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第二一三回

閣第二八号

   食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案

 (農業振興地域の整備に関する法律の一部改正)

第一条 農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「により、」の下に「農業生産に必要な農用地等の確保及び」を、「ともに、」の下に「国民に対する食料の安定供給の確保及び」を加え、同条の次に次の一条を加える。

  (国及び地方公共団体の責務)

 第一条の二 国は、国民に対する食料の安定供給の確保を図るため、我が国全体の農用地等が確保されるよう努めなければならない。

 2 地方公共団体は、国との適切な役割分担の下、当該地方公共団体における農用地等が確保されるよう努めなければならない。

 3 国及び地方公共団体は、第八条第四項に規定する農用地利用計画を尊重して、同条第二項第一号に規定する農用地区域(第三条の二第二項第二号及び第三号において単に「農用地区域」という。)内にある土地の農業上の利用が確保されるよう努めなければならない。

  第三条の二第二項中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、同項第二号中「都道府県」の下に「の農用地区域内」を加え、「農用地等」を「農用地」に改め、「目標」の下に「(以下「都道府県面積目標」という。)」を加え、同号を同項第三号とし、同項第一号中「確保すべき農用地等」を「前号に規定する農用地等のうち、農用地区域内において確保すべき農用地」に改め、「その他の農用地等の確保に関する基本的な方向」を削り、同号を同項第二号とし、同号の前に次の一号を加える。

  一 食料の安定供給の確保のための農業生産に必要な農用地等の確保に関する基本的な事項

  第三条の二第三項中「聴くとともに、前項第一号の農用地等の面積の目標及び同項第二号に掲げる事項に係る部分については都道府県知事の意見を」を削り、同条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。

 4 農林水産大臣は、基本指針を定めようとするときは、都道府県知事、市長及び町村長の全国的連合組織(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百六十三条の三第一項に規定する全国的連合組織で同項の規定による届出をしたものをいう。)その他の関係者による協議の場を設け、協議を行うとともに、第二項第二号及び第三号に掲げる事項に係る部分については都道府県知事の意見を聴かなければならない。

  第三条の三第二項中「第五項」を「第六項」に改める。

  第四条第二項第一号中「確保すべき農用地等の面積の目標」を「都道府県面積目標」に改める。

  第五条の二の見出し中「確保すべき農用地等の面積の目標」を「都道府県面積目標」に改め、同条第一項を次のように改める。

   農林水産大臣は、毎年、都道府県に対し、地方自治法第二百四十五条の四第一項の規定により、次に掲げる資料の提出の求めを行うものとする。

  一 都道府県面積目標の達成状況に関する資料

  二 第十三条第五項に規定する協議(当該協議に係る土地が政令で定める規模以上のものに限る。)に関する資料の写し

  第五条の二第二項中「前項」を「第一項」に改め、「資料」の下に「又は前項の規定により受けた説明」を加え、「目標」を「都道府県面積目標」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 農林水産大臣は、前項の規定により提出を受けた資料の内容について、必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、説明を求めることができる。

  第五条の二に次の一項を加える。

 4 農林水産大臣は、都道府県面積目標の達成状況又は当該都道府県における農業振興地域整備計画の変更の状況を勘案して必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、農用地等の確保のために必要な措置について、地方自治法第二百四十五条の四第一項の技術的な助言又は勧告を行うものとする。

  第五条の三中「資料」の下に「又は同条第二項の規定により受けた説明」を加え、「目標」を「都道府県面積目標」に改める。

  第十条第三項第五号中「果樹又は」を「農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第十九条第一項に規定する地域計画(第十三条第二項第二号において単に「地域計画」という。)の達成又は果樹若しくは」に改める。

  第十三条第二項第二号中「農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第十九条第一項に規定する」を削り、同条に次の二項を加える。

 5 都道府県知事は、第二項に規定する農用地区域の変更(以下この条において「除外目的変更」という。)に係る農業振興地域整備計画の変更に関する前項において準用する第八条第四項の規定による協議があつた場合において、当該除外目的変更に係る土地が集団的に存在する農用地であることその他の事由により当該除外目的変更が都道府県面積目標に影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、同項の同意をするかどうかを判断するため、当該市町村に対し、当該影響を緩和するために当該市町村が講じようとする措置その他の農林水産省令で定める事項を記載した書面の提出を求めるものとする。

 6 都道府県知事は、前項に規定する協議があつた場合において、当該協議に係る除外目的変更が、次に掲げる要件の全てを満たすと認めるときは、第四項において準用する第八条第四項の同意をするものとする。

  一 除外目的変更が第二項各号に掲げる要件の全てを満たすと認められること。

  二 除外目的変更が、当該都道府県における農用地等の確保の状況(前項の書面の提出を受けた場合にあつては、当該書面により把握した状況を含む。)からみてその都道府県面積目標の達成に支障を及ぼすおそれがないと認められること。

  第十六条を削り、第十五条の四を第十六条とする。

 (農地法の一部改正)

第二条 農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第二条第三項第二号中「総株主」を「株主総会(会社法第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会を含む。)における総株主(当該種類株主総会にあつては、当該種類の株式の総株主)」に改める。

  第三条第二項第一号中「の数」の下に「及び配置の状況、この法律その他の農業に関する法令の遵守の状況」を加え、同項第二号の次に次の一号を加える。

  二の二 農業経営基盤強化促進法第十六条の三第一項に規定する認定経営発展法人(第五条第二項第九号において単に「認定経営発展法人」という。)から第一号に掲げる権利を取得しようとする場合(当該認定経営発展法人がその農業経営発展計画(同法第十六条の二第一項に規定する農業経営発展計画をいう。第五条第二項第九号において同じ。)に記載する同法第十六条の二第二項第五号イ及びロに掲げる事項としてこれらの権利の設定又は移転について同条第一項又は同法第十六条の三第一項の認定を受けている場合を除く。)

  第四条第七項を次のように改める。

 7 第一項の許可は、申請に係る農地を農地以外のものにする行為が完了するまでの間において当該行為の実施状況について農業委員会を経由して都道府県知事等に報告することその他の必要な条件を付けてしなければならない。

  第五条第二項に次の一号を加える。

  九 認定経営発展法人から第三条第一項本文に掲げる権利を取得しようとする場合(当該認定経営発展法人がその農業経営発展計画に記載する農業経営基盤強化促進法第十六条の二第二項第五号イ及びロに掲げる事項としてこれらの権利の設定又は移転について同条第一項又は同法第十六条の三第一項の認定を受けている場合を除く。)

  第五条第三項中「第三条第五項及び第六項」を「第三条第六項」に改め、「まで」の下に「及び第七項」を加え、「に準用する」を「について準用する」に改め、「もの」と」の下に「、同条第七項中「する行為」とあるのは「する行為又は申請に係る採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。)にする行為」と、「当該行為」とあるのは「これらの行為」と」を加える。

  第五十一条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

 3 都道府県知事等は、第一項の規定により原状回復等の措置を講ずべきことを命ぜられた違反転用者等が、当該命令に係る期限までに正当な理由がなくて当該命令に従わなかつたときは、その旨及び当該命令に係る土地の地番その他必要な事項を公表することができる。

 (農業経営基盤強化促進法の一部改正)

第三条 農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第四章 農業経営基盤強化促進事業の実施等」を

第三章の二 農業経営発展計画(第十六条の二−第十六条の七)

 

 

第四章 農業経営基盤強化促進事業の実施等

 に、「第二十二条の八」を「第二十二条の九」に改める。

  第四条第一項中「第二十二条の八」を「第二十二条の九」に改め、同項第一号中「この項において」を削る。

  第七条第三号中「とする」の下に「農地所有適格法人(」を加え、「に対し」を「をいう。第三章の二において同じ。)に対し」に改める。

  第三章の次に次の一章を加える。

    第三章の二 農業経営発展計画

  (農業経営発展計画の認定等)

 第十六条の二 農地所有適格法人(株式会社であるものに限る。以下この項及び次条第三項第一号において同じ。)であつて次に掲げる要件に該当するものは、農林水産省令で定めるところにより、物資又は役務の取引(当該農地所有適格法人が、その農業経営に必要な物資の供給若しくは役務の提供を受け、又はその農業経営に係る物資の供給若しくは役務の提供を行うものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の相手方から出資を受け、かつ、当該物資又は役務の取引の推進その他必要な措置を講ずることにより当該農地所有適格法人の農業経営の発展を図るための計画(以下この章において「農業経営発展計画」という。)を作成し、これを農林水産大臣に提出して、その農業経営発展計画が適当である旨の認定を受けることができる。

  一 第十二条第一項の認定を受けている又は受けていた期間が、五年を下らない農林水産省令で定める期間以上であること。

  二 第十九条第一項に規定する地域計画(第三項第一号において単に「地域計画」という。)に農業を担う者として記載されている者であること。

  三 その定款において、次に掲げる事項を定めていること。

   イ その耕作又は養畜の事業に供すべき農用地について所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転し、又はその耕作又は養畜の事業に供すべき農地を農地以外のものにする決定は、株主総会の決議によらなければならないこと。

   ロ その取締役の選任若しくは解任の決定又はイに規定する決定についての株主総会の決議は、会社法(平成十七年法律第八十六号)第三百九条第二項に定める決議によらなければならないこと。

 2 農業経営発展計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 売上高の増加、収益性の向上等の農業経営の発展に関する目標

  二 物資又は役務の取引の相手方の営む事業の内容その他当該相手方に関する事項

  三 物資又は役務の取引の相手方から現に受けている出資の額及び受けようとする出資の額その他当該相手方からの出資に関する事項

  四 物資又は役務の取引の推進その他第一号に掲げる目標を達成するためとるべき措置

  五 前項の認定を受けようとする者が所有権又は使用及び収益を目的とする権利を有している農用地に関する次に掲げる事項

   イ 当該農用地の所在、地番、地目及び面積並びにこれらの権利の種類

   ロ 当該農用地についてこれらの権利を設定し、又は移転しようとする場合にあつては、これらの権利を設定し、又は移転しようとする農用地の所在、地番、地目及び面積

   ハ 当該農用地のうち農地であるものを農地以外のものにしようとする場合にあつては、次に掲げる事項

    (1) 当該農地以外のものの用途及び規模その他の内容

    (2) 当該農地以外のものの用に供しようとする農地の所在、地番、地目及び面積

  六 前項の認定を受けようとする者が所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得しようとする農用地に関する次に掲げる事項

   イ 当該農用地(ロ(2)に規定する農用地を除く。)の所在、地番、地目及び面積

   ロ 農用地を農用地以外のものにするため当該農用地についてこれらの権利を取得しようとする場合にあつては、次に掲げる事項

    (1) 当該農用地以外のものの用途及び規模その他の内容

    (2) 当該農用地以外のものの用に供しようとする農用地の所在、地番、地目及び面積

  七 その他農林水産省令で定める事項

 3 農林水産大臣は、第一項の認定の申請があつた場合において、その農業経営発展計画が次に掲げる要件に該当するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

  一 第一項の認定を受けようとする者が農業を担う者として記載されている地域計画の達成に資するものであること。

  二 前項第二号に規定する物資又は役務の取引の相手方が第一項の認定を受けようとする者の農業経営の健全な発展に資するものとして農林水産省令で定める要件に該当する者であること。

  三 前項第三号及び第四号に掲げる事項が同項第一号に掲げる目標を達成するために適切なものであること。

  四 前項第四号に掲げる措置が継続的に講じられると見込まれることその他の農林水産省令で定める基準に適合していること。

  五 前項第五号に掲げる事項が次に掲げる基準に適合していること。

   イ 第一項の認定を受けようとする者が前項第五号に規定する農用地のうち耕作又は養畜の事業に供すべきものの全てを適正に利用していること。

   ロ 前項第五号ロ及びハに掲げる事項がその農業経営発展計画の達成に支障を及ぼすおそれがないものであること。

  六 その他農業経営発展計画の適正かつ効果的な実施を確保するために必要なものとして農林水産大臣が定める基準に適合していること。

 4 農林水産大臣は、第一項の認定をしようとする場合において、その申請に係る農業経営発展計画に第二項第六号イに掲げる事項(農地法第三条第一項の許可を受けなければならないものに係るものに限る。)が記載されているときは、当該事項について、あらかじめ、農業委員会に協議し、その同意を得なければならない。

 5 農業委員会は、前項の規定による協議があつた場合において、当該協議に係る同項に規定する事項が農地法第三条第二項の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないものであると認めるときは、前項の同意をするものとする。

 6 農林水産大臣は、第一項の認定をしようとする場合において、その申請に係る農業経営発展計画に第二項第五号ハに掲げる事項(農地法第四条第一項の許可を受けなければならないものに係るものに限る。)又は第二項第六号ロに掲げる事項(同法第五条第一項の許可を受けなければならないものに係るものに限る。)が記載されているときは、これらの事項について、あらかじめ、都道府県知事等(同法第四条第一項に規定する都道府県知事等をいう。以下この条及び次条第四項において同じ。)に協議し、その同意を得なければならない。この場合において、当該都道府県知事等は、当該同意をしようとするときは、農業委員会の意見を聴かなければならない。

 7 第十二条第八項及び第九項の規定は、農業委員会が前項の規定により意見を述べようとする場合について準用する。この場合において、同条第八項中「第三項第二号の土地」とあるのは、「第十六条の二第二項第五号ハ(2)に規定する農地又は同項第六号ロ(2)に規定する農用地」と読み替えるものとする。

 8 都道府県知事等は、第六項の規定による協議があつた場合において、当該協議に係る同項に規定する事項が次に掲げる要件に該当するものであると認めるときは、同項の同意をするものとする。

  一 農地を農地以外のものにする場合にあつては、農地法第四条第六項の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。

  二 農用地を農用地以外のものにするため当該農用地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合にあつては、農地法第五条第二項の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。

 9 農林水産大臣は、第一項の認定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事等及び同意市町村にその旨を通知しなければならない。

  (農業経営発展計画の変更等)

 第十六条の三 前条第一項の認定を受けた者(以下この章及び第三十条の二において「認定経営発展法人」という。)は、当該認定に係る農業経営発展計画を変更しようとするときは、農林水産大臣の認定を受けなければならない。ただし、農林水産省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

 2 認定経営発展法人は、前項ただし書の農林水産省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

 3 農林水産大臣は、認定経営発展法人が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、前条第一項の認定に係る農業経営発展計画(第一項の規定による変更の認定又は前項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。以下この章において「認定発展計画」という。)の認定を取り消すことができる。

  一 農地所有適格法人でなくなつたとき。

  二 前条第一項第二号又は第三号に掲げる要件に該当しなくなつたとき。

  三 前条第二項第五号に規定する農用地のうち耕作又は養畜の事業に供すべきものの全てを適正に利用していないとき。

  四 第一項の認定を受けないで、所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を有している農用地についてこれらの権利を設定し、若しくは移転し、若しくは当該農用地のうち農地であるものを農地以外のものにしたとき、又は農用地についてこれらの権利を取得したとき。

  五 偽りその他不正の手段により、農業経営発展計画につき前条第一項又は第一項の認定を受けたとき。

  六 第十六条の六第一項又は第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

  七 第十六条の六第三項の規定による勧告を受けた場合において、当該勧告に従わなかつたとき。

 4 農林水産大臣は、前項の規定による認定の取消しをしたときは、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事等及び同意市町村にその旨を通知しなければならない。

 5 前条第三項から第九項までの規定は、第一項の規定による変更の認定について準用する。

  (農地法等の特例)

 第十六条の四 認定経営発展法人が認定発展計画(第十六条の二第二項第六号イに掲げる事項のうち同条第四項(前条第五項において準用する場合を含む。)の同意を得た部分に限る。)に従つて農用地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合には、農地法第三条第一項の許可があつたものとみなす。

 2 認定経営発展法人が認定発展計画(第十六条の二第二項第五号ハに掲げる事項のうち同条第六項(前条第五項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の同意を得た部分に限る。)に従つて農地を農地以外のものにする場合には、農地法第四条第一項の許可があつたものとみなす。

 3 認定経営発展法人が認定発展計画(第十六条の二第二項第六号ロに掲げる事項のうち同条第六項の同意を得た部分に限る。)に従つて農用地を農用地以外のものにするため当該農用地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合には、農地法第五条第一項の許可があつたものとみなす。

 第十六条の五 認定経営発展法人に係る第十六条の二第二項第二号の物資又は役務の取引の相手方(次条第三項第二号及び第三十条の二において「提携事業者」という。)が認定発展計画に従つて当該認定経営発展法人に出資している場合における当該認定経営発展法人についての農地法第二条第三項第二号の規定の適用については、同号中「株式会社にあつては次に掲げる者に該当する株主の有する議決権の合計が株主総会(会社法第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会を含む。)における総株主(当該種類株主総会にあつては、当該種類の株式の総株主)の議決権の過半を、持分会社にあつては次に掲げる者に該当する社員の数が社員の総数」とあるのは、「次に掲げる者(農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第十三条第二項に規定する関連事業者等(同項に規定する認定計画に従つて同法第十二条第四項に規定する措置としてその法人に出資している場合に限る。)及び農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成十四年法律第五十二号)第五条に規定する承認会社(地方公共団体、農業協同組合、農業協同組合連合会、農林中央金庫又は株式会社日本政策金融公庫がその総株主の議決権の過半数を有しているものであつて、同法第六条に規定する承認事業計画に従つて同法第二条第二項に規定する農林漁業法人等投資育成事業を営む場合に限る。)を含む。以下この号において同じ。)に該当する株主の有する議決権の合計が株主総会における総株主の議決権の三分の一を上回る割合(会社法第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会にあつては、当該種類の株式の総株主の議決権の過半)を占め、かつ、次に掲げる者又は農業経営基盤強化促進法第十六条の五に規定する提携事業者に該当する株主の有する議決権の合計が株主総会における総株主の議決権」とする。この場合においては、第十四条の二第一項の規定及び農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成十四年法律第五十二号)第十条の規定は、適用しない。

  (実施状況等の報告等)

 第十六条の六 認定経営発展法人は、農林水産省令で定めるところにより、毎年、第十六条の二第二項第四号に掲げる措置の実施状況その他農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に報告しなければならない。

 2 農林水産大臣は、前項の規定による報告のほか、認定発展計画の適正かつ効果的な実施を確保するために必要があると認めるときは、認定経営発展法人に対して、同項に規定する事項その他必要な事項について報告を求めることができる。

 3 農林水産大臣は、前二項の規定による報告に基づき、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、認定経営発展法人に対し、相当の期限を定めて、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

  一 認定発展計画が第十六条の二第三項第一号、第三号又は第六号に掲げる要件に該当しなくなつたとき。

  二 認定経営発展法人又は提携事業者が認定発展計画に従つて第十六条の二第二項第四号に掲げる措置を講じていないとき。

  三 第十六条の二第二項第四号に掲げる措置が同条第三項第四号の農林水産省令で定める基準に適合しなくなつたとき。

  (関係行政機関等の協力)

 第十六条の七 農林水産大臣は、この章の規定を施行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は農業委員会に対し、必要な資料又は情報の提供その他の協力を求めることができる。

  第四章第二節中第二十二条の八を第二十二条の九とし、第二十二条の七の前の見出しを削り、同条を第二十二条の八とし、同条の前に見出しとして「(農業振興地域の整備に関する法律の特例)」を付し、第二十二条の六の次に次の一条を加える。

  (農地法の特例)

 第二十二条の七 地域計画の区域として定められている農地について農地法第三十六条第二項の規定による通知がされた場合における同法第三十七条の規定の適用については、同条中「当該勧告があつた日から起算して六月以内に」とあるのは「遅滞なく」と、「申請することができる」とあるのは「申請しなければならない」とする。

 2 地域計画の区域として定められている農地について農地法第四十一条第一項の規定による通知がされた場合における同項の規定の適用については、同項中「当該通知の日から起算して四月以内に」とあるのは「遅滞なく」と、「申請することができる」とあるのは「申請しなければならない」とする。

  第三十条の二の見出し中「認定農業者及び認定就農者」を「認定農業者等」に改め、同条中「及び認定就農者」を「、認定就農者、認定経営発展法人及び提携事業者」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第六条の規定は、公布の日から施行する。

 (農用地等の確保等に関する基本指針及び農業振興地域整備基本方針に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に第一条の規定による改正前の農業振興地域の整備に関する法律(以下「旧農振法」という。)第三条の二又は第三条の三の規定により定められ、又は変更された農用地等の確保等に関する基本指針は、第一条の規定による改正後の農業振興地域の整備に関する法律(以下「新農振法」という。)第三条の二又は第三条の三の規定により定められ、又は変更されるまでの間は、新農振法第三条の二又は第三条の三の規定により定められ、又は変更された農用地等の確保等に関する基本指針とみなす。

2 施行日前に旧農振法第四条又は第五条の規定により定められ、又は変更された農業振興地域整備基本方針は、新農振法第四条又は第五条の規定により定められ、又は変更されるまでの間は、新農振法第四条又は第五条の規定により定められ、又は変更された農業振興地域整備基本方針とみなす。

 (農業振興地域整備計画に関する経過措置)

第三条 施行日前に農業振興地域の整備に関する法律第十三条第四項において準用する同法第八条第四項の規定による協議の申出がされた同法第十三条第二項に規定する農用地区域の変更に係る農業振興地域整備計画の変更については、なお従前の例による。

 (農地所有適格法人に関する経過措置)

第四条 第二条の規定による改正前の農地法第二条第三項に規定する農地所有適格法人であって、この法律の施行の際現に同項第二号イからチまでに掲げる者に該当する株主の有する議決権の合計が、会社法(平成十七年法律第八十六号)第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会における当該種類の株式の総株主の議決権(以下この条において「種類株主総会における総議決権」という。)の過半を占めていないものについては、第二条の規定による改正後の農地法第二条第三項第二号の規定(種類株主総会における総議決権に係る部分に限る。)は、施行日から起算して一年を経過する日までの間は、適用しない。

 (農地法の特例に関する経過措置)

第五条 第三条の規定による改正後の農業経営基盤強化促進法第二十二条の七の規定は、施行日後に農業委員会がした農地法第三十六条第二項及び第四十一条第一項の規定による通知に係る農地について適用する。

 (政令への委任)

第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第七条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


     理 由

 我が国の食料及び農業をめぐる諸情勢の変化に鑑み、国民に対する食料の安定供給を確保するため、国及び都道府県において確保すべき農用地の面積の目標の達成に向けた措置の強化、農地の違反転用に対する措置の強化、農地所有適格法人の食品事業者等との連携による経営の発展に関する計画の認定制度の創設等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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