支援費の支給)

第三条 前条に規定する措置が講ぜられるまでの間における精神障害者に係る支援費の支給については、別に法律で定めるところにより、平成十八年四月一日からこれを実施するものとする。

2 前項の支援費の支給については、国は、その費用の二分の一を負担するものとする。

 (支援費の支給の対象となる福祉サービスの提供体制の確保に関する計画)

第四条 市町村は、別に法律で定めるところにより、附則第二条に規定する措置が講ぜられるまでの間における身体障害者、知的障害者、精神障害者及び障害児に係る支援費の支給の対象となる福祉サービスの提供体制の確保に関する計画を策定するものとする。

2 都道府県は、別に法律で定めるところにより、前項の計画の達成に資するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、身体障害者、知的障害者、精神障害者及び障害児に係る支援費の支給の対象となる福祉サービスの提供体制の確保に関する計画を策定するものとする。

 (経過措置)

第五条 この法律による改正後の規定は、平成十八年度以降の年度の予算に係る国又は都道府県の負担又は補助(平成十七年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成十八年度以降の年度に支出される国又は都道府県の負担又は補助を除く。)について適用し、平成十七年度以前の年度の予算に係る国又は都道府県の負担又は補助及び同年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成十八年度以降の年度に支出される国又は都道府県の負担又は補助については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第六条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。


     理 由

 障害者の自立の支援及び社会参加の促進を図り、障害者の福祉の向上に資するため、障害者の福祉に関する施策に要する費用に係る国及び都道府県の財政負担の義務化について定めるとともに、障害者の雇用の促進に関する措置及び障害者の社会参加を促進する措置等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、約九百六十億円の見込みである。

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