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   農林水産大臣武部勤君不信任決議案(第一五四回国会、決議第一号)


 本院は、農林水産大臣武部勤君を信任せず。
  右決議する。

     理 由
 昨年九月、千葉県でわが国初の「BSE」感染牛が確認されたことは、わが国畜産業界のみならず、国民にとってまさに衝撃的な事態であった。その後、北海道、群馬と相次いで「BSE」感染牛が確認されるに及んで、わが国の牛肉を中心とした食の安全性に対する不信は大きく広がり、生産者、流通・加工業者、小売店や飲食業者、そして消費者に甚大な影響をもたらしている。
 この事態は、政府及び農林水産省の重大な失態によってもたらされたものである。農林水産省はこれまで一貫して、わが国における「BSE」感染牛の発生の危険性を否定しつづけ、昨年六月にはEUから日本は「BSE」感染牛の発生の恐れが高いと指摘されながら、これを全面的に否定し、そのような評価を受けることさえ拒否した。
 さかのぼれば、一九九六年四月に肉骨粉使用禁止のWHO勧告を受けたにもかかわらず、行政指導にとどめたことが、今日の事態を招来させる原因となった。WHO勧告を受けて設けられた農林水産省の「検討会」で、専門家から相次いだ法的禁止措置の提起を無視した結果であるが、その対応に重大な責任をもつ当時の農林水産省幹部をかばい、真相究明に蓋をしたのが武部農林水産大臣である。
 いわんや、その農林水産大臣が「感染源の究明はそんなに大きな問題か」などと暴言を吐き、さらに、「雪印食品問題」では、不正の温床を放置し、そのチェックに頬かむりしてきた。このような無責任な大臣が、その職にとどまるべきではないとの声が国民の間から澎湃として起こったのは当然である。
 最早、農林水産省に問題を克服する能力があるとは到底考えられない。武部農林水産大臣の罷免こそが、わが国の農林水産行政への信頼回復と「BSE」問題解決に向けて、最低限必要な措置であり、事態打開への端緒である。
 よって、ここに武部農林水産大臣の罷免を強く求め、不信任決議案を提出する。

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