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   債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案要綱


第一 目的規定の改正(第一条関係)
  法律の目的規定に、債権回収会社の組織する団体を認可する制度を設けその適正な活動を促進すること及び債務者等(特定金銭債権の債務者又は保証人をいう。以下同じ。)の利益の保護を図ることを追加すること。
第二 許可の基準の見直し(第五条第八号関係)
  法務大臣は、債権管理回収業の許可申請者が債権管理回収業を適正に遂行するに足りる経理的基礎を有しない株式会社であるときは、許可してはならないものとすること。
第三 債権回収会社の業務に関する規制の強化等に関する改正
 一 「人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」の明確化(第十七条第一項関係)
   債権回収会社の業務に従事する者がその業務を行うに当たってしてはならない「人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」を例示することにより、これを明確化すること。
 二 弁済に係る事項を記載した書面の交付を受ける義務(第十八条の二関係)
   債権回収会社は、金銭を目的とする消費貸借上の債務であって、利息の制限額を超える利息の支払を伴い、又はその不履行による賠償額の予定が制限額を超えるもの等に係る特定金銭債権の管理若しくは回収の委託を受け、又はこれを譲り受けるに当たっては、当該特定金銭債権の管理若しくは回収の委託又は譲渡をした者から、当該委託又は譲渡前の弁済に係る受領金額及びその利息、賠償額の予定に基づく賠償金又は元本への充当額、受領年月日その他の法務省令で定める事項を記載した書面の交付を受けなければならないものとすること。
 三 債務者等の事業の継続等への配慮(第十八条の三関係)
  1 債権回収会社は、特定金銭債権の管理又は回収の業務を行うに当たっては、当該特定金銭債権に関する従前の経過を踏まえ、当該特定金銭債権の債務者等(物上保証人を含む。)の事業の継続若しくは再建又は生活の維持に配慮しなければならないものとすること。
  2 1の場合において、債権回収会社は、保証人の保証がある特定金銭債権(物上保証人により担保が付されている債権を含む。)の管理又は回収の業務を行うに当たっては、当該保証人が、当該特定金銭債権の債務者との関係、当該特定金銭債権の回収時における当該保証人の資力等に照らして過大な責任を負っているおそれがあることに特に留意しなければならないものとすること。
 四 保証人に対する債権譲渡等の通知等(第十九条の二関係)
  1 債権回収会社に対し保証人の保証がある特定金銭債権の管理若しくは回収の委託又は譲渡をした者は、当該保証人に対し、当該委託又は譲渡をした旨、当該保証に係る債務の額等を通知するものとすること。
  2 債権回収会社は、1の通知がないときは、1の保証人に対し、1の保証に係る債務の弁済を要求してはならないものとすること。
  3 1の通知がないときは、1の保証人は、自己の債務を拒むことができるものとすること。
第四 債権管理回収業協会に関する規定の整備
 一 債権管理回収業協会(第二十五条の三及び第二十五条の四関係)
   債権管理回収業協会は、債務者等の利益の保護を図り、債権回収会社の業務の適正な運営の確保に資することを目的とする債権回収会社の自主規制団体として、債権回収会社が法務大臣の認可を受けて設立する法人とすること。
 二 定款及び業務規程等(第二十五条の九から第二十五条の十一まで関係)
   債権管理回収業協会は、定款に基づき、業務規程等において、自主規制に関し必要な事項を定めなければならないこと。
 三 協会員及び役員、監督、苦情への対応、協会によるあっせん等(第二十五条の十四から第二十五条の二十八まで関係)
   債権管理回収業協会の協会員及び役員に関する事項、法務大臣による監督、苦情への対応、協会によるあっせん等について所要の規定を設けること。
 四 協会員でない債権回収会社に対する監督(第二十五条の二関係)
   債権管理回収業協会に加入していない債権回収会社の業務について、法務大臣による債務者等の利益を保護するために必要な監督に関する規定を設けること。
第五 罰則の引上げ等
 一 五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金又はその併科とする罪(第三十三条関係)
   許可を受けないで債権管理回収業を営んだ者等に対する罰則を五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金又はその併科とすること。
 二 二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金又はその併科とする罪(第三十三条の二関係)
   特定金銭債権の管理又は回収の業務を行うに当たって人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をした者等に対する罰則を二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金又はその併科とすること。
 三 その他
   受取証書を交付しなかった者等に対する罰則を引き上げ、及び特定金銭債権の管理又は回収の業務を行うに当たり虚偽のことを告げた者等に対する罰則を新設すること。
第六 施行期日等
 一 施行期日(改正法附則第一条関係)
   この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
 二 検討(改正法附則第十四条関係)
  1 政府は、民法その他の法律における保証に関する規定について、債権回収会社による保証人に対する取立てに関する状況の推移を勘案しつつ、民法中債権に関する規定の見直しについての近時の検討状況を踏まえ、必要な見直しを行うものとすること。
  2 政府は、この法律の施行後三年を目途として、債権管理回収業協会における苦情への対応及びあっせんの業務の遂行状況、金融商品取引法等の一部を改正する法律による改正後のそれぞれの法律(以下「改正後の各法律」という。)に規定する指定紛争解決機関の指定状況及び改正後の各法律に規定する紛争解決等業務の遂行状況その他経済社会情勢等を勘案し、債権管理回収業を含めた金融分野における業態横断的かつ包括的な紛争解決体制の在り方その他の債権回収会社の行う業務に関する紛争を解決するための裁判外紛争解決手続に係る制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
 三 経過措置等
   経過措置その他所要の規定を整備すること。

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