衆議院

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第二〇四回

衆第一一号

   高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案

 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)の一部を次のように改正する。

 附則第十五条の次に次の三条を加える。

 (令和四年度以降の年度における後期高齢者負担率の特例)

第十五条の二 令和四年度以降の年度における第百条第一項の後期高齢者負担率は、当分の間、同条第三項の規定にかかわらず、同項各号列記以外の部分に規定する数に、特別調整率を加えて得た数を基礎として、二年ごとに政令で定める。

2 前項の特別調整率とは、高齢者の負担能力に配慮しつつ、保険者(国民健康保険にあつては、都道府県)が納付する後期高齢者支援金の額の更なる縮減を通じて保険者に係る加入者の負担の軽減が図られるようにするとの観点から政令で定める率をいう。

 (保険料の算定に係る基準の特例)

第十五条の三 政府は、後期高齢者医療広域連合が前条第一項の規定による後期高齢者負担率の改定に対応することができるよう、速やかに、第百四条第二項に規定する政令で定める基準に関し、保険料の賦課限度額を引き上げる特例を設けるものとする。

 (市町村の特別会計への繰入れ等)

第十五条の四 後期高齢者医療広域連合は、条例で定めるところにより、附則第十五条の二第一項の規定による後期高齢者負担率の改定に対応するための保険料の見直しを行うに際し、所得の高い被保険者以外の被保険者に対し、保険料を減額することができる。

2 市町村は、政令で定めるところにより、一般会計から、所得の高い被保険者以外の被保険者について前項の後期高齢者医療広域連合の条例で定めるところにより行う保険料の減額賦課に基づき被保険者に係る保険料につき減額した額の総額を基礎とし、後期高齢者医療の財政の状況その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額を市町村の後期高齢者医療に関する特別会計に繰り入れなければならない。

3 第百五条の規定は、前項の規定による繰入金について準用する。

4 国は、第二項の規定による繰入金に相当する額を負担する。この場合において、第百二条中「及び第百十六条第六項」とあるのは、「、第百十六条第六項及び附則第十五条の四第四項」とする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (検討)

2 高齢者の医療に要する費用の負担の在り方については、将来における医療に要する費用の見込み、高齢者の一部負担金に係る負担の割合を引き上げることとした場合における高齢者の必要かつ適切な受診の機会の確保に与える影響及び医療費の動向、各世代の負担能力等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

 (政令への委任)

3 この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。


     理 由

 後期高齢者支援金の額の更なる縮減を通じていわゆる現役世代の負担の軽減が図られるようにするため、令和四年度以降の年度における後期高齢者負担率の算定に係る当分の間の特例を定めるとともに、後期高齢者医療広域連合が当該後期高齢者負担率の改定に対応することができるよう、政府は保険料の賦課限度額を引き上げる特例を設けるものとし、後期高齢者医療広域連合がその被保険者に課する保険料の見直しを行う際の中・低所得の被保険者の保険料の減額措置に係る費用に関する国の負担について定める等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、令和四年度において約二百三十億円の見込みである。

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