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   国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案 要綱


一 目的
  この法律は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行を禁止することにより、これらの施設に対する危険を未然に防止し、もって国政の中枢機能等及び良好な国際関係の維持に資することを目的とすること。             (第1条関係)

二 定義
 1 この法律において「対象施設」とは、次に掲げる施設をいうこと。
 (1) 国の重要な施設等として次に掲げる施設
   ア 国会議事堂、議員会館並びに衆議院議長及び参議院議長の公邸その他国会に置かれる機関の庁舎であって東京都千代田区永田町1丁目又は2丁目に所在するもの
   イ 内閣総理大臣官邸並びに内閣総理大臣及び内閣官房長官の公邸
   ウ 最高裁判所の庁舎であって東京都千代田区隼町に所在するもの
   エ 皇居及び御所であって東京都港区元赤坂2丁目に所在するもの
   オ 四1により対象政党事務所として指定された施設
 (2) 五1により対象外国公館等として指定された施設
 2 この法律において「対象施設周辺地域」とは、1(1)アからエまでに掲げる対象施設については三2により指定された地域をいい、1(1)オに掲げる対象施設については四2により指定された地域をいい、1(2)に掲げる対象施設については五2により指定された地域をいうこと。
 3 この法律において「小型無人機」とは、飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船その他航空法第2条第1項に規定する航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものをいうこと。
(第2条関係)

三 国の所有する対象施設の敷地等の指定
 1 次に掲げる者は、そのそれぞれに定める対象施設の敷地又は区域を指定しなければならないこと。
  ア 衆議院議長及び参議院議長 その所管に属する二1(1)アに掲げる対象施設の敷地(国会議事堂の敷地にあっては、その所管に属する部分に限る。)
  イ 内閣総理大臣 二1(1)イに掲げる対象施設の敷地及び二1(1)エに掲げる対象施設の区域(一般の利用に供される区域を除く。)
  ウ 最高裁判所長官 二1(1)ウに掲げる対象施設の敷地
 2 1に掲げる者は、1により対象施設の敷地又は区域を指定するときは、当該対象施設の敷地又は区域及びその周囲おおむね300メートルの地域を、当該対象施設に係る対象施設周辺地域として指定するものとすること。
 3 1に掲げる者は、1の対象施設の敷地又は区域及び当該対象施設に係る対象施設周辺地域を指定する場合には、その旨並びに当該対象施設の敷地又は区域及び当該対象施設に係る対象施設周辺地域を官報で告示しなければならないこと。
(第3条関係)

四 対象政党事務所の指定等
 1 総務大臣は、衆議院議員又は参議院議員が所属している政党の要請があったときは、その主たる事務所を対象政党事務所として指定するものとすること。この場合において、総務大臣は、併せて当該対象政党事務所の敷地を指定するものとすること。
 2 総務大臣は、1により対象政党事務所及び当該対象政党事務所の敷地を指定するときは、当該対象政党事務所の敷地及びその周囲おおむね300メートルの地域を、当該対象政党事務所に係る対象施設周辺地域として指定するものとすること。
 3 総務大臣は、対象政党事務所及び当該対象政党事務所の敷地並びに当該対象政党事務所に係る対象施設周辺地域を指定する場合には、その旨並びに当該対象政党事務所の名称、所在地及び敷地並びに当該対象政党事務所に係る対象施設周辺地域を官報で告示しなければならないこと。
(第4条関係)

五 対象外国公館等の指定等
 1 外務大臣は、大使館等、領事館等及び外国政府又は国際機関の事務所並びに外国要人の所在する場所のうち、一の目的に照らしその施設に対する小型無人機による危険を未然に防止することが必要であると認めるものを、対象外国公館等として指定することができること。この場合において、外務大臣は、併せて当該対象外国公館等の敷地又は区域を指定するものとすること。
 2 外務大臣は、1により対象外国公館等及び当該対象外国公館等の敷地又は区域を指定するときは、当該対象外国公館等の敷地又は区域及びその周囲おおむね300メートルの地域を、当該対象外国公館等に係る対象施設周辺地域として指定するものとすること。
 3 外務大臣は、対象外国公館等及び当該対象外国公館等の敷地又は区域並びに当該対象外国公館等に係る対象施設周辺地域を指定する場合には、その旨並びに当該対象外国公館等の名称、所在地及び敷地又は区域並びに当該対象外国公館等に係る対象施設周辺地域を官報で告示しなければならないこと。
(第5条関係)

六 対象施設等の周知
  国は、対象施設、対象施設の指定敷地等(三1、四1又は五1により指定された敷地及び区域をいう。以下六及び九1において同じ。)及び対象施設周辺地域を国民に周知するため、対象施設、対象施設の指定敷地等及び対象施設周辺地域に関する地図を作成し、インターネットの利用その他の方法により公表するものとすること。                            (第6条関係)

七 対象施設周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止
 1 何人も、対象施設周辺地域の上空において、小型無人機を飛行させてはならないこと。
 2 1は、次に掲げる小型無人機の飛行については、適用しないこと。
  ア 対象施設の管理者又はその同意を得た者が当該対象施設に係る対象施設周辺地域の上空においてする小型無人機の飛行
  イ 土地の所有者若しくは占有者(正当な権原を有する者に限る。)又はその同意を得た者が当該土地の上空においてする小型無人機の飛行
  ウ 国又は地方公共団体の業務を行うためにする小型無人機の飛行
 3 2に掲げる小型無人機の飛行をしようとする者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、その旨を当該小型無人機の飛行に係る対象施設周辺地域を管轄する都道府県公安委員会に通報しなければならないこと。
(第7条関係)

八 対象施設の安全の確保のための措置
 1 警察官は、七1又は七3に違反して小型無人機が飛行していると認められる場合には、当該小型無人機を飛行させている者に対し、当該小型無人機を対象施設周辺地域の上空から退去させることその他の対象施設に対する危険を未然に防止するために必要な措置をとることを命ずることができること。
 2 1の場合において、1による措置をとることを命ぜられた者が当該措置をとらないとき、その命令の相手方が現場にいないために当該措置をとることを命ずることができないとき又は1の小型無人機の飛行をしている者に対し当該措置をとることを命ずるいとまがないときは、警察官は、対象施設に対する危険を未然に防止するためやむを得ないと認められる限度において、1の小型無人機の飛行の妨害又は破損その他の必要な措置をとることができること。
 3 1及び2は、皇宮護衛官及び海上保安官の職務の執行について準用すること。
 4 国又は地方公共団体は、2(3において準用する場合を含む。)による措置が行われたときは、当該措置により損失を受けた者(七1又は七3に違反して小型無人機を飛行させた者を除く。)に対し、当該措置により通常生ずべき損失を補償しなければならないこと。
(第8条関係)

九 罰則
 1 七1に違反して対象施設及びその指定敷地等の上空で小型無人機を飛行させた者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処すること。
 2 八1による警察官の命令(八3において準用する八1による皇宮護衛官又は海上保安官の命令を含む。)に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処すること。
(第9条関係)

十 施行期日等
 1 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行すること。
 2 国は、速やかに、防衛省、警察庁、海上保安庁等危機管理に関する機能を担う機関の庁舎等の重要な施設に対する上空からの危険の未然の防止の在り方のほか、小型無人機の安全な飛行の確保の在り方等について、小型無人機の多様な分野における利用の促進のための施策をも踏まえ、かつ、小型無人機に関連する技術の進歩を勘案しつつ、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
 3 その他所要の規定を整理すること。
(附則関係)

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