任命に当たり両議院の同意を要する国家公務員等の範囲の適正化等のための関係法律の整備に関する法律案要綱
第一 国会同意人事の対象の限定
任命に当たり両議院の同意を要する国家公務員等のうち、次に掲げるものについて、両議院の同意を不要とすること。
一 国地方係争処理委員会委員 （地方自治法第二百五十条の九第一項関係）
二 会計検査院情報公開・個人情報保護審査会委員 （会計検査院法第十九条の三第一項関係）
三 再就職等監視委員会の委員長及び委員 （国家公務員法第百六条の八第一項関係）
四 公認会計士・監査審査会の会長及び委員 （公認会計士法第三十七条の二第一項関係）
五 中央社会保険医療協議会委員 （社会保険医療協議会法第三条第六項関係）
六 電波監理審議会委員 （電波法第九十九条の三第一項関係）
七 社会保険審査会の委員長及び委員 （社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十二条第一項関係）
八 原子力委員会の委員長及び委員 （原子力委員会設置法第五条第一項関係）
九 労働保険審査会委員 （労働保険審査官及び労働保険審査会法第二十七条第一項関係）
十 土地鑑定委員会委員 （地価公示法第十五条第一項関係）
十一 公害健康被害補償不服審査会委員 （公害健康被害の補償等に関する法律第百十三条第一項関係）
十二 電気通信紛争処理委員会委員 （電気通信事業法第百四十七条第一項関係）
十三 国会等移転審議会委員 （国会等の移転に関する法律第十五条第二項関係）
十四 証券取引等監視委員会の委員長及び委員 （金融庁設置法第十二条第一項関係）
十五 総合科学技術会議議員 （内閣府設置法第三十条第一項関係）
十六 地方財政審議会委員 （総務省設置法第十二条第一項関係）
十七 運輸審議会委員 （国土交通省設置法第十八条第一項関係）
十八 国家公務員倫理審査会の会長及び委員 （国家公務員倫理法第十四条第一項関係）
十九 食品安全委員会委員 （食品安全基本法第二十九条第一項関係）
二十 情報公開・個人情報保護審査会委員 （情報公開・個人情報保護審査会設置法第四条第一項関係）
二十一 公益認定等委員会委員
（公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第三十五条第一項関係）
二十二 中央更生保護審査会の委員長及び委員 （更生保護法第六条第一項関係）
二十三 調達価格等算定委員会委員
（電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法第三十三条第一項関係）
第二 職務継続規定の整備等
１ 職務継続規定の整備
引き続き任命に当たり両議院の同意を要する国家公務員等のうち、任期満了時における職務継続規定のない次に掲げるものについて、その任期が満了したときに、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする旨の規定を設けること。
一 公正取引委員会の委員長及び委員
（私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第三十条関係）
二 検査官 （会計検査院法第五条関係）
三 人事官 （国家公務員法第七条関係）
四 公安審査委員会の委員長及び委員 （公安審査委員会設置法第六条関係）
五 国家公安委員会委員 （警察法第八条関係）
六 公害等調整委員会の委員長及び委員 （公害等調整委員会設置法第八条関係）
七 衆議院議員選挙区画定審議会委員 （衆議院議員選挙区画定審議会設置法第六条関係）
八 日本銀行の総裁、副総裁及び政策委員会審議委員 （日本銀行法第二十四条関係）
２ 国会閉会中等における人事官の任命に係る規定の整備
国会閉会中又は衆議院解散中に任期が満了した場合の任命手続規定のない人事官について、内閣は人事官を任命することができるが、任命後最初の国会で両議院の事後承認を得なければならない旨の規定を設けること。 （国家公務員法第五条関係）
第三 その他
一 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、第二は、公布の日から施行すること。
二 任命に当たり両議院の同意を要する国家公務員等の範囲については、少なくとも五年ごとに、内閣からの独立性及び職務の重要性、国会審議の在り方等を勘案しつつ検討するものとし、必要があると認められるときは、所要の措置を講ずるものとすること。
三 その他所要の規定の整備を行うこと。