第一七〇回
参第七号
内定取消しの規制等のための労働契約法の一部を改正する法律案
(労働契約法の一部改正)
第一条 労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十三条」を「第十三条の二」に改める。
第二章中第十三条の次に次の一条を加える。
(内定取消し)
第十三条の二 使用者による労働者の就労開始前における労働契約の解除は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
第二条 労働契約法の一部を次のように改正する。
目次中「第十三条の二」を「第十三条の三」に改める。
第二章中第十三条の二を第十三条の三とし、第十三条の次に次の一条を加える。
(採用内定の通知と労働契約との関係)
第十三条の二 使用者が、労働者になろうとする者に対して、就労に先立ち、採用する旨の通知を発したときは、その時において労働契約が成立したものと推定する。
第三条 労働契約法の一部を次のように改正する。
第十三条の三中「使用者による労働者の就労開始前における労働契約の解除」を「内定取消し」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
使用者は、労働者の就労開始前における労働契約の解除(以下この条において「内定取消し」という。)をする場合があるときは、あらかじめ、当該労働契約の相手方(第三項において「内定者」という。)に対し、内定取消しの事由を書面により明示しなければならない。
第十三条の三に次の一項を加える。
3 内定取消しが行われた場合において、内定者が当該内定取消しの理由について証明書を請求したときは、使用者は、七日以内にこれを交付しなければならない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二条及び附則第四条の規定は公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から、第三条、次条及び附則第五条の規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 第三条の規定による改正後の労働契約法(次項において「新法」という。)第十三条の三第一項の規定は、第三条の規定の施行後に締結される労働契約について適用する。
2 新法第十三条の三第三項の規定は、第三条の規定の施行後に行われる内定取消しについて適用する。
(公益通報者保護法の一部改正)
第三条 公益通報者保護法(平成十六年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「第十六条」を「第十三条の二及び第十六条」に改める。
第四条 公益通報者保護法の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「第十三条の二」を「第十三条の三」に改める。
第五条 公益通報者保護法の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「第十三条の三」を「第十三条の三第二項」に改める。
理 由
内定取消しに関する紛争の防止及び解決等を図るため、採用内定から就労までの間の契約関係を明確にする等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。