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法律第百一号(平二八・一二・九)

  ◎民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 休眠預金等に係る資金の移管及び管理等

  第一節 休眠預金等に係る資金の移管及び管理(第三条−第八条)

  第二節 預金保険機構の業務の特例等(第九条−第十五条)

 第三章 休眠預金等交付金に係る資金の活用

  第一節 総則(第十六条・第十七条)

  第二節 基本方針及び基本計画(第十八条・第十九条)

  第三節 指定活用団体(第二十条−第三十四条)

  第四節 休眠預金等活用審議会(第三十五条−第四十一条)

 第四章 雑則(第四十二条−第五十四条)

 第五章 罰則(第五十五条−第六十一条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、休眠預金等に係る預金者等の利益を保護しつつ、休眠預金等に係る資金を民間公益活動を促進するために活用することにより、国民生活の安定向上及び社会福祉の増進に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「金融機関」とは、次に掲げる者(この法律の施行地外に本店を有するものを除く。)をいう。

 一 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行(第四十三条第二項において単に「銀行」という。)

 二 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第二条に規定する長期信用銀行(第四十三条第二項において単に「長期信用銀行」という。)

 三 信用金庫

 四 信用協同組合

 五 労働金庫

 六 信用金庫連合会

 七 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会(第四十三条第二項において「信用協同組合連合会」という。)

 八 労働金庫連合会

 九 株式会社商工組合中央金庫

 十 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合

 十一 農業協同組合法第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合連合会

 十二 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合

 十三 水産業協同組合法第八十七条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合連合会

 十四 水産業協同組合法第九十三条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合

 十五 水産業協同組合法第九十七条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合連合会

 十六 農林中央金庫

2 この法律において「預金等」とは、一般預金等(預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第五十一条第一項に規定する一般預金等をいう。)若しくは決済用預金(同法第五十一条の二第一項に規定する決済用預金をいう。)又は一般貯金等(農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)第五十一条第一項に規定する一般貯金等をいう。)若しくは決済用貯金(同法第五十一条の二第一項に規定する決済用貯金をいう。)(主務省令で定めるものを除く。)をいう。

3 この法律において「預金者等」とは、預金者その他の預金等に係る債権を有する者をいう。

4 この法律において「異動」とは、預金等に係る次に掲げる事由をいう。

 一 当該預金等に係る預金者等その他の主務省令で定める者が当該預金等を利用する意思を表示したものと認められる事由として主務省令で定める事由

 二 前号に掲げる事由に準ずるものとして主務省令で定める事由のうち、当該預金等に係る金融機関が、この法律に基づく業務を円滑に実施するため同号に掲げる事由と同様に取り扱うことが必要かつ適当なものとして、主務省令で定めるところにより、行政庁の認可を受けた事由

5 この法律において「最終異動日等」とは、預金等に係る次に掲げる日のうち最も遅い日をいう。

 一 当該預金等に係る異動が最後にあった日

 二 将来における当該預金等に係る債権の行使が期待される事由として主務省令で定める事由のある預金等にあっては、当該預金等に係る債権の行使が期待される日として主務省令で定める日

 三 当該預金等に係る金融機関が当該預金等に係る預金者等に対して次条第二項の主務省令で定める事項の通知を発した日(当該通知が当該預金等に係る預金者等に到達した場合又は当該通知が当該預金者等に到達したものとして取り扱うことが適当である場合として主務省令で定める場合に限る。)

 四 当該預金等が預金等に該当することとなった日

6 この法律において「休眠預金等」とは、預金等であって、当該預金等に係る最終異動日等から十年を経過したものをいう。

7 第五項の規定の適用については、同一の預金者等に係る他の預金等を原資として当該預金者等の指図によらずに受け入れた預金等は、当該他の預金等と同一の預金等とみなす。

   第二章 休眠預金等に係る資金の移管及び管理等

    第一節 休眠預金等に係る資金の移管及び管理

 (金融機関による公告、通知等)

第三条 金融機関(清算中の金融機関を除く。次項及び次条第一項において同じ。)は、最終異動日等から九年を経過した預金等があるときは、当該預金等に係る最終異動日等から十年六月を経過する日(第三項各号に掲げる事由が生じた金融機関について、当該各号に規定する事由が生じた場合にあっては、主務省令で定める日。第五条第二項において同じ。)までに、主務省令で定めるところにより、当該預金等について次に掲げる事項を公告しなければならない。

 一 当該預金等に係る最終異動日等に関する事項

 二 当該預金等に係る次条第一項に規定する休眠預金等移管金(次号において単に「休眠預金等移管金」という。)の同項に規定する納期限

 三 休眠預金等移管金が預金保険機構に納付されたときは、当該納付の日において当該預金等に係る債権が消滅する旨

 四 第七条第二項に規定する休眠預金等代替金の支払に関する事項

 五 その他主務省令で定める事項

2 前項の場合において、金融機関は、同項の規定による公告に先立ち、同項の預金等に係る預金者等に対し、主務省令で定める方法により、当該預金等に係る金融機関及びその店舗並びに預金等の種別、口座番号及び額その他の当該預金等を特定するに足りる事項として主務省令で定める事項の通知を発しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

 一 最終異動日等から九年を経過した日における当該預金等に係る債権の元本の額が主務省令で定める額に満たない場合

 二 当該預金者等の住所その他の当該通知を受ける場所が明らかでない場合として主務省令で定める場合

 三 その他主務省令で定める場合

3 前二項の規定は、次の各号に掲げる事由が生じた金融機関であって、当該各号に規定する事由が生じていないものについては、適用しない。

 一 破産手続の開始 当該破産手続の終了

 二 再生手続の開始 当該再生手続の終了(民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百八十八条第一項から第三項までの規定に基づく再生手続終結の決定により当該再生手続が終了した場合であって、当該再生手続に係る再生計画(同法第二条第三号に規定する再生計画をいう。)による変更がなされた後の第一項の預金等に係る債権の額が確定していないときにあっては、当該額の確定)

 三 更生手続の開始 当該更生手続の終了(会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百三十九条第一項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百五十三条において準用する場合を含む。)の規定に基づく更生手続終結の決定により当該更生手続が終了した場合であって、当該更生手続に係る更生計画(株式会社については会社更生法第二条第二項に規定する更生計画をいい、協同組織金融機関(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第二条第二項に規定する協同組織金融機関をいう。)については金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四条第二項に規定する更生計画をいう。)による変更がなされた後の第一項の預金等に係る債権の額が確定していないときにあっては、当該額の確定)

 四 その他主務省令で定める事由 当該事由に関して主務省令で定める事由

4 金融機関は、預金者等から当該預金者等に係る第一項の預金等に関して同項各号に掲げる事項その他主務省令で定める事項について情報の提供を求められた場合には、その求めに応じなければならない。

 (休眠預金等移管金の納付)

第四条 金融機関は、前条第一項の規定による公告をした日から二月を経過した休眠預金等があるときは、当該公告をした日を基準として主務省令で定める期限(前条第三項各号に掲げる事由、預金等の払戻しの停止その他の当該休眠預金等に係る債権を消滅させることが適当でないと認められる事由として主務省令で定める事由がある場合にあっては、主務省令で定める期限。以下この項及び次条第一項において「納期限」という。)までに、その納付の日(納期限までに納付が行われなかった場合にあっては、当該納期限)において現に預金者等が有する当該休眠預金等に係る債権(元本及び利子等に係るものに限る。以下同じ。)の額に相当する額として主務省令で定める額の金銭(以下「休眠預金等移管金」という。)を、預金保険機構に納付しなければならない。

2 前項の「利子等」とは、次の各号に掲げる預金等の区分に応じ当該各号に定めるものをいう。

 一 預金 当該預金の利子

 二 貯金 当該貯金の利子

 三 定期積金 当該定期積金に係る契約に基づく給付補填金(所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第百七十四条第三号に掲げる給付補填金をいう。)

 四 銀行法第二条第四項に規定する掛金 当該掛金に係る契約に基づく給付補填金(所得税法第百七十四条第四号に掲げる給付補填金をいう。)

 五 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第六条の規定により元本の補填の契約をした金銭信託(貸付信託を含む。以下この号及び次項において単に「金銭信託」という。)に係る信託契約により受け入れた金銭 当該金銭に係る金銭信託の収益の分配

 六 長期信用銀行法第八条の規定による長期信用銀行債及び金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和四十三年法律第八十六号)第八条第一項(同法第五十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による特定社債(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第百九十九条の規定による改正前の金融機関の合併及び転換に関する法律第十七条の二第一項(同法第二十四条第一項第七号において準用する場合を含む。)の規定により発行される債券を含む。)、株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)第三十三条の規定による商工債(同法附則第三十七条の規定により同法第三十三条の規定により発行された商工債とみなされたものを含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十四条の二の四第一項の規定による全国連合会債並びに農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第六十条の規定による農林債(以下この号において「長期信用銀行債等」という。)の発行により払込みを受けた金銭 長期信用銀行債等(割引の方法により発行されるものを除く。)の利子

3 前項第五号に掲げる金銭に係る休眠預金等移管金については、当該金銭に係る金銭信託の信託財産から支弁する。

 (延滞金等)

第五条 金融機関は、休眠預金等移管金をその納期限までに納付しない場合には、預金保険機構に対し、未納の休眠預金等移管金の額にその納期限の翌日からその納付の日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額の延滞金を納付しなければならない。

2 金融機関は、最終異動日等から十年六月を経過する日までに第三条第一項の規定による公告をしなかった休眠預金等に係る休眠預金等移管金がある場合には、預金保険機構に対し、当該休眠預金等移管金の額に当該最終異動日等から十年六月を経過する日の翌日からその公告の日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額の過怠金を納付しなければならない。

 (休眠預金等に関する情報提供等)

第六条 金融機関は、第四条第一項の規定による休眠預金等移管金の納付に際し、主務省令で定めるところにより、当該休眠預金等移管金に係る休眠預金等に係る預金者等の氏名又は名称、預金等の種別、預金等に係る債権の内容その他の当該休眠預金等に係る情報として主務省令で定める情報を、預金保険機構に対して、電子情報処理組織を使用して又は磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)により提供しなければならない。

2 金融機関は、前項の規定による情報の提供を適正に行うために必要な電子情報処理組織の整備その他の措置を講じなければならない。

3 内閣総理大臣は、前項に規定する措置が講ぜられていないと認めるときは、金融機関に対し、その必要の限度において、期限を付して当該措置を講ずるよう命ずることができる。

4 預金保険機構は、次条第二項に規定する休眠預金等に係る預金者等であった者から同項に規定する休眠預金等代替金(既に支払が行われたものを除く。)に係る休眠預金等に関して第一項の規定により提供を受けた情報の提供を求められた場合には、その求めに応じなければならない。

5 前項の求めは、預金保険機構から委託を受けて第十条第一項に規定する支払等業務(次条第四項において単に「支払等業務」という。)を行う金融機関がある場合にあっては、当該金融機関を通じて行わなければならない。

 (休眠預金等に係る債権の消滅等)

第七条 休眠預金等に係る債権について第四条第一項の規定による休眠預金等移管金の全額の納付があったときは、その納付の日において現に預金者等が有する当該休眠預金等に係る債権は、消滅する。

2 前項の規定により休眠預金等に係る債権が消滅した場合において、当該休眠預金等に係る預金者等であった者は、預金保険機構に対して主務省令で定めるところによりその旨を申し出たときは、預金保険機構に対し、当該債権のうち元本の額に相当する部分の金額に主務省令で定める利子に相当する金額(第四条第二項に規定する利子等の生じない休眠預金等については零とする。)を加えた額の金銭(以下「休眠預金等代替金」という。)の支払を請求することができる。

3 金融機関は、前項の申出について預金者等からあらかじめ委任を受けることができない。ただし、主務省令で定めるところにより、第一項の規定による休眠預金等に係る債権の消滅がなかったとしたならば異動に該当することとなる事由又は休眠預金等代替金に係る債権の行使が期待される事由として主務省令で定める事由が生じたことを条件として委任を受けるものについては、この限りでない。

4 第二項の申出及び支払の請求は、預金保険機構から委託を受けて支払等業務を行う金融機関がある場合にあっては、当該金融機関を通じて行わなければならない。

5 休眠預金等代替金の支払は、預金保険機構の事務所(前項に規定する場合にあっては、同項の委託を受けた金融機関の営業所又は事務所であって当該委託に係る業務を取り扱うもの)においてしなければならない。ただし、預金保険機構(同項に規定する場合にあっては、同項の委託を受けた金融機関)と当該支払の請求を行う者との間に別段の合意がある場合は、この限りでない。

 (休眠預金等交付金の交付等)

第八条 預金保険機構は、毎事業年度、前事業年度において第四条第一項の規定により納付された休眠預金等移管金に相当する額(この条に規定する休眠預金等交付金の交付に充てるためこの条に規定する資金の取崩しについて内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けた場合においては、当該額にその承認を受けた額を合算した額)から第十四条に規定する準備金の額及び次条に規定する休眠預金等管理業務に必要な経費の額を合算した額を控除した金額のうち、第二十六条第一項の規定による内閣総理大臣の認可を受けた事業計画の実施に必要な金額として内閣府令・財務省令で定める金額(第二十条第一項に規定する民間公益活動促進業務(第十八条第二項第三号及び第十九条第二項第二号において単に「民間公益活動促進業務」という。)に係る人件費その他の内閣府令で定める事務に要する経費の財源をその運用によって得るために必要な金額を含む。以下「休眠預金等交付金」という。)を、内閣府令・財務省令で定めるところにより、第二十条第一項に規定する指定活用団体(第十八条第二項第五号及び第十九条第二項第三号ロにおいて単に「指定活用団体」という。)に交付し、なお残余があるときは、その残余の額を将来における休眠預金等交付金の交付、次条に規定する休眠預金等管理業務に必要な経費又は第十四条に規定する準備金の積立てに充てるための資金として積み立てなければならない。

    第二節 預金保険機構の業務の特例等

 (預金保険機構の業務の特例)

第九条 預金保険機構(以下「機構」という。)は、預金保険法第三十四条に規定する業務のほか、第一条の目的を達成するため、次の業務(以下「休眠預金等管理業務」という。)を行う。

 一 第四条第一項の規定により納付された休眠預金等移管金の収納

 二 第六条第一項の規定により提供された情報の保管

 三 第六条第四項の規定による当該情報の提供

 四 第七条第二項の規定により請求された休眠預金等代替金の支払

 五 第八条の規定による休眠預金等交付金の交付

 六 第十一条の規定による手数料の支払

 七 前各号に掲げる業務に附帯する業務

 (支払等業務の委託)

第十条 機構は、休眠預金等移管金を納付した金融機関(当該金融機関から預金等に係る債務を承継した金融機関がある場合にあっては、当該金融機関)に対し、当該休眠預金等移管金に関する前条第二号から第四号までに掲げる業務並びにこれらの業務に附帯する業務(以下「支払等業務」という。)の全部又は一部を委託することができる。

2 前項の金融機関は、機構から同項の委託の申出を受けたときは、機構と当該委託に係る契約をしなければならない。

3 機構は、前項の委託に係る契約の条項については、あらかじめ、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

4 第一項の金融機関は、機構と第二項の委託に係る契約をしたときは、他の法律の規定にかかわらず、当該契約に基づく業務を行うことができる。

5 金融機関代理業者(銀行法第二条第十五項に規定する銀行代理業者、長期信用銀行法第十六条の五第三項に規定する長期信用銀行代理業者、信用金庫法第八十五条の二第三項に規定する信用金庫代理業者、協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の三第三項に規定する信用協同組合代理業者、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第八十九条の三第三項に規定する労働金庫代理業者、株式会社商工組合中央金庫法第二条第四項に規定する代理又は媒介に係る契約の相手方、農業協同組合法第九十二条の二第三項に規定する特定信用事業代理業者、水産業協同組合法第百二十一条の二第三項に規定する特定信用事業代理業者、農林中央金庫法第九十五条の二第三項に規定する農林中央金庫代理業者並びに農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律(平成八年法律第百十八号)第四十二条第三項の認可に係る業務の代理を行う同法第二条第一項第一号に規定する特定農業協同組合、同項第三号に規定する特定漁業協同組合及び同項第五号に規定する特定水産加工業協同組合をいう。次項、第四十三条第一項及び第二項並びに第四十四条第一項において同じ。)は、他の法律の規定にかかわらず、第一項の規定による支払等業務の委託を受けた金融機関から当該業務の一部の再委託を受け、当該業務を行うことができる。

6 預金保険法第二十三条の規定は、第一項の規定による支払等業務の委託を受けた金融機関又は前項の規定による支払等業務の再委託を受けた金融機関代理業者の役員又は職員で、第一項又は前項の業務に従事するものについて準用する。

 (手数料)

第十一条 機構は、前条第一項の規定による支払等業務の委託をしたときは、当該委託を受けた金融機関に対し、当該委託に係る契約に基づき当該金融機関が行う業務に通常必要となる経費等を勘案して内閣総理大臣及び財務大臣が定める額の手数料を支払わなければならない。

 (算出方法書)

第十二条 機構は、休眠預金等管理業務の開始の際、第十四条の準備金の算出方法書を作成し、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の算出方法書には、内閣府令・財務省令で定める事項を記載しなければならない。

 (区分経理)

第十三条 機構は、休眠預金等管理業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定(次条において「休眠預金等管理勘定」という。)を設けて整理しなければならない。

 (準備金の積立て)

第十四条 機構は、休眠預金等管理勘定について、内閣府令・財務省令で定めるところにより、毎事業年度末において、休眠預金等代替金の支払に要する費用の支出に充てるべき準備金を計算し、これを積み立てなければならない。

 (借入金)

第十五条 機構は、休眠預金等管理業務を行うため必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、金融機関その他の者から資金の借入れ(借換えを含む。)をすることができる。

2 前項の規定による借入金の現在額は、政令で定める金額を超えることとなってはならない。

   第三章 休眠預金等交付金に係る資金の活用

    第一節 総則

 (休眠預金等交付金に係る資金の活用に関する基本理念)

第十六条 休眠預金等交付金に係る資金は、人口の減少、高齢化の進展等の経済社会情勢の急速な変化が見込まれる中で国及び地方公共団体が対応することが困難な社会の諸課題の解決を図ることを目的として民間の団体が行う公益に資する活動であって、これが成果を収めることにより国民一般の利益の一層の増進に資することとなるもの(以下「民間公益活動」という。)に活用されるものとする。

2 休眠預金等交付金に係る資金は、民間公益活動の自立した担い手の育成に資するとともに、金融機関、政府関係金融機関等が行う金融、民間の団体による助成、貸付け又は出資(以下「助成等」という。)等を補完するための資金の供給を行うことにより、民間公益活動に係る資金を調達することができる環境の整備の促進に資するよう活用されるものとする。

3 休眠預金等交付金に係る資金の活用に当たっては、これが預金者等の預金等を原資とするものであることに留意し、多様な意見が適切に反映されるように配慮されるとともに、その活用の透明性の確保が図られなければならない。

4 休眠預金等交付金に係る資金の活用に当たっては、これが大都市その他特定の地域に集中することのないように配慮されなければならない。

5 休眠預金等交付金に係る資金の活用に当たっては、複数年度にわたる民間公益活動に対する助成等、社会の諸課題を解決するための革新的な手法の開発を促進するための成果に係る目標に着目した助成等その他の効果的な活用の方法を選択することにより、民間の団体の創意と工夫が十分に発揮されるように配慮されるものとする。

 (公益に資する活動の定義等)

第十七条 前条第一項の「公益に資する活動」とは、次に掲げる活動をいう。

 一 子ども及び若者の支援に係る活動

 二 日常生活又は社会生活を営む上での困難を有する者の支援に係る活動

 三 地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る活動

 四 前三号に準ずるものとして内閣府令で定める活動

2 内閣総理大臣は、前項第四号の内閣府令を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、休眠預金等活用審議会の意見を聴かなければならない。

3 休眠預金等交付金に係る資金は、これが次の各号のいずれかに該当する団体に活用されることのないようにしなければならない。

 一 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする団体

 二 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする団体

 三 特定の公職(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三条に規定する公職をいう。以下この号において同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする団体

 四 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第二号に規定する暴力団をいう。次号において同じ。)

 五 暴力団又はその構成員(暴力団の構成団体の構成員を含む。以下この号において同じ。)若しくは暴力団の構成員でなくなった日から五年を経過しない者の統制の下にある団体

    第二節 基本方針及び基本計画

 (基本方針)

第十八条 内閣総理大臣は、第十六条の休眠預金等交付金に係る資金の活用に関する基本理念にのっとり、休眠預金等交付金に係る資金の活用に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 休眠預金等交付金に係る資金の活用の意義及び目標に関する事項

 二 休眠預金等交付金に係る資金の活用に関する基本的な事項

 三 第一号の目標を達成するために必要な民間公益活動促進業務に関する事項

 四 第二十条第一項の規定による指定の基準及び手続に関する事項

 五 指定活用団体の作成する事業計画の認可の基準及び手続に関する事項

 六 休眠預金等交付金に係る資金の活用の成果に係る評価の実施に関する事項

 七 その他休眠預金等交付金に係る資金の活用に関し必要な事項

3 内閣総理大臣は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、休眠預金等活用審議会の意見を聴かなければならない。

4 内閣総理大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 内閣総理大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更しなければならない。

6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による基本方針の変更について準用する。

 (基本計画)

第十九条 内閣総理大臣は、毎年度、基本方針に即して、休眠預金等交付金に係る資金の円滑かつ効率的な活用を推進するための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。

2 基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 その年度における休眠預金等交付金の額の見通し及び休眠預金等交付金に係る資金の活用の目標に関する事項

 二 前号の目標を達成するために必要な民間公益活動促進業務に関する事項

 三 次に掲げる団体の選定に係る基準及び手続に関する事項

  イ 民間公益活動を行う団体であって、民間公益活動の実施に必要な資金について、休眠預金等交付金に係る資金を原資とする助成等を受けるもの(ロの資金分配団体を除く。以下単に「民間公益活動を行う団体」という。)

  ロ 民間公益活動を行う団体に対し助成等を行う団体であって、助成等の実施に必要な資金について、指定活用団体から休眠預金等交付金に係る資金を原資とする助成又は貸付けを受けるもの(以下「資金分配団体」という。)

 四 休眠預金等交付金に係る資金の活用の成果に係る評価の基準及び公表に関する事項

 五 その他休眠預金等交付金に係る資金の活用に関し必要な事項

3 内閣総理大臣は、基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、休眠預金等活用審議会の意見を聴かなければならない。

4 内閣総理大臣は、基本計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

    第三節 指定活用団体

 (指定活用団体)

第二十条 内閣総理大臣は、民間公益活動の促進に資することを目的とする一般財団法人であって、次条第一項に規定する業務(以下「民間公益活動促進業務」という。)に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、指定活用団体として指定することができる。

 一 職員、民間公益活動促進業務の実施の方法その他の事項についての民間公益活動促進業務の実施に関する計画が、民間公益活動促進業務の適確な実施のために適切なものであること。

 二 前号の民間公益活動促進業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものであること。

 三 役員又は職員の構成が、民間公益活動促進業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

 四 民間公益活動促進業務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって民間公益活動促進業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないこと。

 五 第三十三条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者でないこと。

 六 役員のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。

  イ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

  ロ この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

2 内閣総理大臣は、前項の規定による指定(以下この節において単に「指定」という。)をしたときは、指定活用団体の名称及び住所並びに事務所の所在地を官報に公示しなければならない。

3 指定活用団体は、その名称若しくは住所又は民間公益活動促進業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

4 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を官報に公示しなければならない。

 (業務)

第二十一条 指定活用団体は、次に掲げる業務を行うものとする。

 一 資金分配団体に対し、助成等の実施に必要な資金について助成又は貸付けを行うこと。

 二 民間公益活動を行う団体に対し、民間公益活動の実施に必要な資金の貸付けを行うこと。

 三 休眠預金等交付金の受入れを行うこと。

 四 民間公益活動の促進に関する調査及び研究を行うこと。

 五 民間公益活動の促進に資するための啓発活動及び広報活動を行うこと。

 六 前各号に掲げる業務に附帯する業務

2 指定活用団体は、前項第二号の業務を行うときは、金融機関その他の団体に対し、その一部を委託することができる。

 (民間公益活動促進業務の適正な実施等)

第二十二条 指定活用団体は、民間公益活動促進業務を行うに当たっては、休眠預金等交付金に係る資金がこの法律並びに基本方針及び基本計画に従って公正かつ効率的に活用されるようにしなければならない。

2 資金分配団体及び民間公益活動を行う団体は、この法律並びに基本方針及び基本計画並びに助成等の目的に従って誠実にその事業を行わなければならない。

3 指定活用団体は、前項の事業が適正に遂行されるよう、前条第一項第一号の業務を行う場合にあっては資金分配団体を、同項第二号の業務を行う場合にあっては民間公益活動を行う団体を、それぞれ監督しなければならない。

4 資金分配団体は、民間公益活動を行う団体が休眠預金等交付金に係る資金を活用して民間公益活動を適切かつ確実に遂行するように、民間公益活動を行う団体に対する必要かつ適切な監督を行うための措置を講ずるものとする。

5 資金分配団体及び民間公益活動を行う団体の決定は、公募の方法により行うものとする。

 (民間公益活動促進業務規程)

第二十三条 指定活用団体は、基本方針に即して民間公益活動促進業務に関する規程(以下「民間公益活動促進業務規程」という。)を定め、民間公益活動促進業務の開始前に、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 民間公益活動促進業務規程には、次に掲げる事項を定めておかなければならない。

 一 資金分配団体及び民間公益活動を行う団体の選定の基準、助成又は資金の貸付けの申請及び決定の手続その他助成又は資金の貸付けの方法

 二 前号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項

3 内閣総理大臣は、第一項の認可をした民間公益活動促進業務規程が民間公益活動促進業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その民間公益活動促進業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

 (役員の選任及び解任)

第二十四条 指定活用団体の役員の選任及び解任は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 内閣総理大臣は、指定活用団体の役員が、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、前条第一項の認可を受けた民間公益活動促進業務規程に違反する行為をしたとき又は民間公益活動促進業務の実施に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定活用団体に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

 (役員及び職員の地位)

第二十五条 民間公益活動促進業務に従事する指定活用団体の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 (事業計画等)

第二十六条 指定活用団体は、毎事業年度開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、基本計画に即してその事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 内閣総理大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、休眠預金等活用審議会の意見を聴かなければならない。

3 指定活用団体は、第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、その事業計画及び収支予算を公表しなければならない。

4 指定活用団体は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、内閣総理大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。

 (休眠預金等交付金の使途及び区分経理)

第二十七条 指定活用団体は、休眠預金等交付金を民間公益活動促進業務に必要な経費(人件費その他の内閣府令で定める事務に要する経費を除く。)以外の経費に充ててはならない。

2 指定活用団体は、内閣府令で定めるところにより、民間公益活動促進業務に関する経理とその他の業務に関する経理とを区分して整理しなければならない。

 (帳簿の備付け等)

第二十八条 指定活用団体は、内閣府令で定めるところにより、民間公益活動促進業務に関する事項で内閣府令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。

 (運用資金の運用等)

第二十九条 指定活用団体は、民間公益活動促進業務に係る人件費その他の内閣府令で定める事務に要する経費の財源をその運用によって得るために運用資金を設け、休眠預金等交付金のうち運用資金に充てるべきものとして交付を受けた金額及び第三項の規定により組み入れた金額をもってこれに充てるものとする。

2 指定活用団体は、次の方法による場合を除くほか、運用資金を運用してはならない。

 一 国債、地方債又は政府保証債(その元本の償還及び利息の支払について政府が保証する債券をいう。)の保有

 二 内閣総理大臣の指定する金融機関への預金

 三 その他前二号に準ずるものとして内閣府令で定める方法

3 指定活用団体は、運用資金の運用によって生じた利子その他の収入金を民間公益活動促進業務に係る人件費その他の内閣府令で定める事務に要する経費に充ててなお剰余があるときは、これを運用資金に組み入れるものとし、当該組み入れた額を限度として、民間公益活動促進業務に必要な経費に充てるため、運用資金を取り崩すことができる。

4 内閣総理大臣は、前三項に規定するもののほか、運用資金の運用その他運用資金に関し必要な事項を定めることができる。

 (内閣総理大臣の納付命令)

第三十条 内閣総理大臣は、運用資金の額が民間公益活動促進業務の実施状況その他の事情に照らして過大であると認めた場合その他内閣府令で定める場合は、内閣府令で定めるところにより、指定活用団体に対し、速やかに、交付を受けた休眠預金等交付金の全部又は一部に相当する金額を機構に納付すべきことを命ずることができる。

 (監督命令)

第三十一条 内閣総理大臣は、この法律を施行するために必要な限度において、指定活用団体に対し、民間公益活動促進業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (業務の休廃止)

第三十二条 指定活用団体は、内閣総理大臣の許可を受けなければ、民間公益活動促進業務の全部若しくは一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 内閣総理大臣が前項の規定により民間公益活動促進業務の全部の廃止を許可したときは、同項の指定活用団体に係る指定は、その効力を失う。

3 内閣総理大臣は、第一項の許可をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。

 (指定の取消し等)

第三十三条 内閣総理大臣は、指定活用団体が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて民間公益活動促進業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 民間公益活動促進業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

 二 指定に関し不正の行為があったとき。

 三 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき又は第二十三条第一項の認可を受けた民間公益活動促進業務規程によらないで民間公益活動促進業務を行ったとき。

2 内閣総理大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は民間公益活動促進業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報に公示しなければならない。

 (指定を取り消した場合等における措置等)

第三十四条 第三十二条第一項の規定により民間公益活動促進業務の全部の廃止を許可した場合又は前条第一項の規定により指定を取り消した場合において、内閣総理大臣がその後に新たに指定活用団体を指定したときは、従前の指定活用団体の民間公益活動促進業務に係る財産及び負債は、新たに指定を受けた指定活用団体が承継する。

2 第三十二条第一項の規定により民間公益活動促進業務の全部の廃止を許可した場合又は前条第一項の規定により指定を取り消した場合における民間公益活動促進業務に係る財産の管理その他所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定める。

    第四節 休眠預金等活用審議会

 (休眠預金等活用審議会の設置)

第三十五条 内閣府に、休眠預金等活用審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。

 一 民間公益活動に関し、第十七条第二項に規定する事項を処理すること。

 二 基本方針に関し、第十八条第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。

 三 基本計画に関し、第十九条第三項に規定する事項を処理すること。

 四 指定活用団体の事業計画及び収支予算に関し、第二十六条第二項に規定する事項を処理すること。

 五 前各号に規定する事項その他休眠預金等交付金に係る資金の活用に関する重要事項を調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、意見を述べること。

 六 民間公益活動促進業務の実施状況を監視し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣に勧告すること。

3 内閣総理大臣は、前項第六号の規定による勧告に基づき講じた措置について審議会に報告しなければならない。

 (組織)

第三十六条 審議会は、委員十人以内で組織する。

2 審議会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。

 (委員等の任命)

第三十七条 委員は、民間公益活動に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

2 専門委員は、前条第二項の専門の事項に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

 (委員の任期等)

第三十八条 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

3 専門委員は、その者の任命に係る第三十六条第二項の専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。

4 委員及び専門委員は、非常勤とする。

 (会長)

第三十九条 審議会に会長を置き、委員の互選により選任する。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

 (資料の提出等の要求)

第四十条 審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。

 (政令への委任)

第四十一条 この法律に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、政令で定める。

   第四章 雑則

 (預金保険法の適用)

第四十二条 この法律により機構の業務が行われる場合には、この法律の規定によるほか、預金保険法を適用する。この場合において、同法第十五条第五号中「事項」とあるのは「事項(民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(以下「休眠預金等活用法」という。)の規定による機構の業務に係るものを除く。)」と、同法第三十五条第一項中「機構は」とあるのは「機構は、休眠預金等活用法第十条第一項の規定によるほか」と、「金融機関等をいう。」とあるのは「金融機関等(休眠預金等活用法の規定による業務を行う場合にあつては、休眠預金等活用法第二条第一項第十号から第十六号までに掲げる者を含む。)をいう。」と、「この条、第百二十二条第一項、第百二十三条第二項及び第三項並びに第百二十五条第一項」とあるのは「この条」と、同法第三十七条第一項中「次の各号に掲げる業務」とあるのは「次の各号に掲げる業務(休眠預金等活用法の規定による業務を行う場合にあつては、当該業務)」と、「各号に定める者」とあるのは「各号に定める者(休眠預金等活用法の規定による業務を行う場合にあつては、休眠預金等活用法第二条第一項に規定する金融機関(休眠預金等活用法第十条第五項に規定する金融機関代理業者を含む。次項において同じ。))」と、同条第二項中「特定持株会社等」とあるのは「特定持株会社等(休眠預金等活用法の規定による業務を行う場合にあつては、休眠預金等活用法第二条第一項に規定する金融機関)」と、同法第四十四条、第四十五条第二項及び第四十六条第一項中「この法律」とあるのは「この法律又は休眠預金等活用法」と、同法第五十一条第二項中「業務(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」とあるのは「業務(第四十条の二第二号に掲げる業務及び休眠預金等活用法第九条に規定する休眠預金等管理業務を除く。)」と、同法第百五十一条第一項中「金融機関等」とあるのは「金融機関等(休眠預金等活用法の規定による業務を行う場合にあつては、休眠預金等活用法第二条第一項第十号から第十六号までに掲げる者を含む。)」と、同項第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は休眠預金等活用法」と、同項第二号中「第五十八条の三第二項又は第百三十七条の四」とあるのは「第五十八条の三第二項若しくは第百三十七条の四又は休眠預金等活用法第六条第三項」と、同法第百五十二条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は休眠預金等活用法」と、同条第三号中「第三十四条に規定する業務」とあるのは「第三十四条に規定する業務及び休眠預金等活用法の規定による業務」と、同条第五号中「第四十一条」とあるのは「第四十一条又は休眠預金等活用法第八条若しくは第十四条」と、「責任準備金」とあるのは「責任準備金、資金又は準備金」と、「これ」とあるのは「これら」とする。

 (報告又は資料の提出)

第四十三条 行政庁は、この法律の円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、金融機関(金融機関代理業者を含む。)若しくは銀行持株会社等(銀行法第二条第十三項に規定する銀行持株会社又は長期信用銀行法第十六条の四第一項に規定する長期信用銀行持株会社をいう。次項において同じ。)又は指定活用団体に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

2 行政庁は、この法律の円滑な実施を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、金融機関若しくは銀行持株会社等(以下この条及び次条において「金融機関等」という。)の子会社(当該金融機関等が銀行又は銀行法第二条第十三項に規定する銀行持株会社である場合には同条第八項に、長期信用銀行又は長期信用銀行法第十六条の四第一項に規定する長期信用銀行持株会社である場合には同法第十三条の二第二項に、信用金庫又は信用金庫連合会である場合には信用金庫法第三十二条第六項に、信用協同組合又は信用協同組合連合会である場合には協同組合による金融事業に関する法律第四条第一項に、労働金庫又は労働金庫連合会である場合には労働金庫法第三十二条第五項に、株式会社商工組合中央金庫である場合には株式会社商工組合中央金庫法第二十三条第二項に、農業協同組合又は農業協同組合連合会である場合には農業協同組合法第十一条の二第二項に、漁業協同組合若しくは漁業協同組合連合会又は水産加工業協同組合若しくは水産加工業協同組合連合会である場合には水産業協同組合法第十一条の六第二項に、農林中央金庫である場合には農林中央金庫法第二十四条第四項に、それぞれ規定する子会社(子会社とみなされる会社を含む。)をいう。次項及び次条において同じ。)又は当該金融機関等から業務の委託を受けた者(金融機関代理業者を除く。次項並びに次条第二項及び第五項において同じ。)に対し、当該金融機関等の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。

3 金融機関等の子会社又は金融機関等から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。

 (立入検査)

第四十四条 行政庁は、この法律の円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、その職員に金融機関等(金融機関代理業者を含む。第六項において同じ。)若しくは指定活用団体の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 行政庁は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、その職員に同項の金融機関等の子会社若しくは当該金融機関等から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該金融機関等に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

3 前二項の場合において、これらの項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

5 前条第三項の規定は、第二項の規定による金融機関等の子会社又は金融機関等から業務の委託を受けた者に対する質問及び検査について準用する。

6 行政庁は、必要があると認めるときは、機構に、第一項(金融機関等に係るものに限る。)又は第二項の規定による立入り、質問又は検査(第二章第一節の規定による手続及び支払等業務の委託又は再委託が適正に行われていることを調査するために行うものに限る。)を行わせることができる。この場合において、機構は、その職員に当該立入り、質問又は検査を行わせるものとする。

7 第三項から第五項までの規定は、前項の規定による立入り、質問又は検査について準用する。

 (課税関係)

第四十五条 休眠預金等代替金に係る所得税法その他の所得税に関する法令の規定の適用については、当該休眠預金等代替金の金額のうち当該休眠預金等に係る休眠預金等移管金の納付の日において現に預金者等が有した当該休眠預金等に係る債権のうち元本の額に相当する部分の金額は当該債権のうち元本の払戻しの額と、当該休眠預金等代替金の金額のうち第七条第二項の利子に相当する金額は当該休眠預金等に係る債権のうち第四条第二項各号に掲げる区分に応じ当該各号に定めるものの額とみなし、機構による支払等業務の委託を受けて休眠預金等代替金の支払を取り扱う金融機関があるときにあっては、当該金融機関を休眠預金等代替金の支払を行う者とみなす。

2 前項の規定の適用がある場合における租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四条の二及び第四条の三の規定の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律の特例)

第四十六条 休眠預金等代替金については、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(平成十九年法律第百三十三号)第二条第五項に規定する預金等と、機構については、同法第五条第一項第五号の権利行使の届出を受理し、又は同法第四章の定めるところにより同法第二条第五項に規定する被害回復分配金を支払う金融機関とそれぞれみなして、同法(第三十五条及び第三十六条を除く。)の規定を適用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (民事執行法及び民事保全法の特例等)

第四十七条 機構の委託を受けて支払等業務を行う金融機関がある場合には、休眠預金等代替金の支払を目的とする債権であって当該金融機関が当該業務において取り扱うものに対する強制執行、仮差押え若しくは国税滞納処分(その例による処分を含む。)又はこれらに準ずるものとして主務省令で定めるもの(第三項においてこれらを「強制執行等」という。)については、機構が送達を受けるべき場所は当該金融機関の営業所又は事務所とし、当該金融機関を送達受取人とする。

2 前項の規定は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第十六条(民事保全法(平成元年法律第九十一号)第四十六条において準用する場合を含む。)の規定の適用を妨げない。

3 第一項に規定するほか、同項の金融機関は、強制執行等に関する事項(訴え又は執行抗告に係る手続を除く。)について機構を代理する。

 (政府による周知等)

第四十八条 政府は、休眠預金等に係る預金者等の利益を保護しつつ、休眠預金等に係る資金を民間公益活動促進業務に活用するとのこの法律の趣旨及び休眠預金等代替金の支払手続等に関する事項その他この法律の内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解を得るよう努めるものとする。

2 機構は、内閣府令・財務省令で定めるところにより、支払等業務の委託先に関する事項を公表するとともに、毎年少なくとも一回、休眠預金等移管金の納付の状況、休眠預金等代替金の支払の実施の状況その他のこの法律の実施の状況に関する事項を公表するものとする。

 (主務省令への委任)

第四十九条 この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、主務省令で定める。

 (行政庁)

第五十条 この法律における行政庁は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者とする。

 一 第二条第一項第一号から第四号まで、第六号及び第七号に掲げる金融機関及び指定活用団体 内閣総理大臣

 二 第二条第一項第五号及び第八号に掲げる金融機関 内閣総理大臣及び厚生労働大臣

 三 第二条第一項第九号に掲げる金融機関 株式会社商工組合中央金庫法第五十六条第二項に規定する主務大臣

 四 第二条第一項第十号及び第十一号に掲げる金融機関 農業協同組合法第九十八条第一項に規定する行政庁

 五 第二条第一項第十二号から第十五号までに掲げる金融機関 水産業協同組合法第百二十七条第一項に規定する行政庁

 六 第二条第一項第十六号に掲げる金融機関 農林水産大臣及び内閣総理大臣

 (主務省令)

第五十一条 この法律における主務省令は、内閣府令・財務省令・厚生労働省令・農林水産省令・経済産業省令とする。

 (権限の委任)

第五十二条 内閣総理大臣は、次に掲げるものを除き、この法律による権限を金融庁長官に委任する。

 一 第三章の規定による権限

 二 第四十三条及び第四十四条の規定による権限のうち指定活用団体に係るもの

 三 その他政令で定めるもの

2 この法律に規定する行政庁の権限に属する事務(この法律の規定により都道府県知事の権限に属することとされている事務を除く。)の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うことができる。

3 前二項に規定するもののほか、この法律の規定による行政庁の権限に関して必要な事項は、政令で定める。

 (事務の区分)

第五十三条 この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

 (経過措置)

第五十四条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第五章 罰則

第五十五条 第四十三条第一項(指定活用団体に係る部分を除く。)又は第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

2 第四十四条第一項(指定活用団体に係る部分を除く。)、第二項又は第六項の規定による当該各項の職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者も、前項と同様とする。

第五十六条 他人になりすまして休眠預金等代替金の支払を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、当該休眠預金等代替金に係る休眠預金等に係る預貯金通帳、預金等の引出用のカードその他当該休眠預金等代替金の支払を受けるために必要なものとして政令で定めるもの(次項において「預貯金通帳等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 相手方に前項の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。

3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。

第五十七条 第二十七条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第五十八条 第三十三条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第五十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十八条の規定に違反して帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者

 二 第三十二条第一項の規定による許可を受けないで業務の全部を廃止した者

 三 第四十三条第一項(指定活用団体に係る部分に限る。)の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

 四 第四十四条第一項(指定活用団体に係る部分に限る。)の規定による同項の職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第六十条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は事業に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

 一 第五十五条 二億円以下の罰金刑

 二 前三条 各本条の罰金刑

2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき当該法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第六十一条 次に掲げる違反行為があった場合は、その行為をした指定活用団体の役員又は職員は、五十万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により内閣総理大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。

 二 第二十六条第四項の規定に違反して、事業報告書、貸借対照表、収支決算書若しくは財産目録を提出せず、又は不実の記載をしたこれらの書類を提出したとき。

 三 第二十七条第二項の規定に違反したとき。

 四 第二十九条第二項の規定に違反したとき。

 五 第三十一条の規定による内閣総理大臣の命令に違反したとき。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 次条第四項から第六項まで及び附則第八条の規定 公布の日

 二 第二章第二節、第四十二条、第四十九条及び第五十四条の規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日

 三 第三章(第三節を除く。)及び附則第六条の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日

 (経過措置)

第二条 この法律の規定は、施行日以後に最終異動日等から九年を経過することとなる預金等(一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従い、施行日から起算して一年を経過した日の属する事業年度より前の事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上することが中止された預金等を除く。)について適用する。

2 施行日において現に存する預金等であって当該預金等に係る金融機関において施行日における当該預金等に係る最終異動日等を把握することが困難なものがあるときは、当該金融機関は、主務省令で定めるところにより選別した預金等を施行日において最終異動日等から九年を経過することとなる預金等として取り扱うことができる。

3 第八条の規定は、施行日から二年を超えない範囲内において政令で定める日の属する機構の事業年度から適用する。この場合において、当該事業年度における同条の規定の適用については、同条中「前事業年度」とあるのは、「前事業年度及び附則第二条第三項に規定する政令で定める日の属する事業年度中の内閣府令・財務省令で定める日までの間」とする。

4 金融機関は、施行日前においても、第二条第四項第二号の規定の例により、同号の認可の申請その他この法律の規定に基づく業務を行うために必要な行為をすることができる。

5 行政庁は、前項の規定により第二条第四項第二号の認可の申請があった場合には、同号の規定の例により、施行日前においても、その認可をすることができる。この場合において、その認可の効力は、施行日から生ずるものとする。

6 機構は、前条第二号に規定する政令で定める日前においても、休眠預金等管理業務の実施に必要な準備行為をすることができる。

 (民間公益活動促進業務に係る人件費その他の内閣府令で定める事務に要する経費に係る特例)

第三条 第二十条第一項の規定による指定がされた日から同日以後五年を経過する日の属する指定活用団体の事業年度の末日までの間は、第二十七条第一項中「経費(人件費その他の内閣府令で定める事務に要する経費を除く。)」とあるのは、「経費」とする。

 (地方自治法の一部改正)

第四条 地方自治法の一部を次のように改正する。

  別表第一に次のように加える。

民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成二十八年法律第百一号)

この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務

 (地方税法の一部改正)

第五条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十三条第一項第十四号イ中「並びに農水産業協同組合貯金保険法」を「、農水産業協同組合貯金保険法」に、「を含み」を「並びに民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成二十八年法律第百一号)第七条第二項に規定する休眠預金等代替金の支払(同法第四十五条第一項の規定により同法第四条第二項第一号若しくは第二号に掲げる利子、同項第五号に掲げる収益の分配又は同項第六号に掲げる利子の額とみなされる金額に相当する部分に限る。)を含み」に改め、同号ヘ中「並びに農水産業協同組合貯金保険法」を「、農水産業協同組合貯金保険法」に、「を含む」を「並びに民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律第七条第二項に規定する休眠預金等代替金の支払(同法第四十五条第一項の規定により同法第四条第二項第三号又は第四号に掲げる給付補填金の額とみなされる金額に相当する部分に限る。)を含む」に改める。

 (内閣府設置法の一部改正)

第六条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

  第四条第三項第三十六号の次に次の一号を加える。

  三十六の二 休眠預金等(民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成二十八年法律第百一号)第二条第六項に規定するものをいう。)に係る資金の活用に関すること(金融庁の所掌に属するものを除く。)。

  第三十七条第三項の表子ども・子育て会議の項の次に次のように加える。

休眠預金等活用審議会

民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律

 (郵政民営化法の一部改正)

第七条 郵政民営化法(平成十七年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

  第百十条第一項第五号中「業務(」の下に「預金保険機構の委託を受けて行う民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成二十八年法律第百一号)第十条第一項に規定する支払等業務その他」を加える。

 (政令への委任)

第八条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第九条 この法律の規定については、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

(内閣総理・財務・厚生労働・農林水産・経済産業大臣署名) 

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