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   ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案要綱


第一 総則
 一 目的
   この法律は、人の生命の萌芽であるヒト胚の人為による作成及び利用が人の尊厳の保持並びに人の生命及び身体の安全の確保に重大な影響を及ぼすおそれがあること並びに人の属性を有する胚が人の尊厳の保持並びに人の生命及び身体の安全の確保に重大な影響を及ぼす個体の人為による生成をもたらすおそれがあるものであることにかんがみ、ヒト胚の作成及び利用について必要な規制を行うとともに、人の属性を有する胚の人又は動物の胎内への移植を禁止するほか、その作成及び利用について必要な規制を行うことにより、人の尊厳の保持並びに人の生命及び身体の安全の確保を図ることを目的とすること。
(第一条関係)
 二 定義
  1 胚 一の細胞(配偶子であるものを除く。)又は細胞群であって、そのまま人又は動物の胎内において発生の過程を経ることにより一の個体に成長する可能性のあるもののうち、胎盤の形成を開始する前のものをいうものとすること。
  2 配偶子 精子(その染色体の数が精子の染色体の数に等しい精細胞を含む。以下同じ。)及び卵子をいうものとすること。
  3 卵子 未受精の卵細胞及びその染色体の数が未受精の卵細胞の染色体の数に等しい卵母細胞をいうものとすること。
  4 ヒト胚 ヒトの精子とヒトの卵子との受精により生ずる胚(当該胚が一回以上分割されることにより順次生ずるそれぞれの胚であって、その分割が人の胎外においてされたものでないものを含む。)をいうものとすること。
  5 人の属性を有する胚 次のいずれかに掲げる胚(当該胚が一回以上分割されることにより順次生ずるそれぞれの胚を含む。)をいうものとすること。
   イ その細胞の核の遺伝情報の総体が、人、人の胎児又は他のヒト胚の細胞の核の遺伝情報の総体と同一である胚(ヒト胚及びロに掲げるものを除く。)
   ロ ヒトの細胞の核と動物の卵子又は一の細胞である動物の胚を融合させることにより作成される胚
   ハ 動物の細胞の核とヒトの卵子又は一の細胞であるヒト胚を融合させることにより作成される胚
   ニ ヒトの配偶子と動物の配偶子を受精させることにより作成される胚
   ホ ヒト胚に、その胚と一体となって分裂成長することが可能なヒトの細胞又は動物の細胞を集合させることにより作成される胚
   ヘ 動物の胚に、その胚と一体となって分裂成長することが可能なヒトの細胞を集合させることにより作成される胚
  6 動物 乳綱に属する種の個体(ヒトを除く。)をいうものとすること。
  7 胎児 人又は動物の胎内にある細胞群であって、そのまま胎内において発生の過程を経ることにより一の個体に成長する可能性のあるもののうち、胎盤の形成の開始以後のものをいい、胎盤その他の附属物を含むものとすること。
  8 ヒトの細胞 ヒト(死体を含む。)、ヒトの胎児(死胎を含む。)若しくはヒト胚から採取された細胞(配偶子を除く。)若しくは一の細胞であるヒト胚又は当該細胞の分裂により生ずる細胞をいうものとすること。
  9 動物の細胞 動物(死体を含む。)、動物の胎児(死胎を含む。)若しくは動物の胚から採取された細胞(配偶子を除く。)若しくは一の細胞である動物の胚又は当該細胞の分裂により生ずる細胞をいうものとすること。
  10 人の属性を有する胚の細胞 人の属性を有する胚から採取された細胞若しくは一の細胞である人の属性を有する胚又は当該細胞の分裂により生ずる細胞をいうものとすること。
  11 融合 受精以外の方法により複数の細胞が合体して一の細胞を生ずることをいい、一の細胞の核が他の除核された細胞に移植されることを含むものとすること。
  12 除核 細胞から核を取り除き、又は細胞の核を破壊することをいうものとすること。
  13 生殖補助医療 医療法第一条の二第二項に規定する医療提供施設において医業として行われる人の生殖の補助をいうものとすること。
  14 余剰胚 生殖補助医療として作成されたヒト胚であって、生殖補助医療に使用されないこととされたものをいうものとすること。
  15 ヒト胚性幹細胞 ヒトの生体を構成するあらゆる種類の細胞に分化する能力をもつ細胞として初期のヒト胚又はヒトの始原生殖細胞から作成される細胞であって、胚でないものをいうものとすること。
  16 人の属性を有する胚又は人の属性を有する胚の細胞にさらに融合等の操作が加えられて生ずる胚に関して定義を読み替えて適用する必要があるため、これらについて規定するものとすること。
(第二条関係)
 三 基本的理念
  1 ヒト胚は、人の生命の萌芽であって、何人も、みだりにこれを作成し、又は利用してはならないものとすること。
  2 ヒト胚を取り扱うに当たっては、いやしくも人の尊厳を冒すことがないよう特に誠実かつ慎重に行わなければならないものとすること。
  3 人の属性を有する胚の作成又は利用は、その胚からの個体の生成につながるものであってはならないものとすること。
(第三条関係)
第二 ヒト胚の作成等に係る規制
 一 ヒト胚の作成等の禁止
  1 何人も、人の胎外においてヒト胚を作成してはならないものとすること。ただし、生殖補助医療又は生殖補助医療に係る医学研究(以下「生殖補助医学研究」という。)として作成する場合は、この限りでないものとすること。
  2 何人も、ヒト胚を使用してはならないものとすること。ただし、生殖補助医療として作成されたヒト胚を生殖補助医療として使用する場合、生殖補助医学研究として作成されたヒト胚を生殖補助医学研究として使用する場合又は余剰胚を生殖補助医学研究として使用し、若しくは二の1の許可を受けて使用する場合は、この限りでないものとすること。
  3 生殖補助医療又は生殖補助医学研究としてヒト胚を使用する者及び二の1の許可を受けて余剰胚を使用する者は、ヒト胚を動物の胎内に移植してはならないものとすること。
  4 何人も、二の1の許可を受けた者(以下「許可ヒト胚使用者」という。)以外の者に、生殖補助医療及び生殖補助医学研究以外に使用するためヒト胚を譲り渡してはならないものとすること。
  5 許可ヒト胚使用者でなければ、生殖補助医療及び生殖補助医学研究以外に使用するためヒト胚を譲り受け、又は輸入してはならないものとすること。
(第四条関係)
 二 使用の許可
  1 余剰胚を生殖補助医学研究以外に使用しようとする者は、文部科学大臣の許可を受けなければならないものとすること。
  2 1の許可を受けようとする者は、一定の事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならないものとすること。
(第五条関係)
 三 許可の基準等
  1 文部科学大臣は、二の1の許可の申請があった場合においては、その申請が次の(一)及び(二)に適合していると認めるときでなければ、二の1の許可をしてはならないものとすること。
   (一) 使用の目的がヒト胚性幹細胞の樹立に係る研究であって、ヒト胚を使用することが当該研究において科学的な合理性及び必要性を有するものと認められるものであること。
   (二) 使用及び使用後の取扱いが六の1のヒト胚の使用に関する指針に適合するものであること。
  2 文部科学大臣は、二の1の許可をしようとする場合においては、あらかじめ、厚生労働大臣その他関係行政機関の長及びヒト胚等の作成及び利用に関する審査委員会の意見を聴かなければならないものとすること。
  3 文部科学大臣は、二の1の許可をした場合においては、遅滞なく、その旨及び文部科学省令で定める事項を公表するものとすること。
(第七条関係)
 四 変更の許可等
  1 許可ヒト胚使用者は、申請書に記載した事項のうち使用の目的及び方法並びにヒト胚の使用を必要とする理由を変更しようとするときは、文部科学大臣の許可を受けなければならないものとすること。
  2 許可ヒト胚使用者は、申請書に記載した事項のうち1の許可を受けなければならない事項以外の事項を変更するときは、文部科学大臣に届け出なければならないものとすること。
(第八条関係)
 五 許可の取消し
   文部科学大臣は、許可ヒト胚使用者が八の命令に違反したときその他一定の事由に該当するときは、二の1の許可を取り消すことができるものとすること。
(第九条関係)
 六 ヒト胚の使用に関する指針
  1 文部科学大臣は、ヒト胚の使用に関する指針を定めなければならないものとすること。
  2 1のヒト胚の使用に関する指針においては、次の(一)及び(二)に掲げる事項について定めるものとすること。
   (一) ヒト胚の使用及び使用後の取扱いの要件に関する事項
   (二) (一)に掲げるもののほか、ヒト胚の使用及び使用後の取扱いに関して配慮すべき手続その他の事項
  3 文部科学大臣は、1のヒト胚の使用に関する指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、総合科学技術会議の意見を聴かなければならないものとすること。
  4 文部科学大臣は、1のヒト胚の使用に関する指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならないものとすること。
(第十条関係)
 七 遵守義務
   許可ヒト胚使用者は、その余剰胚の使用及び使用後の取扱いを、六の1のヒト胚の使用に関する指針に従って行わなければならないものとすること。
(第十一条関係)
 八 措置命令
   文部科学大臣は、許可ヒト胚使用者の余剰胚の使用又は使用後の取扱いが六の1のヒト胚の使用に関する指針に適合しないものであると認めるときは、その許可ヒト胚使用者に対し、余剰胚の使用の中止又は使用後の取扱いの方法の改善その他必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとすること。
(第十二条関係)
第三 人の属性を有する胚の作成等に係る規制
 一 禁止行為
  1 何人も、人の属性を有する胚を人又は動物の胎内へ移植してはならないものとすること。
  2 何人も、二の1の許可を受けた者(以下「人属性胚作成使用者」という。)以外の者に人の属性を有する胚を譲り渡してはならないものとすること。
  3 人属性胚作成使用者でなければ、人の属性を有する胚を譲り受け、又は輸入してはならないものとすること。
(第十三条関係)
 二 作成又は使用の許可
  1 人の属性を有する胚を作成し、又は使用しようとする者は、文部科学大臣の許可を受けなければならないものとすること。
  2 1の許可を受けようとする者は、一定の事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならないものとすること。
(第十四条関係)
 三 許可の基準等
  1 文部科学大臣は、二の1の許可の申請があった場合においては、その申請が次の(一)及び(二)に適合していると認めるときでなければ、二の1の許可をしてはならないものとすること。
   (一) 作成又は使用の目的が人の属性を有する胚を作成し、又は使用する方法以外の方法では行うことのできない研究であって、人の属性を有する胚を作成し、又は使用することが当該研究において科学的な合理性及び必要性を有するものと認められるものであること。
   (二) 作成及び使用並びに作成後及び使用後の取扱いが六の1の人の属性を有する胚の作成及び使用に関する指針に適合するものであること。
  2 文部科学大臣は、二の1の許可をしようとする場合においては、あらかじめ、関係行政機関の長及びヒト胚等の作成及び利用に関する審査委員会の意見を聴かなければならないものとすること。
  3 文部科学大臣は、二の1の許可をした場合においては、遅滞なく、その旨及び文部科学省令で定める事項を公表するものとすること。
(第十六条関係)
 四 変更の許可等
  1 人属性胚作成使用者は、申請書に記載した事項のうち作成又は使用しようとする人の属性を有する胚の種類、作成又は使用の目的及び方法並びに人の属性を有する胚の作成又は使用を必要とする理由を変更しようとするときは、文部科学大臣の許可を受けなければならないものとすること。
  2 人属性胚作成使用者は、申請書に記載した事項のうち1の許可を受けなければならない事項以外の事項を変更するときは、文部科学大臣に届け出なければならないものとすること。
(第十七条関係)
 五 許可の取消し
   文部科学大臣は、人属性胚作成使用者が八の命令に違反したときその他一定の事由に該当するときは、二の1の許可を取り消すことができるものとすること。
(第十八条関係)
 六 人の属性を有する胚の作成及び使用に関する指針
  1 文部科学大臣は、人の属性を有する胚の作成及び使用に関する指針を定めなければならないものとすること。
  2 1の人の属性を有する胚の作成及び使用に関する指針においては、次の(一)及び(二)に掲げる事項について定めるものとすること。
   (一) 人の属性を有する胚の作成及び使用並びにその作成後及び使用後の取扱いの要件に関する事項
   (二) (一)に掲げるもののほか、人の属性を有する胚の作成及び使用並びにその作成後及び使用後の取扱いに関して配慮すべき手続その他の事項
  3 文部科学大臣は、1の人の属性を有する胚の作成及び使用に関する指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、総合科学技術会議の意見を聴かなければならないものとすること。
  4 文部科学大臣は、1の人の属性を有する胚の作成及び使用に関する指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならないものとすること。
(第十九条関係)
 七 遵守義務
   人属性胚作成使用者は、その人の属性を有する胚の作成及び使用並びにその作成後及び使用後の取扱いを、六の1の人の属性を有する胚の作成及び使用に関する指針に従って行わなければならないものとすること。
(第二十条関係)
 八 措置命令
   文部科学大臣は、人属性胚作成使用者の人の属性を有する胚の作成若しくは使用又はその作成後若しくは使用後の取扱いが六の1の人の属性を有する胚の作成及び使用に関する指針に適合しないものであると認めるときは、その人属性胚作成使用者に対し、人の属性を有する胚の作成若しくは使用の中止又はその作成後若しくは使用後の取扱いの方法の改善その他必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとすること。
(第二十一条関係)
第四 人の配偶子等の提供に関する規制
 一 提供者の同意
  1 ヒト胚を作成し、又は使用しようとする者は、当該ヒト胚に係る人の配偶子の提供者に対し、事前に、その作成又は使用の目的及び方法その他の政令で定める事項を説明し、その同意を得なければならないものとすること。
  2 人の属性を有する胚を作成し、又は使用しようとする者は、当該人の属性を有する胚に係る人の配偶子その他の人の細胞(以下「人の配偶子等」という。)の提供者に対し、事前に、その作成又は使用の目的及び方法その他の政令で定める事項を説明し、その同意を得なければならないものとすること。
(第二十二条関係)
 二 財産上の利益の供与の禁止
  1 何人も、ヒト胚又は人の属性を有する胚の授受の対価として財産上の利益を供与し、又はその供与を受けてはならないものとすること。
  2 何人も、ヒト胚又は人の属性を有する胚を作成する場合において、人の配偶子等の授受の対価として財産上の利益を供与し、又はその供与を受けてはならないものとすること。
(第二十三条関係)
 三 提供者の個人情報の保護
  1 ヒト胚又は人の属性を有する胚を作成し、又は使用する者は、当該胚の作成に用いられた人の配偶子等又は胚の提供者の個人情報(個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下同じ。)の漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならないものとすること。
  2 ヒト胚又は人の属性を有する胚を作成し、又は使用する者は、正当な理由がなく、当該胚の作成に用いられた人の配偶子等又は胚の提供者の個人情報を漏らしてはならないものとすること。
(第二十四条関係)
第五 ヒト胚等の作成及び利用に関する審査委員会
 一 文部科学省に、ヒト胚等の作成及び利用に関する審査委員会(以下「審査委員会」という。)を置くものとすること。
 二 審査委員会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するものとすること。
 三 審査委員会は、委員十一人をもって組織するものとし、委員は、学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、文部科学大臣が任命するものとすること。
 四 委員の任期、委員の罷免、委員の服務等の規定を設けるものとすること。
(第五章関係)
第六 雑則
 一 記録
   許可ヒト胚使用者又は人属性胚作成使用者は、その許可に係る余剰胚又は人の属性を有する胚について、一定の事項に関する記録を作成しなければならないものとすること。
(第三十四条関係)
 二 譲渡等の届出
   許可ヒト胚使用者又は人属性胚作成使用者は、その許可に係る余剰胚又は人の属性を有する胚を譲り渡し、輸出し、滅失し、又は廃棄したときは、遅滞なく、一定の事項を文部科学大臣に届け出なければならないものとすること。
(第三十五条関係)
 三 偶然の事由による人の属性を有する胚の生成の届出
   許可ヒト胚使用者又は人属性胚作成使用者は、偶然の事由によりその許可に係る余剰胚又は人の属性を有する胚から当該許可に係る胚以外の人の属性を有する胚が生じたときは、直ちに、一定の事項を文部科学大臣に届け出なければならないものとすること。
(第三十六条関係)
 四 作成又は使用の廃止の届出
  1 許可ヒト胚使用者又は人属性胚作成使用者は、その許可に係る作成又は使用を廃止したときは、遅滞なく、その旨を文部科学大臣に届け出なければならないものとすること。
  2 1の届出があったときは、作成又は使用の許可は、その効力を失うものとすること。
(第三十七条関係)
 五 許可の取消し、作成又は使用の廃止等に伴う措置
  1 許可の取消し、作成又は使用の廃止等の場合において、余剰胚又は人の属性を有する胚を所持している者は、遅滞なく、その余剰胚又は人の属性を有する胚を譲り渡し、廃棄する等の措置を講じなければならないものとすること。
  2 1により措置を講じなければならない者(以下「措置義務者」という。)は、当該措置を講ずる胚の種類及び数並びにその方法を文部科学大臣に届け出なければならないものとすること。
  3 文部科学大臣は、2の届出に係る措置が適当でないと認めるときは、その変更をすべきことを命ずることができるものとすること。
(第三十八条関係)
 六 報告徴収
   文部科学大臣は、この法律の施行に必要な限度において、許可ヒト胚使用者若しくは人属性胚作成使用者又は措置義務者に対し、その許可に係る余剰胚若しくは人の属性を有する胚又は五の1の措置を講ずる胚の取扱いの状況その他必要な事項について報告を求めることができるものとすること。
(第三十九条関係)
 七 立入検査
   文部科学大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、許可ヒト胚使用者、人属性胚作成使用者又は措置義務者の事務所又は研究施設に立ち入り、その者の書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができるものとすること。
(第四十条関係)
 八 国会への報告
   政府は、毎年、この法律の施行の状況を国会に報告しなければならないものとすること。
(第四十一条関係)
第七 罰則
 一 第三の一の1に違反した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。
 二 次の(一)から(四)のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。
  (一) 第二の一の1から3までに違反した者
  (二) 第二の四の1に違反して使用の目的及び方法並びにヒト胚の使用を必要とする理由を変更した者
  (三) 第三の二の1の許可を受けないで人の属性を有する胚を作成し、又は使用した者
  (四) 第三の四の1に違反して作成又は使用しようとする人の属性を有する胚の種類、作成又は使用の目的及び方法並びに人の属性を有する胚の作成又は使用を必要とする理由を変更した者
 三 その他所要の罰則規定を設けるものとすること。
(第七章関係)
第八 生殖補助医療及び生殖補助医学研究におけるヒト胚の作成及び利用の規制についての検討等
 一 政府は、この法律の施行後三年以内に、総合科学技術会議における検討を踏まえ、生殖補助医療及び生殖補助医学研究におけるヒト胚の作成及び利用の規制について法制上の措置その他必要な措置を講ずるものとすること。
 二 政府は、一に定めるものを除くほか、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況等を勘案し、ヒト胚等の作成及び利用の規制の在り方全般について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
(附則第二条関係)
第九 その他
 一 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行するものとすること。ただし、事前に許可の申請を行わせる等のため必要な規定については、公布の日又は公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
 二 その他所要の経過措置等を整備するものとすること。

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