衆議院

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第27号 令和5年5月23日(火曜日)

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令和五年五月二十三日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十六号

  令和五年五月二十三日

    午後一時開議

 第一 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出)

 第二 気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出)

 日程第二 気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)


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    午後一時二分開議

議長(細田博之君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(細田博之君) 御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰された元議員中山太郎君は、去る三月十五日逝去されました。痛惜の念に堪えません。謹んで御冥福をお祈りいたします。

 中山太郎君に対する弔詞は、議長において去る十日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに憲法調査会会長 日本国憲法に関する調査特別委員長の要職につき またしばしば国務大臣の重任にあたられた正三位勲一等中山太郎君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

 日程第一 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出)

議長(細田博之君) 日程第一、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長塚田一郎君。

    ―――――――――――――

 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔塚田一郎君登壇〕

塚田一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、令和五年度以降における我が国の防衛力の抜本的な強化等に要する費用の財源に充てるため、外国為替資金特別会計等からの繰入金、独立行政法人国立病院機構等の国庫納付金及び国有財産の処分等による税外収入を確保するとともに、これらを活用した防衛力強化資金を設置するものであります。

 本案は、去る四月六日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、当委員会に付託され、翌七日、鈴木財務大臣から趣旨の説明を聴取し、質疑に入り、複数回にわたる参考人質疑や安全保障委員会との連合審査を行ったほか、五月九日岸田内閣総理大臣に対する質疑を行うなど、三十七時間を超える審査を慎重に行い、十九日質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) 討論の通告があります。順次これを許します。道下大樹君。

    〔道下大樹君登壇〕

道下大樹君 立憲民主党・無所属の道下大樹です。

 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案について、断固反対の立場から討論いたします。(拍手)

 冒頭、G7広島サミットを終えられた岸田総理に一言申し上げます。

 各国首脳やゼレンスキー大統領が平和記念資料館を訪問し、慰霊碑に献花を行いました。首脳らが被爆の実相に触れ、核兵器の惨禍を二度と繰り返さない、核兵器による威嚇、使用を許されないという意思を固くしたと信じています。

 しかし、一方で、核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンは、被爆者や核兵器禁止条約には言及せず、核抑止を肯定する、核兵器の必要性を強調するものでした。

 被爆者のサーロー節子さんは、自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器は非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されないとし、G7広島サミットは大きな失敗だったと厳しく総括され、日本被団協事務局長は、希望は完全に打ち砕かれた、若者からは、新しい政策がなく残念だ、核廃絶への道筋を示すべきだったと、怒りや落胆の声が上がっています。

 総理、何のために広島で開催したんですか。核軍縮につながるような具体策は全く示せず、核なき世界の実現が理想のまま凍結してしまったようなG7広島サミットだと言わざるを得ないのは非常に残念であります。

 私ども立憲民主党は、政府が、核兵器禁止に向けた姿勢をより一層明確にし、核兵器禁止条約に関与することを強く求めます。

 さて、我が国を取り巻く安全保障環境を考えると、我が党としても、専守防衛に徹した防衛力の抜本的強化や、自衛隊員の方々の処遇改善などにより、防衛費が一定程度増額することは容認しています。

 しかし、防衛費を確保するための財源についての政府の説明は全く不十分であり、本法案について到底賛成できません。

 政府は、今後五年間で総額四十三兆円規模の防衛費を確保するために、約十七・一兆円が追加で必要になるとしています。しかし、この法案で確保されるのは、令和五年度に支出される約一・二兆円を除き、僅か約三・四兆円の税外収入だけであり、防衛増税を始め、残る大部分の財源確保策についての規定は存在しません。

 今回利用するとされている税外収入は、いずれも一時的な財源にしかならず、持続性、安定性を欠くという問題がありますが、更に深刻な問題があります。

 まず、財政投融資特別会計積立金から二千億円繰り入れることとしていますが、この積立金は、本来必要な総資産の五%に遠く及ばない〇・九%であり、金利が上昇したら直ちに不足しかねず、全く不当と言わざるを得ません。

 外国為替資金特別会計の令和五年度剰余金から一兆二千四億円繰り入れることにしていますが、この剰余金は、そもそも政府短期証券で調達されたものであり、それを防衛費に充てる分は政府債務残高が増加してしまいます。

 地域医療機能推進機構、JCHOの積立金に余剰が生じた場合は、関係法令により、年金特別会計に納付しなければならないことになっていますが、今回の法案は、その規定を無効化して、三百二十四億円を防衛財源に充てることを可能とするもので、年金財源の流用そのものであります。

 また、中小企業基盤整備機構の新型コロナウイルス感染症基金の不用見込みの国庫返納金として二千億円程度、緊急小口資金等の特例貸付けに係る貸付原資の不用見込みの国庫返納金として一千億円程度を確保するとしていますが、鈴木財務大臣が答弁されたように、この大宗は国債が原資となっているものでもあり、これも財源ロンダリングの一種ではないですか。

 民主党政権時代に成立した東日本大震災復興財源確保法と比較しても、明らかに生煮えで、欠陥法案と言わざるを得ません。

 政府は、防衛費の財源確保策として、本法案に関する税外収入の利用のほかに、防衛増税、決算剰余金の活用、歳出改革を掲げていますが、これらのいずれについても問題があります。

 政府は、防衛増税として復興特別所得税の流用を掲げていますが、いまだ復興の途上にある被災地の方々の心情をじゅうりんするものであり、到底認められるものではありません。

 この復興特別所得税は、民主党政権時代、国民の理解と協力を得て、二〇三七年までと期間を定めて負担をお願いしたものであり、その一部を防衛増税に流用し、課税期間を十三年間も延長することは、国民に対する裏切りです。

 鈴木財務大臣も、将来世代に御負担をいただかなければならないということも確かと認められましたように、課税期間の延長は若年層に対する増税です。さらに、委員会採決直前の五月十九日、財務金融委員会では、新たな増税であるということをやっとお認めになりました。

 これらの問題点に鑑み、被災者の方々らに御理解いただけるものか、地方公聴会の開催が必要であることを野党一致して訴え続け、結局、法案の委員会採決後に、被災地への委員派遣が了承されましたが、鈴木財務大臣は、被災地住民からどんな意見が出ても復興特別所得税の流用、増税は変更しないと答弁されました。どこまで、被災地、被災者を侮辱するんですか。政府・与党の姿勢は全く許容できません。

 政府は、直近十年間の決算剰余金の平均が年一・四兆円程度であることから、財政法第六条の規定に基づき国債の償還に充当される分二分の一を差し引いた、〇・七兆円程度を毎年確保できると見込んでいますが、この十年間には、コロナ禍で決算剰余金が突出した令和二年度約四・五兆円を含んでおり、極めて甘い見積りであると言わざるを得ません。

 一方で、意図的に決算剰余金を膨らませることは不可能ではありません。実際に、令和四年度予算では、新型コロナ及び原油、物価高騰対策予備費が約二・八兆円、昨年十二月に新設されたウクライナ対応予備費が手つかずのまま一兆円残っており、合計すると約三・八兆円、予備費としては過去最大が不用額とされる見込みですが、その一部が決算剰余金となる見込みです。

 政府は、不用額が生じることが見込まれる場合、特例公債の発行額の抑制に努めるとしていますが、そこに裁量の余地がないとは言えません。予備費の財源が赤字国債であることを踏まえれば、事実上、大量の赤字国債を発行して防衛財源を賄うというスキームになりかねません。

 また、決算剰余金は、年度途中で編成される補正予算の財源とされてきました。防衛財源に決算剰余金を充当する代わりに補正予算の財源として赤字国債を発行するならば、これも、事実上、防衛財源として赤字国債を発行するのと同じであり、いわば財源ロンダリングです。到底認められません。

 歳出改革では毎年二千百億円程度を捻出するとされていますが、その具体的内容は全く明らかにされていません。

 また、今回示されたのは令和九年度までの財源確保策であり、今回の防衛力整備計画の対象期間外とはいえ、政治の責任として、令和十年度以降の展望についても明らかにすべきです。

 政府は、従来は建設国債で防衛費を調達できないとしてきた方針を転換し、令和五年度予算では、既に、自衛隊舎整備や艦船建造などの予算約四千億円の財源として建設国債を充当することを決定しました。

 一九六六年、福田赳夫大蔵大臣は、防衛費は消耗的な性格を有することを理由に、建設公債の発行対象となる公共事業費から除外することが適当であるとの国会答弁を行い、これが政府見解とされてきました。これは、戦時中に戦費調達のため公債が乱発され、我が国の財政、経済に危機的な状況をもたらしたことへの反省からです。今回の建設国債の充当はこの見解を修正するものであるにもかかわらず、海外の事例を持ち出すのみで、十分な説明がなされているとは到底言えません。

 このように、本法案は、防衛力の抜本的な強化のために必要な財源を確保するための法律とは名ばかりの、極めて不十分、不完全な内容のものと言わざるを得ません。しかも、今国会で成立させる必要がないのは、総理御自身が答弁されて明らかになっています。

 そうである以上、本法案は直ちに取り下げて、フルカバー、フルスペックの法案を再提出して、来年の通常国会で十分な時間をかけて審議すべきだということを申し上げ、本法案に対する反対討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 越智隆雄君。

    〔越智隆雄君登壇〕

越智隆雄君 自由民主党の越智隆雄でございます。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 現在、我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。昨年二月、ロシアがウクライナを侵略するなど、戦後、西側諸国が中心となって築き上げてきた既存の国際秩序が揺らぎ始めています。我が国の周辺国、地域においても、核・ミサイル能力の強化、急激な軍備増強、力による一方的な現状変更の試みなどの動きが一層顕著になっています。

 このような未曽有の状況の中で、国民の生命と財産、国家の主権、自由、民主主義といった基本的な価値を守り抜いていくために、日本の安全保障に万全を期すための施策を前例にとらわれず推進していく必要があります。

 歴史の転換点とも言える今、岸田内閣は、昨年の十二月に、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の安保関連三文書を取りまとめ、我が国の防衛力を抜本的に強化していく方針を明確にし、大きな一歩を踏み出しました。

 新たに策定された防衛力整備計画においては、抜本的に強化される防衛力の具体的な内容とともに、今後五年間で必要となる防衛力整備の金額として、四十三兆円という規模が示されたところであります。この計画に基づいて、令和五年度予算においては、防衛関係費について、これまでの水準を上回る六・八兆円が確保され、防衛力の抜本的な強化が図られています。

 新たな防衛力整備計画に基づく防衛力の整備を確実に進めていくためには、防衛財源の安定的な確保に向けた道筋を示していくことが重要です。そのためには、現時点で確実に確保できる財源について、先送りすることなく、現時点でしっかりと確保することが必要であると考えます。

 今般の防衛財源の確保に当たっては、防衛力の抜本的な強化を安定的に支えるための裏づけとなる財源は、今を生きる我々が将来世代への責任として対応するべきものであり、借金で賄うことはしないという考え方の下、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保といった行財政改革の努力を最大限行った上で、それでもなお不足する部分について、税制措置の御協力をいただく方針としているところです。

 先般成立いたしました令和五年度予算においては、防衛力の強化を図るための財源として、現時点で確実に見込むことのできる最大限の金額である四・六兆円の税外収入を確保したところです。

 このうち、今回の財源確保法案では、令和五年度予算における外国為替資金特別会計及び財政投融資特別会計財政融資資金勘定からの繰入れ並びに独立行政法人からの国庫納付による追加的な税外収入の確保のほか、確保した税外収入をプールし、令和六年度以降の防衛財源として活用できるようにするための防衛力強化資金の設置といった、法律上の手当てが必要なものを盛り込んでいるところであり、適切な措置であると考えます。

 このような本法案による対応によって、防衛力の抜本的な強化、維持のための財源について、その安定的な確保に向けた道筋を示していくことは、税制措置での協力をお願いする前提として、国民の御負担をできるだけ抑えるべく最大限の努力を行っていることを国民にお示しする観点から、重要なことであると考えております。

 このような本法案の重要性に鑑み、財務金融委員会では、これまで、通常の審議プロセスに加えて、安全保障委員会との連合審査並びに有識者を招いての参考人質疑をそれぞれ二回ずつ実施するなど、塚田委員長の公正かつ丁寧な議事進行の下、野党側の要望に応える形で審議の時間と内容の充実に心を砕き、幅広い観点から、三十七時間を超える議論を行ってまいりました。

 その上でなお、先々週には立憲民主党、共産党から塚田委員長の解任決議案が、先週には立憲民主党から財務大臣に対する不信任決議案が提出されました。両案共に圧倒的多数で否決されたわけでありますが、このことによって、本法案の本会議での採決が本日までずれ込むことになりました。

 本法案の速やかな成立が必要な中、誠に遺憾なことであると申し添えた上で、議員各位に賛成をお願いいたしまして、私の本法案に対する賛成討論とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 和田有一朗君。

    〔和田有一朗君登壇〕

和田有一朗君 日本維新の会の和田有一朗でございます。

 私は、会派を代表して、ただいま議題に上がりました法案に関して、反対の立場から討論をさせていただきます。(拍手)

 広島にG7首脳が一堂に会して、平和記念公園に献花するシーンは、我が国の歴史において大きな一ページとなりました。また、ウクライナのゼレンスキー大統領も来日し、グローバルサウスを交えて、この一年間で大きく変化した安全保障環境について胸襟を開いて話合いがなされたことは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くという強い決意を世界に示しました。政府を始め、警備に当たられた関係者の皆様、サミット開催に携わられた全ての皆様に敬意を表したいと思います。

 日本維新の会は、サミットでも議題となった安全保障環境の変化を踏まえ、国土や国民の生命財産を守る観点から、我が国の防衛能力を積極的に強化することには賛成ですし、そのために一定の追加財源が必要であることも理解はいたしております。

 しかし、あらゆる方法の中から増税という国民に負担を課す手段を最初から示す、増税ありきそのものの岸田政権の姿勢には全く理解ができません。

 昨年十二月、我が党の馬場代表が安全保障戦略に関わる提言書を総理に手交した際、財源は安易に増税に頼るべきではないこと、まず行財政改革を通じた徹底的な歳出削減と経済成長による税収増で賄うべきであること、その上で短期的財源として政府保有の金融資産や今後減少するコロナ対策費等から振替を検討すべきであること、財源の議論は財政論であり政府予算全体で最適解を導き出すべきであると申し上げ、総理は、各省庁に徹底した歳出削減を指示していると応じられました。

 しかし、まさにその日に、総理は、舌の根も乾かぬうちに、増税方針を表明したのであります。

 我が党は、いち早く、増税方針の撤回を求める緊急声明を出し、一貫して増税方針の撤回を求めてまいりましたが、政府は一切耳をかすことなく、年間で必要となる四兆円の増額のうち一兆円を増税で賄うことを前提とする本法案を修正することなく採決が行われようとしていることは、誠に遺憾であります。

 復興特別所得税を減額し新たに付加税を課すことについては、被災地の声を聞く必要があり、我が党が主導して、被災地における地方公聴会開催を働きかけてまいりました。本来なら採決前に行うべきで、順序が逆にはなりましたが、本国会中に地方公聴会に準ずる形で被災地における意見聴取を行うことを確約いただきましたことは感謝を申し上げるところであります。しかし、本来は政府自らが自発的に行うべきことではないでしょうか。

 共同通信が今月六日に発表した世論調査では、増税方針について、支持するは一九%、支持しないが八〇%、増税を支持しない理由として、今以上の税負担に耐えられないが四八%で最多、東日本大震災復興財源の一部を防衛費に転用する方針は七三%が反対となっております。総理がどんなに歳出改革など行財政改革の努力を最大限に行った上でと説明しても、国民は、増税以外の財源を探す努力が全く足りていないと感じているのが現状ではないでしょうか。

 同じ調査では、二〇二三年度から五年間の防衛費を従来の一・五倍超の四十三兆円に増やす方針について、適切ではないと答えた方が五八%、防衛力をめぐる首相の説明は十分ではないが八八%にも達しております。現行の防衛予算水準では中国、北朝鮮、ロシア等の軍事的脅威に対処し切れないという現実について国民に説明を尽くして理解と協力を得るべきであるのに、これも政府の努力は全く足らないと言わざるを得ません。

 今回の法案の中身は、税外収入を積み立てるための基金の創設や、令和五年度の決算剰余金や外為特会の繰入れを行うために必要な法改正を行うという技術的なものですが、全体の枠組みの前提となっている増税や歳出改革の中身など、国民が最も関心のある事項の中身は一切示さず、政府は議論から逃げているだけでございます。

 国民に負担を強いるのであれば、まずは、それをお願いする国会議員自らが定数や歳費の削減を始め覚悟を示すべきでありますが、総理からはそうした覚悟がみじんも感じられません。幾ら、今後も理解を得るべく説明を尽くすと言ったところで、ほとんどの国民は、総理に自らの身を律する覚悟がないことを見透かしてしまっています。

 一か月前の本会議で、昨年の通常国会中に結論を得ると自民党も合意した、いわゆる旧文通費の使途公開や残金返還について、その場で自民党総裁として党に指示すると明言すべきとただしましたが、総理がリーダーシップを示すことはありませんでした。こうした総理の態度がさきの世論調査の結果に表れているのではないでしょうか。

 本来、決算剰余金や税外収入は一般財源に繰り入れられるもので、その分、赤字国債が増えるおそれがあり、昨今の多大な額の予備費や補正予算における基金への積み増しなどですっかりたがが外れてしまっている財政規律が一層緩むことが危惧されます。

 しかも、財務大臣がかき集めたという税外収入や決算剰余金は、単に過去の数字の平均にすぎず、余りにもいいかげんで、とても理解できるものではありません。将来の決算剰余金がどれぐらいになるかは、その年度ごとの決算を経なければ分かりません。何を根拠に、現時点でしっかりとした財源であると言えるのでありましょうか。

 総理は、経済を立て直すことが重要であり、見込み以上に税収が伸びれば、決算剰余金にも反映され、防衛力強化の財源として活用されると答弁していますが、経済政策で税収増という成果を得るための具体的な計画や道筋を明確に示さず、さらに、それを財源に反映させる取組も見られません。新しい資本主義という看板だけが独り歩きをしているだけであり、総理の経済政策には覚悟が感じられず、信用や信頼も置けません。

 防衛費増や少子化対策といった新たな施策を導入するたびに増税や社会保険料増あるいは借金増を行って財源を確保することは、誰にでもできることです。国民負担率が五〇%近くに達しようとする中、国民負担を増やす手段だけでしか財源を確保しようとしない岸田政権には、もはや唖然とするばかりでございます。

 先日、吉村大阪府知事は、選挙公約で掲げた高校と大阪公立大の授業料無償化について、二〇二四年度から三年間かけて所得制限を撤廃する方針を固め、発表しました。この財源は、増税でも借金でもなく、議員定数の削減や歳費の削減等の身を切る改革を皮切りに徹底した行財政改革を進め、経済政策で税収を増やしてきたことによるものであります。これが我々維新の会による行政運営であって、自民党による行政運営とは決定的に違うのであります。

 この十年で消費税が二回も増税され、コロナ禍で国民は疲弊し、ようやく回復基調となっているこの段階での増税は、せっかくのムードに水を差す愚策であります。コロナの感染症法上の取扱いが二類相当から五類に変更となり、三年にわたるコロナ禍からようやく抜け出そうとしている中、今こそ、新しい社会像を国民に示し、時代に合った制度への移行を大胆に実施する最大のチャンスであります。増え続ける社会保障関係費の抜本的な見直しを含め、歳出全体の中で組替えを行うという選択肢を示せないことこそ、自民党政権の限界ではないでしょうか。

 徹底した行財政改革、国債の償還ルール期間の見直し、外為特会に積み上がっている百六十兆円を超える外貨資産の活用や二十兆円を超える含み益の活用、官民ファンドや基金の合理化、年金徴収の適正化、効率化等、まだまだ財源として検討できるメニューはたくさんあります。

 日本維新の会は、これからも、増税ありきの方針には徹底して反対をして、国民感覚に寄り添った政策提言を続けていくことをお約束して、私の反対討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 山崎正恭君。

    〔山崎正恭君登壇〕

山崎正恭君 公明党の山崎正恭です。

 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案につきまして、賛成の立場から討論いたします。(拍手)

 冒頭、賛成理由を述べる前に、先々週の財務金融委員長解任決議案に続いて、先週、財務大臣不信任決議案を提出されたことに対して、一言申し上げます。

 本決議案の提出者であった立憲民主党の理事は、五月十二日に行われた財務金融委員会理事懇談会において、十六日の委員会で財源確保法の採決を行うことが合意されていたにもかかわらず、当日、理事会の開始予定時刻になっても、さらに委員会の開始時刻になっても、何の連絡もなく、また、何の説明もないまま、突然の財務大臣不信任決議案を提出しました。これは、いまだかつてないほどの乱暴なやり方で、委員会軽視も甚だしく、大変に遺憾であります。

 以上申し上げて、賛成討論を行います。

 賛成理由の第一は、何より、我が国の防衛力の強化が待ったなしの喫緊の課題であるということであります。

 昨年末、総理から防衛力の抜本強化を図るための財源確保のためのフレームが示されたときには、どれぐらいの規模の防衛力を目指すのか、国民負担はどうなるのかなど、国民の皆様の不安の声もお聞きしましたが、今国会において、本法案をめぐる財務金融委員会や安全保障委員会との連合審査会における審査や、専門家の方々との意見交換等を通じて丁寧に議論する中で、相当理解が深まってきたように思います。

 我が国は、今、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれています。

 北朝鮮は、今、かつてない高い頻度でミサイル発射を繰り返しています。核・ミサイル開発のための活動を継続する姿勢を崩すどころか、今後、更なる挑発行動に出てくる可能性も考えられます。

 今年度の中国の国防費は我が国のおよそ四・五倍となり、このままいけば、二〇三〇年代には十倍程度までその差が拡大するとも言われています。アメリカが圧倒的な軍事的優位性を保っているという前提は揺らぎ始めています。

 そして、ロシアによるウクライナ侵略が勃発したという事実、国連安保理の常任理事国であるロシア自身が戦争を起こしたというこの事実は、大変に重い意味を持つのであります。

 こうした現実を真正面から受け止めれば、自主的、主体的な努力がなければ、国民の生命や平和な暮らしを守るなど軽々と口にできる時代ではなくなってきた、そのように認識しております。

 政府においては、こうした認識の下、極めて現実的なシミュレーションを行い、抜本的強化が必要な防衛力の内容を積み上げ、新たな防衛力整備計画では、これまでの水準から約十四・六兆円を上乗せし、四十三兆円規模に拡大することが示されています。

 中身が実効性のないものでは意味がありませんが、こちらも審査の中でかなり明確なイメージを持つことができました。

 具体的には、現有装備の充実化によって持続性、強靱性を高めるとともに、遠距離からの侵攻を抑止するためのスタンドオフ防衛能力の強化や、多種多様なミサイル攻撃に対処するための統合防空ミサイル防衛能力の強化、宇宙、サイバー、電磁波といった新領域における攻撃能力や、無人化技術等の研究開発など重要七分野へ集中投資し、我が国への脅威に戦略的に対処することとしております。

 何より、我が国の安全保障戦略の第一の柱は外交であります。

 現在の国際社会においては、一国だけで自国の安全を守ることが難しい状況です。我が国のみの平和というものはありません。脅威の出現を未然に防ぐためには、積極的な外交を推し進め、多くの国々と信頼関係や協力関係を築いていくことが重要であります。その外交力の裏づけとして、我が国自身の防衛力の強化が不可欠であります。一部の野党が批判するような軍拡などでは決してなく、まさに、戦争を起こさせないための防衛力の強化を進めることが本来の趣旨であります。

 このために必要な財源を捻出しようとするのが本法案であり、これに反対する理由は全く見当たらないと思います。

 その上で、今回の追加財源の確保の仕方についても、具体的に賛成理由を申し上げます。

 一つは、今回確保される約十四・六兆円の追加財源について、国債に頼らない点であります。

 これまで申し述べてきたとおり、現下の情勢においては、我が国の防衛力強化は待ったなしの課題であり、将来世代に負担を先送りするような仕組みは無責任であります。総理が主張されていらっしゃるとおり、今を生きる国民が自分たちの責任で賄うとの考え方に全面的に賛同いたします。

 また、この度のコロナ禍のような有事において、ちゅうちょなく予算措置ができる財政状況をつくり出しておくことが極めて重要と考えます。したがって、国債に頼らず財源を確保しようとする点に賛成であります。

 また、財源確保に当たって、公明党は、国民負担をお願いする前に政府の努力が先に立つべきであると再三訴えてまいりましたが、政府は、この度、まず、歳出改革で三兆円強、決算剰余金の活用で三・五兆円程度を確保するとともに、本法案による特別措置も含め、税外収入から五兆円強を調達することとし、その上で、どうしても足らざる部分を税制措置でお願いすることとしています。

 国民負担を最小限に抑えようとする政府の姿勢は高く評価いたします。これが二点目であります。

 三点目は、調達した税外収入をプールする防衛力強化資金を創設する点であります。

 この五年間の防衛力の整備にはタイムラインが重要です。必要な防衛力に優先順位をつけて支出していく中においては、年度を超えて計画的に支出できる資金の仕組みは大変に有用であると評価しています。

 また、抜本的に強化される防衛力は将来にわたって維持強化していかなければならず、これを安定的に支えるためには、しっかりとした財源を確保することが不可欠です。政府におかれては、歳出改革の不断の努力、また、税外収入の更なる確保に向けた方策の検討を続けていただきたいと強く望みます。

 以上、本法案は、国民の命と平和な暮らしを守る政治の使命と責任を果たすため、絶対に必要な法案であります。

 本法案につきましては、財務金融委員会で計三十七時間をかけて質疑を行うとともに、二回の参考人質疑、さらには安全保障委員会との連合審査会を二回開催するなど、丁寧な審議を重ねてまいりました。

 皆様方の賛同を求め、私の賛成討論を終わります。

 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 斎藤アレックス君。

    〔斎藤アレックス君登壇〕

斎藤アレックス君 国民民主党・無所属クラブの斎藤アレックスです。

 私は、会派を代表して、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 ロシアによるウクライナ侵攻や緊迫する台湾情勢、度重なる北朝鮮のミサイル発射など、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、我が会派としても、自分の国は自分で守るという基本理念に基づいて安全保障政策を取りまとめ、昨年末の安保三文書の改定に先立ち政府に提言を行うなど、防衛力を抜本的に強化し、そのために防衛費を増額することは必要であるという認識に立っています。

 しかし、今後五年間に必要とされる四十三兆円という数字の根拠や、防衛費を確保するための財源についての政府の説明は不十分であり、財源を確保するためとして提出された本法案についても賛成はできません。

 以下、反対の理由を申し述べます。

 まず、本法案は、防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源を確保するための法律案と称するにもかかわらず、その内容は税外収入の確保に限られています。そして、本法案で確保する税外収入一兆四千七百五十億円のうち、大宗を占めるのが外為特会の令和五年度剰余金を前倒しで繰り入れる一兆二千四億円ですが、これは、本法案による措置がなかったとしても、来年度の予算審議を経て一般財源に繰入れを行うことが可能であり、今国会で議論する必要は全くありません。

 他方、政府は、防衛力の抜本的な強化を行うための財源の一部として、税制措置を段階的に実施し、令和九年度には、法人税、所得税及びたばこ税で一兆円強を確保する旨を閣議決定しています。しかし、本法案において税制措置に関する事項への言及は一切ありません。

 なぜ税制措置は閣議決定で足りて、逆に外為特会の令和五年度剰余金の繰入れについてはわざわざ今国会で立法措置が必要なのか、委員会の答弁において、鈴木大臣は政治判断と繰り返すばかりで、何ら説得的な説明はなされませんでした。

 そもそも、防衛力強化のための税制措置、いわゆる防衛増税の議論は、物価上昇を超える一定の賃上げを複数年度連続で達成するなどして、コロナ禍の経済的なダメージと失われた三十年と呼ばれる経済の長期低迷からの脱却を実現してから行うべきです。

 現在の政権与党は、過去三十年間にわたる経済財政運営の失敗のツケを増税という形で国民に払わせようとしながら、その失敗に正面から向き合うことはいまだしていません。それどころか、ある自民党幹部は、テレビで、これまでの政権与党の経済財政運営の評価を聞かれて、選挙に勝っているから成功しているという趣旨の発言をするなど、今の政権与党はデータやファクトに基づかない非科学的な経済政策の評価、運営を行っているのではないかと疑わざるを得ません。賃上げと経済回復の機運をそぐ結果を招く危険性が高いその国家経営の姿勢には深刻な問題があります。

 また、政府は、決算剰余金のうち、毎年〇・七兆円を防衛財源に充てるとしていますが、これまで補正予算の財源の一部として活用されてきた決算剰余金を防衛費に使えば、その分だけ補正予算編成時の国債発行が増加することとなり、防衛費の財源に赤字国債は充てないとする政府の説明には疑義が生じます。特に、新型コロナ感染拡大以降、主に赤字国債を財源として巨額の予備費が計上されてきた中で、余った予備費が決算剰余金に回り、それを防衛費の増額に流用することになれば、もはやそれはある種のマネーロンダリングにほかなりません。

 このように、本法案の内容は極めて不完全なものと言わざるを得ません。政府は、防衛費を賄うための財源として、税外収入、歳出改革、決算剰余金、税制措置の四つを示している以上、それら全てを明確に具体化した法案を予算関連法案として再提出し、来年の通常国会で十分な時間をかけて審議すべきです。

 最後に、政府は、防衛力強化について、昨年末の安保三文書の改定までは、検討中なので答弁できないとして国会での議論をなおざりにしておきながら、一旦閣議決定を行った後には、国会の場で中身の詳細をただそうとすると、手のうちをさらすことになるので答弁できないという不誠実な答弁に終始してきました。本法案についても、聞かれたことに答えず、関係ないことを延々と答弁するという逃げの姿勢が繰り返されました。これらは、国民の代表たる国会を、ひいては主権者たる国民を軽視するものにほかなりません。

 政府におかれては、国会の場において、しっかりと、税、社会保障、そして国債発行を含め、真正面から堂々と財源の議論をしていただくことを強く求めて、本法案に対する反対討論とします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 田村貴昭君。

    〔田村貴昭君登壇〕

田村貴昭君 私は、日本共産党を代表して、軍拡財源法案に反対の討論を行います。(拍手)

 第一に、憲法九条を真っ向から踏みにじり、国民の命を危険にさらす大軍拡を断じて認めるわけにはまいりません。

 日本国憲法は、アジア二千万人以上、日本国民三百万人以上の犠牲者を出した侵略戦争への痛苦の反省の下に、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、作られたのであります。

 ところが、岸田政権は、歴代政府が建前としてきた専守防衛さえ投げ捨てて、敵基地攻撃能力の保有に公然と踏み切り、しかも、集団的自衛権の行使としての使用まで可能だとしています。日本が攻撃を受けていないにもかかわらず、他国の紛争に自ら参戦し、相手国の領土を攻撃することが、憲法九条の下で許されるはずがありません。その結果は、報復攻撃による国土の焦土化であります。

 日本の敵基地攻撃能力は、日本が独自に運用するものではありません。アメリカの統合防空ミサイル防衛、IAMD計画の一翼を担い、米国の指揮統制の下で運用されることになるのは、これまでの日米軍事一体の実態からすれば明白です。

 戦後、アメリカは、先制攻撃戦略を公然と掲げ、国際法違反の侵略戦争を繰り返してきました。アメリカの戦略につき従い、米軍の矛の役割まで肩代わりし、日本に戦火を呼び込む危険極まりない大軍拡計画は即刻撤回すべきです。

 第二に、大軍拡のために、現在と将来の国民に新たな負担を押しつけることは絶対に認められません。

 政府は、今後五年間で軍事費をGDP二%に引き上げ、四十三兆円もの大軍拡を推し進めようとしていますが、二%の具体的な根拠を示すことはできませんでした。アメリカの二%の軍拡要求に応えるために国民に新たな負担を押しつけることなど許されるはずがありません。

 既に、今年度の対外有償軍事援助、FMSは、前年度の四倍という破格の伸びになっています。四百発もの長距離巡航ミサイル、トマホークの大量一括購入、青天井の洋上イージス計画など、米国製兵器の爆買いに国民の税金を湯水のようにつぎ込む、政府のアメリカ追従を断じて認めるわけにはいきません。

 国立病院機構と地域医療機能推進機構、JCHOの積立金を不用見込みとして軍拡の財源に充てる計画ですが、どちらの機構の病院も老朽化した建物を多く抱えています。看護師の大量離職も起こっています。施設の改善や医療従事者の待遇改善にこそ使うべきものを軍事費に流用することなど断じて認められません。

 東日本大震災の復興に充てる復興財源特別所得税を事もあろうに軍事費に転用することに、東北の被災者と被災自治体から批判の声が巻き起こっています。世論調査では、復興財源の転用に七三%の国民が反対と答えています。防衛増税を支持しないとした国民は八〇%に上り、その理由で最も多いのは、今以上の税負担に国民が耐えられないということです。国民の暮らしを追い詰める大軍拡、大増税はやめるべきです。

 軍拡財源のための国債発行について、未来の世代に対する責任として取り得ないと述べてきたのは岸田総理自身です。ところが、決算剰余金の元になった巨額の予備費の原資は赤字国債です。結局、未来の世代に増税を押しつけることになるのは明らかです。

 しかも、戦後初めて軍事費への建設国債の発行にも踏み切りました。軍事費を特別扱いし、無期限で予算をプールし活用する防衛力強化資金の仕組みは、戦前の臨時軍事費特別会計をほうふつとさせるものです。かつて侵略戦争遂行のために国の財政と国民生活を破綻させた痛苦の歴史を今こそ思い起こすべきです。

 政府がやるべきことは、地域の分断と対立を拡大し、際限のない軍拡競争を招く軍事力強化ではありません。憲法九条を生かし、地域の全ての国を包摂する平和の枠組みを発展させる外交に全力を尽くすことを求め、討論を終わります。(拍手)

議長(細田博之君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

議長(細田博之君) 日程第二、気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長木原稔君。

    ―――――――――――――

 気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔木原稔君登壇〕

木原稔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、自然災害の頻発等により、洪水等の予報の重要性が増大していることに鑑み、気象業務に関する技術の進展に対応した洪水等の予報の高度化を図るため、所要の措置を講じようとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、民間事業者等が行う洪水や土砂崩れ等の予報業務に係る許可の基準について、最新技術の導入による予報の精度向上を図るための見直しを行うとともに、噴火等の社会的影響が特に大きい現象の予報業務については、利用者への説明を義務づけ、当該説明を受けた者にのみ利用させることを目的とした業務に限り許可を行うこと、

 第二に、国土交通大臣が、都道府県知事の求めに応じ、都道府県の洪水予報河川の予測水位情報を提供する仕組みを構築すること

などであります。

 本案は、参議院先議に係るもので、去る五月十一日本委員会に付託され、翌十二日斉藤国土交通大臣から趣旨の説明を聴取し、十九日、質疑を行い、質疑終了後、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第でございます。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(細田博之君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十八分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣   鈴木 俊一君

       国土交通大臣 斉藤 鉄夫君


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