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裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案(清水忠史議員提出)


   裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 第二条第一項の改正規定及び同項第一号の改正規定並びに第三条の見出しを削り、同条の前に見出しを付する改正規定、同条第一項の改正規定及び同条の次に一条を加える改正規定を次のように改める。
 目次中「第百二条」を「第百二条の二」に改める。
 第四十八条第二号の改正規定を次のように改める。
 第五十四条の次に次の一条を加える。
 (裁判員等に対する説明)
第五十四条の二 裁判長は、刑事訴訟法第二百九十一条の手続に引き続き、裁判員及び補充裁判員に対し、事実の認定は証拠によること、被告事件について犯罪の証明をすべき者、犯罪の証明がないときは無罪の言渡しをしなければならないこと、事実の認定に必要な証明の程度その他必要な事項を説明するものとする。
2 前項の説明は、公開の法廷でこれをしなければならない。
3 裁判長は、第一項の説明に際して、裁判員及び補充裁判員に対し、同項に定める事項を記載した書面を交付するものとする。
4 裁判長は、刑事訴訟法第二百九十三条の手続が終わった後、裁判員及び補充裁判員に対し、第一項に定める事項を説明するものとする。この場合においては、第二項の規定を準用する。
 第六十七条第一項に次のただし書を加える。
ただし、刑の量定において死刑に処する判断を行うには、合議体の全員の意見が一致しなければならない。
第六十七条第二項中「刑」を「死刑に処する判断以外の刑」に改める。
 第七十条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の規定は、裁判員又は補充裁判員の職にあった者については、適用しない。
 本則に次のように加える。
 第六章中第百二条の次に次の一条を加える。
(心理的負担の軽減)
第百二条の二 裁判所は、裁判員及び補充裁判員並びにこれらの職にあった者に対し、その職務の遂行により生じた心理的な負担を軽減するため、最高裁判所規則で定めるところにより、適切な措置を講じなければならない。
 第百八条第一項中「六月以下の懲役又は」を削り、同条第二項第一号中「秘密(評議の秘密を除く。)を」を「人の秘密を正当な理由がなく」に改め、同項第二号中「若しくは」を「又は」に、「又はその多少の数を」を「(裁判員の職にあった者については、自己の意見を除く。)を正当な理由がなく」に改め、同項第三号中「除く。)を」の下に「正当な理由がなく」を加え、同条第三項を削り、同条第四項中「前三項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第五項を同条第四項とし、同条第六項を削り、同条第七項を同条第五項とする。
 本則を第一条とし、本則に次の一条を加える。
第二条 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を次のように改正する。
 目次中「・第六十五条」を「―第六十五条の二」に改める。
 第二条第一項中「次条」を「第三条」に改め、同項第一号中「禁錮(こ)」を「禁錮」に改め、同項に次の一号を加える。
 三 次条第一項の決定があった事件
 第二条の次に次の一条を加える。
 (裁判員の参加する合議体で取り扱う決定)
第二条の二 地方裁判所は、前条第一項第一号又は第二号に該当する事件以外の事件であって、公訴事実又は法律上犯罪の成立を妨げる理由若しくは刑の加重減免の理由となる事実(以下「公訴事実等」という。)に争いがあると認めるものについて、最高裁判所規則の定めるところにより被告人から請求があったときは、当該事件を裁判員の参加する合議体で取り扱う決定をしなければならない。
2 簡易裁判所に係属している事件であって、公訴事実等に争いがあること及び裁判員の参加する合議体で取り扱うことについて最高裁判所規則の定めるところにより被告人から申出があったものについては、裁判所法第三十三条第一項の規定にかかわらず、地方裁判所が第一審の裁判権を有する。この場合において、簡易裁判所は、決定で、当該申出があった事件を管轄地方裁判所に移送しなければならない。
3 第一項の請求及び前項の申出は、第一回の公判期日前において裁判所が最高裁判所規則で定めるところにより指定する日までの間(公判前整理手続に付されている事件にあっては、当該公判前整理手続が終わるまでの間)にしなければならない。
4 刑事訴訟法第四十四条第一項の規定は、第一項の決定及び同項の請求を却下する決定について準用する。
5 第一項の決定又は同項の請求を却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。この場合においては、即時抗告に関する刑事訴訟法の規定を準用する。
 第三条第一項中「前条第一項各号」を「第二条第一項各号」に、「畏(い)怖し」を「畏怖し」に改め、同条第二項ただし書中「前条第一項各号」を「第二条第一項各号」に改め、同条第四項中「前条第一項」を「第二条第一項」に改める。
 第三章第二節中第六十五条の次に次の一条を加える。
 (簡易公判手続等の除外)
第六十五条の二 第二条第一項の合議体で取り扱われる事件については、簡易公判手続若しくは即決裁判手続によること又は略式命令をすることはできない。
 附則第一項に次のただし書を加える。
 ただし、第二条並びに附則第五項及び第六項の規定は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
 附則第二項の見出しを削り、同項の前に見出しとして「(第一条の規定の施行に伴う経過措置)」を付し、同項中「この法律に」を「第一条の規定に」に改め、附則に次の五項を加える。
3 第一条の規定の施行の際現に係属している事件の評決については、新法第六十七条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4 第一条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 (第二条の規定の施行に伴う経過措置)
5 第二条の規定の施行の際現に係属している事件については、同条の規定による改正後の裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第二条第一項(第三号に係る部分に限る。)及び第二条の二の規定は適用しない。第二条の規定の施行前判決が確定した事件であって同条の規定の施行後再審開始の決定が確定したものについても、同様とする。
 (検討)
6 政府は、第二条の規定の施行後三年を経過した場合において、同条の規定による改正後の裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の施行の状況等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、裁判員の参加する裁判の制度が我が国の司法制度の基盤としてより重要な役割を果たすものとなるよう、所要の措置を講ずるものとする。
 (法制上の措置等)
7 国は、裁判員の参加する刑事裁判の制度において、裁判員の負担が過重なものとならないようにしつつ、裁判員がその職責を十分に果たすことができるよう、審理を迅速で分かりやすいものとするために、刑事訴訟手続の一層の充実及び迅速化を図ることが緊要な課題であることに鑑み、この法律の施行後速やかに、検察官が保管する全ての証拠の開示を義務付ける制度並びに被疑者の取調べの状況等の録画及び録音を義務付けるとともにその取調べの際に弁護人の立会いを認める制度を導入するため、必要な法制上の措置その他の措置を講じなければならない。
   本修正の結果必要とする経費
 本修正の結果必要とする経費は、初年度及び次年度それぞれ約八十億円、平年度約百二十億円の見込みである。

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