衆議院

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第33号 令和5年6月13日(火曜日)

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令和五年六月十三日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第二十二号

  令和五年六月十三日

    午後一時開議

 第一 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、参議院送付)

 第二 令和五年三月予備費使用に係る低所得者世帯給付金に係る差押禁止等に関する法律案(地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員長提出)

 第三 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件

 第四 性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案(西村智奈美君外十三名提出)

 第五 性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案(新藤義孝君外五名提出)

 第六 平成三十年度一般会計歳入歳出決算

    平成三十年度特別会計歳入歳出決算

    平成三十年度国税収納金整理資金受払計算書

    平成三十年度政府関係機関決算書

 第七 令和元年度一般会計歳入歳出決算

    令和元年度特別会計歳入歳出決算

    令和元年度国税収納金整理資金受払計算書

    令和元年度政府関係機関決算書

 第八 平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書

 第九 平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書

 第十 令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書

 第十一 令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 上川陽子君の故議員北村誠吾君に対する追悼演説

 情報監視審査会会長の情報監視審査会令和四年年次報告書についての発言

 日程第一 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、参議院送付)

 日程第二 令和五年三月予備費使用に係る低所得者世帯給付金に係る差押禁止等に関する法律案(地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員長提出)

 日程第三 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件

 日程第四 性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案(西村智奈美君外十三名提出)

 日程第五 性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案(新藤義孝君外五名提出)

 日程第六 平成三十年度一般会計歳入歳出決算

      平成三十年度特別会計歳入歳出決算

      平成三十年度国税収納金整理資金受払計算書

      平成三十年度政府関係機関決算書

 日程第七 令和元年度一般会計歳入歳出決算

      令和元年度特別会計歳入歳出決算

      令和元年度国税収納金整理資金受払計算書

      令和元年度政府関係機関決算書

 日程第八 平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書

 日程第九 平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書

 日程第十 令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書

 日程第十一 令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書


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    午後一時二分開議

議長(細田博之君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(細田博之君) 御報告することがあります。

 議員北村誠吾君は、去る五月二十日逝去されました。痛惜の念に堪えません。謹んで御冥福をお祈りいたします。

 北村誠吾君に対する弔詞は、議長において今十三日贈呈いたしました。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し さきに安全保障委員長 沖縄及び北方問題に関する特別委員長の要職につき また国務大臣の重任にあたられた議員従三位旭日大綬章 北村誠吾君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

    ―――――――――――――

 故議員北村誠吾君に対する追悼演説

議長(細田博之君) この際、弔意を表するため、上川陽子君から発言を求められております。これを許します。上川陽子君。

    〔上川陽子君登壇〕

上川陽子君 ただいま議長から御報告がありましたように、本院議員北村誠吾先生は、去る五月二十日、御逝去されました。

 前回令和三年の総選挙を死力を尽くして勝ち抜かれた後、先生は体調を崩され、入退院を繰り返されるようになりました。しかし、病魔と闘いながらも、最後まで回復への望みを諦めず、ふるさと長崎への思いをともし続け、次期総選挙への出馬を熱望された先生は、「魂の政治家。北村誠吾」であり続けたのであります。

 ふるさと長崎と日本の発展のために、より一層の御活躍が期待されていた中での急逝の報は、今もって信じ難く、ましてや、御遺族の御心痛はいかばかりか、お察しするに余りあり、お慰めの言葉もございません。

 先生は、亡くなられた後、長崎に戻られ、御家族そろって一夜を御自宅で過ごされたのですが、奥様から、結婚以来最初で最後のことでしたとお聞きし、人生の全てを政治にささげられた北村先生の生きざまに、改めて粛然たる思いがいたしました。

 北村先生が衆議院に初当選したのは平成十二年。当選同期であり、当時、無所属で当選した九人で会派21世紀クラブを結成した同志として、私は、ここに、在りし日の北村誠吾先生の面影をしのび、皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べさせていただきます。

 北村誠吾先生は、昭和二十二年一月二十九日、長崎県北松浦郡小値賀町、豊かな自然景観を有する五島列島の北端に位置する小値賀島に、父又夫様、母道子様の御長男としてお生まれになりました。

 四方を美しく豊かな海に囲まれ、人々は自然と共存しながら、お互いを思いやって、つつましく暮らす、今も懐かしい日本の原風景を残すと言われる島であります。今でも佐世保から高速船で一時間半を要する離島で過ごされた先生の幼少期は、電気や水道等、生活インフラが不十分で、ランプでの生活だったそうです。

 そのような中、島に電気が二十四時間供給されて一日中明かりがともるようになり、また、それまでは船に乗るために小舟で沖まで出なければならなかったところに桟橋が整備されるなど、島の暮らしが大きく改善されていくさまを目の当たりにした北村先生は、個人の頑張りを超えて、政治が暮らしを豊かに変えることを身をもって実感し、既に中学校を卒業する頃には政治の道を志す決断をしていたとのことであります。高校生までの多感な時期を小値賀島で過ごしたその経験が、政治家北村誠吾の出発点となったのであります。

 五島列島で私が今も懐かしく記憶しているのは、二十年余り前、先生のお誘いで21世紀クラブの仲間たちと訪問したときのことです。

 21世紀クラブでは、当時、政治課題の中心であった平成の大合併をテーマに勉強会を重ね、お互いの選挙区を視察し、政策づくりに励んでいました。そんな折、マリンブルーに澄み渡る五島列島の海を船で回りながら、支援者の方々から絶大な期待と信頼を寄せられている先生の生き生きとした姿に触れ、地域に根差した政治を目指す先生のたくましい政治姿勢に強い共感を覚えました。

 さて、北村先生は、地元の高校を卒業後、かつて見た伝記映画で感銘を受けたという大隈重信公が創設された、早稲田大学政治経済学部経済学科に晴れて進学されました。

 そして、ふるさとの暮らしをよくしたいとの熱い志を抱かれた先生は、郷里五島列島出身の大先輩であり、大平内閣において郵政大臣を務められた故白浜仁吉先生の書生となり、卒業後、正式に秘書となられたのであります。

 白浜先生は、奥様と二人のお嬢様を長崎の原爆で失われるという壮絶な経験を乗り越え、今日の我が国の平和と繁栄に御尽力された偉大な政治家でした。北村先生は、温かく清廉なお人柄で知られた白浜先生から、政治家の常として、「地元のために働き、政治的成果を得ることは当然のことである。我が手柄のように吹聴したり、選挙運動に使うことは御法度である。」との教えを受けていたとのことです。

 白浜先生の薫陶を受けた北村先生の政治姿勢、常に謙虚で誠実なお人柄を思い起こすとき、この議場にいる誰もが得心することでしょう。

 白浜先生の下で研さんを積まれた北村先生は、昭和五十八年、佐世保市議会議員選挙に挑戦して見事トップ当選を果たされ、政治家としての第一歩を踏み出されました。続いて挑戦した第三十八回衆議院議員総選挙では惜しくも敗れたものの、その後、長崎県議会議員へと更なる歩みを進め、爾来連続して四期にわたって重責を担われ、この間、長崎雲仙・普賢岳の噴火災害からの復旧復興や地域の発展に全力を傾注されたのであります。

 かくして、平成十二年、現職議員との公認争いに敗れる中で、それでも離島や過疎地の声を国政に届けたいとの思いは断ち難く、長崎県議会議員の職を辞し、政治に身命を賭す覚悟で第四十二回衆議院議員総選挙に勇躍無所属で立候補されました。小値賀島の皆さんがこぞって漁船で佐世保まで応援に駆けつけるなど、大きな期待を一身に集め、徹底した草の根選挙を展開し、最愛の奥様シズノ様の内助の功もあり、接戦を制して、見事初当選を果たされたのであります。(拍手)

 本院に議席を得られてからは、有権者の固い支持を得て、連続して当選すること八回。農林水産委員会、国土交通委員会、安全保障委員会、沖縄及び北方問題に関する特別委員会、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を中心に、多くの委員会で理事、委員を歴任され、卓越した識見と行動力を発揮されました。

 さらに、平成二十二年十月には沖縄及び北方問題に関する特別委員長、平成二十六年九月には安全保障委員長に御就任され、温厚篤実なお人柄と、常に公正公平な立場を堅持し、円滑、円満な委員会運営に当たられるお姿に、与野党の別なく、絶大な信頼が寄せられておりましたことは言うまでもありません。

 北村先生は、離島振興や農林水産政策をライフワークとしつつ、特に安全保障問題に熱心に取り組まれておりました。それは、幼い頃から戦争の悲惨さ、平和の尊さを肌身に感じてきた被爆地長崎出身議員として、その一方で、祖国の平和、独立を維持し、国民の生命財産を守り抜くことは国家の責務であり、現在も米軍、自衛隊基地を抱える佐世保、県北の代表として、この問題に真摯に取り組むことが自らの崇高な使命であると思い定めていたからであります。

 この間、党におきましては、水産部会長、国土交通部会長、安全保障調査会副会長、政務調査会副会長等の要職を歴任されました。当選回数を重ねられてからも、党本部で開かれる会合のほとんど全てに出席され、資料を大量に抱えて国会内を歩かれている御様子は、誰しも一度はお見かけになったことがあるのではないでしょうか。(拍手)

 また、内閣におきましては、安全保障政策に対する深い造詣と、これまでの活動実績が高く評価され、平成十六年九月、第二次小泉改造内閣において防衛庁長官政務官、平成二十年八月、福田改造内閣、続く同年九月の麻生内閣において防衛副大臣に御就任になられました。在任中、先生の信条である「現場主義、汗かき主義」そのままに、自衛隊各駐屯地や基地を積極的に視察され、隊員を督励して回られたとのことです。

 そして、令和元年九月、第四次安倍第二次改造内閣において、地方創生、規制改革担当の内閣府特命担当大臣、まち・ひと・しごと創生担当大臣として初入閣を果たされたのであります。(拍手)

 地方、特に離島や過疎地域が抱える高齢化、産業の衰退等の諸課題を熟知している北村先生にまさに適任の役職であり、小値賀町初の大臣の就任に、島内が喜びの声で沸き返ったそうです。

 大臣就任後は、地方創生の推進には各地域の現場の生の声に耳を傾ける必要があると、早速、現場主義の真骨頂を発揮され、僅か一年余りの間に、地方創生担当大臣として、全四十七都道府県、計二百か所を訪問し、現場の最前線で奮闘されている多くの方々から地域の実情や課題を聞いて回られ、訪れた地域の魅力を自らPRされるなど、率先垂範して地方創生の推進に取り組まれたのであります。(拍手)

 折しも、大臣在任中、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、社会的、経済的影響が広がり、誰もが不安にさいなまれる中、いち早く総額三兆円にも上る地方創生臨時交付金を創設し、地域における様々な取組を支援することができたのは、北村先生の指導力のたまものでありました。

 北村先生は、弱者に対する慈愛に満ちたまなざしと行動力を併せ持つ、希有な政治家であられました。北村先生は、自身のことを多く語ることはありませんでしたが、自分にも他人にも誠実に生きることを生涯貫かれた方でした。このことは、恐らく、先生が敬けんなカトリック教徒であったこととも無縁ではなかったでしょう。

 近年は、体調が優れない中においても、超党派の空襲被害者等の補償問題について立法措置による解決を考える議員連盟の会長を務められ、第二次世界大戦末期の空襲による民間被害者への補償の実現に奔走しておられました。

 北村先生は、地元の成人式には毎年必ず出席し、「自分で考え努力すれば何でもできる、夢を持て」と若者たちに語りかけておられたそうです。青雲の志を持って希望に燃えていた御自身の姿を現代の若者に重ねて見ていたに相違なく、その中から先生の遺志を継ぐ者が必ずや現れることを期待してやみません。

 白浜先生の書生、秘書から、市議会議員、県議会議員、国会議員と、まさに先生が好きだった「地道に一歩ずつ」の言葉どおり、約半世紀にわたって、故郷である小値賀町、長崎県、国家国民のために、うそ偽りなく、私心を捨てて、真摯に尽くされた政治家人生でありました。(拍手)

 今、世界は、武力による現状変更の試みや核兵器による威嚇など、戦後かつてないほどの危機的な状況にあります。戦争の悲惨さ、被爆の実相を知る北村先生のお力がまだまだ必要でありました。

 「好きな仕事をさせてもらっているのに休んでなんかいられない」とおっしゃっていた先生の志は、残された我々がしっかりと受け止め、前に進んでいかなければなりません。

 ここに、北村誠吾先生の御功績をたたえ、御人徳をしのぶとともに、トレードマークであった将棋の歩のループタイを締めて優しくほほ笑む先生のお姿を皆様とともにいま一度思い浮かべ、この議場からお送りしたいと思います。

 北村誠吾先生、どうぞ安らかにお眠りください。(拍手)

     ――――◇―――――

 情報監視審査会会長の情報監視審査会令和四年年次報告書についての発言

議長(細田博之君) 情報監視審査会会長から、去る八日、議長に提出された情報監視審査会令和四年年次報告書について発言を求められております。これを許します。情報監視審査会会長小野寺五典君。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔小野寺五典君登壇〕

小野寺五典君 情報監視審査会は、去る八日、審査会規程第二十二条第一項の規定に基づき、令和四年年次報告書を取りまとめ、直ちに細田議長に提出いたしました。

 当審査会の活動は原則非公開でありますが、本報告書は、公表できることは公表するとの方針の下、国民に対する情報開示に極力努めたものであります。

 以下、その概要を御報告いたします。

 本報告書の対象期間は、令和四年四月一日から本年五月三十一日までであります。

 まず、この期間における調査の経過について申し上げます。

 昨年六月、政府から国会報告を受領するとともに、政府に対して調査に必要となる資料の提出を求め、十月に、高市国務大臣から国会報告について説明を聴取いたしました。

 十一月には、特定秘密保護制度の運用や検証・監察の結果について、内閣情報調査室及び独立公文書管理監から説明を聴取し、質疑を行いました。

 その後、特定秘密を指定している十二の行政機関から、特定秘密の指定や適性評価の実施の状況等についてそれぞれ説明を聴取し、質疑を行いました。

 加えて、本年五月には、内閣衛星情報センターへの委員派遣を行い、現地で特定秘密の提示を受け、説明聴取及び質疑を行いました。

 こうした調査を実施する中、昨年十二月、海上自衛隊において、特定秘密保護法施行以来初となる特定秘密の漏えい事案が明らかになりました。

 当審査会は、漏えい事案が生じたことを重く受け止め、防衛省から説明を聴取するとともに質疑を行うなど鋭意調査を進めた結果、防衛省における情報保全体制等の改善が必要であると認め、本年一月、細田議長を通じて、浜田防衛大臣に対し、特定秘密保護制度の運用について改善すべき旨の勧告を行うとともに、勧告の結果取られた措置について報告を求めました。

 本勧告では、退職自衛隊員に対する情勢ブリーフィングの実施状況等の調査、厳格な規範の策定等について措置すべきものと勧告しております。これを受け、四月に、防衛省から、勧告の結果取られた措置について報告がなされました。

 次に、調査の結果としての政府に対する意見について申し上げます。

 当審査会として政府に早急に対応することを求めるものは五項目十一件であり、その主な内容は、

 各行政機関は、初の特定秘密漏えい事案が生じたことを重く受け止め、特定秘密の取扱者に対する情報保全教育を徹底するとともに、再発防止のための保全措置の在り方について検討すること、

 各行政機関は、特定秘密に係る漏えい等の重大事案の発生を認知した場合には、当該事実等を審査会に対し早期に報告すること、

 各行政機関は、適性評価の実施件数及び評価水準等の妥当性について改めて確認すること

などであります。

 情報監視審査会といたしましては、当審査会に与えられた特定秘密保護制度の常時監視という使命に深く思いを致し、議員各位の御理解と御協力を得ながら、引き続き国民から信頼されるよう、十全にその役割を果たしていく所存です。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

議長(細田博之君) 日程第一とともに、日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略し、両案を一括して議題とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 日程第一 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、参議院送付)

 日程第二 令和五年三月予備費使用に係る低所得者世帯給付金に係る差押禁止等に関する法律案(地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員長提出)

議長(細田博之君) 日程第一、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案、日程第二、令和五年三月予備費使用に係る低所得者世帯給付金に係る差押禁止等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員長橋本岳君。

    ―――――――――――――

 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案及び同報告書

 令和五年三月予備費使用に係る低所得者世帯給付金に係る差押禁止等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔橋本岳君登壇〕

橋本岳君 ただいま議題となりました両法律案につきまして申し上げます。

 まず、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして、地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革を総合的に推進するため、地方公共団体等の提案等を踏まえ、地方公共団体に対する義務づけを緩和する等の措置を講じようとするものであります。

 本案は、参議院先議に係るもので、去る六月一日本委員会に付託され、翌二日岡田国務大臣から趣旨の説明を聴取し、八日、質疑を行い、これを終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。

 次に、令和五年三月予備費使用に係る低所得者世帯給付金に係る差押禁止等に関する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 本案は、令和五年三月予備費使用に係る低所得者世帯給付金の支給を受けることとなった者が自ら給付金を使用することができるようにするため、給付金の支給を受ける権利の差押え等を禁止するとともに、給付金として支給を受けた金銭等について、差押えを禁止するほか、非課税とする措置を講ずるものであります。

 本案は、去る六月八日、地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会におきまして、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。

 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第二につき採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件

議長(細田博之君) 日程第三、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長竹内譲君。

    ―――――――――――――

 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔竹内譲君登壇〕

竹内譲君 ただいま議題となりました承認を求めるの件につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本件は、従来から講じてきた北朝鮮との間の輸出入禁止等の措置が四月十三日に期限を迎えるため、四月七日の閣議において更に二年間延長することを決定したことから、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるものであります。

 本件は、去る六月六日本委員会に付託され、翌七日に西村経済産業大臣から趣旨の説明を聴取いたしました。九日に質疑に入り、質疑終局後、採決を行った結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) 採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第四 性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案(西村智奈美君外十三名提出)

 日程第五 性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案(新藤義孝君外五名提出)

議長(細田博之君) 日程第四、西村智奈美君外十三名提出、性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案、日程第五、新藤義孝君外五名提出、性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。内閣委員長大西英男君。

    ―――――――――――――

 性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案及び同報告書

 性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔大西英男君登壇〕

大西英男君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 初めに、新藤義孝君外五名提出の法律案は、性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進を図るためのものです。

 次に、西村智奈美君外十三名提出の法律案は、性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進を図るためのものです。

 西村智奈美君外十三名提出の法律案は去る五月二十六日、新藤義孝君外五名提出の法律案は六月七日、それぞれ本委員会に付託されました。九日、提出者新藤義孝君及び西村智奈美君からそれぞれ趣旨の説明を聴取した後、質疑を行いました。

 次いで、新藤義孝君外五名提出の法律案に対し、自由民主党・無所属の会、日本維新の会、公明党及び国民民主党・無所属クラブの共同提案により、「性同一性」の文言を「ジェンダーアイデンティティ」に改めること等を内容とする修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑を終局しました。

 質疑終局後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、西村智奈美君外十三名提出の法律案は賛成少数をもって否決すべきものと決しました。次に、新藤義孝君外五名提出の法律案については、自由民主党・無所属の会、日本維新の会、公明党及び国民民主党・無所属クラブの共同提案による修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) これより採決に入ります。

 まず、日程第四、西村智奈美君外十三名提出、性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、日程第五、新藤義孝君外五名提出、性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第六 平成三十年度一般会計歳入歳出決算

      平成三十年度特別会計歳入歳出決算

      平成三十年度国税収納金整理資金受払計算書

      平成三十年度政府関係機関決算書

 日程第七 令和元年度一般会計歳入歳出決算

      令和元年度特別会計歳入歳出決算

      令和元年度国税収納金整理資金受払計算書

      令和元年度政府関係機関決算書

 日程第八 平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書

 日程第九 平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書

 日程第十 令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書

 日程第十一 令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書

議長(細田博之君) 日程第六、平成三十年度一般会計歳入歳出決算、平成三十年度特別会計歳入歳出決算、平成三十年度国税収納金整理資金受払計算書、平成三十年度政府関係機関決算書、日程第七、令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和元年度特別会計歳入歳出決算、令和元年度国税収納金整理資金受払計算書、令和元年度政府関係機関決算書、日程第八、平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書、日程第九、平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書、日程第十、令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書、日程第十一、令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書、右各件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。決算行政監視委員長江田憲司君。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔江田憲司君登壇〕

江田憲司君 ただいま議題となりました平成三十年度決算外五件につきまして、決算行政監視委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、決算等の概要について申し上げます。

 第一に、平成三十年度でありますが、一般会計決算額は、歳入百五兆六千億円余、歳出九十八兆九千億円余であり、特別会計決算総額は、歳入三百八十一兆千億円余、歳出三百六十八兆九千億円余であります。国税収納金整理資金は、収納済額七十八兆二千億円余、支払い命令済額及び歳入組入れ額七十六兆八千億円余であり、政府関係機関決算総額は、収入一兆二千億円余、支出一兆円余であります。

 次に、国有財産増減及び現在額総計算書の年度末現在額は百八兆五千億円余であり、国有財産無償貸付状況総計算書の年度末現在額は一兆千億円余であります。

 第二に、令和元年度でありますが、一般会計決算額は、歳入百九兆千億円余、歳出百一兆三千億円余であり、特別会計決算総額は、歳入三百八十六兆五千億円余、歳出三百七十四兆千億円余であります。国税収納金整理資金は、収納済額七十七兆四千億円余、支払い命令済額及び歳入組入れ額七十六兆円余であり、政府関係機関の決算総額は、収入一兆二千億円余、支出一兆円余であります。

 次に、国有財産増減及び現在額総計算書の年度末現在額は百九兆八千億円余であり、国有財産無償貸付状況総計算書の年度末現在額は一兆千億円余であります。

 本委員会におきましては、第二百四回国会において財務大臣から概要説明を聴取した後、第二百八回国会において総括質疑を行い、今国会に入り、分科会審査、重点事項審査、全般的審査を行いました。昨十二日、締めくくり総括質疑を行った後、委員長から平成三十年度及び令和元年度決算に関する議決案を提出いたしました。

 以下、議決案の内容を申し上げます。

  本院は、両年度決算について、予算執行の実績とその効果、会計検査院の検査報告などに重点を置いて審議を行ってきたが、さらに改善を要するものが認められるのは遺憾である。

 一 予算の執行状況などからみて、所期の目的が十分達成されるよう、なお一層の努力を要する事項などが見受けられる。

   次の事項がその主なものであるが、政府は、これらについて特に留意して適切な措置を執り、その結果を次の常会に本院に報告すべきである。

  1 予備費の使用については、必要最小限にとどめるべきであり、年度末になって緊急性が認められない多額の予備費の使用決定を行うことがないよう十分に配慮すべきである。

    事業別フルコスト情報の開示については、類似の事業の比較を容易にするための補足情報を拡充するなど、情報の更なる充実を図ることにより、行政活動の効率化・適正化に繋げるべきである。

    決算の意義と重要性を踏まえ、本院の議決を次年度以降の予算編成に反映できるよう決算審議の充実と迅速化に向けて一層協力すべきである。

  2 新型コロナウイルス感染症対策については、罹患後症状に係る実態調査及び病理解明のための調査研究に引き続き取り組むとともに、診療体制を一層充実させるための対策を講じるべきである。

    また、事業者の責に帰すことができない売上げ減少等による経営悪化に対し、借換え支援や事業再生支援等を今後も継続すべきである。

    新型コロナウイルス感染症に係るワクチンについては、ワクチン単価やキャンセルに伴う返還額を含め、ワクチンの調達、在庫管理等に関する情報を公開するべきである。また、今後、同様にワクチン等を調達する場合は、事後の妥当性の客観的な検証が可能となるよう、購入量等に係る算定根拠資料を作成、保存するべきである。

  4 少子化対策については、出産に関する負担軽減の観点から、妊産婦が適切に医療機関を選択できるよう出産費用の見える化を推進するとともに、出産費用の保険適用の導入を検討すべきである。

    また、子育て家庭を支える社会の構築のため、必要な時に時間単位等で利用できる制度創設に向けた基盤整備を進めるべきである。

  5 インボイス制度については、事業者間の情報量や交渉力の格差への対応が重要であることに鑑み、個人事業主等が消費税分を適切に価格に転嫁できるよう小規模事業者等の取引環境の整備に努めるべきである。

  6 ウクライナ避難民の受入れについては、日本国内の身元保証人が十分な経済的基盤を持たない場合を考慮し、その支援体制を更に充実させるべきである。

    技能実習制度については、人材確保の手段として機能している実態を踏まえ、制度の見直しを行うとともに、転籍緩和について検討すべきである。

  7 教職員の働き方改革については、公立学校教員の長時間労働を是正するとともに、適正な時間外勤務手当の支給を行うなど、現行の教員給与制度について、抜本的な見直しを行うべきである。

    教育のデジタル化については、デジタル教科書だけでなく端末の更新費用も無償化するなど、家庭環境等により教育機会の格差が生じないような措置を講じるべきである。

  8 介護保険制度については、各地方公共団体にワンストップの相談窓口を設けるなど積極的な支援に取り組むとともに、家族を介護する介護者への支援を充実させるべきである。

    旧優生保護法による被害者の救済については、一時金の支給対象となる者から確実に請求があり、かつ、着実に支給が行えるよう更なる周知、広報等を行うべきである。

  9 高規格幹線道路等の整備については、地方創生や国土強靱化の観点から、未整備の部分、いわゆるミッシングリンクの早期解消に努めるべきである。

    運送業に係る二〇二四年問題については、中小事業者のガソリン代や人件費の価格転嫁を後押しするために、標準的な運賃がより一層活用されるよう、荷主等に対して制度の周知を図るとともに、長時間の荷待ちや運賃・料金の不正な据置き等の適正取引の阻害行為の疑いがある荷主等に対する是正措置を引き続き講じるなどして、ドライバーの労働環境の改善に取り組むべきである。

  10 FMS調達については、見積段階における必要経費の検討を緻密に行うとともに、我が国の安全保障にとって有益であるかの観点から改めて検討すべきである。

 二 会計検査院が検査報告で指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。

   政府は、これらの指摘事項について、それぞれ是正の措置を講じるとともに、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。

 三 決算のうち、前記以外の事項については不法又は不当な収入支出は認められないため異議がない。

  政府は、今後予算の作成及び執行に当たっては、本院の決算審議の経過と結果を十分考慮して、行財政改革を強力に推進し、財政運営の健全化、行政の活性化・効率化を図るとともに、政策評価等の実施を通じた効果的かつ効率的な行政を推進し、もって国民の信託にこたえるべきである。

 失礼しました。ちょっと抜けがありましたので、補足をいたします。

  3 国土交通省OBによる民間企業への人事介入問題については、同様の事例の有無を可能な限り全省庁で調査するとともに、国民の疑念が生じないよう所要の措置を講じるべきである。

 以上が、議決案の内容であります。

 次いで、討論、採決を行った結果、両年度決算は賛成多数をもって議決案のとおり議決すべきものと決し、両年度の国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書は、いずれも賛成多数をもって是認すべきものと議決いたしました。

 以上、御報告を申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) これより採決に入ります。

 まず、日程第六及び第七の各件を一括して採決いたします。

 各件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立多数。よって、各件とも委員長報告のとおり議決いたしました。

 次に、日程第八及び第十の両件を一括して採決いたします。

 両件の委員長の報告はいずれも是認すべきものと決したものであります。両件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり議決いたしました。

 次に、日程第九及び第十一の両件を一括して採決いたします。

 両件の委員長の報告はいずれも是認すべきものと決したものであります。両件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり議決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(細田博之君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十一分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣   鈴木 俊一君

       経済産業大臣 西村 康稔君

       国務大臣   小倉 將信君

       国務大臣   岡田 直樹君


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