衆議院

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第21号 平成29年5月19日(金曜日)

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平成二十九年五月十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 丹羽 秀樹君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君

   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君

      青山 周平君    赤枝 恒雄君

      秋葉 賢也君    穴見 陽一君

      江渡 聡徳君    大岡 敏孝君

      大隈 和英君    木原 誠二君

      小松  裕君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    田中 英之君

      高橋ひなこ君    谷川 とむ君

      冨岡  勉君    豊田真由子君

      中川 郁子君    長尾  敬君

      丹羽 雄哉君    福山  守君

      堀内 詔子君    村井 英樹君

      山下 貴司君    阿部 知子君

      大西 健介君    岡本 充功君

      郡  和子君    中島 克仁君

      長妻  昭君    初鹿 明博君

      水戸 将史君    伊佐 進一君

      角田 秀穂君    中野 洋昌君

      高橋千鶴子君    堀内 照文君

      河野 正美君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      古屋 範子君

   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君

   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 進藤 秀夫君

   政府参考人

   (内閣府消費者委員会事務局長)          黒木 理恵君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    福岡  徹君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           浅田 和伸君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房技術・国際保健総括審議官)  福田 祐典君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         武田 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  鈴木 康裕君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官)            吉本  豊君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十九日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     大岡 敏孝君

  務台 俊介君     青山 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     務台 俊介君

  大岡 敏孝君     穴見 陽一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五七号)


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     ――――◇―――――

丹羽委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案審査に資するため、昨日、委員十三名が参加し、東京女子医科大学病院を視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。

 まず、田邉病院長から病院の医療安全の改善に向けた取り組みの概況について説明を聴取した後、医療安全対策室、遺伝子医療センター、精神科病床、ICUを視察いたしました。

 次いで、他と比べて人数の多い副院長の役割分担、特定機能病院の承認の取り消しによる財政影響、医療安全等の取り組みに対する診療報酬上の評価のあり方、先進的な医療への取り組みと患者の安全とのバランスの考え方、医療安全に関する医療現場でのコミュニケーションのとり方、インシデント事例等の原因究明及び再発防止に向けた検討の状況等について質疑応答を行いました。

 以上が視察の概要であります。

 最後に、今回の視察に御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げ、視察の報告とさせていただきます。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官進藤秀夫君、消費者委員会事務局長黒木理恵君、消費者庁審議官福岡徹君、文部科学省大臣官房審議官浅田和伸君、厚生労働省大臣官房技術・国際保健総括審議官福田祐典君、医政局長神田裕二君、医薬・生活衛生局長武田俊彦君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、保険局長鈴木康裕君、経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官吉本豊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大隈和英君。

大隈委員 おはようございます。自由民主党の大隈和英です。

 きょうは、医療法改正案につきまして質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。

 また、昨日には東京女子医大、大学病院の方に視察に参加させていただきまして、これもまた大変ありがとうございました。きょう、もし時間が余りましたら、後ほどまた、その感想等についてはお話しさせていただこうと思います。

 それでは、早速、御質問の方に入らせていただきます。

 時代の変遷とともに改正を重ねました医療法ですが、今回の目指すところは、何より医療の安全性を高めることであるというふうに考えております。それが担保できて初めて特定機能病院の使命である医療技術のイノベーションが推進され、今まで救えなかった命をさらに救うことができるのだというふうに考えます。それら医療安全とイノベーションを車の両輪として、その車軸には高い倫理観と人間性が求められるのだというふうに考えております。

 昨日の視察でも、大学の同窓会長でもある副理事長の先生が、基本的なことではあるけれども、まず人間として挨拶ができないようではどうしようもない、そこから見直していくんだというお話をしておられました。

 実は、同じく私も医学生時代を経験した者として、その点においても多くの示唆を得た思いです。よい病院には必ず、心技体ともにスーパーマンのようなすばらしい先生がおられました。そして、以心伝心で、その職場文化として全ての職員に、その先生のお人柄といいますか、人間性が伝播していったということを何度も経験した思いがございます。

 一方で、数多くの医療事故の犠牲の上で、医療安全が叫ばれながら、事故をゼロに根絶することというのはまだまだできていない。そして、医療安全については、当然ながら、医学教育や看護教育など、学生時代から教育としてはしっかりと盛り込んでいかなければいけないところですが、カリキュラムも、質、量ともに、時間的にももう限界まで達している。私の時代には医師国家試験は二日間だったんですが、今は三日間。本当にこれだけは覚えておけという最後の分厚い受験の本も、その一冊分厚いのが、今、そのままの分厚さで二冊になっているというような状況で、大変な時代になったなというふうに改めて見直すところです。

 あるいは、臨床現場に出てみますと、やはりその職場職場、長らく続く特有の文化がありまして、そこのところをしっかりと変革していかなければならないということを痛感しております。

 きょうは、お手元にシェーマをお配りしておりますので、カラーを少しごらんいただきたいと思います。

 医療安全と旧来の大病院、大学病院等の勤務医の文化と書いてありますが、意識の模式図というふうに描かせていただきました。私、これは自分で記憶を思い出しながら書いてみたんですが、これだけでは、当然、委員の先生方も、釈迦に説法で、よく御承知だと思います。しかし、ここのところを例えば先生方御自身に置きかえていただくと、よりさらに身近に感じて、御理解いただけるんだと思います。

 例えば、この左下、毎日押し寄せる患者さんを、きのうも大変多くの方が大学病院に、患者さんがおられましたが、その患者さん方、この方々を最優先に、病院の中、勤務していくというのは当然のことなんですが、勤務医師、この少し悩んでいる真ん中の医師に、委員の先生方を置きかえていただきたいと思います。そうしますと、患者さんをまず御地元の有権者の皆さんだというふうに考えていただければと思います。

 患者さんは、日々医療の技術が進むことによって、治してもらいたいという期待度がどんどん上がっている、要求が上がっているというふうにも言えると思います。また、そして、一部の患者さんは、非常にクレームが、レベルが上がっているというところ、例えば三十年間で訴訟が六倍にふえているということがございます。

 そして、この病院、所属しているこの左上の特定機能病院、大学附属病院、これを例えば国会であるとか省庁であるというふうに置きかえていただければわかりやすいと思います。

 院長先生が昨日も本当に奔走しておられました。その様子がわかりましたが、院長先生は、とにかく、この厳しい時代に、常に休むことなく病院の改革を進めていかなければならない。例えて言いますと、今、厚労省でもリーダーシップを発揮していただいている塩崎大臣、あるいは省庁の大臣だというふうにお考えいただければわかりやすいかと思います。

 そして、この点で、赤い矢印で描いてあるところに注目していただきたいんですが、この勤務医の先生方というのはそれぞれ、よほど御自身一人で就職しない限りは、ほとんどは大学の診療科の医局に所属をしまして、教授の方から、あるいは医局長から人事として派遣されてこられる。早い場合では、もう一年で人事異動があったり、それでも、長くても十年勤めることというのはまずまれだというふうに考えております。

 大体、その教授というのは、やはりいまだに人事あるいはポストという点でもしっかりとした権限を持っておられる。そう考えると、議員の先生方においては、例えば、御自身の所属しておられる党首、党の代表の方であられたり、あるいは自民党であれば派閥の会長ということに置きかえていただくとわかりやすいかと思います。

 そして、大学、その教授がたくさん選挙でこれまた選ばれるわけですけれども、それぞれ所属する、内科であれば日本内科学会であるとか、日本外科学会であるとか、大きな基幹学会も、小さなものもたくさんありますが、学会の会長、その診療方針等々を位置づけ、方向づけていく非常に大きな権利、権限を持っている。そういう点では、少し例えは違いますが、内閣総理大臣であったり首相官邸のようなものだというふうにお考えいただいたら近いのかもしれません。

 そういうことを考えますと、日々患者さんに向き合って大学病院で治療をしていく、ペーシャントセーフティー、医療安全のために、しっかりと患者さんのために頑張っていくんですが、非常に、改革すること、会議も多うございます。患者さんのための時間を割いて会議等をやっていかなきゃいけないわけですが、院長先生からは、院内改革、診療実績を上げていく、あるいは病院の経営を改善していくという点でも、医師には大変な努力を強いられているという現状があります。

 また、この赤いところ、やはりどうしても、短い期間、長期間勤めるわけではないとなるとなおさらになりますが、勤務医としてはどうしても常に医局、診療科の医局の方を顔を向いて、次の人事、さらによいポスト、あるいはさらによい研究について、医局の方を向いているという現実がある。そういう点で、日々医局の方からは、学会発表の数をふやす、論文を一本でもふやす、そしてさらに診療実績をふやし、また際立った医療革新で業績を上げていくということが求められている。

 日々こういう現実の中で、やらなければいけないのは、この赤い点線で、丸で囲みました。医療安全の仕組みを、この下のところの赤い丸だけではなくて、ここのところを今、病院を挙げてしっかりと頑張っていただいているところなんですが、やはり医学界全体、大学や学会も含めて、しっかりとした医療安全の文化を改革していくということが何よりも必要だというふうに考えております。

 その点におきまして、非常に時宜を得た今回の医療法改正の目指すところ、そして法改正が、今まで繰り返してきた医療事故や文化を変えることに、どのように寄与することができるのか、その点につきまして、塩崎大臣にお答えをいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 御質問ありがとうございます。

 大隈先生もいろいろ御経験をされて、みずからお考えになること、たくさんあるのではないかなというふうに思いますので、いろいろ御指導賜れればというふうに思います。

 特定機能病院というのは、もう言うまでもなく、このステータスを得られれば診療報酬そのものがげたを履くという格好になるわけで、そういう意味で、高度かつ先進的な医療を提供するということが前面に出て今までやってきたわけですが、今回初めて、医療の高度の安全の確保というものも同時に承認要件の中に追加をするということをやらせていただいております。むしろ遅過ぎたという感もいたすわけでありますが、医療の安全なくして、先端的な医療を開発して、高度な医療をつくり上げるということも難しいんだろうなというふうに思います。

 先生今、組織や文化を変えていくことが大事だ、そのとおりだと思いますが、文化はきっと、やはり組織を、法律や私どものつくる制度によって規定される部分もたくさんあるわけでありますので、昨年の六月に、医療安全確保のための当面のさまざまな措置を、省令を改正するということで、東京女子医科大学の病院の問題、群馬大学の病院の問題、こういう一連の重大事案を踏まえながらやらせていただいたわけであります。

 しかし、やはり今お話のあったように、組織を変えるにはガバナンスの仕組みも変えないといけないということで、今回はガバナンスの仕組み、これを法律でもって変えていくということが一つの大きな主眼として御提起申し上げているわけであります。やはり文化という意味では、医療の安全というよりは患者安全の発想にして、患者中心主義というものを大事にしなきゃいけないんだろうというふうに思います。

 大学病院が八十五の特定機能病院のうちの七十八を占めて、九二%が大学の附属病院でありまして、そういうところの先生方が高度かつ先進的な医療を施していただいているわけでありますけれども、そこに、やはり患者中心主義あるいは患者安全の最優先主義というか、こういうものを入れ込むために、今回、いろいろ提案をさせていただいております。

 管理者への権限の集中ということでありまして、今回、いろいろ定義もしているわけでありますが、問題はもう一つあって、開設者というのが大学の方であります。ここの影響力、あるいは教授会からの独立性とか、こういうものが確保されていないと、安全のために管理者、病院長が必要だと思ったら、やはり邪魔されることなく、自分で貫徹できるということをどうするかということを本当に考えなきゃいけないと思うので、これから、法律が成立しても、省令で決めていくことがたくさんあります。

 今回、開設者の義務というものも書き込んでいますし、それから管理者の任命のやり方、そしてふだんの重要事項の決定の仕方、これも、今まで管理者一人が孤独な闘いをして、先ほどの院長先生の、本当に汗をかいておられる、一人で孤独な闘いをするのではなくて、やはり合議で、みんなで、共同責任でやっていくという組織挙げての決定をすることが、患者中心主義、あるいは患者の安全主義というものを貫徹することになるのではないかというふうに思っています。

 今回、法案でもって、例えば管理者の選び方は、選挙ではなく、合議体で選ぶということにしていますけれども、同時に、院長は、やはり普通の病院の長じゃないんですから、他の病院の院長経験をしたことがある人、私は、そういうことが条件でないと、これだけ高度な医療を施す病院として、安全も図りながらやるのは、院長として難しいんじゃないかというふうに思います。

 二年に一遍かわるような、通過点としての院長では責任を果たせない。ぜひ、少し長目に、五年でも十年でもしっかりやっていただいて、マネジメントをしっかりやっていただいた上で、人事も予算も、一定程度やはりこれは独立をしていないと、病院ならではの新しい文化をつくることがなかなかうまくできないんじゃないか、そんなふうに思っておりますので、また先生のいろいろなお考えも頂戴しながら、さらに、この法律に加えて、省令などで必要なことをやっていきたいというふうに思います。

大隈委員 ありがとうございます。

 その点で、揺るぎない医療安全といいますか、患者安全という、今回の目指すところの力強いメッセージをいただいたというふうに今受け取っております。

 その中で、用語ですけれども、患者安全、ペーシャントセーフティーというのがもちろん中心に来るべきではあるんですが、例えば、職場の同僚、あるいは多職種集まっている中で、それぞれの職場の皆さんを守っていく、そういう点も含めた広義の医療安全というものも、またしっかりと構築していかなければならないなというふうに思っております。

 例えば、病院の中で悲しい事故があった場合、それを機に退職していく職員が必ず存在するということを考えると、やはり職場の仲間をしっかりと、きのうは、視察した病院では、清掃の方、あるいは受付の事務方の方、その方々全てにおいてやはり大切なんだということを院長先生はおっしゃっておられましたが、まさにその点、職場の文化として構築していく必要があろうかというふうに考えております。

 さて、前述の文化と関連いたしまして、勤務医にとって、どちらの方を旧来向いているのかということについては、今、シェーマでお話ししたとおりでございます。そういう点では、組織の構造改革については、学会や大学の、あるいは専門医制度の、直接的な医療安全に対する改善の取り組みというものもしっかりとしていかなければいけないというふうに考えております。

 例えば、ある日本の航空会社におきましては、過去にジャンボジェット機の大きな事故を経験して、空港のそばに安全センターとして、必ず新入社員や社員はそこで、機体の残骸が展示されている中で、それをトレーニングの一環として必ず目にする、そして安全教育をたたき込まれるということがありますが、その悲劇の失敗あるいは過ちから、それを風化させずに学んでいく。

 例えば大学病院になりますと、十年たちますと、ほとんど十年前のスタッフというのは、異動が多いということがありまして、そのときの経験というのはどうしても伝承されにくいということがあろうかと思います。その点も、よその、ほかの分野の、あるいは失敗学等のものから学んでいく必要というものは大いにあろうかと思います。

 そして、本件と関連しまして、きょうは、言及させていただくのは、群馬大病院での事故により、これも特定機能病院取り消しになりましたが、その院内、事故調査委員会での結果によって処分された当該診療科と異なる別の外科診療科の科長が今回、四月の、基幹学会である日本外科学会の会長となったということがございました。大会の総会としては、その先生の意を酌んで、しっかりと医療安全についてのディスカッションが大変豊富に含まれていたという点では評価すべき点だと思いますが、このような厳しい世間の目に対しまして、やはり学会の意識の乖離といいましょうか、旧態依然としたヒエラルキーの中で会長に選ばれたということを考えますと、少し医療文化における病巣の一例だと言えなくもないかというふうに考えております。

 一般社団法人でもあり、学会には、独立した学問や研究の自由が保障されてはおります。そして、厚労省からも文科省からも独立して、介入しにくいという事情はあろうかと思いますが、今回の事例を踏まえて、専門医制度も今つくっている最中ではありますが、厚生労働省の見解をお尋ねしたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 先生今御指摘ございましたように、ことしの四月に行われました日本外科学会の定期学術集会において、群馬大学の外科教授が会頭を務めることになったということでございますけれども、この会頭そのものについては、昨年四月の学会での内部投票によって決定されたものというふうに承知をいたしております。

 学会は、医師が自主的に加入し、特定の分野について研究成果の発表や議論等を行う自律的な団体でありまして、また、その多くは一般社団やNPO法人として省庁の監督は受けない、先ほど先生御指摘のあったとおりでございます。このため、誰が定期学術集会の会頭を務めるかなどについて、学会の個別運営については、厚生労働省として意見を申し上げる立場にはございませんけれども、先ほど先生御指摘になりましたように、これは、学会の自治として適切な運営がされることを私どもとしても期待いたしたいというふうに思っております。

大隈委員 学会の自治として、やはりオートノミーといいますか、自浄作用というものを、しっかりとこれからも期待したいと思います。

 特定機能病院の認証の条件に、例えば定められた標榜科がありますが、そのほかに、医療安全科のように、あるいは集中治療科のように、安全に必須と思われる科目は診療報酬の対象外であったり、あるいはそのために人的な投資をしても病院の経営上の大きな負担となっているということ、あるいは、条件の中には、査読のある英語論文を年間七十本以上発表することである、そういうことが書き加えられております。その点も、さらにノルマが現場の負担になっていないか。

 やはり目指すところは、最優先すべきは患者安全、医療安全ということを考えておりますが、例えば、厳しい病院経営の中で投資をしなければいけないというところでも、やはり、結局それが、先行投資が、お金にはかえられない患者安全になったり、あるいは、万が一のとき生じる巨額の賠償責任を回避するということにもつながっているとも考えられます。

 その観点から、今回の改正点の狙い、あるいは、狙いは先ほどお話しいただきましたが、認証条件の定期的な検証や柔軟な運用について見解をお聞かせいただければと思います。

馬場大臣政務官 お答えします。

 特定機能病院におきまして、医療安全に関する重大な事案が相次いで発生したことを踏まえ、昨年六月に省令を改正し、医療安全管理責任者の配置、専従の医師、薬剤師及び看護師の医療安全管理部門への配置、高難度の医療技術や未承認の新規医薬品を用いた医療を新たに導入する際に、その医療の実施の適否につきまして、診療科の長以外の者が確認するプロセスを明確化すること、全ての死亡事例の医療安全管理部門への報告を義務化することなど、医療安全の確保を図るために、特定機能病院の承認要件の見直しを行ったところであります。

 さらに、今般の改正におきまして、特定機能病院は高度の医療安全を確保する能力を有することを、法律上、承認案件として明確化しており、特定機能病院における高度の医療安全確保の必要性について、法的にも確固たる位置づけをすることとしたところであります。

大隈委員 ありがとうございます。

 今回の改正点におきまして、もう一つ重大な点は、新しい情報化社会におきまして、医療も御多分に漏れず、インターネットの過度な広告によって患者さんの被害が出てきているという点です。現在把握されている被害件数やその内訳、例えば、どこどこの診療科が多いというようなことがわかりましたら、教えていただきたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 美容医療が、特に今回、ウエブサイトでの医療広告として、問題として指摘されているところでございます。

 美容医療の施設そのもので申しますと、平成二十六年の医療施設調査では、診療所の総数は十万件ございますけれども、このうち美容外科を標榜する診療科は千百二十八施設ということで、全体の一・一%ということでございます。全国消費生活センター等へ寄せられた医療に関する相談は九千三百九十一件でございますけれども、このうち美容医療に関する相談は千九百七十一件でございます。一%の医療機関ではございますけれども、全体の二一%の相談件数を占めているということでございます。

 厚生労働省においては、美容医療に関する消費者トラブルに関しまして、即日施術の必要性が医学上認められない場合には即日施術を強要することは厳に慎まなければならない旨を通知において示すこと、即日施術等を受けるに当たっては冷静に考えることなど、美容医療を受ける前に確認すべき事項について、患者の方々向けの注意喚起のチラシを作成すること、また、不適切なウエブサイト等の情報収集や自治体への情報提供を行うネットパトロールにより監視体制を構築するなどを行うこととしておりまして、今後とも、関係省庁と連携して、消費者トラブルの防止に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

大隈委員 ありがとうございます。

 そういう点では、私の同級生もおりますが、美容形成外科におきましては、一%程度のところで二割以上を超える問題が出ているということですが、ほとんどの美容外科の先生方は真面目にきちっと医療を行っているわけでございますので、そういう点では、違法な広告、あるいは悪質な業者といいますかクリニックといいますか、そういうところのしっかりとしたチェック、そして、現在も被害を生じていることを考えますと、猶予期間を、一年間などと準備期間は悠長なことを言わずに、きちっとした周知徹底を含めて、美容形成外科の診療につきまして、医療につきましての世間の誤解もやはり解いていかなきゃいけないというふうに考えておりますので、しっかりとこの改正を生かしていただきたいと思います。

 時間が参りました。次に参ります。

 持ち分なしの医療法人の移行につきましては、医療は当然非営利が原則でということになっております。公的病院を初め、経営が苦しい現状がありますが、一方で、戦後、病院を、医療を普及させていくためにも、民間の病院が、オーナー個人が財産や借金により投資して設立されたプライベート病院がやはり主体だというふうに考えております。最終的な持ち分なしに抵抗する意識があるというものは現実としてお聞きしておりますし、また、全医療法人の八割が移行していないという状況を現時点でどう評価されておられるか、お聞かせいただきたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 平成十八年の医療法改正以降は、新設される医療法人は持ち分なしの医療法人に限られているところでございます。

 平成二十六年の十月に創設されました持ち分なし医療法人への移行計画の認定制度につきましては、平成二十九年の三月時点で申しますと、この認定を受けた件数は六十七件ということで、先ほど先生御指摘ございました、医療法人全体の八割に当たる四万法人が、依然として持ち分ありの医療法人という状況でございます。

 その原因についてでございますけれども、先ほど先生おっしゃられたように、これまで民間病院は、個人病院から発展をして医療法人にして、大きな病院にしてきたというような経緯もございます。また、仮に出資者が持ち分を放棄することを決断しても、移行の際に医療法人に贈与税が課税されるのではないかという懸念の声があるというふうに承知をいたしております。

 一方で、持ち分あり医療法人においては、例えば出資者が死亡した場合に、相続税の支払いのために、相続人から法人への持ち分の払い戻し請求が行われまして、法人の純資産が大きく減少して法人経営に甚大な影響が及ぶおそれがあるなど、法人経営の安定の観点から問題があるというふうに考えております。

 持ち分なし医療法人へ移行することによって、医療者側にとってみますと、安定した法人経営が可能となり、医療に専念できるということ、医療を受ける側にとりますと、地域において医療が安定的に提供されるだけではなく、医療において生じた剰余金というのはその医療の再投資に向けられるということになりますので、医療機関ですとか医療機器の再整備ですとか職員の待遇改善に充当され、医療の質がさらに向上するということが期待できるなどのメリットがあるというふうに考えております。

大隈委員 ありがとうございます。

 もう一つは、医療機関への立入検査というものが今回の改正点でございます。

 今まで、特定機能病院や医療法人以外で、無法な、あるいは疑わしい診療行為を行っておりましても、病院への立入検査というものが制度としてはありませんでした。この点は率直に評価したいと思います。医療行為のみならず、労働環境、あるいはパワハラであったりセクハラであったり、内部、外部からの告発制度等も整備していかなければいけませんが、この点においてもしっかりとした改善を期待したいと思います。

 時間が参りました。

 最後に、このたびの医療法の改善が、さまざまな医療事故による悲劇を乗り越えて、そしてそれを根絶し、世界で最も安全で、そして幸福な、世界に誇る日本の医療がさらに発展していくことを御祈念申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。

 本日は、本来の質問予定時間が他委員会の採決と重なる可能性が生じたために、他会派の御配慮をいただき、質疑順番を変えていただきました。関係の先生方に冒頭で感謝申し上げたいと思います。

 それでは、先日、五月十七日に続いた質問をさせていただきたいと思います。また次回もあると思いますので、きょうはできるところまで進めていきたいと思います。

 新型出生前診断、先日もお聞きしましたが、実施から四年を超えれば、臨床研究にとどまらずに、一般的な診断手法として広く認めていくことも視野に入る時期に近づいたかというふうに思います。自主ルールで運用し続けるよりも、一般的な仕組みにすることで、より厳格な運用も可能になるのではないかと思っております。

 今後の新型出生前診断の方向性について、現時点での政府の見解を伺いたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 新しい出生前診査、いわゆるNIPTにつきましては、平成二十五年の四月からNIPTコンソーシアムにおける臨床研究が進んでいるところでございますが、まだ現時点において最終的な取りまとめまでには至っていないと承知をしております。

 その上で、一般的な診断手法としての検査を広く実施できるようにするためには、妊婦の方々が十分な理解や認識のないままに安易に検査を受けない、あるいは検査の結果を誤って解釈して不要な不安を増大させてしまうようなことがないようにすることが重要であるというふうに思っております。

 このため、私どもとしては、日本産科婦人科学会の平成二十五年三月の指針に基づいて適切に実施されるような体制が整備される必要があると考えておりまして、現在実施中の臨床研究などの成果も踏まえまして、関係者などの意見を聞きながら、慎重に検討してまいりたいと思っております。

河野(正)委員 前回の質問におきまして、新しい技術への対応は、学会の自主的なルールや行政が策定する指針、ガイドラインに基づいて取り組むという厚生労働省の姿勢が示されました。

 しかし、新型出生前診断において認可外の機関が診断を行っていた例に見られるように、ニーズがあるからルールを破っても問題はないんだ、法律で規制されていないから行っても差し支えないといった考え方を持つ医療者、研究者がいることも、残念ながら念頭に置かなければならないと思います。そのためには、倫理に反するとコンセンサスが得られたものは法律で明確に禁じる、そのような強制力の高いルールが必要ではないでしょうか。学会の自主ルールに全て任せておくのではなくて、そういったことでは学会の負担が極めて重たいというふうにも思います。

 海外では、例えばお隣の韓国におきましては生命倫理法が制定されており、ヨーロッパでも法律によるルールづくりが進んでいるというふうに認識をいたしております。我が国でも法律による明確なルールが必要になってきているのではないかと思いますが、改めて見解を伺いたいと思います。

福田政府参考人 お答えいたします。

 ゲノム編集や新しい出生前検査などの新たな医療技術につきましては、安全性や倫理性を確保しつつ、国民のコンセンサスを得ながら、医療現場や研究において適切に活用できるよう迅速に対応することが重要と考えております。

 このため、新たな医療技術につきましては、安全性や倫理性を確保しつつ、法的規制を含め、個々の技術の特性に応じたルール整備を行い、医療現場や研究において適切に活用できるようにしてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 次に、先日来質疑のあっております医療関連の情報や広告について伺いたいと思います。

 今回の法改正案は、消費者委員会の、平成二十七年、美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議を受けて、医療機関のウエブサイトの表示を現行の広告と同様に規制するものとしたというふうに認識をいたしております。しかし、消費者委員会は平成二十三年にも、エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議を出して、厚生労働省に法改正を含めた対応を求めていました。

 消費者委員会は、消費者相談センターに寄せられる相談内容を踏まえ、各省庁に対応を求める建議を出すことができます。なぜ二度にわたって建議を出すこととなったのか、消費者委員会の問題意識を確認させていただきたいと思います。

黒木政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者委員会では、委員御指摘のとおり、平成二十三年の十二月二十一日に、エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議を発出しております。その中で、美容医療サービスに関しましては、不適切なインターネット上の表示の取り締まりの徹底及び美容医療サービスを利用する消費者への説明責任の徹底等を求めたところでございます。

 これを受けまして、厚生労働省では、ガイドラインを策定される等、一定の対策を講じられたものの、全国の消費生活センターに寄せられました美容医療サービスに関する相談件数は、平成二十三年度の約千六百件から平成二十六年度には約二千六百件に増加をいたしまして、対策の効果は十分とは言いがたい状況にございました。

 このような状況を踏まえまして、消費者委員会において美容医療サービスに関する問題を再度調査審議いたしましたところ、消費生活センターに寄せられた美容医療サービスに関する相談事例において、そのきっかけとなった広告媒体がインターネット上のホームページなどの電子媒体が最も多く、その割合も平成二十三年度に比べ高まっていることや、美容医療のホームページにおいてガイドラインが遵守されていない事例が見受けられること、また、美容医療の事前説明同意に際して、あたかもリスクが少ない施術と勘違いさせるような説明等が見受けられることがわかりました。

 そこで、これを踏まえまして、二十七年七月七日に、医療機関のホームページを医療法上の広告に含めて規制の対象とすること、少なくとも、医療法等で禁止されている、内容が虚偽にわたるものあるいは誇大なもの等についてはホームページについても禁止すること、また、消費者がリスクなどを正しく理解した上で施術を受けるかどうか判断できるよう、患者の理解と同意を得た上で施術を行うこと、説明を適切に行うこと等について建議を行ったところでございます。

河野(正)委員 消費者委員会の強い問題意識を受けとめたはずの厚生労働省は、なぜ一回目の建議で法改正しなかったのか。結果として二度手間になったという声も聞こえております。法改正案に至るまで、なぜこれだけの時間を費やすことになったのか、厚生労働省に伺いたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど御答弁にございましたように、平成二十三年十二月に、消費者委員会から厚生労働省に対して、美容医療サービス等の医療機関のウエブサイト上の不適切な表示の取り締まりの徹底ということを求められたところでございます。

 これを受けまして、平成二十三年から二十四年にかけまして、検討会において検討したわけでございますが、その当時の議論といたしましては、医療機関のウエブサイトを医療法上の広告とみなすと、患者みずからが知りたいと考えられる情報がインターネット等により入手できなくなること、一般的な医療機関のウエブサイトは情報発信や情報共有する場としての性格をあわせ持つことなどから、広告として一律に規制すると大きなデメリットが生ずる、当時の検討会ではそのような議論がされました。

 それを受けまして、先ほど御紹介ございましたように、平成二十四年に、行政指導を行うためにガイドラインというのを作成いたしまして、関係団体等の自主的な取り組みを推進することとしたわけでございます。

 ただ、そのときにも、ガイドラインによる取り組みでも改善が見られない場合には、法規制を含めてその後の対応を検討するというふうにしていたところでございます。

 先ほど御紹介ございましたように、平成二十七年の七月に、具体的に法律上の措置がないことから実効性が上がっていないという指摘を受けまして、医療機関のウエブサイト等について、医療法を改正して広告規制の対象にするか、少なくとも虚偽、誇大等の不適切な表示を禁止し、指導等を課すことができるように措置するべきであるという二度目の建議をいただいたところでございます。

 これを受けまして、今般、医療広告規制を見直しまして、ウエブサイト等についても、他の広告媒体と同様に、原則、医療広告の規制の対象といたしまして、虚偽または誇大等の不適切な内容のものは禁止し、指導等の対象とすることとしたものでございます。

河野(正)委員 自分自身あるいは家族、友人などが病気になったときにインターネットでその診断名を検索し情報収集することは、今や常識と言える行動となったと思います。先日も、井坂委員がかなり詳しく調べられたということでありますから、私も医師でありますけれども、医師はネットで得られる以上の、これを最低限度のラインとして、それを上回る情報を有して患者さんに提示するといった必要性が求められているんだと思います。

 一方で、インターネット上の情報は真偽が定かでないものも多く、まさに、私どもが見ていても、これはちょっとどうなのかなと思うことも多々あるわけであります。情報を見きわめる力というのが受け手に求められます。

 ただ、医療に関する情報は、受け手の受けとめ方によっては生命を危うくしかねないものでもあり、特に慎重な対応が求められると思います。いわゆる素人診断という言葉がありますが、これによって生命を脅かされる、あるいは取り返しのつかないような、もう大丈夫だろうと思って受診しなかったばかりに手おくれになっているということもあると思います。

 厚生労働省として、インターネット上にある膨大な医療情報をどのように捉えているのか、見解を伺いたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 インターネットを通じた情報の入手が極めて一般的な手法となっている現状においては、インターネット上の医療情報は、国民や患者にとって有用な情報源として意義があるものというふうに考えております。

 一方で、美容サービス等の自由診療を行う医療機関においては、例えば、ホームページに掲載されている治療内容や費用と受診時における医療機関からの説明、対応が異なるなど、インターネット上の医療情報を契機としたトラブルが多く発生しているところでございます。

 このため、今般、虚偽、誇大等の不適切な内容のウエブサイト等を禁止し、一定の条件を満たし、患者による医療の適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、広告可能な事項の限定の例外とするという医療広告規制の見直しを行うこととしたところでございます。

河野(正)委員 本改正案では、これまで医療法上の広告規制の対象外だったウエブサイト等をその対象にする一方、患者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、広告可能な事項の限定を解除できるものとし、その詳細は厚生労働省令で定めるというものになっております。インターネット上の医療情報は、今や国民に広く利用されており、本改正案によって提供される情報が急激に絞り込まれてしまうことも問題だと思います。

 この規定の意図するところ、具体的にどのような事項を念頭に置いているのか、改めて、現時点での認識を確認させていただきたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 今般の改正は、ウエブサイトを含めまして、虚偽または誇大等の不適切な内容のものを規制するというものでございますけれども、ウエブサイトについては、現行の医療法の規制と同様に、広告することができる事項を限定してしまいますと、例えば、難病や悪性腫瘍の患者さんが、海外で承認されているけれども国内では承認されていない治療薬など、患者さんが知りたい治療に必要な情報が入手できなくなるのではないかという懸念が、検討会の場におきまして医療関係団体や患者団体から指摘されたところでございます。

 このため、一定の条件を満たし、患者による医療の適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、広告することができる事項の限定の例外とすることを可能とすることとしております。

 その具体的な要件等についてでございますけれども、今後、医療関係団体や患者団体、消費者団体等の意見を聞きながら検討することとなりますけれども、例えば、雑誌広告やテレビコマーシャルなど一方的な、内容が限定された情報と異なり、ウエブサイトはかなり詳細な情報を提供することができますので、そういった詳細な情報を提供するものであること、自由診療について記載する場合には、治療内容や平均的な費用、治療回数、また、医療機関にとって都合のよい情報だけではなくて、治療等のリスクですとか副作用といったことについても適切に情報提供することなどを条件とすることが考えられるところでございます。

河野(正)委員 大臣に伺いたいと思いますが、希少疾病や難病、未承認薬、医療機器の情報収集など、インターネットは、患者さんや支える家族にとって、日本だけではなく世界に広がる大きな情報源となっております。そうした有用性をより高めるために、規制のあり方も柔軟に見直していくことが必要であると考えます。一方で、先ほど来お話ししているように、そこに潜む危険性というのは十分に認識しないといけないというふうにも思っております。

 今回の法改正で終わりとすることなく、厚生労働省としても、患者さんが有用な情報を得るための環境整備を不断に進めていく必要があると思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 御指摘をいただきましたとおり、ウエブサイトの場合は、現行の医療広告の規制と全く同様に、広告可能な事項まで限定をしてしまいますと、例えば、今あったように、難病とか悪性腫瘍の患者の方々が、海外で承認をされているけれども国内未承認の治療薬など、患者の方々が知りたい治療の必要な情報を入手できなくなるのではないか、こういう懸念が医療関係団体とか患者団体から指摘をされております。

 このため、今回の見直しに当たりましては、一定の条件を満たして、患者の方々による医療の適切な選択が阻害をされるおそれが少ない場合には、広告することができる事項の限定の例外とすることを可能としたところでございます。

 また、患者の皆さんが病院等の選択を適切に行うために必要な情報、これにつきましては、都道府県がその情報を集約してわかりやすく提供する医療機能情報提供制度、いわゆる医療情報ネットについても運用をしているところでございます。

 今後とも、こうした施策を通じて、医療機関に関する適切な情報提供を推進してまいりたいというふうに思います。

河野(正)委員 残り少なくなりましたので、最後に伺いますが、ITの大手企業が運営する医療情報を扱うサイトで、不正確な記事や、医療関連法令や著作権侵害に抵触する可能性のある記事が多数見つかり、閉鎖を余儀なくされる事態が発生いたしました。ことし三月に公表された第三者委員会の報告書では、最大二万本を超える記事で著作権を侵害した可能性があり、薬の効能表示や健康食品の表示の法令に違反する記事も見られたというふうにされております。

 インターネットに氾濫する医療情報の質の悪さを象徴するような事件だったと感じますが、この事件について、厚生労働省の受けとめを伺いたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 ヘルスケア情報を扱うウエブサイトにつきましては、医師等の専門家の監修がないままに根拠が不明確な記事が掲載されていることが問題視されまして、ウエブサイトが閉鎖された御指摘の事案においては、国民に対して不正確な情報がウエブサイトにより流布されていたと承知しておりまして、大変遺憾であるというふうに考えております。

 今回、医療広告の規制を見直し、医療機関のウエブサイトについても規制の対象とすることとなりますけれども、あわせて、検討会の取りまとめを踏まえまして、不適切なウエブサイト等の情報収集、地方公共団体への情報提供を行いますネットパトロールによる監視体制を構築すること、美容医療関係団体が合同で参画した美容医療連携協議会を立ち上げまして、規制を周知徹底するといった取り組みを行うこととしておりまして、こうした取り組みを通じまして、インターネットにおける医療情報の適正化に努めてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 時間が来ましたので、また次回の機会に質問を続けたいと思います。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 おはようございます。

 本日も、医療法の質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 冒頭、委員長からも御報告がなされましたように、昨日、東京女子医大病院の方にお話を伺いに参りました。

 前回もおつけをさせていただいた資料をきょうも三ページ目につけておりますが、二月十八日、十九日、亡くなられた二十一日の直後、そしてその後、人工呼吸器が外されて、その後、唇の色も変わってきているお写真。

 御遺族の方、きょうもいらしていますが、まさに私たちが昨日伺った病院は、孝祐ちゃんと最後を過ごした場所でもあり、最も大切な場所でもあり、また同時に、最も二度と足を踏み入れがたい場所でもある、そのようにおっしゃっておられます。

 ぜひ、二度と同じようなことが起こらないための、この手術の前の日まで普通に公園で遊んでいて、元気で、絶対に亡くなることのない本当に簡単な手術であったこの事例が、過去に例のない二度にわたる特定機能病院の取り消しに至ってしまった。そのことを、しっかりと改めてこの質疑の中でやりとりを深めさせていただき、そして、資料の一枚目からおつけしております、当該病院、昨日、本当に、関係各位に私からも感謝を申し上げます。誠実な御対応をいただけたと私自身も思っております。

 ただ、この取り組みが実効性のあるものとなるか否かは、院長御自身もまだまだ道半ばであるとおっしゃっておられました。そのことを我々がしっかりとチェックさせていただくことが、これは塩崎大臣もそうですし、我々立法府の側の人間も同様であると思っておりますので、きょうもそういった視点での質疑をよろしくお願い申し上げます。

 前回お伺いしたことをお調べいただけたようですので、御答弁をまずお願いしたいと思います。多少、きょうは通告の順番が前後する部分がありますが、御了承ください。

 まず、これまでの特定機能病院において、取り消しを受けた医療機関が再承認をされるそのケース、過去にも、私も承知をしております。その再承認をされるプロセスの中で、患者、御家族と訴訟、係争中に再承認をされた例はあるかないかについてお調べをいただいて、お調べいただけたということでございますので、御答弁をお願いいたします。

塩崎国務大臣 これまで、横浜市立大学医学部附属病院、それから東京女子医科大学病院、東京医科大学病院が特定機能病院の再承認を受けているわけでありますが、東京女子医科大学病院の再承認については、この間申し上げたとおり、和解後でございました。横浜市立大学の医学部附属病院と東京医科大学病院につきましては、民事訴訟は提起をされていないということでございます。

柚木委員 御答弁をいただきましたように、過去に特定機能病院の指定の取り消しを受けた医療機関が再承認をされるプロセスで、訴訟係争中の事案はなかったわけでございます。

 まさに、今回については、東京女子医大についてはそのようなさなかにございます。だからこそ、仮に将来そういった議論があり得るとするならば、やはり、今、きょうのお越しいただいている御遺族、前回お越しいただいた御遺族の方もそれぞれ訴訟で係争中、さらに今後、小児で十二人亡くなったうちの五件、健康の悪化が認められている、そして亡くなっている。そういった中からも、私が承知しておるのは四件ぐらい、そういった訴訟も今後起こり得るということでございます。

 私は、それはそちらの中でしっかりと、もちろん裁判所で御判断をいただくことではございますが、そういった中で、やはり前回お尋ねをした、東京女子医大、一度目の取り消しの後の再承認をしたことに対して、私は結果的に過ちであったと言わざるを得ないということを申し上げ、大臣はそのとき当然所管のお立場でおられませんでしたから、そのときはそのときのプロセスの中で再承認をされたという御答弁、そして今回の事例を踏まえて、まさに医療安全に特化した形で承認要件の見直しも行っている、そういう御答弁で、それはそのとおりだと思うんですね。

 ただ、私は、大臣、お尋ねしたいのは、承認要件の見直しをしたということは、やはり特定機能病院の承認要件のあり方そのものに不備が認められるからこそ見直しをされて、まさに今リーダーシップを発揮されている、そうでなければ見直す必要はないわけですから。そういう意味では、特定機能病院の承認要件そのものが、まさに今回、再承認をしたのにまた取り消しという初めての事態に至っていることも含めて、承認要件そのものが十分であったとはやはり言いがたい、言いがたかったということは、これは言えるのではないかと思うんですが、御認識をお答えいただけますか。

 通告の内容とちょっと変わっています。承認要件が十分であったとは言いがたかった、今回の事案が起こっているわけですから。承認要件そのものが不十分であったということは言えるのではないでしょうか、御認識をお答えいただけますか。

塩崎国務大臣 まず第一に、これは繰り返し申し上げてまいりましたけれども、高度かつ先端的な医療を提供するのが特定機能病院ということで定義づけされていた承認要件になっているわけでありますけれども、医療の高度の安全の確保、これが承認要件になかったというのは、やはりこれは私は不十分であったというふうに認めざるを得ないまず第一の問題で、高度かつ先端的な医療を提供することに前のめりになって安全が後になっているということではないかというふうに思いますので、当然、高度かつ先端的な医療は、高度の安全の確保とセットでいかなければいけないという意味において承認要件にまず追加をさせていただいているというのが今回の法改正の一つでございます。

 去年の省令で行った要件の見直しは、例えば医療安全管理責任者の配置であったり、医療安全管理部門の強化等々いろいろありますが、これは、組織的に見ても構えが十分ではなかったということで新たな手だてを入れさせていただいているわけでございますので、当然、今回それに加えてガバナンスが重要な改革項目として法律に明記をさせていただいて、なおかつ、法律に加えて、成立後に省令で具体的な中身も入れていくということは、今までそれが欠けていたということは認めるところでございます。

柚木委員 非常に大切な御答弁をいただきました。まさに今回の医療法改正がなぜ行われているのか、そのことを、特に特定機能病院の医療安全管理体制の強化についての部分でいえば、最も今本質的な御答弁をいただいたと思っています。

 やはり、承認要件に対して、医療安全管理が高度な状況の中で先進医療を追求すると同時に、そこの部分が欠けていたということが、不十分であったと認めざるを得ないと、本当にそこはおっしゃるとおりだし、真摯な御答弁だと思うんですね。

 だからこそ、私は、前回、結果的に再承認は過ちであったと言わざるを得ないと述べたのは、まさに再承認時の皆さんの省内の社保審の医療部会の中での議論、その経緯、文書で拝見をして、そこで、改善をします、あるいは取り組んでいます、実際に行っていますという内容がまさにできていなかったからこそ、二度目の取り消しの、まさに痛ましい、取り返しのつかないことを起こしてしまったと、昨日、理事長もおっしゃっていた、そのことに至ってしまったわけでありまして、結果的には間違いだったと言わざるを得ない。

 そのときに、間違いだったかどうかを大臣にお答えいただくというよりも、私、大事なことは、まさに今回の法改正の議論を進める中で、これをやっておかないと、私は、全国八十五の特定機能病院のガバナンス強化に資する部分はそうだと思いますが、当該二病院取り消しに至っている、この医療機関における再発防止のためには、やはり、再承認の適否、正しかったのか正しくなかったのかについての検証もせずしては、幾ら制度をつくっても、そこで運用するのは人でございます、その人のヒューマンエラーの背景にある資質の問題とか、この後もお尋ねしますが、あるいは、きのう副理事長もおっしゃっていた大学の文化そのもの、体質。幾ら医療者としての技術は優秀であっても、人間として、人格として、御遺族にあり得ない対応をしてしまっていたということを副理事長も述べておられた。そういった点も含めてやはり検証していかないと、制度は整っても、そこに魂入らず、実効性が上がらないということになりかねませんので。

 ぜひ、厚生労働省におかれましては、今後、まさに取り消しの二病院について、仮に将来、再承認、再々承認の議論があり得る場合には、当然、社保審の医療部会の中でもその議論がある中で、東京女子医大の場合は、前回の再承認が正しかったのかどうだったのか、結果的にどうだったのかについても、やはり検証いただくことがその入り口であるというふうに認識をいたしますので、その点も含めて、今後、ぜひ検証いただきたいと思います。いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 大事な問題だと思います。

 東京女子医科大学病院の特定機能病院の再承認に当たっては、社会保障審議会の医療分科会というところで三回議論をして、その上で再承認を行っているわけであります。そのときに、当然確認をしている事項があって、そのときの法律に照らしてみて、必要なことを満たしているということだからこそ再承認はしたんだろうというふうに思います。

 それは例えば、医療安全対策室の設置など、医療安全管理の充実を図っているということを、病院側がそれを宣言している。分散して管理、保存されていた患者情報、ばらばらになっていたのを一元化する。間違いを減らすという意味なんでしょう。それから、医療安全管理の責任者たる病院長の権限を強化する。こういったことを確認して再承認をしています。

 しかし、今から振り返ってみても、再承認を受けるに当たって病院が示した改善策について、病院内での周知、実施状況についての調査や見直しが病院によって行われていなかったということが、再度の承認取り消しに当たって医療分科会からも指摘を今回されておりまして、このこと自体は極めて遺憾なわけで、つまり、やると言ったことをやっていない、こういうことであります。

 おまけに、私たちが深く反省をしなければいけないと思うのは、やると言っていたことを、確認を厚労省もしていなかったということであって、国の立入検査自体は年に一遍やっていますけれども、年に一遍でよかったのかということも含めて、今のようなことが確認できないできたからこそ、今回、再び承認取り消しという事態が起きたわけであります。

 つまり、再承認をしたら、その後のフォローアップをちゃんと厚労省もしなきゃいけない。もちろん、一義的には病院がやらなきゃいけません。いけませんが、それを本当にやっているのかということを確認するのも、これは、特定機能病院を承認しているのは厚生労働省であり、また保険料から診療報酬が上乗せされていくわけですから、そこのところの責任は厚労省としてもあるだろうというふうに思います。

柚木委員 御遺族にも大変胸にしみる御答弁だったと思いますよ。

 再承認のプロセス、あそこできっちりと、その後七年たっているんですね、その次まで。毎年の立入調査、同じように、同じような時間でやっていた、同じ頻度で。そこできっちりと歯どめがかかっていれば、同じ病院の他のICUで使用禁止にしていた薬が投与されることもなかったでしょうし、ヒューマンエラーはそれは起こります。起こることを前提に二重三重のセーフティーネットが必要です。しかし、そのセーフティーネットも機能していなかった。そこを厚生労働省としての責任をお認めになったのは、私は非常に誠実な御答弁だと思います。

 ぜひ、次にお尋ねしたかったのがまさにその点です。今後、特定機能病院が取り消されてしまっている医療機関が再承認を仮にされて、あるいは仮に再々承認をされて、その後のフォローアップ、今おっしゃった毎年の地方厚生局の立入調査のあり方、頻度、そしてその公表のあり方、さらには、今回の法改正で新設をされる外部による監査委員会の調査結果公表のあり方、調査の方法、人選。こういった点についても、私は、工夫を施すことが、とりわけ問題になった医療機関に対しての再発防止の実効性の本当にポイントだと思うんです。

 ぜひ、大臣、今後の、もちろん再承認、再々承認というのはまだまだこれから先のあり得る議論ですが、仮にそういうことも含めて、全部をそうしてというのはやはり大変ですから、問題があった医療機関ということでまずは対応を考えていただくべきだと思いますが、毎年の地方厚生局の立入調査の頻度や公表のあり方、ちゃんと患者さんに、おっしゃっていただいたように患者ファーストで、それがちゃんと地域住民、患者、利用者、家族の目、耳に触れる形で公表をしていただくこと、監査委員会についても同様。

 そういった調査結果の公表のあり方や調査の手法について、ぜひこれは工夫を、通常のあり方とはまた違って、問題のあった医療機関については特段の工夫をお願い申し上げたいと思いますが、御見解をお述べください。

塩崎国務大臣 昨年の六月に、先ほど申し上げたように、この承認要件の見直しを省令でできる範囲内でやらせていただきましたが、特定機能病院においては、監査委員会による監査で承認をされた事項を公表することとしておりまして、医療安全の取り組みの透明化を図っているわけでありまして、一方で、特定機能病院に対する国の立入検査の結果を公表することは重要な御指摘だと思っております。

 どのような形で取りまとめるのがよいのかを検討して、立入検査結果を社会保障審議会医療分科会へ報告した上で公表するということが考え得ると思いますが、例えば、先ほど申し上げたように、再承認を前回した後、通常の一年に一遍の定例の立入調査のみで済ませていたことについての反省をしてみれば、やはり特定機能病院というのは、何度も申し上げますけれども、診療報酬もたくさん行くわけですから、そこのところは、一カ月後にちゃんとチェックをする、三カ月後、半年、そして一年後とか、いろいろなやり方があろうかと思いますし、また、自己点検をちゃんと病院がやっているかどうかを少なくともチェックするということも、二重三重に必要なんだろうというふうに思います。

 もちろん、厚生労働省も人員が限られていますから、一義的に責任を負っているはずの組織である特定機能病院みずからが本当に心を入れかえてやっているかどうかを確認するという形での調査もあり得るというふうに思いますが、さまざま考えてまいりたいというふうに思います。

柚木委員 ぜひ、そういう意味では、本当に過去に複数、東京女子医大はあれですけれども、四病院についてですから、そんなに、もちろんたくさんあっては困るわけですが、たくさん起こる事象ではないということを考えたときに、私は、やはり再承認したことについての責任の所在も含めて、それは今後、まさに厚生労働大臣がお認めをいただいた、再承認を仮にする際には、その責任のあり方についても私は今後検討いただきたい、これは要望しておきたいと思います。大切なことです。再承認をするという大きな判断です。お願いを申し上げたいと思います。

 その後、今、調査手法のあり方とかガバナンス強化の実効性向上のために二項目ほどこの後やりたいんですが、ちょっと二つ飛ばして、資料の五ページ目。前回もこれは質問をして、そして調査をお願いしておりました。

 まさに、今回の孝祐ちゃんの事件が起こってしまった背景、再発防止のためにこういったことの調査、情報開示が不可欠だと私は思っておりまして、当時の女子医大の麻酔科の主任教授、今でも御在籍だそうです、この先生が、まさにプロポフォールをどしどし使いこなしていけるように支援していくと。前提として、正確な情報を入手し、十分な裏づけに基づいてというところがなされていないんですね。にもかかわらず、どしどし使いこなしていけるようにということで。

 やはり、薬事法とか医師法とか、患者さんとの利益相反ということになってはいけない、安全がないがしろにされてはいけないということで、さまざまなガイドラインが定められ、そして企業も自主的に情報開示をしている中で、この丸石製薬という会社が、ガイドライン制定後、二〇一二年以降、一五年分はあるんですが、この事件が二〇一四年二月の十八から二十一にかけて起こっている中で、一二、一三、一四そして一五について、この丸石製薬という会社が当該の教授あるいは東京女子医大全体に対しての資金提供を、これはさまざまな形があり得ます、講座への寄附、あるいは講演料、あるいは執筆料などなどあるわけですが、それぞれについてお調べをいただけたというふうにお聞きをしておりますので、まずその事実関係を御答弁お願いします。

塩崎国務大臣 先日お尋ねをいただいた件でございますけれども、丸石製薬株式会社より東京女子医科大学への資金提供、これをまず申し上げますと、二〇一二年度、これは原稿執筆料、講師料でございますけれども、大学への資金提供は、まず一二年は三十二万円、一三年度が二十三万円、そして二〇一四年度が十九万円、二〇一五年度は六万円でございまして、そのうち尾崎教授宛ての資金提供は、二〇一二年度は二十八万円、二〇一三年度は二十二万円、そして二〇一四年度、一五年度はございません。

柚木委員 それぞれ初めてこの場で情報開示をしていただきました。

 私は重要なことだと思うんです。なぜならば、今のは丸石製薬が東京女子医大に対して、あるいは尾崎教授個人に対しての資金提供、あるいは講演料、執筆料というようなことでございましたが、質問でお願い申し上げたいのは、これは当然丸石製薬以外の製薬メーカーもプロポフォール麻酔薬を納入されているというふうに伺っておりますし、そういったところからの資金提供がどうなのかも含めてやはりそこを情報開示いただくことが、これは実は医師個人にも、COI、利益相反の部分を開示するということが、日本医学会等のガイドラインにも定められていて、求められているわけでもありまして、ぜひお願いを申し上げたいのは、一点目は、このプロポフォールは、後発品ですが、その販売をしている会社をまず全て挙げていただいて、そしてまた、先発品の製品名と販売会社も御答弁、これは、それぞれ調べていただけていると思うんですね、いただいた上で、その挙げていただいた全ての製薬会社について、二〇一二年の、製薬会社と医療機関とのまさにガイドライン、資金提供等について開示をしていく、メーカー側が、そういったことでもございますので、まさに今回の、当該の主任教授に支払われた謝礼あるいは寄附金、そして大学に対しても同様に、それぞれお調べをいただきたいと思います。

 御答弁をお願いいたします。

塩崎国務大臣 御要望に応えたいと思います。

柚木委員 ぜひよろしくお願いをいたします。

 やはり、こういったことを情報開示いただくことによって、まさに、なぜ一日で、もともと小児ICU、人工呼吸器中の使用が禁止されている薬が使われ、しかも、二日どころか三日、四日と使われ、成人に対しても投与してはならない量を最大四倍、五倍も投与され、しかも、その際のカルテには誰が指示していたかの記載もなく、しかも看護師さんが投与していたということであれば、医師法十七条違反の疑いもある。

 こういうことにつながっていったこの背景要因として、さまざまな、まさに、今お願いを申し上げたような、情報開示がなされていく中で、真実が、真相が究明をされ、そのことが再発防止につながっていく。そして、そういうことがあって初めて、まさに冒頭から申し上げている、仮に再承認、再々承認という議論が始まるのであれば、その大前提として、やはり、情報の開示、真相の究明ということだと思いますので、今お調べいただけると本当にきちっと答えていただいたので、まだ次回もありますから、ぜひよろしくお願い申し上げます。

 それで、飛ばした二問をお願いしたいんですが、まさに今し方、地方厚生局の立入調査のあり方、結果公表のあり方、監査委員会についても同様に御答弁をいただいたんですが、今回の法改正で、資料にも改めておつけをしておりますが、最後のページに、まさに、承認要件の見直し、医療安全管理部門に、専従の医師、看護師、薬剤師を置くことが昨年定められています。この間も、委員の先生方からの質疑でもされております。

 ただ、この安全管理部門がしっかり実効的に機能するためには、そこにかかわる責任者、管理者の資質を、テクニカル部分だけではありません、資質を改善、教育したり、そして、その管理者のみならず、事故は、事件は現場で起こってしまいます、現場スタッフへの教育と、そしてまた管理者とのコミュニケーション、共有を徹底させたりするなど、さまざまな施策が実効性を担保する上で必要だと考えるわけでございます。

 資料の一ページ目、二ページ目には、お許しをいただいて、昨日伺った東京女子医大の大学再生計画進捗管理表、この中でも、七番、八番、全体の医療安全の見直しの中で、「ハイリスク薬の適正使用管理」、プロポフォールなどの管理方法の見直し、ハイリスク薬の疾病禁忌・原則禁忌医薬品の一覧の作成、そして累積投与量の把握、次の八番には、「禁忌薬・医薬品適用外使用届の徹底」、インフォームド・コンセントの実施及び同意書の取得などなど書かれております、取り組まれております。そして、次のページにも、まさに、組織風土の刷新ということで、副理事長が本当に述べておられました。医療を提供する以前の問題だ、人としての資質、そういったところを変えていかなければ、御遺族、患者さんに対して、とんでもない対応の仕方になっていたとおっしゃっています。

 そういうことも含めて、ぜひ、資質の改善、そして現場スタッフとの共有、こういった点をいかにして担保していくのか、御答弁をお願い申し上げます。

塩崎国務大臣 おっしゃるとおり、形だけではなくて、どういう方が、どういう能力を持ってその任に当たるのかということが、大変、最終的に物事を決めるようになるんだろうというふうに思います。

 昨年六月の承認要件の見直しで、一つは医療安全管理責任者の配置であり、それから、今御指摘をいただいた医療安全管理部門への専従の医師、薬剤師、看護師の配置、それから内部通報窓口の設置というものを義務化いたしました。やはりなかなかパラメディカルの方々がお医者さんの批判をするのは勇気が要るわけでありますけれども、そういうことを乗り越えていけるような仕組みとして、内部通報の窓口を必置にするということにしております。

 そういうようなことがありまして、今回の改正で、特定機能病院の管理者に対して、多職種で構成される合議体の決議に基づいてふだんからの管理運営も重要事項は決定するように、一人が仕切るということではなくて、共同責任で合議体で決めていくということで、医療安全の管理体制に多職種で取り組んでいく、その構えを決めさせていただいております。

 あわせて、今回の改正案では、特定機能病院に対して、委員の過半数を病院の利害関係のない方から選任する監査委員会、特に外部の人が過半数いるということが大事だと思いますが、その設置を義務づけておりまして、これらによって、病院内の医療安全への取り組みが機能しているかどうか、外部からのモニタリングの仕組みというものも構築されることとなるんだろうというふうに思います。

 病院の風土を変えるということは簡単ではございませんけれども、やはり制度を変えて初めて実質的に文化や風土が変わっていくということだろうと思うので、制度を変えたことだけでうまくいくというようなことではないように、今回、フォローをしっかりとやっていくことが大事だろう。

 そして、例えば、今御指摘のあった専任の医師あるいは看護師、薬剤師等々の資質がどうなのかというのは、厚生労働省においてしっかりと見て、必要ならば指導していくということをやっていきたいと思います。

柚木委員 終わりますが、今本当に真摯な御答弁をいただきました。

 事件が起こった中央ICUと、当時既にプロポフォールが使用が禁止されていた心臓ICU、これらを含めて四つのICUが統合されました。御遺族が、このICUがなくなる、孝祐にもう会える場所がなくなってしまう、そういう思いで最後に訪ねたのが、その、まさにICU統合の報道のときだったそうです。

 ぜひ、二度とこういった悲劇を繰り返さないための厚生労働省、大臣におかれての、今回の事案の検証も含めての、その先に法律改正の実効性を高めていくことを心よりお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、郡和子君。

郡委員 民進党の郡和子です。

 今般の医療法等の一部を改正する法律案、ゲノム医療に関する検査の精度の確保、そして特定機能病院のガバナンス強化、また医療にかかわる広告規制などが大きな課題として挙がっているわけでして、この間も議論が行われました。

 いずれも必要なものであるというふうに認識をしておりますけれども、残念ながら、場当たり的で、少し細切れな対応ではないかなというふうに心配もしている、残念にも思っているところです。

 医療関連行政全般に整合性がついていくんだろうかどうか、また、現場にとってはどうなんだろうか。とても細かくて、また行政の縦割り体制がますます煩雑になっていって、本当の意味での医療の安全、患者さんの安全確保というのにつながっていくのかどうか。そしてまた、私がとりわけ関心を持たせていただいている生命倫理の観点から見ても、社会の信頼が得られるのかどうかなど心配をしているところでして、その点について疑問点をたださせていただきたいというふうに思います。

 まず、ゲノム医療の推進との関係で、生命倫理上極めて重要な受精卵のゲノム編集及びヒトの受精胚の倫理的地位に関する問題、遺伝子検査ビジネスに関する課題、それから、医療安全に関して、今回の医療法改正案の不備ではないかと思われるところについて聞かせていただこうと思います。

 まず、受精卵のゲノム編集についてなんですが、先月、最新技術ゲノム編集をヒトの受精卵に使う基礎研究をめぐって、婦人科学会だとか日本人類遺伝学会など四学会が、研究の可否を審査する委員会を解散するというふうなことを内閣府に伝えたというふうに報じられて、これまたびっくりをしたところです。

 この言い分は、国の意向で審査体制を築いたのに、学会が自主的にやっていると受けとめられているためだと、国に対する不信感を示されたわけであります。国の責任ある関与が見込めないということでのこの突然の解散ということになったわけですけれども、政府の方でも慌てて、菅官房長官も翌日会見を行われました。国として責任ある関与をすべきと考えているというふうなものでありました。

 信頼関係、責任関係、協力関係といったような抽象的な表現ではなくて、そもそもこの四学会と政府はいかなる公式関係を想定して、当初このことについて依頼をされたのかどうか、そして、現在どのようになっているのかをたださせていただきたいと思います。

 まず、最初に依頼した際ですけれども、政府の審査会ですとか、それから審議会ですとか、検討会といった、そういう系統をとらなかったように聞いております。そうであるならば、国の委託事業として、研究事業として、国が費用負担をするというようなことがあったのかどうか。

 一旦解散をされたということですけれども、またその後、新たな契約関係を結ばれたのかどうか。調査会が依頼したことの、実際の公式的な契約等について、ぜひ解散通告前と解散通告後、現在の状況をお聞かせいただきたいと思います。

進藤政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の、関連学会の審査委員会との関係でございますが、国からの事業委託や研究委託といった形式ではございませんで、平成二十八年四月に総合科学技術・イノベーション会議生命倫理専門調査会によってまとめられた「ヒト受精胚へのゲノム編集技術を用いる研究について(中間まとめ)」に基づき、各研究機関が行う倫理審査を支援するため、関連学会が協力して、各研究機関が行う倫理審査が適切に行われているか審査するという仕組みを考えておりました。

 現在は、御指摘の状況もありまして、関係学会と意思疎通を十分に図り、関係学会及び関係省庁の協力を得ながら、ヒト受精胚の取り扱いに関する幅広い議論を通じて、ヒト受精胚に対するゲノム編集技術を用いる研究等のあり方や実効性のある仕組みづくりに向けて、国として責任を持って、検討を改めて進めていこうとしているところでございます。

郡委員 今お話しにならなかったんですが、きょう実はその調査会が再開をされて、リスタートをするというふうにきのう聞かせていただいたんですけれども、いずれにいたしましても、この四学会の検討会、審査会、これは、国としてしっかりとした予算的な措置もなければ、学会にやはり丸投げというふうなことで、非常に気の毒だというふうに思いますし、学会が自主的に開催する委員会に期待するということでは無責任だというふうに思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいということを御要望申し上げます。

 それから、この生命倫理専門調査会での議論というのは、受精卵に対するゲノム編集や胎内への移植は行わないというふうになったようなんですけれども、そもそもそれを法律で規定すべきなのかどうかというふうな課題について、実際に俎上に上ったのかどうか、ここを尋ねたいと思うんです。

 クローン技術に関する立法の際にも、実は、法律に基づく指針、法律に基づかない指針、それぞれ、どこまでを規制するかについて大変大きな議論があったんですけれども、その後、二十年近くの間に、欧州のみならずアジアの諸国でも、生命倫理を包括的に掲げた立法ができているんですね。そういう中において、日本は随分と、一周おくれ、二周おくれというような気がいたします。日本でもこうした技術について、法整備か否かとの議論はあったのかどうか、お尋ねしたいと思います。

 科学技術は日進月歩であるから、それに係るルールも技術の進展に伴って随時見直しを行う必要があるので、一般的に見直し等に時間がかかる法律に基づく規制では機動的に対応することが困難になるということが想定されるというような意見があったという御回答もいただいたんですけれども、技術が日進月歩であるからこそ、法律についてどういうふうに示していくのか、法律でどういうふうに整備していくのかが重要であるんじゃないかというふうに思います。

 とりわけ人間の尊厳にかかわるような重大な行為、生殖細胞に対する未確定な技術による操作で作成した受精胚などは、法律に基づく指針で、技術の一定程度の確立を認められ、禁止を解除されるまでは絶対にだめだというふうにすることですとか、また、医療上その他の必要性を法に基づく指針で認められるまでは、基礎研究だったらいいけれども、そうでなければだめだというような、そういうような意見があったのかなかったのか、尋ねます。

進藤政府参考人 先生御指摘のとおり、生命倫理専門調査会における中間まとめの取りまとめの過程でいろいろな議論がございました。

 法律での規制の可否についても、まさに御紹介いただきましたとおり、ゲノム編集等の科学技術は日進月歩で、それに係るルールも技術の進展に伴い随時見直しを行うことが必要であるので、一般的に見直し等に時間がかかる法律に基づく規制では機動的に対応することが困難となるのではないかという意見もあったところでございます。

 また、これまでの我が国での指針等での運用により、実効性の点で特に問題が生じていないこともありまして、この中間取りまとめでは、現時点において法律で禁止するとの結論には至らなかったと承知しております。

 しかし、今後さらに、生命倫理専門調査会におきまして、このヒト受精胚に対するゲノム編集技術を用いる研究等のあり方、実効性のある仕組みづくりに向けて検討を行って、国として責任を持って対応してまいりたいと思っております。

    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

郡委員 毎日新聞に、「ヒト生殖細胞 包括規制」をするんだという、「政府、基本方針策定へ」という記事が載ったものですから、大変、ほうほう、そうかというふうに、うれしい思いでお尋ねしましたらば、包括的というふうなことは決めていないんだということで、これまたがっかりしたところであります。

 この問題というのは、iPS細胞からの生殖細胞作成に関する指針の作成、これについても同じようなことが言えるんだというふうに思っています。というのは、つまり、iPS細胞から作成した生殖細胞による胚の作成、それから人体、動物の胎内へ移植といった行為、これは当面行うべき行為ではないというふうなものと、法律もしくは法律に基づく指針で禁じるんだという行為、またはそうでない行為、それらのグレード分けというんでしょうか、そういうようなものが整理されているのかどうかということなんです。

 iPS細胞から生成した生殖細胞の胚作成というのは、技術として未成熟なんですけれども、その未成熟な状態で作成された胚を動物や人の胎内に移植する行為、また、受精胚に対するゲノム編集技術を使って、人間の尊厳を著しく損ねるような人為的にデザインされた人物、極端かもしれませんけれども、人間らしい感情を持たずに、戦闘に利用するための集団として存在させる人間、あるいは、その体の一部をほかの人の移植治療に利用するためにデザインをされた人間のパーツというような、これは、iPS細胞による生殖細胞の応用研究というふうな中で、実行がもう既に可能なわけです。

 こうした技術についての研究は、特定胚指針で禁じられる行為よりも倫理的な問題が少ないというような議論がされたのかどうか。今言ったような人間の尊厳を損ねるような行為、それに対しての規制はどうあるべきなのかについて議論、これは、ぜひ調査会等々で具体的にやっていただきたいんですが、そういうような内容というのは、御開示いただけますか。

進藤政府参考人 先生御指摘の、もろもろの事例でございますけれども、生命倫理専門調査会では、御指摘の、例えばiPS細胞由来の生殖細胞から作成した胚を胎内移植する研究ですとか、ゲノム編集技術によって人為的にデザインした人物をつくり出す研究のような極端な例までは、実は議論しておりません。ただ、考えられる例として、遺伝性疾病の新たな治療を目的とする、ゲノム編集技術を適用したヒト受精胚を胎内に戻す臨床応用も、現時点では容認できないという整理をしております。

 生命倫理専門調査会では、主に受精胚等、生命の出発点に焦点を当てまして、幹細胞技術、クローン技術、ゲノム編集技術等、最先端技術の応用に関連した基礎的研究から臨床応用に至る生命倫理的課題について議論を積み重ねてきておりまして、この議論を深めるために、科学的合理性のみならず、社会的妥当性、後世代への影響を含めた人への安全性の配慮、個人個人がそれぞれ受け継いでいる遺伝的多様性を尊重する社会的視点等、多角的な視点から、さまざまな立場の人の意見を踏まえて、今後も検討してまいりたいと思っております。

郡委員 生命倫理上とても重要な問題について、包括的な制度設計をしないまま、技術の方は日進月歩で進んでいっているわけです。もう既に、今、移植ツーリズムでありますとか、卵子ツーリズムでありますとか、受精胚ゲノム編集医療ツーリズムというような形で、技術が国境を越えて進んでいます。

 iPS細胞は、特に日本の世界に誇る技術でありまして、相当な予算措置もされているわけです。しかし、生殖細胞等の入手が必要じゃないから、結構手軽に、倫理的に問題のある技術開発もできてしまう、こういう問題もはらんでいるわけですね。

 ですからこそ、日本の国として、倫理観を示す制度として、あってはならないことと、こういうことは前に進むべきだということをちゃんと分けて立法すべきじゃないだろうかというふうに思っているわけです。私は、先送りしてはならないことじゃないかというふうに考えているということを申し述べたいと思います。

 また、いかに政府の対応が縦割りでばらばらかということですけれども、ゲノム編集技術について、あるいはゲノム関連の医療について、厚労省、それから今いろいろと御答弁いただいた内閣府、それから文科省、経産省と、それぞれの役所にさまざまな会議体がつくられていて、一覧表を出してくれとお願いしたんですけれども、とても簡単にできるものではないというふうなお話でありました。

 私は、このばらばらになっているということが非常に、いわば責任をそれぞれに押しつけるということと裏腹に、同時に責任逃れが生じているというふうに思っていて、この問題を強く指摘させていただきたいと思います。

 質問を一つ飛ばしてしまいます。

 そして、厚労大臣に伺いたいと思うんですけれども、今議論させていただきましたように、ゲノム医療の推進とかかわる倫理的に極めて重大な問題が、非常にずさんな形で据え置かれたままで、医療法の改正案としては、病院での遺伝子検査と関連した精度管理の課題のみが対応されることになりました。

 今回の医療法の検体の検査改正の目的、そして、その先、どんなふうに考えておられるのか、考えておられないのか、御答弁願いたいと思います。

塩崎国務大臣 検体検査を行うということが、疾病の的確な診断とか、あるいは治療効果の評価などのために日常的に実施をされるものでありますけれども、その品質とか精度の確保というのが重要であるというふうに思っております。

 特に、遺伝子関連検査の品質、精度管理につきましては、先ほど来御指摘をいただいているゲノム医療の実現をオール・ジャパン体制で取り組んでいくために、内閣官房に設置をされたゲノム医療実現推進協議会、ここで、ゲノム医療の実用化に向けて、特に重点的かつ早急に検討を要する課題とされているわけであります。

 今回の医療法等の改正では、このような状況を踏まえて、医療分野における遺伝子関連検査を含めた検査体制の品質と精度の確保のために、精度管理の基準の明確化をする、それから検体検査分類の柔軟な見直しを可能とする、こういった制度改正を行うこととしているわけでございます。

郡委員 ゲノム医療の実現化に向けては、今おっしゃった病院内での精度管理の問題に限りませんで、例えば医薬品医療機器法における遺伝子検査キット、あるいはパネルと呼ばれる、いろいろなものがありますけれども、その承認プロセスの検討、これも重要な片側の課題であるわけです。こういうふうなものがどういうふうになっているのか、それでは、ちゃんと検討されているのかどうか、尋ねたいと思います。

武田政府参考人 遺伝子検査の質の確保のためには、医療機関などで実施される検査体制の整備、検査に用いられる検査キットやパネル、今御指摘いただきましたものにつきましても、性能や品質の担保が非常に重要であるというふうに考えてございます。

 これらの検査キット、パネルにつきましては、先般のゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースの取りまとめの中におきましても、「ゲノム医療に用いる検査キット及び検査機器については、疾病の診断等に用いることを目的として、医療機関、検査所等に製造販売される場合に、医薬品医療機器法上の体外診断用医薬品又は医療機器に該当することとなる。」ということでございますので、私ども、医薬品医療機器法におきまして、承認審査を通じて、性能や品質の担保を図ることとしているところでございます。

 具体的な承認審査に当たりましては、このタスクフォースのまとめで指摘されているように、一つ目といたしましては、高い精度をもって再現性の高い結果が得られるかという分析的妥当性、二つ目として、検査結果が診断に用いるに足る正確性を有しているかという臨床的妥当性、三つ目といたしまして、検査結果の活用により治療等にメリットがあるかという臨床的有用性、こういったことにつきまして、決められた試験法に基づくデータを提出していただき、これを評価していくこととなるものと考えているところでございます。

 なお、具体的に、がん関連遺伝子パネル検査システムというものが開発が始まっておりまして、これにつきましては、私ども、先駆け審査指定制度の中で指定をさせていただいておりまして、開発段階から開発企業と医薬品医療機器総合機構の中で話し合いを始めているという状況にございます。

郡委員 薬機法上の取り組みというのがわかりましたけれども、ゲノム医療の推進に向けて、今、商業目的による遺伝子検査の乱用、これも規制していくことが重要じゃないかというふうに思っています。

 これは、生命倫理専門調査会などでも以前から繰り返し議論がされてきたものというふうに承知しておりますけれども、最新状況として、厚労省が事務局を務めるゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースで、分析的妥当性の確保、科学的エビデンスの確保、遺伝カウンセリングへのアクセスの確保に関して、実効性ある取り組みが必要だとされたというふうに聞かせていただきました。

 この課題は、もう既に十年ほど前からいろいろと繰り返し繰り返し議論をされてきたわけなんですけれども、それにもかかわらず、今回、この医療法の改正では、病院における精度管理の課題しか取り上げられなかったのか、ああ残念だなと思って、なぜそんなことになったのかというふうに聞いてみました。分析妥当性の確保、精度管理については、遺伝子検査ビジネスの中に医療法で扱えない部分があるかもしれないんだけれども、でも、当然、医療法の範囲で課題というか、あるわけですよね。実効性ある取り組みが必要で、現在調査中だというような御回答をいただいたわけなんです。

 消費者のための遺伝子検査ですか、DTCの、検査、医療機関を介さずに消費者に直接提供される遺伝子検査、もう既に随分とふえていまして、私も、唾液を採取してポストに投函するだけでわかるんだよというような話も随分聞かせていただきました。両親ともがんだったからどうかと思ってね、こういう方は少なくないんだろうというふうに思います。

 重ねて言いますけれども、消費者向け遺伝子検査サービスの中にも医療分野のものはあるということ、それで、なぜ今回、医療とDTCを分けることになるのかどうか、あるいは分ける方向で考えてはおられないのかどうか。今回の医療法の改正を見ても、よくわからないわけです。同じような基準をつくることが世界の潮流であるというふうに伺っておりまして、それぞれであれば、ダブルスタンダードで、これは余りよくないというようなことを言っている学者の方々もおられます。

 そこで、もう一度確認をさせていただきますけれども、検体検査の精度の確保の中に遺伝子検査サービスも含めるということができるのか、できないのであれば、その理由は何なのか。また、現在のこの法改正の中で、一部は含み得るというようなことなのかどうか。そのあたりを御説明いただきたいと思います。

神田政府参考人 総合的に統一的な法制度で規制してはどうかという御趣旨かというふうに考えております。

 今回、法改正をいたしまして、まず、ゲノム医療の実用化に向けまして、喫緊の課題というふうにされております、医療において用いられる遺伝子関連検査についての精度管理の根拠規定というものを、医療機関の中でやる場合、それから委託をしてブランチラボで行う場合、あるいは衛生検査所で行う場合等、一貫して法的な根拠をしっかりと設けまして、諸外国と同様に法的な根拠を設けようというものでございます。

 一方で、遺伝子検査ビジネスにつきましては、経済産業省におきまして、現在、精度管理も含めましてガイドラインを設けているということでございますし、消費者保護の観点からは、景品表示法等の消費者保護法制で担保されているということでございます。

 先ほど先生御指摘ございました、ゲノム情報を用いた医療等の実用化実現タスクフォースの中におきまして、まさに厚生科学研究において、遺伝子検査ビジネスにつきまして、先ほども御指摘ございました分析的妥当性の確保、科学的根拠の確保、遺伝カウンセリングへのアクセスの確保ということについて、学術団体、有識者の参画も得て、厚生労働省もかかわった上で、実効性のある取り組みを行う必要があるという指摘があったところでございます。

 これを踏まえまして、現在、厚生科学研究において、消費者向けの遺伝子検査ビジネスの検査内容、検査手法、利用者への説明等のサービスの現状の把握を行うための実態調査を行っているところでございまして、この研究成果も踏まえて、厚生労働省として、サービスの質確保について、必要な方策を検討していきたいというふうに考えております。

郡委員 今いろいろ御説明いただいたわけですけれども、この法案の、改正の中には含まれない、そういうことなんでしょう。含み得ない、そういうふうなことなんでしょう。また、新たな検討会をつくってやっていかれるということのようなんですけれども、ちゃんとダブルスタンダードにならないように取り組んでいただきたいというふうに思います。

 特定機能病院のガバナンス強化についても幾つも質問を用意させていただいていたんですけれども、残り時間が少なくなってまいりました。急がせていただきます。

 先ほど柚木委員も取り上げましたけれども、東京女子医大のケースですけれども、私は別の事件を取り上げさせていただきました。きょうの資料の二ページであります。

 脳腫瘍の再発で、けいれんを起こした患者さんに対して、ラミクタールを投与して、しかも過剰投与だったということでして、これは、日本医療安全調査機構で報告書がまとめられているようなんですけれども、併用薬は使っていたのかどうか、これがファーストチョイスであったのかどうか、あるいはまた、お医者さん、実際にこの薬を使った医師が、ラミクタールの製造販売業者との間の利益相反の関係があったのかどうか、これはどういうふうな記載になっているでしょうか。

神田政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの事案につきましては、東京女子医大病院から、関東信越厚生局及び厚生労働本省に報告があった事案でございます。

 しかしながら、併用薬の処方の有無といった個別の事案の内容については、現在係争中であることから、お答えすることは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。

 また、お尋ねのありました、医薬品を処方した医師や、同じ診療科に所属する医師と、ラミクタールの製造販売業者との利益相反関係について、厚生労働省として調査は行っていないところでございます。

 ただ、製薬協の自主的なルール、透明性ガイドラインに基づきまして、製造販売業者が提供いたしました資金について公開することになっております。

 ラミクタールの製造販売業者がホームページに公開している資金提供の情報を厚生労働省において集計いたしましたところ、平成二十七年度において当該業者から東京女子医科大学病院等へ提供した講師謝金等は合計約五百三十万円というふうになってございます。

郡委員 先ほどの柚木委員とのやりとりにもありましたけれども、こういった関係というのは、やはりしっかりと調査をすべきだと思いますし、検証して、そして対応をとるべきだというふうに思います。

 次は、群大のケースなんですけれども、先般、臨床研究法の改正を行いましたけれども、その折には、医薬品を用いる研究のみが適用対象だったわけですけれども、附帯決議に、手技、方法等も検討すべきということを盛り込ませていただいたというふうに思っています。

 群大の場合は、腹腔鏡手術の死亡事件でありました。今回は、高難度新規医療技術という名称で、もう既に、初めて新しい医療技術を導入する際にしっかり管理するんだというような制度が導入されていたわけですけれども、これがどういう結果をもたらしているのかどうかという事前調査というのは行われていたのかどうか。

 今回のタスクフォースの報告書では、病院によって、ルール化していない、ルールが徹底していないなどの結果が記載されておりましたけれども、何件くらい高難度新規医療技術というのが実施をされて、そして、それによる有害事象の発生や治療の効果、病院ごとに取りまとめられているのかどうか、これは厚労省が把握しているのかどうか、お尋ねいたします。

神田政府参考人 お答えいたします。

 群馬大学医学部附属病院において発生いたしました、腹腔鏡を用いた肝臓の手術を受けた患者さんの死亡事案については、社会保障審議会医療分科会から、導入時におけます審査体制の整備が不十分であったということが指摘されているところでございます。

 この指摘等を踏まえまして、今般、特定機能病院に対する集中検査を二十七年に行いまして、高難度の新規医療技術について、どのような手続になっているか、その集中検査の中で確認をいたしたわけでございます。

 この結果、新規医療技術を導入するに当たりまして、病院としての事前審査委員会やマニュアルの策定等の病院ルールがない病院があるということがわかりました。そういった規定等があるところは、八十四の特定病院のうち五十五の病院ではそういう規定があるということでございましたけれども、残りの病院にはそういう規定がないということでございました。また、ルールを設定していても、これらのルールが徹底されず、診療科ごとの遵守状況が異なっている状況などが、その集中検査で確認されたところでございます。

 このため、特定機能病院において、高難度新規医療技術、その病院でやったことのないような、やり方によっては人の人体に重大な支障を生ずるような技術を行う場合には、診療科の長が担当部門に対して、あらかじめ、高難度新規医療技術と既存の技術とを比較した場合の優位性、また、提供する医師の経験等を記載した書類を提出いたしまして、これを確認の上、担当部門が評価委員会において評価を行いまして、その意見を踏まえて提供の適否を検討することとしたところでございます。

 また、患者が死亡した場合等には、担当部門が手術記録等を確認し、適正な手続に基づいて提供されたかどうか等を確認するといったプロセスを踏むことを、昨年の六月の省令改正において新たに特定機能病院の承認要件に追加し、本年四月から施行されたというところでございます。

 その導入の段階で、実施件数とか、そういったところまでは把握されておりませんでした。そういう意味で、先ほどの規制もこの四月から施行されたということでございますので、現時点で、導入件数、実際に何件されているのかということですとか、そういったことについては把握されておりませんけれども、各病院におけます高難度新規医療技術の審査件数や審査の結果、また、高難度新規医療技術に関連した死亡事象が発生した後の対応等の状況を、今後、毎年、特定機能病院に対する立入検査におきまして確認をすることとしておりますので、その取り組み状況を把握するようにしていきたいというふうに考えております。

郡委員 よろしくお願いします。

 聖マリのところも触れようと思って資料も用意しましたが、飛ばさせていただきまして、女子医大のラミクタールの過剰投与事件でも報告書をまとめた医療安全調査機構の理事長が、昨年の十一月、m3ドットコムというところがインタビューされていまして、それを読ませていただいたんですけれども、当初の予定されていた届け出件数よりも少なかったということとあわせて、結果を受け取った時点で一例一例しっかりと確認、照会を実施したいところだが、今の体制では難しいというふうに話されておられました。

 また、制度の理念が理解されておらず、報告がされていない事例もあるのかという問いに対しては、医療機関の管理者の中には、医療事故を報告すること自体がマイナスだと捉えている方がいる、そうではなくて、発生したことを調査し、遺族にも理解してもらい、二度と起きないように対応するということが医療機関の評価につながるという文化になってほしいものだというふうなことを述べられておられました。

 こちらの方は、何か起こったときの、どういうふうにしていくのかということになるわけでもありますけれども、今回のこの医療法の改正、医療の安全というふうなこともあわせて、安全機構と、どういうふうに生かしていくのか、連携していくのか。大臣、この点も大きな課題というふうに思いますが、いかがでしょう。

塩崎国務大臣 日本医療安全調査機構について御指摘をいただきましたが、医療事故調査制度におきまして、医療機関から報告をされた実際の事故、これをもとにいたしまして、再発防止のために重点的に分析作業に取り組むテーマを順次定めた上で、再発防止策を提言することとしておりまして、本年四月には、日本医療安全調査機構より、初めての再発防止策の提言を取りまとめ、全国の病院、大学、職能団体、それから病院団体、学術団体、自治体等に周知をいたしたところであります。

 こういうように、機構において医療事故の再発防止の提言を有効に行っていくためにも、全国の病院には事故報告をしっかりとしていただくことが重要であります。

 それから、今後とも、医療関係者におきましては、医療事故報告制度、これが十分に理解をされるように、医療機関や支援団体への研修の実施など、定着をさせていくという取り組みに十分力を注いでまいりたいと思っております。

郡委員 大臣も、この間の特定機能病院のガバナンスのところで、大学病院が多いというふうなお話をされておられていて、不適切な医療になってしまわざるを得ない、この大学病院の不適切な医療の根本の問題がどこにあるのかという、この間もいろいろな委員とのやりとりもあったわけですけれども、実は、海外では既に、診療、研究、教育、この分離が行われているということなんです。

 日本では、これが実現していないために、医師が極めて多忙な中で診療を行っているだけじゃなくて、論文数を稼いで、業績をつくるために未確立の治療というのに取り組まざるを得なかったり、あるいは、動物実験で多数の論文を書いているものの、臨床経験の乏しい人が人間の治療をしていたりというような、こういったようなことが問題であるというふうなこともあるんだと思うんです。

 質問にさせていただこうと思っていたんですが、私の発言だけにとめさせていただきますけれども、診療、研究、教育の分離というのも大きな今後の課題であるのではないかということを問題提起させていただきたいと思います。

 特定機能病院以外のガバナンスについては、今回余りにも薄いんですけれども、最後に質問をするというふうに通告をさせていただいたことですけれども、特定機能病院以外の医療機関、例えば、医療過誤訴訟を起こされた医療機関、事故調・支援センターの調査対象となった医療機関、医療法に基づく医療監視また監査の結果、法令違反が認められた医療機関、診療報酬の不正請求があった医療機関、医療従事者の過重労働で過労死だとか、そういったような問題が認定された医療機関等々、さまざまな観点からやはり検証していくべきなのではないかというふうに思います。

 ぜひ、どういうような現状にあるのか、研究事業等々を動かすべきではないかと思うんです。実は、きのうレクをさせていただきましたけれども、これらについて実際に調査しているということはないというふうな答えでありました。だからこそ、医療の全体的な安全、安心を担保していくためにも、問題のあった医療機関に対して体系的な調査を行うことによって、医療法を根拠とする必要な施策というのを今後検討すべきだということを申し上げて、私の質問を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

三ッ林委員長代理 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民進党の岡本です。

 きょうも質問の機会をいただきました。医療法等の一部を改正する法律案でありますが、今回の改正案は物すごく多岐にわたっていまして、聞きたいことはいろいろあるんですが、限られた時間の中で、少し選択をして聞いていきたいと思います。

 まず最初、一つは、検体検査、精度の確保。

 精度を確保するということについて、決して否定をするわけではないし、精度を確保することは重要だと思います。一方で、検体検査以外の検査は、精度等について患者さんが十分理解をしているのかということについてちょっと疑問を感じるので、画像を借りてきて、きょう皆さんにお配りしました。

 例えば、MRI。

 ではMRI検査をしましょうと病院で言われて、検査をしてもらったときに、MRIの原理上、磁力の強さでこれほど血管の見えに差がある。この白いもやもやしたのが血管ですけれども、この血管の見え方にこれだけ差があって、そして、結果として、見つけることができる動脈瘤、これが全然違う。もちろん〇・二では、一番左であります。一・五、そして三・〇テスラになると、この画像のように動脈瘤が見えてくる。さらに六・〇についても検討されている。

 保険診療上は、三と、三未満、一・五未満、三段階ぐらいにたしか、お金が分かれていますが、患者さんは、自分がどのMRI検査をしてもらっているか、それはレセプトを見たってわからないですよね。MRI検査をしてもらって、私、動脈瘤なかったんだってと言われたときに、どの画像で見てもらっているのか。そして、もっと言うと、画像の診断料は、保険局長、同じですよね。

鈴木政府参考人 医療機器の性能の差に基づく診療報酬の差について患者の方々の理解について、御質問がございました。

 御指摘のように、MRI撮影による診療報酬点数ですけれども、撮影機器の性能により三分化、三段階に分化されておりまして、三テスラ以上の場合には千六百点、一・五テスラ以上で三テスラ未満の場合は千三百三十点、これ以外の場合は九百点になっております。

 さらに、今お尋ねがございましたけれども、診断料については同じということになっております。

岡本(充)委員 ということなんですね。結局、これだけ差があって、診断も、物すごい能力がある人は〇・二テスラでもこの動脈瘤が見えるのかもしれませんが、さすがに見えないと思います。やはり、機械に差があるということを患者さんが知り得る情報を提供しているのかというと、提供していない医療施設が多いと思います。

 同じように、CTもそうです。

 では、被曝の線量がどのくらいあるのか、今どれだけのCTの能力が高くなってきているか、私も知り得るところは限られていますけれども、かつては、息をとめて一枚ずつ撮っていたわけですね。よく言われるんです、キュウリの輪切り、薄くキュウリを切るようなもので、切ってはキュウリが動いて、切ってはキュウリが動いて、キュウリを切っていくようなイメージです。今は、リンゴの皮むきのごとく、ずるずるずるずるっとむいていって、連続して撮る。結果として、たくさんのところを一遍に撮影することによって被曝の線量を減らせるということで、六十四列が今多いのかもしれませんが、百二十八、二百五十六も出てきて、五百十二も出始めているという話も聞こえてきています。

 こういう状況の中で、これも、被曝の線量がどれだけあるのかということを患者さんは知らされていないという現実があると思います。この点について、大臣、問題意識を持ちませんか。大臣の問題意識です。

塩崎国務大臣 一つは、患者側に十分な情報が行かないままに診療が進むということについてどう考えるのかという問題、つまり、インフォームド・コンセントということでありますが、意味合いがよくわからないままに診断を受けるということについてどう考えるのかということと、先ほどの、それに対して診療報酬がどうなっているのかということで、正直、私も知りませんでしたが、どれをもとにしても診断料は変わらないというようなことでありまして、素人、患者側の立場からすると、それだけで十分かなという思いを持つところでございます。

岡本(充)委員 それを受けて、大臣、やはり、次の診療報酬改定でお金の面でのいろいろな考え方を示していくことはできるでしょう、中医協で議論していただくことはできるでしょう。ただ、患者さんにどう伝えるかというと、これは中医協の問題ではなくなってくるわけですね。

 要するに、さりとて、みんなが三・〇テスラを入れるなんとなったら、病院はなかなか大変ですよ。昔私が聞いた、一昔前の話ですけれども、CTを買うとおまけにレントゲンがついてくるという話があって、MRIを買うとおまけにCTがついてくるという話があったんです。それぐらいMRIというのは、やはり高いんですよね。そういう意味で、高い医療機器をみんながそろえろ、みんなで三・〇テスラをそろえろなんと言ったって、それはなかなか難しいけれども、やはり、患者さんに情報提供をどうしていくか。

 それから、CTだってそうです。どれだけの被曝低減をできる機器を導入しているかというのは、一つの評価だと思うんですね。やはり、こういうことについて患者さんにどう伝えていくかという工夫をするのは、中医協というわけではないと思いますね。

 大臣、これはちょっと省内で考えていただいてはどうでしょうか。

塩崎国務大臣 これはかつて、たしか諮問会議に報告したことだったかと思いますけれども、日本は圧倒的に高額医療機器が多いんですね。人口当たりで見ても、とても多い。当然、これは償還をするために診療報酬に乗っかってきているでしょうから、そういう意味で非常にコストが高いことになっていて、資源の有効配分で、医療ニーズとして必要な精度、先ほどMRIの画像を見せていただきましたが、そこの判断を、段階的に分解するなり何らかの形にして、適正配置をして共同利用するとか、そういうようなことは幾らでもあり得るというふうに思って、その方向性は、私どもは共同利用ということを言っていますが、民間の方々の自由裁量で投資をしてMRIを、高いのを買うことをとめるということはなかなか難しいものですから、そこのところをどうインセンティブ、あるいはディスインセンティブを考えるのか。

 いずれにしても、公的な保険医療制度で賄っていくものについての資源配分の問題については、私どもは考えるべきだろうと思うので、今の問題は既に一部、問題意識を持っているところでありますけれども、共同利用を含めて考えていくということ、そして何よりも、一番、一人一人の患者にとって必要な医療は何なのかということをやはり医学的に判断をして、それにふさわしいコストをかけてやっていくということでないかなというふうに思いますので、そういう問題を含めて、省内で検討してみたいと思います。

    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕

岡本(充)委員 共同利用の話もいいんですけれども、私はやはり患者さんにちゃんと知らせるべきだと思います。脳ドックをしたから俺は大丈夫、では、あなたの受けた脳ドックは何テスラだったんですかという話で全然違ってくるというこの現実ですよ。

 やはり、どのぐらいでどのぐらいの費用がかかるのかということを示さないと、あそこは安いらしいぜだけでドックに人が集まるという話になってくるのはどうかと思うし、あそこは安いらしいぜ、だけれども被曝の多いCTらしいぞということがついてこないと、これはやはり適正な評価にならないわけですから、そういう意味で、やはり、患者さんにどう知らせるかということ。

 そして、もちろん、もう一つ重要なのは、それは大臣が言われたこと、どの疾患でどういうときにはそこまでの精度のないMRI、CTでも十分解析が可能であり、どういうときには、やはりこういうものが必要だ。そこについては、例えば、同月二回でもMRIの点数をとることを認めるというような話は、今度、中医協ですよ。ただ、今の話で、どういうときにどういった画像診断が適切であり、その精度が求められるかということを研究するというのは共同利用と別ですから、そういう意味で検討していただきたいと言っているんです。どうでしょう。

塩崎国務大臣 例えば、がん拠点病院も、フルスペックで全て、数はちょっと正確に、忘れましたが、それを、放射線治療に必要な機器も何もかも全部フルスペックで持とうというのは、やはり資源配分としておかしいし、今先生おっしゃったように、どういう症状の場合にはどういう検査が必要なのかということを考えた上で、必要な医療機器を用意するということにしていかないと、全部がみんな同じものを持っているというのが、常識ではなかなか、患者本位でもないし、症状に合った検査なりあるいは処置なりが行われなければいけないんだろうというふうに思いますので、そういう観点からも考えていかなきゃいけないなということは考えつつあったところでございますので、今また問題意識を受けて、考えてみたいと思います。

岡本(充)委員 ぜひお願いします。検体検査以外の検査についても、精度の基準をやはり明確にしていくということですよ。

 その上で、ちょっと今度は別の観点で、検査というわけではありませんが、医療技術の一つですけれども、受精胚のゲノム編集について。

 先ほどもちょっと郡委員から質問がありましたけれども、現状では、国内、世界、いろいろな研究がなされていると承知をしていますが、かつてと比べて随分技術が進歩したようでありまして、私がゲノム編集をやっていたころというのは、今よりも精度も低いカッターを使っていた。切れるところがきれいに切れるかどうかよくわからない。大臣も、カッターを使って、ぐぐぐぐっと、あっ、思わぬところが切れちゃったということがあるでしょう、ああいうイメージで。今は、すぱっと切れるものがどんどん出てきている。要するに、それでもやはり思わぬところが切れちゃうということがあるんですが、切った張ったを繰り返すわけですね。切って張って、こういうことがより精度が高くなってくると、いよいよ臨床に使ってくれという声がやはり出てくると思うんですね。

 きのうも東京女子医大に行きました。遺伝子センターのセンター長さんからお話を聞いて、現状は、あそこの病院では、診断をして検査をするにとどめていて、ゲノム編集を含む、もしくは治療について行っているという状況ではないという話でありましたけれども、国内外、どうですか。日本が持っている情報として、国内は別として、海外で、このゲノム編集をいよいよヒトの受精胚でやろうと準備を進めている国、中国などであるんじゃないかと思いますが、現状どうですか。

進藤政府参考人 お答えします。

 ヒト受精胚へのゲノム改変技術を用いた研究の国内外の状況でございますが、まず、国内については、平成十六年、総合科学技術会議が取りまとめました「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」におきまして、ヒト受精胚に対する遺伝子治療は、確実性、安全性が確認されておらず、遺伝子改変を通じて後の世代まで影響を及ぼすおそれがあることから容認できないとしておりまして、臨床応用の事例についても把握しておりません。

 一方、海外におきましては、これも臨床応用の事例は把握しておりませんが、ヒト受精胚へのゲノム改変技術を用いた基礎的研究について、中華人民共和国で二〇一五年以来実施例がございまして、三件ほど論文が報告されているというふうに承知しております。

 ちなみに、こうした状況を踏まえまして、総合科学技術・イノベーション会議生命倫理専門調査会では、昨年四月に、「ヒト受精胚へのゲノム編集技術を用いる研究について(中間まとめ)」を取りまとめまして、基礎的研究においては容認できる場合があるとの考え方を一旦示したところでございます。

 内閣府におきましては、この中間まとめも踏まえ、ヒト受精胚に対するゲノム編集技術を用いる研究等について、関係学会及び関係省庁の協力を得ながら、ヒト受精胚の取り扱いに関する幅広い議論を通して、研究のあり方や実効性のある仕組みづくりに向けて、国として責任を持って検討を進めてまいりたいと思っております。

 以上です。

岡本(充)委員 その資料を三ページ目に私はつけたんですけれども、平成二十七年四月に中国の大学で、ゲノム編集技術、CRISPR―Cas9を使った研究が行われて、血液の疾患に関する遺伝子の改変を試みて、結果として遺伝子の改変を確認できた、こういう話であります。

 これから先、こうした技術を用いて、では次は臨床だという話が他国で起こらないとも限らないわけでありますね。

 そんな中、きょう保険局に来ていただいたのでちょっと確認したいんですけれども、こうやって海外でこうした治療を日本人が受けて、そして日本に帰国した場合、例えば、思わぬところが改変されて今度は別の症状が出てきた、遺伝子改変に伴うほかの症状が出てきてしまったような場合に、もとが、こうした遺伝子改変技術に基づいた治療が原因であったとしても、これは保険診療の対象になる、こういう理解でいいですか。

鈴木政府参考人 海外で受精卵を改変したことに起因した疾病について、国内で、医療費について保険診療の対象になるかというお尋ねでございます。

 我が国の医療保険制度においては、相互扶助の理念のもと、疾病の種類や原因にかかわらず、誰もが必要な医療を受けられることを原則としております。

 ただし、故意に給付事由を生じさせたと判断される場合には、健康保険法第百十六条の規定により給付は行わないものというふうにされておりますが、お尋ねの海外で受精卵を改変することは一般的には治療を目的とするものと考えられることから、これらに起因した疾病については原則的には保険適用となると考えられます。

岡本(充)委員 この答弁を受けると、少し、リスクを承知で海外に行って受精胚の編集をしてもらって、ある意味、子供を授かって帰ってくるという方が出てくる可能性も否定できない状況でありまして、そういう観点でも、どういうことがあり得るのかということについてやはり国内で検討するべきだ。国内での、要するにスタンダードな研究のガイドラインというか、それは内閣府で定めていますという話ですが、保険医療の観点でどういうことがあり得るのかということをやはり議論していく時期に入っているんじゃないか。もちろん、すぐに結論は出ませんから、ことしじゅうに出せとかそういう話じゃないと思いますけれども、これはやはり一定程度の期間をかけて議論していく必要があると思います。

 大臣、これも、まあ、検討することが多くて本当に大変ですよ、厚生労働省。あれも検討しろ、これも検討しろとみんなに言われて、あれも検討しなきゃいけない、これも検討しなきゃいけない。それぐらい厚生労働省の所掌事務が多いんですけれども、ここも担当部局で少しディスカッションを始めた方がいいと思いますね。どうでしょう、大臣。

塩崎国務大臣 一般的に保険適用されるかどうかについてはさっき局長から答弁があったとおりであるわけでありますが、これから技術がいろいろ進歩していろいろなことができる、特にゲノムは、この間もM・D・アンダーソンに行っていろいろ学んできましたけれども、そういうことがふえてフロンティアが広がるわけでございますので、いろいろな問題があって、最終的に保険適用するかどうかという問題はもとより、もともと、倫理的にどうなのかとか、いろいろなことがありますので、今検討をすべきということでありますが、いずれにしても、ゲノムについてのあり方についてはまだまだ縦割りになっているところがあって、先ほど郡議員からも御指摘がありましたが、そういうようなことを考えてみると、整理をしなきゃいけない問題はたくさんあるんだろうというふうに思いますので、技術革新に合わせて、当然こちらの体制も考えていかなきゃいけませんし、倫理的な問題も含めて考えていかなきゃいけないのかなというふうに思います。

岡本(充)委員 技術はどんどん進んでいきますから、その先を見越していかないと、できてから対策を考えたら、これは表現は悪いかもしれない、表現が悪いと怒られるかもしれませんが、泥縄、反対方向の話ですけれども、何かがあって、それに対して対策をやろうという話でやっていたのではキャッチアップできませんから、やはりそういう意味で、そうなりそうだな、今中国でそういう話が進んでいるんだなという情報をもとにもう始めないと、日本としてどういう課題があって、要するに、子供を授かりたいと思っている皆さん方にどういうメッセージを出していくのかということを考えていかないと、技術の方が先に行ってしまいますよということを言っているわけですね。

 それでは続いて、今度は特定機能病院のガバナンスについて少し聞いていきたいと思います。

 きょうは文科省にも来ていただいておりますけれども、そもそも私立大学を含めていろいろな課題があるなと思っていまして、これまで国立大学の話は何度かいろいろ私もこの場で聞いてきたんですけれども、今回の特定機能病院のガバナンスを強化する、開設者が管理者に対してガバナンスをどうきかせていくのか、もっと言えば、そもそも管理者たる病院長が診療科長にどれだけガバナンスがきくのか。厚生労働省は、大臣の意向でみんなばちっと言うことを聞くでしょうし、大臣が、もうおまえは首だと言われたら首になっちゃいますから、どうしようと思って、みんな言うことを聞くと思います。

 では、どうでしょう。大学病院、そもそも開設者が管理者を選んでいる、そういう大学病院というのは全部の大学病院の中でどのくらい、分母、分子をちょっと示してもらえませんか。

浅田政府参考人 失礼いたします。

 文部科学省として、大学病院における、例えば診療科長の選任方法について、網羅的に把握しているわけではございません。

岡本(充)委員 いや、では、あれですか。要するに、どういう形で病院長が選ばれているかということについて文科省は把握をする立場にない、そういうことでいいんですか。

 ちょっと時計をとめて整理してください。

丹羽委員長 ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 では、速記を起こしてください。

 文部科学省浅田大臣官房審議官。

浅田政府参考人 大変申しわけありません。

 基本的には、国立大学の場合は学長が、私立大学の場合は理事長が任命をしております。

岡本(充)委員 違う。任命はそうなんですよ。そうじゃない。私が思っているのは、選ぶのは、教授会なり、もしくは、わかりません、場合によっては教職員の選挙かもしれません、そこで選ばれた人を形式的に任命しているにすぎなくて、選んでいるのは、管理者、理事会で選んでいるものがどれだけあるのかということを私は、これは文書で聞いているわけですよ。きのうの段階で聞いています。理事会や病院長、病院管理者が、教授会で選任された場合に否定できるのはどれだけあるのかと聞いているんです。どれだけの数があるんですか。(発言する者あり)

丹羽委員長 ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 文部科学省浅田大臣官房審議官。

浅田政府参考人 お答えします。

 管理者、病院長の選考方法について、意向投票等を実施している大学が五十大学、していない大学が二十九大学。これは平成二十八年三月の調査でございます。

岡本(充)委員 意向投票をしていない大学は、では、どのような形で選んでいるんですか。教授会の意向は全く踏まえずに理事会でいきなりぽんと決める、もしくは学長がいきなり、この人だと、そういう決め方をしているんですか。違うでしょう。何らかの方法で意向を聞いて、そしてその意向に沿って任命しているんじゃないんですか。(発言する者あり)

丹羽委員長 では、速記をもう一度とめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 では、速記を起こしてください。

 文部科学省浅田大臣官房審議官。

浅田政府参考人 失礼いたします。

 意向投票を実施していない大学については、先ほど申し上げましたように、学長あるいは理事長が任命をしているということでございます。

岡本(充)委員 いや、これは実態は違うと思いますよ。次回質問の機会がもらえるなら、ここで公開質問通告をしておきますから、残りの大学病院はどうやって選んでいるか、ちゃんと示してくださいよ。ここは議事録に残っていますから、聞いていないとは、もうみんな聞いていますからね。ちゃんと確認してください。それは、いきなり学長が、この人と、もしくは理事長が、この人といっていきなり指名して選任している大学というのは、まあ、ないと思いますよ、私。

 この話とあわせてもう一つ聞きたかったのは、診療科長と主任教授が同一でない大学というのはどのくらいあるのか。これはどうなんですか、文科省として。

浅田政府参考人 各大学病院の状況を文科省として網羅的に把握しておりませんけれども、主任教授が診療科長でない例については承知をしておりません。

岡本(充)委員 そうなんですね。

 では、教授がどうやって選ばれるのか。教授が選ばれる方法、いろいろあると思いますけれども、いきなり理事会や学長が、この人を教授にすると指名をしている大学というのもまずないんじゃないかと思います。ありませんね。うなずかれていますね。

 それを踏まえて言うと、そもそも、開設者である理事会や学長が病院管理者を選んでいるわけでもなければ、まあ、外形上選んでいますよ、任命しています。ただ、誰にするかというのは、そうしたほかの者の意向を聞いている。また、もっと言えば、病院長がそれぞれの診療科長、いや、例えば何部長でもいいですよ、それぞれの診療科、整形外科の部長でもいい、耳鼻科の部長でもいい、これはもうイコール教授なんですよ。つまり、その教授を選んでいるのは病院長じゃないですね。したがって、そこに果たしてガバナンスがきくのか。

 大臣、どうですか。大臣が局長を指名していますが、誰かの意向で決まっているわけではないと思うんですね。ここにガバナンスの重要なポイントが私はあると思うんです。

 今回の法改正、けしからぬと言っているわけじゃない。これで本当に、ガバナンスの強化だと言っているけれども、今の特定機能病院はほとんど、特定機能病院というのはイコール、ニアリーイコール大学病院ですから、まあ、一部違うところはありますけれども。この病院におけるガバナンスの強化というのは、今の文科省の言っている大学の実情、もっと言えば、おかしいじゃないかといってその診療科長を交代させることすらできないこの状況をもって、本当にガバナンスの強化になると思いますか。

 やはり、そもそも、大学病院の実情をよく文科省と話をして、その中で何ができるかを考えなければ。いや、いいですよ、いろいろな医療の事故の管理をする人をつくってもいい。きのうも見に行きました。その人にどれだけ他の診療科に口出しをする権限があるのかと考えると、私は、その権能が大変おぼつかなく思えてならないわけです。したがって、今回、法改正をしてガバナンス強化だと胸を張るのではなく、さらなる検討が必要だと思いますが、大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 正直、私は、学校教育法第九十三条という教授会の役割を変える法律を、下村文科大臣と一緒に政調会長代理のときにやりましたが、その問題意識は、全く岡本委員と同じような問題意識ではないかというふうに思います。

 今回、開設者の義務というのを入れたのは、まさに大学の、言ってみれば開設者、つまり、理事会であったり、あるいは教授会であったり、それは実は、学内を本当は学長がガバンしていないといけないのに、教授会が逆に学長をガバンするようなことになっているから九十三条を直したんですが、実態はまだ変わっていません。

 今回、あえて開設者の義務を入れて、管理者の権限の明確化としたのは、今の問題意識と同じで、要は、病院は病院ですから、これはほかのところの論理を持ち込んでもらったら困るわけであります。したがって独立をしてやってもらわなきゃいかぬので。しかし、そうはいっても、まず一番は予算がありますから、予算などを考えてみると、理事会と開設者と全く無縁でやるというのもなかなか難しい。ですから、例えば独法のように、予算を決めた後は独立してやるというような感じになっていかないといけないわけですけれども、今回、開設者の義務ということで、独立性をどこで線引きするのかということを決めてもらうために管理者の権限の明確化ということをしているわけで、これをどういうふうに省令で今度、法律が成立した後、書き込んでいくかということをきっちりやらないといけないというふうに思います。

 しかし、人事が自分の自由にならない管理者、つまり院長が、それでは自分の病院としての組織の中をガバンできるわけがないのであって、今回、一人ではとても孤独なので、おまけに、選挙で選ばれるのがたくさんあるから、今回、選挙はだめだということにしましたけれども、それで、合議制にすることによって開設者との対抗力を持つということも考えているわけでありますが、いずれにしても、私は、病院は病院としての機能があるわけで、大学の論理で病院を動かしてもらっては困るというふうに思っています。

 私は、松野文科大臣ともこの問題は話しておりまして、独立性をどう担保するのかということ、それは、人事もそうですし、予算もどういうような形にするのかというのは、そう簡単なことではないと思いますが、しかし、そこのところがないと安全が結局後回しになって、今までの、高度かつ先端的な医療というものを優先して、ばらばらに、それぞれの診療科ごとにミニコスモスができて、そこに誰も入っていけないということで、全くばらばらの病院としての組織になってしまうのが、安全の問題にしわ寄せが来ているんだろうというふうに私は思っているがゆえに、今回、開設者の責任というものを、義務というものも位置づけていこうというふうにしているわけでございますし、少なくとも、院長の選び方も、今までのように開設者が決めてくるということはだめだということを申し上げているわけであります。

岡本(充)委員 いや、要するに、さらなる検討が必要だと言っているんですよ。

 これで、義務で、合議体をつくりました、医療安全に関する監査委員会をつくりました、そこに権限がないでしょうというのは、それは今大臣も認めているわけですよ。今の状況では権限がない。

 文科省には改めて言っておきますけれども、本当に、どこの大学病院で、開設者なり病院長が診療科長をかえることができる、そんな病院があるのか、これはぜひ調べておいてください。ほとんどないと思いますよ。例えば院長を選ぶのだって、開設者の意思で選べる大学は限られていると思います。そういう意味で、この状況であることを、やはりガバナンスの意味でまだ課題があるわけですから、医療安全の委員会をつくったって、そこの責任者がどれだけその中に入っていけるか。

 今回だってそうだと思いますよ、東京女子医大の話。これは私の推測ですけれども、薬剤部長はいろいろ言ったけれども、そのときの診療科長イコール、相手方の診療科長イコール教授です、もしくはそこの教官、これが、いや、私たちはこういう考えですと言ったら、それに対して何ら物を言うことができる人がいなかったということですよ。ここを改められていないという現状ですから、これは、大臣、もちろん性急に特定機能病院の再承認という話にもならないでしょうけれども、このガバナンスの強化もまださらなる見直しが必要だということは、ここでぜひ認めてくださいよ、そこからスタートですから。

塩崎国務大臣 全く同じ問題意識をさっき申し上げたつもりでございますが。

 だからこそ、開設者の義務の中に管理者の権限の明確化というのを入れているわけであって、管理者と開設者との間の線引きをはっきりして、どういう独立性を持たすことが可能なのかということをここできっちり詰めていかなきゃいけないので、何をどう考えなきゃいけないのかというのは、多分大学はずっと今までのやり方で来ていますから、そこのところをどう整理していくかというのは省令でもってこれを書いていかないといけないので、我々がしっかりやらなきゃいけないので、松野文科大臣との間では、ぜひ文科省と厚労省の間でここのところは詰めて、独立性がないんだったらば、では大学病院には特定機能病院になることは御遠慮いただくぐらいの気持ちで私はやりますよということを言っています。

岡本(充)委員 ぜひ、そういう意味で取り組んでいただきたいし、スピード感を持ってやっていただきたいと思います。

 その上で、先ほどもちょっとこれまた指摘がありましたけれども、そもそも、大学病院の診療科長である教授もしくは教官、この人たちと製薬メーカーとはどういう関係にあるのか。これは、実は、この質問に先立つ何カ月か前か忘れましたけれども、臨床研究法案のときだったと思います、文科省に来てもらって、一定程度調べをするようにお願いをしておりました。きのう問い合わせをしたところ、何やらことしの夏から調査を始めるなどという話で、大変スピード感がないと思います。

 これだけの問題がいろいろあるわけですから、やはり、厚労省では既に医政局でさまざま国立病院の職員と製薬メーカーとの間の執筆料やまた講演料等についてまとめてもらった、電話帳ぐらいの冊子をつくってもらいました。これは文科省でも当然できるはずです。そういう意味で、国公立大学、私立大学を問わず、こうしたリストをきちっとつくって、先ほどの郡委員の指摘ではありませんけれども、どこかの会社から年間五百万円もらっていたところがあったんですか、例えばそういう話になると、その内訳は一体何だったのか、大変気になるわけです。早急につくるべきだと思いますけれども、いつごろまでにつくって、いつごろまでにお示しをいただけるか、お答えいただきたいと思います。(発言する者あり)

丹羽委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 文部科学省浅田大臣官房審議官。

浅田政府参考人 失礼します。

 大学病院における民間企業等からの資金提供の状況についての情報公開を適切に行うことは、両者の関係に対する社会的信頼を保持するために重要であると認識しております。こうした観点から、現在、日本製薬工業協会において、教授等を含め、研究者に対する資金提供の情報が公表されていると承知をしております。

 しかしながら、個々の教授等に対する資金提供の状況の詳細を網羅的に把握するためには、膨大な情報を効率的かつ確実に集計することが可能な形で公表されることが必要であることから、現時点で直ちにというのは難しいと考えております。

 先般、製薬企業等に資金提供の公表を義務づける臨床研究法が成立したところでございますので、文部科学省としても、その施行状況を踏まえながら、厚生労働省とも連携をして適切にこれから対応していきたいと思っております。

岡本(充)委員 いやいや、それが夏からなんでしょう。

 そうじゃなくて、私は、厚生労働省は既にこの法律がある前でも、臨床研究法ができる前でも把握をしている事例を示したじゃないですか。そして、文科省が厚労省に聞いて調査をすると私には答えていたのに、結局、ふたをあけてどうだと聞いてみたら、夏からやるなんて、そんな話じゃなくて、直ちに着手をして、そして、これは速やかに公表するべきだと思います。一カ月ぐらいをめどに、この国会中にでもきちっとデータを出していただけるぐらいのスピード感じゃないと、何のためにこれを三月の段階で私が聞いたのかわからない。ちゃんと公表していただきたい。いかがですか。

浅田政府参考人 失礼いたします。

 厚生労働省とも御相談させていただきながら、どういう形でできるか検討いたします。(岡本(充)委員「速やかに、直ちに着手してもらえますか」と呼ぶ)申しわけありません。どういう形でできるかを検討させていただきます。

岡本(充)委員 そういう答弁であれば、また次回のときにもちょっと取り上げさせていただきます。

 余りに後ろ向きな話で、いけないんじゃないか。もう直ちにでも着手するぐらいで、着手ぐらいはできるでしょう。ことしの夏にならなきゃ着手できないなんて、そんなふざけた話はないです。きちっと、着手は直ちにやっていただきたいと思います。その上で、こうしたデータをもとに、やはり適正な製薬メーカーと診療機関との関係があるべきだと思います。

 いろいろ積み残しがありますので、次回させていただかなきゃいけないですが、最後にちょっと、妊産婦の安全の確保の観点で、分娩方法について、さまざま差があるという情報がマスコミで報道されました。厚生労働省としても、分娩方法における差異、リスクとベネフィットについてきちっと評価をして、調査をし、そして、これは妊産婦さんに示せる形をとるべきだと思いますけれども、こういった調査はこれからしていっていただき、そして、速やかにこれも公表していく方向でいいということでよろしいでしょうか。その確認だけお願いします。

神田政府参考人 お答えいたします。

 近年、無痛分娩によりまして死亡事例等が報告されているところから、日本産婦人科医会や関係する学会等と連携いたしまして、無痛分娩の実施状況とあわせて、そのリスク等についても実態把握を行うこととしております。

 今後、その実態調査の結果等を踏まえて、妊産婦やその家族に対して、正常分娩と無痛分娩を比較した際の利点やリスク等に関する適切な情報提供がなされるように検討していきたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 時間が来ましたので、きょうのところはこれで終わりにしますけれども、まだいろいろ聞きたいことがある課題であります。今後ともよろしくお願いします。

丹羽委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 今回の医療法案、実はたくさんの議題があるんですけれども、まだ議論になっていないものとして、助産院に、妊産婦等の異常に対応する病院等の名称等の説明を義務づけるということが新設されることになります。

 これは、〇六年の医療法改正のときに嘱託医を義務づけた、そういう経過があったわけですけれども、それから、例えば、妊婦の状態が急変した場合についての説明ができていないことや搬送などの問題が指摘をされているわけなんですけれども、その要因について、まずどう考えているのか、お答えください。

神田政府参考人 お答えいたします。

 妊産婦に対する分娩時のリスクや、その際の管理方針については、助産業務ガイドライン、これは日本助産師会が作成しているものでございますけれども、その中において、妊産婦自身が理解できるように十分な説明を行い、その管理方針に同意を得たことが確認できる文書を作成、保存することが示されておりますけれども、妊娠中に起こり得る異常、合併症について文書を作成している助産所は半分程度、また、状態が急変した場合の医療機関への搬送や転院の可能性について文書を作成している助産所は七割という現状が明らかになっているところでございます。

 また、搬送がおくれる等の事例については、助産所と医療機関の事前の情報共有や調整が不十分であるということが考えられます。

 こうしたことを踏まえまして、今回の医療法改正におきましては、助産所の助産師から妊産婦に対して、分娩時のリスクや、異常の際に対応する医療機関等について書面を交付いたしまして、それに基づいて説明を行うことを義務づけることとしたものでございます。

 さらに、助産所と連携医療機関との間で、日ごろから、予定される分娩等について情報共有を図るように、今回の医療法改正の成立にあわせまして、施行とあわせて周知を図っていきたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 当時、嘱託医を見つけるということは大変であるという指摘が随分あったと思うんですね。それが実際どうだったかということで、私も知人の助産院に改めて聞いてみたんですけれども、本当にかなり厳しかったということなわけです。約束をしていても、あるいは、よく知っている産科医がいて契約は結んだんだけれども、考えてみれば、ずっとその人がやっているわけではなくて、廃業する場合もあるわけですよね。そうなったときに、要するに何人にも断られてしまった、そういうことをお話しされていました。それがなぜなのかなということをいろいろ考えてみたんですね。

 二〇〇九年の助産学会誌三月号でありますけれども、「政策と助産ケア」ということで、日本赤十字看護大学の谷口千絵氏が、これは厚生労働省の科研費を使っているんですが、「助産所開設に伴う嘱託医および連携医療機関との契約に至るまでの過程と連携の実態」という発表をされております。

 これは、ああ、やはりそうだったんだと思ったんですけれども、助産師が本当に個人的に個別のお医者さんに当たって、なってくれませんかとお願いせざるを得ない、それ以外に道がないわけですね。そうすると、お医者さんからは、もう嘱託医にはならないと決めている、そういう言い方をされたり、あるいは、もう地域に公立病院しかない、仕方がないというので公立病院に頼むと、公立病院は個人とは契約しません、こういう断られ方をするんですね。ですから、もう数人以上から断られたということがあります。

 そうすると、多分、イメージしているのは、いざというときに駆けつけられる、あるいは、健診を十四回、今は十四回だそうですけれども、そのうち四回ですか、行かなきゃならないわけですから、身近な医療圏の中というイメージがあったと思うんです。でも、結果として全く離れてしまう、妊産婦さんの生活圏の外に出ちゃう、とすると、そこにかかるのは大変な負担である、こういう研究結果が発表されておりました。

 そこで、制度上必要なことであるにもかかわらず、産科医、医療機関への契約の義務づけはなく、助産師の個人の努力が必要とされることが示唆をされました。

 私はやはりこれは本当に大事だなと思って、今提起されている、文書の作成、しっかりと事前の情報交換が大事だとおっしゃっているけれども、それをやるためにまたこういう苦労をしなければならないかもしれないんですね。そうすると、やはり、医療機関の側にとってもこれは大事なことなんだよと、義務づけとまでは言えないと思いますけれども、努力義務なり、協力しようよということを少し担保してあげる、そういう努力が厚労省に必要かなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 平成十八年の医療法の改正がございましたけれども、その際、緊急度によっては、嘱託医師の対応能力の不足などによって、委嘱医師のみでは対応が困難な状況が存在するということから、助産所の開設者は、嘱託医師に加えて、嘱託医療機関を定めるということ、それから、助産所の嘱託医師については、異常産の処理に万全を期すために、産科または産婦人科の医師に限ることなどを定めて、その施行に際しては、厚生労働省では、都道府県や産婦人科医会などの関係団体に協力を求めて、支援をこれまでも行ってはおるわけでございます。

 厚生労働省として、今回の法改正の施行に際しましては、都道府県や産婦人科医会などの関係団体と連携しながら、医療機関への協力の依頼を厚労省からもする、そして、日本助産師会が行います医療機関と助産所の仲介、そして助産所への相談援助業務への財政支援などの必要な支援を行うことによって、助産所において、連携をする医療機関の円滑な確保につなげる、そういうための支援をやっていきたいというふうに思います。

高橋(千)委員 今、財政支援ということも含めてお答えがありました。やはり、形上の、お願いしますというだけではない、踏み込んだ提案をぜひ厚労省としてやっていただきたい、このように思うんです。

 やはり、我々から見ると、地域での産科医不足というのは本当に深刻なわけですね。その中で助産師外来などという知恵も出てきたわけなんですけれども、しかし、現場ではなかなか連携がとれていない。これは本当に深刻な問題ではないのかなというふうに思うんです。

 さっき紹介した、同じ助産学会の中の別の資料では、妊産期から産褥期を通して、病院への搬送が必要な事例は大体一割だった、そのうち、緊急を要する事例は五%あったということなんですね。ですから、やはり日ごろの連携というのがとても大事だということと、同時に、でも九割は安全な分娩ができているんだよねと、そこも非常に大事なことではないかなと思うんです。

 その上で、この最初の資料を見ていただきたいんですけれども、実は、助産師さん自体でいいますと、このように右肩上がりでふえております。ただし、就業場所というふうになっておりまして、一番多いのは病院、二万三千五百九十二人ということで一番多いわけですけれども、必ずしも助産をしているというわけではありません。

 特に助産所を見た場合に、登録しているのは、平成二十七年度で二千七百九十三カ所です。そのうち、分娩を取り扱う助産所は、実はもう四百八にすぎないということなんですね。ですから、実際に就業している人も含めて、助産を行っていない人も多いと聞くけれども、厚労省としてどのように把握しているでしょうか。

神田政府参考人 お答えいたします。

 保健師助産師看護師法に基づきます業務従事者届によりまして、業務に従事する助産師は、二年ごとに、その時点で行っている業務が助産師業務なのか看護師業務なのか、また、助産所の開設者なのか従事者なのか出張助産師なのか等について届け出をしていただくこととしております。

 平成二十六年末で、助産師の免許を今持っている方が約四万八千人でございますけれども、このうち、看護師業務に従事している方が一万四百五十五人、保健師業務に従事している方が三千六百八十二人ということになってございます。

高橋(千)委員 それは要するに、引き算をすればその残りの方は、三万何がしですかね、助産をしているというお答えだったと思いますね、四万八千人のうち。

 これは、実は、助産師なんだけれども内科に勤務をしている、つまり、看護師の資格を必ず持っておりますので、そういうことを聞きました。助産院をずっとやってきて、一定の年齢になって、産後ケアですとかいろいろなことで貢献をしている、そういう選び方もあると思うんですけれども、実際にそういう環境がなくなって助産をそもそもできない状況である、しかし一方では、助産師の数自体はふえている、足りているんだという議論になっちゃったら、それは困るなという問題意識を実は持ったわけであります。

 それで、資料の二枚目を見ていただきたいと思うんですが、産婦人科を標榜する医療機関数と分娩取扱実績医療機関数の推移というのがあります。これは矢印が出生数ですけれども、当然ながら減っております。平成二十六年ですと百万三千五百三十九人ですが、既に昨年、百万を切っているという状況であります。また、棒グラフが、左の方は産婦人科または産科を標榜している病院と診療所、そして右の方が分娩取扱病院と診療所となると、標榜しているところのうち、実際、取扱病院というと、がくんと減るわけですね。

 これは、一見すると、出生数も減っているんだから、分娩するところも減っているのは当然だろうみたいに見えるんですけれども、平成八年との比較でどのくらい減り幅が違うのかなと思ってちょっと計算してみたんですが、平成八年を一〇〇としますと、出生数は八三・二%です。分娩、病院と診療所を合わせると五七・二%と、圧倒的に分娩できる場所の方が減り幅が大きいわけなんですね。これは大変な悪循環であろう。しかも、これは全部満遍なくではないわけですから、医療圏で見るともっと深刻な事態が当然起こっていると言わなければならないと思います。

 院内助産所、助産師外来など、産科医不足を補うため地方の病院はさまざまな苦労をされています。しかし、完全に医師がいなくなれば、病院での分娩はやれないわけですよね。そういう意味では、妊産婦の不安解消に助産師の活用を大いにやっていく、病院内の医師と助産師の連携、あるいは助産所と嘱託医の連携を大いにやっていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 今回の医療法改正で、助産師から妊産婦に対して、異常の際に対応する医療機関名等について事前に書面で交付していただいて、説明を義務づけるということによって、妊産婦の不安を解消し、そして医療機関と助産師との連携が深まって、安全な分娩が行われるということを期待しているわけであります。

 こうした改正の趣旨が着実に達成されるためにも、助産師と嘱託医それから嘱託医療機関などとの円滑な連携について、国としても促進をしていくことが大事な責務だというふうに思っております。

 具体的には、厚労省としては、これまで、嘱託医、嘱託医療機関との連携などを図る目的で、日本助産師会によります助産業務のガイドラインの発行を支援してまいっております。今後は、助産師会が行う医療機関と助産所の仲介、あるいは助産所への相談援助業務、これを強化するなど、必要な支援をさらに行ってまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 さまざま各地の取り組みを見てみたんですけれども、やはり、産科医がいなくなった、だから助産師外来というだけでは、結局、分娩までたどり着かないわけですよね。ですから、お医者さんがいるうちに、やはりきちっと連携体制をとっておくということが本当に大事なんだろう。

 二〇一四年の七月十三日の読売新聞の、これは実は北海道版なんですけれども、岩手の取り組みを紹介して、北海道もこうしなくちゃねという記事がありました。

 常勤医がいない県立釜石病院が院内助産をつくった。遠野市も、産科医がいなくなって、公設の助産院がいる。だけれども、大船渡の産科医がカバーをしながら、いざというときはしっかり支援をするけれども、日常的には、助産師さんの診察といいましょうか、ケアによって分娩にこぎつけるというんですかね。やはりその中で大きなメリットがあって、診察に助産師さんは長く時間をかけられる、そしてまた、ずっと、出産の直前もあるいは直後も、プロとしていろいろな不安に応えてくれる、そういう役割があるんだなということをすごく思ったんです。

 そのことを北海道版でなぜ書いているかといいますと、当時、北海道は、全国平均が十万人に対して八・二人のところが、六・八人しか産科医がいない、そういう中で、やはりこういうチームの取り組みが大事だね、医師がリーダーになってチームを見守る、そういうシステムをつくればいいんだねというふうなことを提起しているんですね。

 やはり、何か、助産師は安全な分娩しかやらない、産科医はハイリスクだけをやる、そういうふうに完全に役割分担しちゃうと、余りにもしんどいわけですよ。産科医というのは一番訴訟のリスクが高いわけですからね。そのリスクの高いのだけを引き受けさせられて、喜びも少なくなってしまう。そうではなくて、やはり連携をとり合って、お互いに負担も軽減になるし、支え合うことができる、そういう体制を今つくっておくことが本当に大事なんじゃないかということを重ねて提案したい、このように思っております。

 そこで、もう一つのテーマなんですけれども、私がちょうど助産院にお邪魔したときに、産褥入院という表現を使っていました、産褥入院の方がいて、出産したのは一週間前なんですけれども、その後助産院に入院をしている。ちょっと、今、ナーバスになっているから静かにしようね、そういう話をしたんですけれども、その意味は非常によくわかったんですね。それは、やはり今、非常に核家族が進んでいます。両親がいない人、あるいは、いたとしても、まだ年齢が若いので働いている、なので、行くこともできないし、来ることもできない。そういう中で、たった一人で、産後、何もかもわからない中でその不安と向き合わなければならない。これを支える大事な役割を果たしているんだなということをわかったわけなんですね。

 そこで、退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行い、産後も安心して子育てできる支援体制を確保するための産後ケア事業というのが二〇一五年度から始まっていると承知をしています。補助がどのようになっていて、どのくらいの実績があるのか、伺います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 産後ケア事業、退院直後のお母さん、お子さんに対して心身のケアあるいは育児サポートなどを行って、産後も安心して子育てができる支援体制を構築する事業でございます。これは、平成二十六年度に、当時二十九市町村のモデル事業として先行実施をいたしまして、平成二十七年度以降、予算事業として本格的に進めております。

 現在の予算事業におきましては、具体的に、産後ケア事業に必要な経費として、一市町村当たり約二千五百万円を上限として、その経費の二分の一の国庫補助という形にさせていただいております。これによりまして、平成二十七年度が六十一市町村、二十八年度においては百七十九市町村が国からの補助金を利用して産後ケアを実施していただいている。

 また、現在、二十九年度予算では、二百四十の市町村で実施に必要な予算を確保して、事業に取り組んでいただくように支援してございます。

高橋(千)委員 今予算を要求しているのが二百四十市町村ということで、確実にふえているなと思いますが、まだもっとふえる必要があるなというのと、これは一市町村について一律二千五百万円なので、市町村の規模によってはかなり厳しいところもあるのかなと思いますし、二分の一補助でありますので違いが出てくるのではないか、ここもよく検討していただければなと思うんですね。

 資料の最後に、ことしの三月二十三日付の朝日新聞、富山の産後ケア室の記事が載っておりました。これは市の直営ということで、非常に環境もいいなというふうに思っておりますが、調べてみたら、一日、二十四時間、三食と間食も二回ついて、一万二千円のところを七千二百円の自己負担で済むんだということでありました。デイケアもあるということで、六泊七日だとすれば四万八千百円の負担だということです。

 ただ、これは、今言ったように、自治体によってかなり違いがありますし、補助が足りているところもそうじゃないところもあるわけで、民間委託あるいはホテルを利用してやっている、工夫はいろいろしているんだけれども、料金がばか高いところも当然あるわけで、ばらばらになっているのかなと思います。ここがもう少し手の届く範囲になること、それから、全体に周知されていくことが必要なのかなというふうに思っております。

 北海道助産師会が二〇一六年九月に産後ケア事業を立ち上げているんですが、ここは一日三千円の負担なわけですね。ただ、本当に北海道で初めて産後養生入院というのを始めた方が、当時、助産師会の会長さんで高室典子さんという方が書いているんですけれども、丸五年間行政や議会に働きかけて、なかなか産後ケアの大事さというのを理解してもらえなかった、そこから頑張った記録を書いているんです。

 女性の支援には一貫したケアがやはり絶対必要なんだ、そして、妊娠、出産から子育てまで大事なんだと。そして、実際に、制度化される前に自分でやってみて聞いた言葉が、産んだ私も大事にされたいというお母さんの声ですね。ゆっくりした時間が欲しいんだと。

 今食事つきと紹介したように、そうじゃないところも実はあるんですけれども、お弁当を取り寄せるところもあるんですけれども、食事つき、ですから、ゆっくりした時間、寝られる、食事が出る、そういうことによって本当に産後を大事にすることが心身の癒やしだけでなくて健全な親子関係にもつながると提起をされているんです。

 これは、実は次の議論になる児童福祉法にもつながっていく非常に大事な提起だと思いますので、この産後ケアに助産師の活用というのを本当に大きく生かしていただいて、定着していくように提案をして、時間が来ましたので終わりたいと思います。

丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


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