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第一六九回

参第一四号

   石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案

 石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第八十条」を「第七十九条の二」に改める。

 第二条第二項中「従事することにより」の下に「昭和二十二年九月一日以降に」を加え、「(昭和二十二年九月一日以降に当該指定疾病その他厚生労働省令で定める疾病にかかり、これにより、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日の五年前の日までに死亡した者に限る。)」を削る。

 第四条第二項中「第十七条まで」の下に「及び第二十条第一項第二号」を加え、同条第四項中「その申請のあった日」を「診断によって当該認定に係る指定疾病の発生が確定した日(その日が当該認定の申請のあった日の二年前の日前である場合には、当該申請のあった日の二年前の日。以下「基準日」という。)」に改める。

 第五条第三項中「認定の申請をした日」を「基準日」に改める。

 第六条第一項中「(以下「有効期間」という。)」を「に基準日から認定の申請のあった日の前日までの期間を加えた期間」に改める。

 第七条第三項に後段として次のように加える。

  この場合において、同条第一項中「政令で定める期間に基準日から認定の申請のあった日の前日までの期間を加えた期間内」とあるのは、「政令で定める期間内」と読み替えるものとする。

 第八条第三項中「(以下「有効期間」という。)」を「に基準日から認定の申請のあった日の前日までの期間を加えた期間」に改める。

 第十六条第二項中「その請求があった日」を「基準日」に改める。

 第十七条第二項中「その請求のあった日」を「基準日」に改める。

 第二十条第一項中「日本国内において石綿を吸入することにより指定疾病にかかり、当該指定疾病に起因して施行日前に死亡した者(以下「施行前死亡者」という。)」を「次に掲げる者」に改め、同項に次の各号を加える。

 一 日本国内において石綿を吸入することにより指定疾病にかかり、当該指定疾病に起因してこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に死亡した者(以下「施行前死亡者」という。)

 二 日本国内において石綿を吸入することにより指定疾病にかかり、やむを得ない理由により認定の申請をしないで当該指定疾病に起因して死亡した者(以下「未申請死亡者」という。)

 第二十一条第一項中「施行前死亡者」の下に「又は未申請死亡者」を加える。

 第二十二条第二項中「施行日から三年」を「施行前死亡者の遺族にあっては施行日から、未申請死亡者の遺族にあっては当該未申請死亡者の死亡の時から、十年」に改める。

 第五十九条第五項中「施行日から三年」を「施行日前に死亡した死亡労働者等の遺族にあっては施行日から、施行日以後に死亡した死亡労働者等の遺族にあってはその死亡の時から、十年」に改める。

 第六十条第一項第三号中「死亡労働者等の死亡の時から施行日」を「施行日の前日の五年前の日(以下「特定日」という。)以前に死亡した死亡労働者等の遺族にあってはその死亡の時から施行日まで、特定日後に死亡した死亡労働者等の遺族にあってはその死亡の時から労災保険法の規定による遺族補償給付を受ける権利が時効によって消滅した日」に改める。

 第六十二条第一号中「施行日」を「死亡労働者等が特定日以前に死亡した者である場合にあっては施行日において、死亡労働者等が特定日後に死亡した者である場合にあっては労災保険法の規定による遺族補償給付を受ける権利が時効によって消滅した日」に改める。

 第五章中第八十条の前に次の一条を加える。

 (事業所の調査等)

第七十九条の二 国は、国民に対し石綿による健康被害の救済に必要な情報を十分かつ速やかに提供するため、石綿を使用していた事業所の調査及びその結果の公表並びに石綿による健康被害の救済に関する制度の周知(次項において「事業所の調査等」という。)を徹底するものとする。

2 関係行政機関の長は、事業所の調査等に当たっては、相互に密接な連携を図りながら協力しなければならない。

 附則第六条中「この法律の施行の状況」を「石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対する救済の状況を踏まえ、労災保険を含めその救済に関する制度全般」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の石綿による健康被害の救済に関する法律(以下この項において「新法」という。)第四条第四項、第五条第三項、第六条第一項、第十六条第二項及び第十七条第二項の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にされた石綿による健康被害の救済に関する法律第四条第一項の認定(以下「認定」という。)で施行日から二年前の日後にその申請がされたもの及び施行日以後にされる認定で施行日前にその申請がされたもの並びにこれらの認定(次条第一項第二号において「施行日前の認定等」という。)に係る同法第三条の救済給付についても適用する。この場合において、新法第四条第四項中「当該認定の申請のあった日の二年前の日」及び「当該申請のあった日の二年前の日」とあるのは、「石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律(平成二十年法律第▼▼▼号)の施行の日の二年前の日」とする。

2 前項の場合における救済給付の支給に関し必要な事項は、政令で定める。

第三条 次に掲げる者の認定に係る指定疾病に関し石綿による健康被害の救済に関する法律第四条第一項の規定により支給された医療費及び同法第十六条第一項の規定により支給された療養手当の合計額が同法第二十条第一項の特別遺族弔慰金の額に満たないときは、その者の遺族(同法第二十三条第一項の救済給付調整金の支給を受けることができる者を除く。)に対し、同法第二十条第一項の特別遺族弔慰金の額から当該合計額を控除した額に相当する金額を同法第三条第六号の救済給付調整金として支給する。

 一 認定を受けた者であって、その認定に係る指定疾病に起因して施行日の前日までに死亡したもの

 二 施行日前の認定等に係る者のうち施行日から施行日以後二年を経過する日までの間に死亡した者であって、救済給付の支給について政令で定める要件に該当するもの

2 前項の救済給付調整金の支給については、石綿による健康被害の救済に関する法律第三条及び第五十二条中「この章」とあるのは「この章及び石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律(平成二十年法律第▼▼▼号)附則第三条」として、これらの規定を適用する。

3 石綿による健康被害の救済に関する法律第二十三条第二項及び第三項並びに第二十六条第二項の規定は、第一項の救済給付調整金について準用する。

第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


     理 由

 石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対する幅広い救済を図るため、医療費等の支給対象期間の拡大、特別遺族弔慰金等及び特別遺族給付金の請求期限の延長、認定の申請を行うことなく死亡した者の遺族に対する特別遺族弔慰金等の制度の新設、特別遺族給付金に係る死亡労働者等の死亡時期に関する要件の撤廃等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   この法律の施行に伴い必要となる経費

 この法律の施行に伴い必要となる経費は、初年度約九十九億円の見込みである。

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