衆議院

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第一六三回

閣第三号

   郵便事業株式会社法案

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 業務等(第三条―第十一条)

 第三章 雑則(第十二条―第十四条)

 第四章 罰則(第十五条―第二十条)

 附則

   第一章 総則

 (会社の目的)

第一条 郵便事業株式会社(以下「会社」という。)は、郵便の業務及び印紙の売りさばきの業務を営むことを目的とする株式会社とする。

 (商号の使用制限)

第二条 会社でない者は、その商号中に郵便事業株式会社という文字を使用してはならない。

   第二章 業務等

 (業務の範囲)

第三条 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

 一 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)の規定により行う郵便の業務

 二 国の委託を受けて行う印紙の売りさばき

 三 前二号に掲げる業務に附帯する業務

2 会社は、前項に規定する業務を営むほか、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むことができる。

 一 お年玉付郵便葉書等に関する法律(昭和二十四年法律第二百二十四号)第一条第一項に規定するお年玉付郵便葉書等及び同法第五条第一項に規定する寄附金付郵便葉書等の発行

 二 前号に掲げる業務に附帯する業務

3 会社は、前二項に規定する業務のほか、前二項に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、総務大臣の認可を受けて、前二項に規定する業務以外の業務を営むことができる。

 (社会貢献業務計画)

第四条 会社は、総務省令で定めるところにより、三事業年度ごとに、三事業年度を一期とする社会貢献業務の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を定め、当該実施計画に係る期間の開始前に、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の「社会貢献業務」とは、会社が営む次に掲げる業務であって、日本郵政株式会社法(平成十七年法律第▼▼▼号)第六条第一項の規定による社会貢献資金の交付を受けなければ、当該業務に係る役務の水準を著しく低下させることなく当該業務を実施すること(第五号に掲げる業務にあっては、当該業務を実施すること)が困難であると認められるものをいう。

 一 郵便法第十八条の規定により無償で交付する郵便葉書及び郵便書簡に係る郵便物に係る業務

 二 郵便法第十八条及び第十九条の規定により料金(特殊取扱の料金を含む。)を免除する郵便物に係る業務

 三 郵便法第二十二条第一項に規定する第三種郵便物に係る業務のうち、社会福祉の増進に寄与するものであって、総務省令で定めるもの

 四 郵便法第二十七条第二号及び第三号に掲げる郵便物に係る業務

 五 前条第三項に規定する業務のうち、天災その他非常の災害の被災者の救援又は社会福祉の増進に寄与するものであって、会社以外の者による実施が困難なもの

3 第一項の認可の申請は、日本郵政株式会社を経由して行わなければならない。

4 会社は、第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、その実施計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの。以下「社会貢献業務計画」という。)を公表しなければならない。

5 会社は、社会貢献業務計画に係る期間の終了後三月以内に、総務省令で定めるところにより、当該社会貢献業務計画の実施状況に関する報告書を総務大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。

 (一般担保)

第五条 会社の社債権者は、会社の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

 (株式)

第六条 会社は、会社法(平成十七年法律第八十六号)第百九十九条第一項に規定するその発行する株式(第十九条第五号において「新株」という。)若しくは同法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権(同号において「募集新株予約権」という。)を引き受ける者の募集をし、又は株式交換に際して株式若しくは新株予約権を交付しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

2 会社は、新株予約権の行使により株式を発行した後、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 (事業計画)

第七条 会社は、毎事業年度の開始前に、総務省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (重要な財産の譲渡等)

第八条 会社は、総務省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

 (定款の変更等)

第九条 会社の定款の変更、合併、会社分割及び解散の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (財務諸表)

第十条 会社は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を総務大臣に提出しなければならない。

 (収支の状況の公表)

第十一条 会社は、第三条第三項に規定する業務を営む場合には、総務省令で定めるところにより、当該業務並びに同条第一項及び第二項に規定する業務の区分ごとの収支の状況を公表しなければならない。

   第三章 雑則

 (監督)

第十二条 会社は、総務大臣がこの法律及び次に掲げる法律の定めるところに従い監督する。

 一 郵便法

 二 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和二十三年法律第百四十二号)

 三 郵便切手類販売所等に関する法律(昭和二十四年法律第九十一号)

 四 郵便窓口業務の委託等に関する法律(昭和二十四年法律第二百十三号)

 五 お年玉付郵便葉書等に関する法律

 六 郵便物運送委託法(昭和二十四年法律第二百八十四号)

2 総務大臣は、この法律及び前項各号に掲げる法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (報告及び検査)

第十三条 総務大臣は、この法律及び前条第一項各号に掲げる法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (財務大臣との協議)

第十四条 総務大臣は、第四条第一項、第七条、第八条又は第九条(定款の変更の決議に係るものを除く。)の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。

   第四章 罰則

第十五条 会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、五年以下の懲役に処する。

2 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第十六条 前条第一項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

第十七条 第十五条第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

2 前条第一項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。

第十八条 第十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

第十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。

 一 第三条第三項の規定に違反して、業務を営んだとき。

 二 第四条第一項の規定に違反して、実施計画の認可を受けなかったとき。

 三 第四条第四項若しくは第五項又は第十一条の規定による公表をせず、又は虚偽の公表をしたとき。

 四 第四条第五項の規定に違反して、報告書を提出せず、又は虚偽の報告書を提出したとき。

 五 第六条第一項の規定に違反して、新株若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集をし、又は株式交換に際して株式若しくは新株予約権を交付したとき。

 六 第六条第二項の規定に違反して、株式を発行した旨の届出を行わなかったとき。

 七 第七条の規定に違反して、事業計画の認可を受けなかったとき。

 八 第八条の規定に違反して、財産を譲渡し、又は担保に供したとき。

 九 第十条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書若しくは事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたこれらのものを提出したとき。

 十 第十二条第二項の規定による命令に違反したとき。

第二十条 第二条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則

 この法律は、郵政民営化法(平成十七年法律第▼▼▼号)の施行の日から施行する。ただし、第二条、第九条(定款の変更の決議に係る部分に限る。)及び第二十条の規定は、同法附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日から施行する。


     理 由

 郵政民営化を実施するため、郵便事業株式会社を設立することとし、その目的、業務の範囲等に関する事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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