衆議院

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第二一一回

衆第三七号

   公益法人等に対する寄附を促進するための税制上の措置等に関する法律案

 (趣旨)

第一条 この法律は、公益法人等に対し安心して寄附をすることができる環境を醸成し、もって公益法人等に対する寄附を促進するため、寄附に関する適正な管理を行う公益法人等に対する税制上の優遇措置について定めるとともに、業務改善命令等を受けた公益法人等に対する課税の強化等について定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「公益法人等」とは、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第六号に規定する公益法人等及び同法以外の法律によって同号に規定する公益法人等とみなされるもの(政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(平成六年法律第百六号)第七条の二第一項に規定する法人である政党等を除く。)をいう。

 (寄附に関する適正な管理を行う公益法人等に対する税制上の優遇措置)

第三条 政府は、公益法人等に対する寄附の状況の透明化を図るため、次に掲げる取組により寄附に関する適正な管理を行う公益法人等について、当該公益法人等の収益事業(法人税法第二条第十三号に規定する収益事業をいう。次条第一項において同じ。)から生じた所得に対する法人税の税率を引き下げるために必要な法制上の措置を講ずるとともに、個人及び法人の当該公益法人等に対する寄附に係る個人所得課税における寄附金控除等及び法人課税における寄附金の損金算入の制度について、それぞれ寄附金控除等及び損金算入をすることができる金額を拡充するために必要な法制上の措置を講ずるものとする。

 一 十万円以上の寄附を受けたときは、領収書を交付するとともに、その写しを十年間保存するものとすること。ただし、領収書を交付し難い事情がある場合は、この限りでないものとすること。

 二 同一の者からの寄附で、その金額の合計額が年間百五十万円以上のものについては、その寄附をした者の氏名及び住所(寄附をした者が法人である場合には、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)、当該寄附の金額及び年月日等を記録し、これを十年間保存するものとするほか、これらの事項を特定の個人が識別できないように加工して記載した報告書を行政庁等に提出するとともに、公表するものとすること。

 三 寄附金の使途を記載した報告書を行政庁等に提出するとともに、公表するものとすること。

 (業務改善命令等を受けた公益法人等に対する課税の強化等)

第四条 政府は、公益法人等の事業の運営が寄附に係る税制上の優遇措置等を受けるにふさわしい適正なものとなるよう、公益法人等がその根拠法の規定に基づき行政庁等による業務改善命令等の命令を受けた場合において、当該命令を受けた公益法人等において当該命令に従い必要な措置がとられるまでの間、当該公益法人等の収益事業から生じた所得に対する法人税の税率の引上げその他の当該公益法人等に対する課税の強化のために必要な法制上の措置を講ずるものとする。

2 国及び地方公共団体は、公益法人等が前項の命令を受けた場合において、当該命令を受けた公益法人等において当該命令に従い必要な措置がとられるまでの間、当該公益法人等を当該国及び地方公共団体が行う売買、貸借、請負その他の契約の相手方としない等の措置を講ずるものとする。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。


     理 由

 公益法人等に対し安心して寄附をすることができる環境を醸成し、もって公益法人等に対する寄附を促進するため、寄附に関する適正な管理を行う公益法人等に対する税制上の優遇措置について定めるとともに、業務改善命令等を受けた公益法人等に対する課税の強化等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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