衆議院

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第二一三回

衆第六号

   訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案

 (趣旨)

第一条 この法律は、令和六年度介護報酬改定による訪問介護に係る介護報酬の基準の基本となる部分(第三条第一項及び第五条において「訪問介護報酬基準の基本部分」という。)の引下げが訪問介護事業者の事業及び介護従事者の処遇に深刻な影響を及ぼしていることにより、訪問介護事業者による訪問介護の提供に支障が生じ、ひいては訪問介護を受けようとする者及びその家族の職業生活と家庭生活との両立が困難となっている現状に鑑み、訪問介護事業者に対する緊急の支援に関し必要な事項を定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「令和六年度介護報酬改定」とは、厚生労働大臣が令和六年三月十五日に告示して定めた介護報酬の基準の改正をいう。

2 この法律において「訪問介護」とは、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第八条第二項に規定する訪問介護のうち、同法の保険給付に係るサービスとして行われるものをいう。

3 この法律において「訪問介護事業者」とは、訪問介護の事業を行う者をいう。

 (訪問介護事業支援金の支給のための財政上の措置等)

第三条 政府は、令和六年度介護報酬改定による訪問介護報酬基準の基本部分の引下げが訪問介護事業者の事業及び介護従事者の処遇に深刻な影響を及ぼしていることにより、訪問介護事業者による訪問介護の提供に支障が生じていることに鑑み、第五条第一項の規定による訪問介護に係る介護報酬の基準の改正が行われるまでの間、訪問介護事業者が訪問介護を需要に応じて安定的に提供できる体制を確保する観点から訪問介護事業者に支給される補助金(以下「訪問介護事業支援金」という。)を支給するものとする。

2 政府は、訪問介護事業支援金ができる限り速やかに支給されるよう、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。

 (譲渡等の禁止)

第四条 訪問介護事業支援金の支給を受けることとなった者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

2 訪問介護事業支援金として支給を受けた金銭は、差し押さえることができない。

 (訪問介護に係る介護報酬の基準の改正等)

第五条 政府は、令和六年度介護報酬改定による訪問介護報酬基準の基本部分の引下げが訪問介護事業者の事業及び介護従事者の処遇に及ぼす影響並びに訪問介護事業支援金の支給の効果の検証を踏まえ、令和六年度介護報酬改定の施行の日から起算して三年を経過する日までのできる限り早い時期に、訪問介護に係る介護報酬の基準の改正その他所要の措置を講ずるものとする。

2 政府は、前項の規定により行う訪問介護に係る介護報酬の基準の改正において、訪問介護報酬基準の基本部分を定めるに当たっては、訪問介護事業者の事業規模ごとの収支の状況及び地域の実情を踏まえ、訪問介護事業者が訪問介護を需要に応じて安定的に提供できるよう配慮しなければならない。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。


     理 由

 令和六年度介護報酬改定による訪問介護報酬基準の基本部分の引下げが訪問介護事業者の事業及び介護従事者の処遇に深刻な影響を及ぼしていることにより、訪問介護事業者による訪問介護の提供に支障が生じ、ひいては訪問介護を受けようとする者及びその家族の職業生活と家庭生活との両立が困難となっている現状に鑑み、訪問介護事業者に対する緊急の支援に関し必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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