衆議院

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第4号 令和5年12月6日(水曜日)

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令和五年十二月六日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 勝俣 孝明君

   理事 小田原 潔君 理事 城内  実君

   理事 中川 郁子君 理事 藤井比早之君

   理事 青山 大人君 理事 源馬謙太郎君

   理事 青柳 仁士君 理事 竹内  譲君

      上杉謙太郎君    木村 次郎君

      黄川田仁志君    高村 正大君

      島尻安伊子君    鈴木 貴子君

      西田 昭二君    西銘恒三郎君

      平沢 勝栄君    深澤 陽一君

      穂坂  泰君    三ッ林裕巳君

      宮路 拓馬君    若林 健太君

      篠原  豪君    鈴木 庸介君

      松原  仁君    池畑浩太朗君

      和田有一朗君    金城 泰邦君

      浅野  哲君    穀田 恵二君

      吉良 州司君

    …………………………………

   外務大臣         上川 陽子君

   外務副大臣        堀井  巌君

   防衛副大臣        宮澤 博行君

   外務大臣政務官      高村 正大君

   外務大臣政務官      深澤 陽一君

   外務大臣政務官      穂坂  泰君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            川崎  暁君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 池上 正喜君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 北村 俊博君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 藤本健太郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 林   誠君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    有馬  裕君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            長岡 寛介君

   政府参考人

   (外務省経済局長)    片平  聡君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    安藤 俊英君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           鳥井 陽一君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           菊川 人吾君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           杉浦 正俊君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         山田  仁君

   政府参考人

   (環境省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           神谷 洋一君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 前田 光哉君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局次長) 山野  徹君

   外務委員会専門員     大野雄一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月六日

 辞任         補欠選任

  黄川田仁志君     三ッ林裕巳君

  塩谷  立君     木村 次郎君

  島尻安伊子君     若林 健太君

  林  芳正君     西田 昭二君

  鈴木  敦君     浅野  哲君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 次郎君     塩谷  立君

  西田 昭二君     林  芳正君

  三ッ林裕巳君     黄川田仁志君

  若林 健太君     島尻安伊子君

  浅野  哲君     鈴木  敦君

    ―――――――――――――

十二月四日

 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(伊藤俊輔君紹介)(第二七一号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第三三九号)

 同(笠井亮君紹介)(第三四〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三四一号)

 同(志位和夫君紹介)(第三四二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三四三号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三四四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三四五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三四六号)

 同(宮本徹君紹介)(第三四七号)

 同(本村伸子君紹介)(第三四八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

勝俣委員長 これより会議を開きます。

 国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官池上正喜君、大臣官房審議官北村俊博君、大臣官房参事官藤本健太郎君、大臣官房参事官林誠君、北米局長有馬裕君、中東アフリカ局長長岡寛介君、経済局長片平聡君、領事局長安藤俊英君、金融庁総合政策局審議官川崎暁君、厚生労働省大臣官房審議官鳥井陽一君、経済産業省大臣官房審議官菊川人吾君、大臣官房審議官杉浦正俊君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官山田仁君、環境省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官神谷洋一君、大臣官房審議官前田光哉君、防衛省地方協力局次長山野徹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

勝俣委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

勝俣委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小田原潔君。

小田原委員 自由民主党の小田原潔であります。

 質問の機会をいただいて、ありがとうございます。

 二年前まで外務副大臣を拝命しておりました。その就任の頃、日本語版が出た本がありまして、マンディープ・ライ博士というインド系イギリス人、BBCのジャーナリストだった方が書いた「世界を知る百一の言葉」という本があって、外国の方と会うとき、これを必ず参照させていただいています。

 原題はザ・バリューズ・コンパスといって、価値観の羅針盤とでも訳すのでしょうか、それぞれの百一の国について、その国を一言で言うとどういうふうに表せるかというのがあって、二ページか三ページぐらい、その国の解説が書いてあります。例えば、アメリカ合衆国はアントレプレナーシップ、起業家精神。我が国は敬意、リスペクト。パレスチナは教育、エデュケーション。これは、ガザの一人当たりの博士号の数が一番多いからということだそうです。そして、イスラエルは大胆不敵、フツパー。元々はヘブライ語ですが、今は英語としても通用する言葉であります。

 十一月初旬、在京アラブ外交団が衆議院外務委員会の委員長を表敬訪問されました。その席で、代表だったパレスチナ大使は、日本はなぜイスラエルによる虐殺を非難しないのか、アラブ世界を始め世界がずっと日本は中立な平和国家だと信じてきたが、この考えが変わるぞと厳しい口調で問いただされました。修正のない悲惨な写真を見せられたこともあり、我々は、ややたじたじでありました。

 テレビの映像は、我々が普通に見ていると、どちらかというとイスラエルの人権の扱いの方が問題だというふうに伝わっているように思いますが、現実は、我が国が一度もイスラエルを非難していない。この主張に政府はどう答えるか、お答えください。

上川国務大臣 ガザ地区におきましては、これまで、連日にわたりまして、多数の子供たち、また女性、高齢者を含みます死傷者が発生しております。我が国といたしましては、こうした危機的な人道状況につきまして、深刻な懸念を持って注視してまいりました。

 我が国といたしましては、イスラエルが、ハマスの攻撃を受けて、国際法に従って、自国及び自国民を守る権利を有すると認識しているところでございます。同時に、これまでもイスラエルに対しましては、私自身、先般のイスラエル訪問の機会も含めまして、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難した上で、国際人道法を含む国際法に従った対応等を直接要請してまいりました。

 今後の情勢の推移は予断を許さないものの、我が国としては、先ほど述べた立場に基づき、引き続き、関係国、関係の国際機関等との間で意思疎通を行いつつ、全ての当事者に、国際人道法を含む国際法の遵守や、先般我が国も賛成して採択されました安保理決議二七一二号に基づき誠実に行動することを求めつつ、人質の即時解放、人道状況の改善及びそれに資する戦闘休止の合意への復帰、事態の早期鎮静化に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けてまいります。

小田原委員 ありがとうございます。

 その翌週、今度はイスラエル大使が同委員長そして理事を同様の趣旨で訪問されました。同国の行動を正当化する意見を主に、これまた相当激しい口調でおっしゃいました。

 同席してくれている理事の仲間なのでちょっと言いづらいんですけれども、そのとき、お一人の理事が、国連決議についてどう捉えるか、真摯に受け止めてほしいという発言をされました。そうしましたら、同大使は、停戦すれば人質は移動させられ、救出に何年かかるか分からない、皆さんは青いバッジをつけているけれども、そのバッジで拉致被害者は帰ってきたのかというような、かなり辛辣な反論をいただきました。武力による威圧なしに人質は返ってこないということを言いたげな雰囲気を感じました。国民の生命と財産を守る現実的な手段を迷わず選択する国家観を見た思いであります。さらわれた同胞を助けに行かなくてどうして国が信用されるのかと言いたげでありました。

 世の中はガザの現状を注目していますが、十月七日以降のこととして論じているように思えてなりません。本当にそうなのか。一九四八年のイスラエル独立から四度の戦争を経て国家を認めさせ、戦争を起こしてでも領土を広げ、確保してきた時間軸で見るべきではないのか。

 私はどちらの行動も全く肩を持つつもりはありませんが、陸上の国境をできるだけ避けて、東はヨルダン川まで、南はシナイ半島まで、六日間戦争で、あのときは、初めの二日間は世界は何が起きているか分からなかった、次の二日間でどうも戦争をしているぞという感じになった、最後の二日間でやめさせなきゃといって、二日間で計画どおりに領土を広げました。もっと考えれば、二千年迫害されてきた民族の国家観を見た上でこれを考えるべきではないのか。

 重ねて言いますが、肩入れをしているつもりはありませんが、四方をぐるりと敵に囲まれた国が生き延びるということはどういうことなのかという行動の表れではないかと思います。

 また、イスラエルは、ガザ在住のパレスチナ住民に対し攻撃前に逃げろと言いますが、ハマスは言わない。なぜか。地下にいるハマスが地上の同胞を盾にしているのではないのか。イスラエルはその手には乗らない、ちゅうちょしないということではないのか。だからこそ、我々のような第三国がなかなかいい悪いを口にしづらいということだと思います。

 さて、翻って我が国の現状を見ると、我が国のEEZ内に七月に確認された他国の設置したブイ、まず、これは何なのか、ほとんどの国民が知りたがっていると思います。何か意図があって置かれているのか。まあ、意図があるんでしょうね。それは、領土を広げるため、認めるためにマーキングとして置いているのか、それとも、何かの波が出ていて、海底地図とか、海上自衛隊の潜水艦を発見できるようなことをしていないのか、みんなそれが気になると思います。

 こういった調査はしたのでしょうか。また、結果はいかがなものだったのか。また、もし調査をしていないとしたら、それはなぜなのか。教えてください。

林政府参考人 お答え申し上げます。

 当該ブイにつきましては、政府としては、現場での情報収集を始め、様々な角度から調査、分析を行っているところでございますが、情報収集及び分析の内容につきましては、対外的につまびらかにすることは政府の情報収集能力等を明らかにすることになるため、お答えは差し控えますが、我が国としては、引き続き、あらゆる機会を捉え、中国側に対してブイの即時撤去を強く求めていくとともに、ブイの撤去を含め、当該海域において関係国が有する権利及び義務、また、我が国国内法令や、当該ブイの船舶交通や我が国漁業活動に与える影響等も踏まえ、可能かつ有効な対応について、関係省庁で連携して引き続き検討してまいる所存でございます。

小田原委員 調べているかどうかも言えないというお答えだったように聞こえました。

 どうであれ、それが問題のある物体だというふうに認識したのであれば、除去するか、除去だけでなく、昔、ミグ25が不時着したときがありましたが、回収させてもらって中身をじっくり拝見して、何のために使っているのか、その技術力はどうなのか、我が国に脅威が及ぶものなのかというのを調査するべきだと思いますが、もう一度、除去若しくは回収して調査をするつもりがあるのか、教えてください。

林政府参考人 お答え申し上げます。

 調査につきましては、現場での情報収集を始め、様々な角度から行っているところでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、明らかにすることは差し控えたいと思います。

 一方、政府の対応でございますけれども、繰り返しになりますけれども、あらゆる機会を捉えて中国側に対して撤去を強く求めていくとともに、ブイの撤去を含めまして、海域における関係国が有する権利義務、また、国内法令、当該ブイが船舶交通や我が国漁業活動へ与える影響等を踏まえまして、可能かつ有効な対応について、関係省庁間で連携して引き続き検討を進めているところでございます。

小田原委員 善意に解釈すると、心配はないから放っておいているということのようにも考えられますが、では、二個目が設置されたら、十個目が設置されたら、百個設置されたら、千個設置されたら、アカサンゴのときみたいに物すごい勢いで我がEEZ内にブイが設置されたとしても何もしないのでしょうか。教えてください。

林政府参考人 お答え申し上げます。

 仮定の状況に基づいた質問についてお答えすることは困難でございますけれども、政府としては、粘り強く、撤去に向けて最大限の外交努力を行っていく所存でございます。

小田原委員 仮定に基づいた質問に答えられないとおっしゃるのはよく分かります。

 しかし、思い出してください。我々は、アカサンゴを取りに何百そうの船がやってくるという仮定をしたでしょうか。現実に起きたからびっくりして、当時は海上保安庁の船も少なかった、対処のしようがなかった。何とか追い返せるようになったときは、かなりアカサンゴは荒らされた後でした。これが我が国の海域で任務中の潜水艦の中の自衛官に同様の混乱と脅威が及んだときに本当にこの姿勢でいいのかどうか、大変疑問に思います。

 元々、イスラエルの話をしたのは、今までの国会での答弁、松野官房長官は、我が国の許可なくEEZ内に構築物を設置することは国際法上違反だ、国連の海洋法上違反だというコメントをされました。そして、完全に境界が双方が合意していない地域について、抑制義務があるということも聞きました。しかし、抑制義務を遵守するということと、我が国の国民の命が危機にさらされるかもしれないというときに、その構築物を、しかも我が国のEEZ内にあるものを触りもしないというのが本当に国家のやる仕事なのか、大変疑問に思いますが、もう一度、この国際法上の扱いと、そして、我が国が国民の命と財産を守るという本来の仕事の優先順位についてお答えください。

林政府参考人 お答え申し上げます。

 国際法上の問題点でございますけれども、当該海域は、議員御指摘のとおり、日中間の海洋境界が未画定であるところ、日中双方は、国連海洋法条約第七十四条三に従い、最終的な合意への到達を危うくし又は妨げないためにあらゆる努力を払う義務がありまして、中国による今回のブイの設置は、こうした境界未画定海域における国際法上の義務との関係で問題があると考えているところでございます。

 政府の対応としましては、引き続き、あらゆる機会を捉え、中国側に対してブイの即時撤去を求めていく考えでございます。

小田原委員 ありがとうございます。

 だからこそ、私は、イスラエルをかばわない、かばわないと言った上で、余りに国家観、そして国としての国家観を達成させるためのアクションが違い過ぎやしないかということをこの質問で浮き彫りにしたいわけであります。

 海上保安庁の皆さんも、政府に決められたことをやらなければいけないから、例えば、除去してもいい、回収してもいい、そういったものを政府方針として示してくれればできるんだというようなことをレクのときに一生懸命伝えようとしてくれました。

 だからこそ、私は、今日は霞が関の人たちをつるし上げたくてこの質問をしているんじゃなくて、私たち政治家が政府を動かし、どんなときも我が国政府は国民とそして任務中の自衛官を見殺しにしないというアクションの取れる国にするべきだということを訴えまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

勝俣委員長 次に、金城泰邦君。

金城委員 こんにちは。公明党、金城泰邦でございます。

 それでは、通告に従い質疑を行わせていただきます。

 初めに、十一月二十九日、米空軍所属のオスプレイが鹿児島県の屋久島沖に墜落するという事故がありました。お亡くなりになられた乗員の方々に対し、心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈り申し上げます。

 私からは、事故の原因究明と再発防止に関して質問いたします。

 墜落事故に関する最新の捜査状況や、これまでの日本政府の対応、安全性検査の見直しの可能性と、米軍オスプレイの飛行停止について御説明をお願いいたします。

山野政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の米軍オスプレイの事故につきまして、米国東部時間十二月五日、米軍は、捜索救助活動を終了することを決定し、乗員八名全員の死亡を宣言いたしました。

 自衛隊を含め、海上保安庁、米軍、さらには現地の漁業関係者を含む関係者による懸命の捜索救助にもかかわらず、全員が無事に家族の元に帰ることができなかったことは誠に残念でございます。我が国及び地域の平和と安全を維持するため、日夜任務に献身していた八名に対し、心より哀悼の誠をささげます。

 その上で、今般の事故発生を受けまして、米側に対しましては、防衛大臣や外務大臣からの要請も含め、国内に配備されたオスプレイについて、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう正式に要請してきております。

 これらの要請を踏まえ、米側からは、今般事故を起こしたCV22の飛行を現在行っていないこと、事故に関する可能な限り詳細な情報を透明性を持って日本政府に共有する旨、説明があったところでございます。また、日本に配備されている全てのオスプレイは、徹底的かつ慎重な整備と安全点検を行った上で運用されていると説明を受けました。さらに、全てのオスプレイの部隊は、CV22の事故をしっかり踏まえた上で、安全点検及び予防的な整備を継続的に行っているとの説明を受けているところでございます。

 現在、これらを踏まえまして、オスプレイの飛行の安全性を確保するために米国が実施している措置について確認作業を行っているところでございます。

金城委員 今回墜落したオスプレイ機は沖縄に向かっている途中であったということですから、しっかりとした今後の安全対策等に取り組んでいただきたいと思っております。

 次に、政府として、米軍の訓練移転等、沖縄の基地負担の軽減策をこれまで講じていただいていると思いますが、その進捗状況について御説明をお願いします。

山野政府参考人 お答え申し上げます。

 沖縄の皆様には大きな基地負担を担っていただいていることを政府として重く受け止めており、沖縄の基地負担軽減を政権の最重要課題の一つとして取り組んでいるところでございます。

 沖縄の基地負担軽減に当たっては、在日米軍の施設・区域の返還、在日米軍部隊の県外への移転、在日米軍による訓練の県外への移転を中心に進めています。

 これらの取組に関する進捗状況を申し上げますと、まず、在日米軍の施設・区域の返還につきましては、平成二十七年に西普天間住宅地区のほか、平成二十八年に北部訓練場約四千ヘクタールの返還などを実現しております。現在、普天間飛行場の返還に向けて代替施設を建設しているほか、キャンプ瑞慶覧周辺の住宅地区の返還に必要な統合整理事業などを進めているところでございます。

 また、在沖縄米軍部隊の県外への移転につきましては、平成二十六年に普天間飛行場所属の空中給油機十五機全機が岩国飛行場へ移転をしております。現在、沖縄統合計画に基づきまして、在沖米軍の施設や機能を移転する事業を進めるなど、在沖米軍部隊の国外移転の推進に積極的に貢献しているところでございます。

 また、訓練の県外移転につきましては、沖縄県道一〇四号線越え実弾射撃訓練の分散実施、嘉手納飛行場等から本土の自衛隊施設等への航空機訓練移転などを行っているところでございます。

 防衛省といたしましては、今後とも、沖縄の負担軽減が目に見える形で図られるよう、こうした施策に全力を挙げて取り組んでまいります。

 以上でございます。

金城委員 ありがとうございました。今後もしっかりと負担軽減の取組を推進していただきますようお願いいたします。

 質問を変えます。

 日中外交に関して質問いたします。

 二週間前の十一月二十二日から二十三日、二日間、公明党山口代表を始めとする公明党訪中団が中国の北京市を訪問し、中国共産党中央政治局常務委員の蔡奇氏また外相の王毅氏らと会談を重ね、日中首脳会談で確認された戦略的互恵関係の推進に関する意見交換がなされました。

 その内容は、日中与党交流協議会の再開やビザ免除措置の再開、日中関係の発展のための対話機会の確保や青年交流の復活、日本産水産物の輸入規制解除に向けた中国側のモニタリングの機会の確保、東シナ海を平和、協力、友好の海とする共通認識への言及、防衛当局を始め各種交流を通じた信頼醸成の向上や、反スパイ法違反によって拘束されている邦人の早期解放と同法律の予見可能性向上の要請など、多岐にわたる率直な対話、意見交換ができたと考えております。

 今後の日中関係について政府としてはどのように取り組んでいくのか、外務大臣の見解をお伺いします。

上川国務大臣 日中両国間におきましては、様々な可能性とともに数多くの課題や懸案がある中で、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含め対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力し、建設的かつ安定的な日中関係の構築を双方の努力で進めていくというのが岸田政権の一貫した方針でございます。

 こうした中、御紹介いただいたとおり、先般、山口那津男公明党代表が訪中をされました。中国側の要人との間で大変有意義な意見交換が行われたものと承知をしております。政府といたしましても、このような政党間の交流をしっかり後押しをしてまいりたいと考えております。

 私も、先月二十五日でありますが、王毅外交部長と会談をし、両首脳間で確認をされました戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な日中関係を構築するという大きな方向性に沿った日中関係の発展に向け緊密に連携していくことを確認したところでございます。

 グリーン経済や医療、介護、ヘルスケアを始めとする二国間協力の推進や様々な分野における国民交流の拡大につきましても一致しておりまして、今後、適切な時期に開催されます日中ハイレベル経済対話や日中ハイレベル人的・文化交流対話も活用して取り組んでいくところでございます。

 また、ALPS処理水の海洋放出につきましても、日本産食品輸入規制の即時撤廃を強く求めたところであります。また、日中両国は、お互いの立場に隔たりがあると認識をしながら、建設的な態度をもって協議と対話を通じて問題を解決する方法を今後見出していくこととなるということでございます。

金城委員 御答弁ありがとうございました。

 今年は、日中における四つの政治文書のうち、唯一の条約である日中平和友好条約の発効から四十五周年の節目の年であります。この機会を一つの契機とし、将来にわたって日中の相互的互恵関係の深化を図っていただければと思います。

 次に、日米地位協定に関連し、基地周辺における環境問題について質問いたします。

 今年一月、横田基地において、その有害性が指摘され、国際的に規制の動きが強まっている有機フッ素化合物、PFAS汚染水、合計七百六十リットルが漏れ出る事故がありました。横田基地では過去にも、二〇一〇年から二〇一二年にPFASを含む泡消火剤の漏出が三件、二〇二〇年五月から十一月に消防車両から泡消火剤の漏出が三件など、泡消火剤や汚染水の漏出事故がありました。

 しかしながら、十一月十七日の木原防衛大臣の記者会見では、米軍横田基地で有機フッ素化合物、PFAS入り消火剤に汚染された水が漏出した問題については、米側に事実関係を確認中だが、まだ情報提供はないとのことでした。

 また、沖縄におきましても、普天間飛行場や嘉手納基地の周辺の飲料水にも使われている水源において目標値を上回るPFOS濃度が検出されており、周辺住民の方々は不安を感じている状況がございます。

 環境省は、超過地点周辺における対応として、PFOS及びPFOAに関する対応の手引きを作成しており、継続的な監視調査の実施と、調査範囲の拡大と追加的な調査の実施を推奨しております。沖縄県としても、手引に基づき、継続的な調査や調査範囲を拡大した追加的な調査を実施しておりますが、米軍基地周辺の超過地域においては基地内への立入調査が許可されていないこともあり、現場の自治体主導では原因究明が難航している状況がございます。そのため、政府として原因の究明に積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 また、原因が究明されるまでは継続的な調査と汚染水の浄化処理が必要となります。このような状況に対しまして、政府としても何らかの対策を講じるべきではないでしょうか。例えば、民間企業が率先してPFAS等の浄化技術を開発していることも報じられており、このような民間企業の社会問題解決に寄与するような取組に対し、政府としても積極的に支援し、活用していくこともその一つだと考えます。政府の見解をお伺いします。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 暫定目標値を超過する濃度のPFOS及びPFOAが地下水等から検出された場合は飲み水としての利用を控えるなど、暴露防止を確実に実施することが重要と認識しております。

 さらに、環境省が設置した専門家会議によって本年七月に取りまとめられたPFASに関する今後の対応の方向性におきまして、PFAS対策技術等も含め、国内外の科学的知見を継続的に収集することが必要とされたところでございます。これを踏まえ、環境省として、科学的知見の継続的な収集と関係自治体等への情報提供を行うなど、国民の安全、安心のための取組を進めてまいります。

 答弁は以上です。

上川国務大臣 PFASをめぐります問題につきましては、地元住民の皆様が大変大きな不安を抱えていらっしゃると承知をしております。外務省といたしましては、関係省庁と連携しながら、政府一丸となって真剣に取り組んでいるところでございます。

 日米間では、環境に関する協力の枠組みとして、環境補足協定や日米合同委員会合意が存在をしております。在日米軍は、これまでも、PFASの漏出が起こった際には、日米間の合意に従い、日本側に通報を行ってきておりまして、地元からの御要望がある場合には、環境補足協定に基づきまして、地元自治体とともに米軍施設・区域内への立入り等を実施してきているところでございます。

 政府といたしましては、地元の方々の不安また関心にしっかりと応えられるように、こうした枠組みが運用されていくことが重要であると考えております。引き続き、日米合同委員会及びその下に設けられました環境分科委員会の枠組みを通じまして、協議、対処していく考えでございます。

金城委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

勝俣委員長 次に、源馬謙太郎君。

源馬委員 立憲民主党の源馬謙太郎です。

 まず、大臣に伺いたいんですが、今の岸田内閣に対する国民の不信感、そして政治に対する不信感というのが大変大きくなっていると思います。

 この一つの大きな原因は、自民党の派閥によるパーティーで、裏金をつくったり、キックバックがあり、それが裏金になっていたのではないかという疑惑、これは特捜も動いているというふうに聞きますが、一日も早く説明責任を果たして明らかにして、そういったことがないという、今までの経緯がどうだったのかも含めて、国民に対して明らかにする必要があるというふうに思います。

 大臣にお伺いしますが、大臣は岸田派の派閥でキックバックを受けたことはありますか。

上川国務大臣 個々の政治団体の活動でございまして、政府の立場としてお答えをすることにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。

源馬委員 大臣、それでいいんですか。

 私は、今、大臣がキックバックを受けたことがあるかを聞いていて、政府の立場を聞いているわけではないんです。

 実際に、西村大臣も説明されています、自身はないと。それから、宮下農水大臣も委員会の場で答弁しています。鈴木総務大臣も、ないと委員会の場で明言されています。

 大臣だけお答えを控えてよろしいですか、国民が見ている前で。

上川国務大臣 一連の個々の政治団体の活動に関係することでございまして、政府の立場としてお答えすることにつきましては差し控えさせていただきます。

源馬委員 なぜ答えられないのか、国民に分かるように説明していただけますか。

 大臣が一政治家として派閥のパーティーでキックバックを受けたことがあるかないか、なかったらないで済む話じゃないですか。なぜ答えを差し控えなきゃいけないのか。ほかの大臣も答えていますが、上川大臣だけお答えを差し控える理由は何ですか。

上川国務大臣 私自身、この場に外務大臣として立たせていただいておりますので、この委員会におきまして、私自身、政府の立場ということの中での答弁というふうになろうかと思います。

 個々の政治団体の活動につきまして、その意味で、政府の立場としてお答えすることにつきましては差し控えさせていただきます。

源馬委員 いや、政府の立場で伺っているわけじゃないんですよ。

 実際、ほかの委員会でも、ほかの大臣も答えていますし、これまでも予算委員会で、数々、個人の政治家としての活動についても質問があり、それにはほとんどの方が答弁されています。今回の問題で答弁していないのは、松野官房長官と、今、上川大臣だけじゃないですか。

 なかったらないとお答えした方がいいんじゃないですか。

上川国務大臣 繰り返しの答弁になろうかと思いますけれども、私自身、今の立場は政府の立場でございまして、今、個々の政治団体の活動に関わることでございますので、これにつきましては差し控えさせていただきたいと、ちょっと繰り返しになりますが、そのような形での、私自身、答弁をさせていただきます。

源馬委員 それは、委員会だからということですか、大臣の立場というのは。

上川国務大臣 この場はそのような形で呼ばれておりますので、その意味で、政府としての立場で答弁をさせていただくのが筋ではないかというふうに私自身は思っております。そのような意味で、今申し上げた答弁をさせていただき続けております。

源馬委員 では、個別の記者会見とかぶら下がりならお答えになるということですね。

上川国務大臣 いろいろな場がございますけれども、今申し上げたように、この場におきましては政府としての立場ということでございますので、その答弁につきましては差し控えさせていただきたいと思います。

 これに関連する御質問も含めて、今この場で私自身が政府の立場で答弁するということについては、差し控えさせていただきます。

源馬委員 ですから、政府の立場としての答弁は差し控えていただいて結構なんですが、一政治家としての立場でお答えいただきたいと思います。

 私が伺っているのは、政府の立場としての上川大臣に伺っているわけではなくて、一政治家、しかも、要職に就かれている、当選回数も多い、上川陽子先生に私は伺っているわけで、キックバックを受けたことがあるのかないのか。それは、政府の立場としてじゃなくて、一政治家としての立場でお答えいただきたいと思います。

上川国務大臣 この委員会に私自身が呼ばれているということにつきましては、外務大臣として呼ばれているというふうに認識をしておりまして、この場におきまして今御質問がございますが、この立場でお答えをするということが私の使命というふうに思っているところでございますので、先ほど来同じ答弁を繰り返させていただいてまいりました。

源馬委員 では、委員会では、個人のお考えは、これまでも今後も一切述べないということでよろしいですか。いろいろ御答弁の中で、私個人はというお話もきっとあると思いますが、私もこれから調べますが、そういう発言は一切しない、あくまでもずっと政府の立場として答弁、これからも、今後何を聞かれても、政府の立場として答えるということでよろしいですか。

上川国務大臣 今回の関係につきましては、個々の政治団体の活動に係ることでございますので、一義的には、政治団体の活動そのものをつかさどるところが所掌することだというふうに思います、答弁することだと思います。それについての御質問も関係してくることでありますので、この場においては政府の立場でお答えをすることは差し控えさせていただきたい、こう申し上げているところであります。

 今何でもかんでも全てというふうなことについての御質問のように受け取られましたけれども、答弁の中で、感じていることについて、今日の答弁ということではないんですが、外交に係る御質問の中で、個人の一議員として活動してきたこと一切をここで話さない、こういう趣旨ではございません。外交に関わることについては、その関係の中で答弁はさせていただきたいというふうに思っております。

源馬委員 では、外交に関わること以外は答弁しないんですね。それとも、今回の派閥のことについてだけ差し控えさせていただきたいということなんですか。それとも、外交に関わることなら個人の意見は言うが、外交に関わらないことは個人の考えはこれからも一切答弁しないということでよろしいですか。

上川国務大臣 御質問の趣旨がちょっとよく分からないんですけれども、今申し上げたのは、今、個々の政治団体、派閥云々の話がございましたので、その活動についての関連する御質問という意味で、政府の立場としてお答えすることは差し控えるという立場でこの場に臨ませていただいている、そういう趣旨でございます。

源馬委員 派閥の活動に関して聞いているんじゃないんですよ。大臣がキックバックを受けたことがあるかないかを聞いているんです。これは派閥の活動ではないんですよ。大臣が政治家としてキックバックを受けたことがあるかないかを聞いているんです。

上川国務大臣 その意味におきまして、これは関係することでございますので、政府の立場として今ここに臨んでいる私といたしましては差し控えさせていただきたい、こういうことを申し上げているところであります。

源馬委員 政府は、質問があったら答弁する義務があるんじゃないですか。勝手に、このことについてはお答えを差し控えさせていただくというのを乱発したらよくないと思いますよ。しかも、ほかの大臣も答えているわけですから、余計怪しくなりますよ、そこで絶対に自分だけは答えないとなったら。今後何か出てきたときに余計立場がまずくなるんじゃないですか。ないならないと言ったらいいじゃないですか。それとも調べてもいないんですか。

上川国務大臣 この場につきましては、外務大臣としての立場で答弁をさせていただくというのが原則であると私は思っておりまして、その意味で、今申し上げたようなことを繰り返し申し上げているところでございます。

 そうした使命感を持って私も臨ませていただいておりますので、その意味で、繰り返しになるのを避けさせていただきますが、そういう立場でございます。

源馬委員 今日はせっかく辻副大臣以外の政務三役にお越しいただきましたが、まさか上川大臣が、非常に真摯な答弁をしてくださるのかと思ったら、こんなに木でたかをくくったような、ほかの大臣は答えているのに自分は絶対答えない、こういう答えをされるとは思いませんでした。きっと、大臣がそうなら、ほかの政務三役もそういう方針なのかなというふうに疑わざるを得ません。

 堀井副大臣に伺いますが、キックバックを受けたことはありますか。派閥の活動がどうかではなく、堀井副大臣が個人として。安倍派ですから、今一番問題になっていますね。キックバックを受けたことはありますか。

堀井(巌)副大臣 お答え申し上げます。

 個々の政治団体や個人の政治活動について、政府の立場としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

源馬委員 個人の政治活動についても答弁しないんですね。それはおかしいと思いますね。

 派閥の中でいろいろ、今回のキックバックだけじゃなく、資金提供もあると思うんですね、寄附なんかも。そういったことは安倍派ではありましたか。

堀井(巌)副大臣 先ほど申し上げましたように、個々の政治団体の活動につきまして、私の方で政府の立場として答弁をすることは差し控えたいと思います。

源馬委員 政府の立場として答えなくていいです。堀井副大臣のお立場で、堀井さんという参議院議員のお立場で、派閥から資金提供を受けたことはあるか、しかもそれは全てちゃんと記載しているかどうか、お答えいただきたいと思います。安倍派の活動について聞いておりません。

堀井(巌)副大臣 私は今外務副大臣としてこの場に呼ばれております。政府の立場としてお答えすることは差し控えたいと存じます。

源馬委員 このやり取りを見ていたら、本当に国民の皆さんの不信感はますます増しますよ。(発言する者あり)本当にそうだと思います。

 総理大臣も、ちゃんと事実を明らかに説明するようにというふうな指示をしていると思うんですよね。でも、上川外務大臣は、そして堀井副大臣もそうですが、真面目で本当に真摯な方かと思いきや、全く答弁もされず、ほかのことなら個人的なことも答えるかもしれないけれども、この派閥のことについては一切答えない。国民が見る目がどうなるか想像できませんか、大臣。

上川国務大臣 繰り返しで大変恐縮でございますが、ここに私が立っていることは、外務大臣として委員会で答弁をするということのミッションを担ってここに立たせていただいているところでございます。その意味で、この委員会におきまして、御質問が重ねてございますけれども、政府の立場としてお答えすることについては差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

源馬委員 質問したことに答えていただきたいんですけれども、国民が見たらどう思うと思われますか、このやり取りを。

上川国務大臣 いろいろな御意見があろうかと思います。私自身、申し上げたとおり、外務大臣としてこの場に立たせていただいている、この使命感で私も立たせていただいておりますので、その意味で、その部分を大切にしてまいりたい、こんなふうに思っているところであります。

 国民の皆様がそれを見てどのように評価をされるのかということについては、国民の皆さんお一人お一人、見ていらっしゃると思いますので、御意見はあろうかと思いますが、私の方からそれに対して何か申し上げるということについては、今いろいろな御意見があろうかというふうに思います。

源馬委員 いろいろな御意見どころか、いろいろな御意見があると思うというところで、もう国民感情を分かっていないんですね。ほとんどの方がおかしいなと思っていますよ。

 松野官房長官の会見もそうですし、今の上川大臣の答弁の様子や安倍派の堀井副大臣の答弁の御様子ですね、なかったらないと言えばいいじゃないかと思う方が大半だと思います。それすら分からず、様々なことを考えると。中には、そうだ、答えなくていいんだというふうに思っている人もいるかのような考えは、まさしく国民の感情を分かっていないんじゃないかなというふうに思います。大変残念です。

 ほかの副大臣、政務官にもいろいろ聞きたかったのですが、どうせ同じことを言うんでしょうから、お越しいただきましたけれども、これで結構です。

 この点については、引き続きいろいろな場でも、それから、御自身がおっしゃったとおり、派閥の方でしっかり解明をしていくということもあるんでしょうから、それはしっかり待ちたいと思います。

 ちなみに申し上げますが、私の方から申し上げるのもちょっと僭越ですけれども、例えば予算委員会やほかの委員会でも、政府の立場だから答えないなんて言っているのは余りないですよ。いろいろお答えになっていますよ。特に国民の関心が高いことについては、それでも一切答えないということではなく、答える閣僚の方がほとんどですよ。そこはしっかり対応していただきたいと思います。

 それでは、時間がなくなりましたが、ちょっと外交関係を聞いていきたいと思います。

 この前、日中外相会談がありました。先ほど小田原先生からも質問がありましたけれども、ブイについてですね。これはいつまでに撤去させるんですか、大臣。

上川国務大臣 中国によります当該ブイの設置でございますが、これは一方的な現状変更の試みでありまして、全く受け入れることができません。

 日本側からは、直ちに抗議をするとともに、先般、これは十一月十六日でありますが、日中首脳会談で岸田総理から、そして十一月二十五日、日中外相会議におきまして私から王毅部長に対しましても直接、ブイの即時撤去を求めたところでございます。

源馬委員 だから、いつまでに撤去させるんですか。

上川国務大臣 我が国といたしましては、引き続き、あらゆる機会を捉えまして中国に対しましてブイの即時撤去を強く求めていくとともに、ブイの撤去を含めまして、当該海域におきまして関係国が有する権利及び義務、また、我が国の国内法令、また、当該ブイが船舶交通や我が国漁業活動へ与え得る影響等も踏まえまして、可能かつ有効な対応について、関係省庁間で連携をして引き続き検討を進めてまいりたいと思っております。検討しているところであります。

源馬委員 私は、これは小田原先生と全く一緒の意見ですけれども、とにかく遅いし、本当に、中国に撤去させるだけではなくて、何なら日本独自にやはり撤去した方がいいというふうに思っています。

 済みません、もう質問が残り少ないんですが、やはり、各副大臣、政務官にお越しいただいたので。

 堀井副大臣は伺いました。麻生派の高村政務官、岸田派の深澤政務官、それから穂坂政務官は無派閥ですが、それぞれ、派閥のパーティーでキックバックを受けたことがあるのか、伺っておきたいと思います。

 この答えも、外務委員会の政務三役だけどういう対応をするかというのも、多分国民の皆さんが見ます。ほかの委員会では答えています。それで、大臣はああいう答弁でしたけれども、この外務委員会の政務三役はみんなそろって不誠実な対応をするのか、それとも、ないならないとはっきり言っていただけるのか。国民の皆さんも関心が高いと思いますので、それぞれ伺いたいと思います。

高村大臣政務官 お答えいたします。

 個々の政治団体の活動について、政府の立場としてお答えすることは差し控えたいと思います。

 私自身は、ここに外務大臣政務官であるから呼んでいただいていると思っております。済みません。

深澤大臣政務官 個々の政治団体の活動につきましては、政府の立場としてお答えすることは差し控えさせていただきます。

穂坂大臣政務官 個々の政治団体の活動について、政府の立場としてお答えすることは差し控えたいと思います。

源馬委員 非常に不誠実ですね。その姿も国民の皆さんに見ていただけたのかなと思います。ないならないと言った方がすっきりすると思いますけれどもね。

 時間が来ましたので、終わります。

勝俣委員長 次に、青山大人君。

青山(大)委員 十一月二十四日、外務省領事局旅券課から各都道府県宛てに、次のような注意喚起の文書が出されました。今般、東京都パスポートセンター(池袋分室)の委託職員一名が、個人情報が記載された附箋紙一枚を窃取した事件が発生した。事件を受け、外務省としては、全都道府県に対し注意喚起を行ったところです。

 内容は、東京都に対し、誠に遺憾である旨を伝えるとともに、個人情報の適切な管理を徹底し、再発防止について強く申し入れるとともに、全都道府県に対して、旅券関係業務の民間委託に当たっては日本国籍者に限定するよう、また、改めて個人情報の適切な管理を徹底するよう注意喚起するものですとありますが、この通知が出された背景について詳しく教えてください。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 東京都の発表、説明によりますと、東京都旅券課池袋分室、池袋パスポートセンターにおきまして、外国籍の委託職員一名が、業務上知り得た個人情報が記載された附箋紙一枚を窃取した事件が発生し、十一月二十四日、書類送検されたと承知しております。

 東京都によりますと、当該委託職員は中国籍であり、窓口において旅券発給申請書等から氏名、住所、電話番号等の個人情報を書き写す等して持ち出していたと承知しております。

 持ち出された個人情報の第三者への流出は確認されていないと承知しておりますが、外務省として、今般のような事件が発生したことは誠に遺憾であり、東京都に対し、その旨厳しく伝えるとともに、個人情報の適切な管理を徹底し、再発防止につき強く申し入れたところであります。

 また、旅券事務は、旅券法に基づき、国から都道府県への法定受託事務とされており、さらに、都道府県の判断により民間委託を行っておりますが、外務省といたしましては、今回の事件を受けまして、全ての都道府県に対し、旅券関係業務の民間委託に当たっては日本国籍者に限定するよう、また、改めて個人情報の適切な管理について注意喚起を行ったところでございます。

青山(大)委員 何名ぐらいの個人情報が書き写されたのかということと、東京都ではいつからこの旅券業務を民間委託していたのか、また、本業務に携わっていた外国籍の数、事件当時はもちろん、それ以前について、何人ぐらいいたのか、お伺いいたします。

安藤政府参考人 まず、民間委託でございますけれども、東京都は、平成十年度から旅券の窓口業務の民間委託を行っているものと承知しております。

 外国籍者の人数でございますが、今般の事件が発覚した本年三月当時、東京都の旅券事務所における外国籍の委託職員は、今般の事件の被疑者一名のみでございまして、現在はいないと承知しております。それ以前につきましては、東京都によれば、外国籍の委託職員は確認できていないということでございました。

青山(大)委員 たまたまその一名の方がさっき答弁してもらった大体千九百人分ぐらいの情報を書き写していたと。これは本当にその人個人の仕業だったのか、それとも何か組織的な背景があるのか、そういうふうに疑われるべきところもありますけれども。

 ちょっと東京都の事例は今一旦おいておきまして、東京以外で、こういった旅券業務を民間委託している事例はほかにもあるのか、又は、そうした中で外国籍の者が携わっているような事例はあるのか、これも事実関係を伺います。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 旅券関係業務につきましては、旅券法に基づき、国から都道府県への法定受託事務とされておりまして、現在、二十七の都道府県におきまして窓口業務等を民間委託してございます。

 東京都以外につきましても、旅券の窓口業務に携わっている外国籍者は現時点で確認されておりません。

青山(大)委員 では、今回の事案以外に、旅券業務者、これは国籍を問いませんけれども、こういった外部へ個人情報が出ていってしまったケースはあるのでしょうか。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、旅券関係業務に従事する者によって個人情報が漏えいした事例はないというふうに承知してございます。

青山(大)委員 一連のやり取りを伺った後で、大臣にちょっと御質問なんですけれども。

 千九百人分の情報を中国籍の方が一人で取った、今現在では更に第三者への漏えいはないというようなことも答弁もあったけれども、果たしてそうなのかと思いますし、そもそも、今、東京都以外は、民間委託したところもあるんだけれども外国籍の方はいないというような状況もあったわけですけれども、大臣に、今回の事件についてどういった感想といいますか認識を持っているか、まずはお伺いいたします。

上川国務大臣 今回の事件が発生したこと自体につきましては、誠に遺憾であると考えております。外務省といたしましては、東京都に対しまして、その旨厳しく伝えるとともに、個人情報でございますので、適切な管理を徹底すること、そして再発防止につきましては強く申し入れたところでございます。

 今委員から御質問の中にもございましたが、今般の事件を受けまして、全都道府県に対しまして、旅券関係業務の民間委託に当たりましては日本国籍者に限定するように、また、改めて個人情報の適切な管理を徹底するように注意喚起を行ったところでございます。

青山(大)委員 ちょうど先日も、中国籍の方がマイナンバーカードの偽造をしていたといった事件も起きていますし、外務省は在外公館でも、例えば中国大使館でも、当然、中国人の方も雇っているわけでございますし、特に、今回のパスポートというのはもちろん個人情報ですけれども、国内だけに収まる話ではございません。

 私、結構これは大変な事件だなという認識なんですけれども、大臣、その辺の認識はいかがでしょうか。

上川国務大臣 私も、非常に機微にわたる情報の一つであるというふうに認識しておりまして、プライベートな情報も含みますので、こうしたことが既にもうそうした窓口から流出しているということ自体を取ってみても非常に問題であると思いますし、また、民間委託ということの現場でございますので、その限りにおきましては、徹底して管理をしていく必要性については更に厳重にしていく必要があるということを強く認識しているところであります。

青山(大)委員 あとは、これはやはり、今回もそうですけれども、マイナンバーの件はたまたまかどうかは分かりませんけれども、中国籍という方がこういう事件を起こしている。そういったことについて、外務大臣として、何か警戒ですとか危機感などは持っていらっしゃるのでしょうか。

上川国務大臣 パスポートは国の国境を越える一つの大きなインフラでございますので、この信頼性を高めていくためには、やはり業務を扱っている者がどういう方なのかということについては極めて慎重に取り扱わなければいけないものであると私自身は考えております。その意味で、国籍のところについては非常に丁寧にやっていく必要があるというふうに思っております。

 今、中国籍ということで、今回一件限りということでありますが、それが他のパスポート発行の窓口の中でも起きる可能性について、あるということも想定しながらリスク管理を徹底していく必要があろうか、こんなふうに思っております。民間委託の場合には、国籍について、他国籍の方にそれを扱わせるということはもちろんのこと、現場の管理の徹底については更に厳重にしていく必要がある、こんな認識をしているところでございます。

青山(大)委員 しっかり対応してほしいという話。

 次の質問に行きます。

 中国関係ですけれども、十月中旬頃から、中国北部で子供の間で肺炎等の呼吸器疾患が急増して、肺炎の集団感染が生じている。今、中国北部から南部や内陸などでも感染拡大が見られる、ほとんどが呼吸器疾患の患者とのことでございます。

 今月に入って、高齢者への感染が広がるおそれも中国内では指摘されている、そういう状況があって、周辺の国や地域でも警戒に努めており、台湾では、国や港湾での水際対策の強化、高齢者や幼児に対しては不要不急の渡航の自粛を求めていたりとか、インドでは、モディ首相が各州に対し感染拡大に備えるような警戒を呼びかけています。

 こういった中国における子供を中心に肺炎などの呼吸器疾患の症例が急増している中で、今の中国の現状について、政府の認識、見解をまずはお伺いいたします。

鳥井政府参考人 お答えいたします。

 今般の中国での小児の呼吸器感染症の増加につきましては、季節性インフルエンザウイルス、肺炎マイコプラズマを始めとする既知の病原体によるものでございまして、現時点で新たな感染症の発生を疑う情報はないものと承知をいたしております。

 いずれにいたしましても、厚生労働省におきましては、WHOや中国政府などからの直接的な情報収集や、国立感染症研究所等の専門家を通じた情報収集を継続的に行っておりまして、SNSでの発信や事務連絡の発出などにより、国民、医療従事者、地方自治体に向けての情報提供を行っております。

 引き続き、WHOや在外公館、外国政府や実務者ルートでの多角的な情報収集を進めますとともに、必要があれば情報発信をしてまいりたいと考えております。

青山(大)委員 新型ではない既知のウイルスということですけれども、これから年末にかけて、年末年始、そして春節にかけて、多分多くの中国の皆さんたちが訪日されるというふうに予想されますけれども、もちろん、新型コロナウイルス程度の水際対策はまだしも、何かしらそういった水際対策等をする必要もあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

鳥井政府参考人 お答えいたします。

 検疫での対応でございますけれども、私どもは日頃から、サーモグラフィーにより発熱の疑いがある者や体調不良の申告があった方に対しては、検疫官が質問等により健康状態の確認を行っております。また、本年五月八日より、海外から流入が懸念される病原体等の調査を行います入国時感染症ゲノムサーベイランスを実施しているところでございます。

 これらの取組の状況、また、先ほどお答えいたしましたとおり、新たな感染症を疑う情報がないことも考慮しますと、現時点で検疫を強化すべき状況にはないと判断をいたしております。

 しかしながら、渡航者に対する注意喚起というものは、これは厚生労働省におきまして、検疫所のホームページにWHOの情報を掲載し、中国への渡航者に対して情報提供を行っております。また、外務省におきましても、在中国大使館及び総領事館から、中国に滞在中の邦人や滞在予定のある邦人に対し、基本的な感染対策などを呼びかける領事メールを発出したと承知をいたしております。

 引き続き、こうした取組を徹底いたしますとともに、WHOや在外公館、外国政府などから多角的な情報収集を進めてまいりたいと考えております。

青山(大)委員 今現在はそういう答弁かもしれませんけれども、私は、いつでも水際対策を、必要によってはできるような体制にしてほしいなと思いますし、今、WHOという言葉が出てきたので、この質問は終わりにします。

 最後の質問ですけれども、私も何人かから言われますのが、来年に向けて、何かWHOの方でパンデミック条約というのを締結するような、今各国でいろいろな交渉を行っているというふうに聞いています。

 パンデミック条約が可決された場合について、いろいろなうわさといいますか、情報が今世間的に出されているんですけれども、そもそも、このWHOのパンデミック条約とは一体いかなるものなのか、どういう目的で今議論されているのかということを、ちょっと今のところの現状認識をお伺いさせていただきます。

上川国務大臣 現在、WHOにおきまして議論されておりますパンデミック条約でございますが、新型コロナ感染症のような世界に甚大な影響を与える感染症に対しましては国際社会が一致して対応する必要がある、そうしたことに応えるものであるというふうに思っております。

 そして、パンデミック条約の目的でございますが、まさに、パンデミックを予防し、世界の健康危機への対応能力を構築し、強化するといった目的でありまして、今その作成に向けまして交渉が行われている状況でございます。

 日本といたしましては、こうした感染症危機への対応等を強化するという目的につきましては賛同しておりまして、このパンデミック条約に向けた交渉に積極的かつ建設的に参加してきている状況でございます。

青山(大)委員 これは参考人で結構ですけれども、パンデミック条約、今の議論をしている流れでいつぐらいに締結されるのかどうか、そういった事務的なスケジュール感を、参考人の方で結構ですので、教えてもらえればと思います。

北村政府参考人 お答えいたします。

 この条約交渉でございますけれども、二〇二一年十二月のWHO総会において、新たな文書作成のための政府間交渉会議を開始するということが決定をいたしました。それで、第一回の交渉会議が二〇二二年二月に開催されておりまして、これまでに計七回の会議が開催されてきているところでございます。

 現状では、来年、二〇二四年五月の第七十七回WHO総会において成果物を提出するということを目指して議論がなされているところでございますけれども、まだ、最終的な着地点というかゴールは予断を許さない状況でございます。

青山(大)委員 パンデミック条約が仮に可決された場合ですけれども、WHOの方針がそれぞれの国の政府の方針を上回って、国家の自主性や国民の基本的人権よりも優先される可能性、果たしてこういうことがあるのかについて、大臣の見解をお伺いいたします。

上川国務大臣 今答弁の中にございましたとおり、パンデミック条約につきましては、現在、参加国の間で議論が行われているところでございます。

 この議論の中には、各国の国内法や他の国際的な枠組みとの関係で問題が生じないかといった観点も含まれていると承知をしているところでございます。また、委員御指摘のように、WHOによります国家主権の制限、基本的人権の侵害について懸念を生じさせたり、パンデミックに際しての各国の自主的な判断を妨げるような内容、また各国への罰則につきましては、議論は行われておりません。

 日本といたしましては、日本の国益を確保する上でも、パンデミックの予防、備え及び対応を強化するために国際的な規範を強化することが重要であるという立場でございまして、先ほど申し上げたとおり、引き続き、本件交渉に対しまして建設的に貢献をしてまいりたいというふうに思っております。

 このパンデミック条約の交渉の経緯や議論の概要等につきましては、外務省のホームページへの掲載等を通じまして情報を提供しているところでございまして、今後とも丁寧に必要な情報提供に努めてまいりたいと考えております。

青山(大)委員 今大臣の方からは、パンデミック条約が締結されても、国家の自主性や国民の基本的人権よりも優先される可能性はないということでよろしいですね。

上川国務大臣 今御指摘のような観点での議論は、今のところ行われておりません。ただ、多分そういう形で進められるものと承知をしております。

青山(大)委員 同じく、先ほども答弁がありましたように、WHOがパンデミックに関する判断基準の決定を下し、WHOの方針や対策が法的な拘束力を持つことはないということでよろしいですよね。WHOがワクチン接種などの措置を命じた場合、加盟国はこれに従わないと罰則を受ける可能性、こんなことはないということでよろしいでしょうか。

上川国務大臣 現在のところ、そうした論点からの議論は行われていないものと承知をしております。

青山(大)委員 大臣、何か世間でそのような心配の声、懸念をする方もおりますし、先ほどもこういった条約の議論の過程を広く公開していくような話もおっしゃっていましたけれども、いろいろなうわさとかがないように、是非、もっともっと丁寧に説明をしていって、公開できることは公開してほしいと思っていますけれども、そういった丁寧な進め方について努めてほしいと思っていますけれども、いかがでしょうか。

上川国務大臣 まさに一人一人の健康に関わることでもございますし、また、一回COVID―19で経験したことでございます。その問題意識の上で、今回のパンデミック条約の立案過程が、今行われているということでございますので、丁寧に、しっかりオープンにしてまいりたいと思います。

青山(大)委員 ありがとうございました。

 大臣から、そういった懸念のことはないと本当に明確な答弁もいただけましたし、是非これからも努めてほしいと思います。

 私、これは質問通告していませんので答弁は要りませんけれども、そのように明確にお答えされるんですから、先ほどの政治団体の資金パーティーのキックバックの問題、もちろん、外務委員会では、大臣というお立場で答えられないという答弁だったんですけれども、どこかで、記者会見等を含めて、そういった今のように明確なコメントを発してほしいなと要望し、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

勝俣委員長 次に、青柳仁士君。

青柳(仁)委員 日本維新の会の青柳仁士です。

 質問に入る前に、先ほど来から、政治と金の問題について明確な答弁がないというやり取りがなされております。

 私、この外務委員会に入ってから二年ちょっとぐらいたつんですけれども、この外務委員会の問題点として感じているのが、非常に議論が形骸化しているなと思うんですね。私も党内の役目の問題で、いろいろな委員会で質疑させていただいているんですけれども、こんなにまともな議論がなされない委員会はないなと正直感じております。

 外交上の理由で答えられないというような話もありますけれども、それは何もかも国民に対して説明しなくていいということにはなりませんし、どこまでの情報を出す出さないを、答弁をする方であるとか外務省が一方的に決めていいというルールは一体どこにあるのかなと常々思っておりました。

 この点は、是非実質的な議論が行えるように、今、私、この委員会の理事も務めさせていただいておりますが、我が会派の方からもしっかりと申し入れていきたいと思っております。

 それから、もう一点。今ちょっとお戻りになりましたけれども、これも以前からそうなんですが、委員会のときの与党の出席者の数が少ないと思っております。今さっきまで七人おられませんでした。野党側はほとんどいるという状況です。

 委員会を成立させるのは、一義的にはやはり与党の責任なんじゃないかと思うんですけれども、こういう態度で、しっかりした質疑、意味のある質疑をやる、それを野党だけに求めるというのは、これはやはり政府・与党の責任放棄じゃないかと思うんです。こういうことをしっかりやらないと、我々としても誠実に向き合うということが難しくなっていきますので、これは与党、政府の方もしっかりと考えていただきたいなと思います。

 その上で、私の通告した質問をさせていただきますが、まず、政府開発援助ですね、ODA。

 これについては、よく、いろいろな報道発表を見ると、大臣あるいは総理がどこどこへ行きました、そして、何か幾ら幾らを渡す約束をして帰ってきましたというような報道がされることがあります。外務省のホームページを見てみますと、必ずしもそんな淡泊な説明をしているわけではないんですけれども、実際、報道ではそういうふうに報道されることが多いです。

 そういうものを見たときの国民の反応の多くは、また日本が世界にお金をばらまいているなと。私がこの間SNSで見たコメントでは、岸田総理は、日本の国民にはお金を巻き上げて、そして海外にそれをばらまくんだ、こんなコメントもありました。総理と今の政権に対するやり方に関しては、我が党としても是々非々でございますので、駄目なところは駄目だともちろん思っておりますが、その点に関しては、ある種の誤解なのではないかと思っているところです。

 やはり、海外にODAを行って、どれぐらいの資金のODAをどのように行うかというのは、そもそも予算要求とかその前の計画で決まっている話を執行している話ですから、あるいは約束に基づいて戦略的に行っている話ですから、そういった背景にあるストーリーをしっかりと説明しないと、ただ単に外国にお金がばらまかれていると言われてしまうんじゃないかと思うんです。

 この点も先ほどの話とちょっとつながるんですけれども、外務省がどういうことを今やろうとしているのかをこういう場でもってきちんと国民に説明しないから、まさに外務委員会というのは国会ですから、国家の主権者たる国民に対して説明をする場ですよね。こういうところでしっかりと情報を出してちゃんと説明をしないから、何のためにやっているのか分からない、背景にあるストーリーが分からない、だから、お金をばらまいているようにしか見えないんじゃないかと思うんです。

 ですから、そういった背景にある、外交が今全体として何をしようとしているのか、外交、安保戦略等の理解を深めて、それとひもづけてODA、政府開発援助を説明していくべきじゃないかと思うんですが、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

上川国務大臣 もちろん、ODAは公的な資金を原資としている、皆さんの税金ということでございまして、国民の理解と協力に支えられてこそ初めて意味があるということについては、私自身もそう強く認識しているところでございます。

 そして、そうした意味で、ODAに当たりましては、対外公表におきましても、意義も含めまして丁寧に説明することについては非常に重要であるというふうに考えております。

 この点も含めまして、私自身も積極的な広報をしてまいりたいと所信の中でも感じてきているところでございますので、できるだけ様々なチャネルを利用して、こうした努力をしてまいりたいというふうに思っております。

 また、最近は、ODAのホームページやSNSでの発信や動画コンテンツの制作、イベントの開催を通じましても、多くの皆様に分かりやすく丁寧な発信をしようということで努力しているところでありますので、できるだけ効果も上がることができるようにしてまいりたいというふうに考えております。

青柳(仁)委員 国民の理解を広める、深めるためには二つ要素があると思っていて、大臣が今最後の方に御説明になった、広報としてより多くの方により深く知っていただくようなツールを整備するという話も大事なんですけれども、それ以上に、外務省あるいは外交として今何をやろうとしているのか、その情報をしっかりと出していくということ、これがやはり大事だと思うんです。隠すばかりが国のためにはなりません、ちゃんと国民の理解を得なかったら外交なんて成立しませんから。

 その一番重要な場が、まさにこの外務委員会だと思うわけです。与野党共に、委員の皆さんはとてもいい質問をされていることがすごく多いです。しかし、それに対する答えが本当に残念。毎回聞いていて、残念だなと。今日もたくさん思いました。ですから、そこはしっかり見直していただきたいなと思います。

 ODAに関連しまして、二つ目の質問をさせていただきます。

 国益として今何をしようとしているのか、そういう戦略とひもづけて開発援助というのは話していく必要があるんじゃないかというふうに申し上げましたが、その戦略というときに、国内向けの戦略と海外向けの戦略とあると思うんです。

 今、防衛三文書、昨年改定されまして、その中で、やはり総合的な安全保障、経済安全保障だとかエネルギーの安全保障だとか、そういう全体的な、軍事に限らない安全保障であるとか、それから、いわゆるインテリジェンスと言われるような情報収集だとか、そういう知見に関する強化の観点が非常に重要になってきているという状況があります。

 これらについては、今回のODA大綱の改正の中でも、そういう経済安全保障等の文脈に絡めた形でODAがより戦略的に使われるようにというような文脈は読み取れるんですけれども、例えば、これまでJICAの現地の事務所とか派遣専門家、あるいは青年海外協力隊といった方々は、今でも世界中に散らばっていて、現場でいろいろなことをやっております。

 私も昔、アフガニスタンに、JICAの事務所にいたことがありますが、現場の人というのは、多分皆さんが想像しているよりもはるかに多くの情報を持っています。

 特に、例えば、当時、日本から、役所を退職されて、農業省の大臣のアドバイザーで行かれていた方がいたんですが、彼は、アフガン政府の中に部屋がないので、大臣と部屋をルームシェアしていました。ですから、大臣のしゃべっている電話とかが全部聞こえる。そして、誰が会いに来たかも全部知っている。そして、どんな書類をやり取りしているかというのもみんな知っていました。それは言わないんですけれども、ただ、一緒に御飯を食べたりして、笑い話の中では、こんなことがあったんだよ、あんなことがあったんだよとたくさん聞きました。

 そういう例は実はそんなに珍しくありません。いろいろな途上国の中で、派遣されている専門家であるとかJICAの職員は、単に、その情報を今外交に活用していない、国際協力の上では必要ない情報だから使っていないだけで、情報自体は実は現場の人はたくさん持っています。

 ですから、全然使われていない情報資産というものを既に日本は持っているということを考えていって、これは国際交流基金とかジェトロとか、その辺も一緒だと思うんですけれども、是非そういうことをしっかりと外交に生かしていくというのが、これからの例えば範囲の広がった経済安全保障とか、そういった観点では重要になってくるんじゃないかと思うんですけれども、この点についても大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

上川国務大臣 我が国の開発協力の在り方に非常に貢献し得る可能性について委員に触れていただきましたけれども、私自身も、現場主義に基づくということ、そして、それに基づいて、現地そして関係する者の対話と協働によって相手国に合ったものを共につくり上げていく、こうしたやり方、仕組みにつきましては、本当に日本が開発してきた非常に大事な財産だなということを感じているところであります。

 このよき伝統を大切にするという視点が重要ではないかと思っておりまして、JICAの現地の事務所、専門家の皆さん、青年海外協力隊の皆さんが現地で途上国に寄り添う形の中でこそ初めて得た信頼、こういったものがあるということについては大変な強みであると感じております。

 また、二〇二二年十二月の国家安全保障戦略を踏まえまして改定されました新たな開発協力大綱におきましても、重点政策の一つとして、質の高い成長の中で、開発途上国の食料、エネルギー安全保障など経済社会の自律性や強靱化の強化を掲げ、サプライチェーンの強靱化や多様化、重要鉱物資源の持続可能な開発、食料の安定供給や確保に取り組んでいくこととしたところでもございます。こういういろいろな分野におきましても、まさに情報こそが極めて重要であるし、その情報も、人と人との信頼に裏づけられた情報が大変重要であると認識をしているところであります。

 JICAの現場力は重要なアセットであるというふうに私も思っておりまして、我が国の幅広い国益にも資する戦略的な開発協力を推進していくためにどのように活用できるのか、積極的に考え、行動してまいりたいと考えております。

青柳(仁)委員 まさに今大臣がおっしゃった、信頼関係に基づく情報というのが非常に重要だと思うんです。やはり、信頼関係のない相手にはうそばかり言いますし、相手の利益ではなくて、こちらの利益だけのことを言うでしょうから。そういう信頼関係がこれまでのODAの中でも様々な国で培われてきているということ、このアセットは、余りそれを戦略的にし過ぎると、今度は、日本人と仲よくすると情報を抜かれるとか、中国みたいにされても困るんですけれども、そういうアセットもしっかりあるということを認識して動いていくことが重要じゃないか。

 もう一つ申し上げると、例えば、私がアフガニスタンにいたときには、当時のJICA理事長の緒方貞子さんと一緒にお仕事をさせていただいておりました。緒方さんは、アフガニスタンに来ると、アフガニスタンのどんな要人であってもすぐにアポイントメントが取れました。どんなに忙しくても、カルザイ大統領であっても一日でアポイントが取れました。これは、当時のオバマ大統領でも数週間かかったアポイントメントがすぐ取れたんですね。かつてUNHCRの代表をされていたときに、クルド難民の救った方の中にカルザイ大統領の親族の方が含まれていたということを随分恩義に感じておられたようで、そういうこともありました。

 先ほどの農業大臣のアドバイザーの件もそうですが、人徳と能力のある方は日本の中にもたくさんおられます。そういった方々が海外で築いていく人脈、そこから得られる情報というのはやはりかけがえのないものだと思いますので、是非、そういうことも踏まえて、生きた戦略を考えていただきたいなと思います。

 少し話は変わりまして、もう一つ、グローバルな視点でどういう外交戦略をつくっていくか、これも非常に重要な問題です。

 今、気候変動の問題が非常に盛んで、COPも最近行われたばかりですけれども、サステーナビリティーと言われる国際潮流が非常に今大きく世の中を席巻してきております。元はといえば、気候変動もジェンダーも、みんなこの辺から来ている話なんですが。

 最近では、IFRS財団がこういったサステーナビリティーの取組に関する企業を測る指標というのを統一しようということで非常に大きな動きを見せていたり、日本のほとんどの大企業ももう既にこういったサステーナビリティーレポートを作成したりして、単にお金もうけではなくて、自分たちのビジネスが世の中にどう役に立っているのか、そういういわゆる社会価値をベースにお客さんに選ばれたり投資家に選ばれたり、こういうマーケットメカニズムが少しずつでき上がってきております。

 ですから、まさに今、世界に対して開発援助をやるんだ、あるいは世の中に対していいことをやるんだといったときに、必ずしも、政府とかあるいはJICAとか、そういうところに就職しようとする若者は減っているんだそうです、マイナビとかリクルートから聞いた話なんですけれども。

 なぜなら、今、各企業でも、サステーナビリティーという中で、独自のビジネスを通して世の中をよくしよう、世界のために何かをしようということをやっているわけですから、そっちでやっていこうという方がかなり多くなってきた。また、スタートアップでも、ソーシャルスタートアップといって、世の中のためにスタートアップを起こす、こういう若者が増えてきております。

 そういった中にあって、日本のODAも開発援助も、今までどおり、ODAはODA、民間のやっているそういうボランティアみたいなものはボランティア、もはやボランティアではないんですけれども、サステーナビリティーはサステーナビリティーという考え方だと、世の中に大きなインパクトを出すことはできないんじゃないかと思うわけです。

 そういった中で、昨年、JICAがサステナビリティ・レポートというものをようやく作成いたしました。これは、先ほど申し上げたとおり、民間の大企業であればほぼ全ての企業が作成しているものです。内容を私も拝見しましたけれども、企業が作成しているものに比べると精度等は様々な御評価があろうかと思うんですけれども、こういった取組自体は非常に重要であろうというふうに個人的には考えております。

 これらのサステーナビリティーという取組は、日本は、一つの省庁が受けているわけではなくて、少なくとも外務省、経産省、環境省、金融庁にまたがる課題であります。今回のこのサステナビリティ・レポート、あるいは、日本の開発援助というものをサステーナビリティーという文脈で様々な日本の企業あるいは世界の企業とともに進めていく、こういう取組について、各省からの評価を、今の受け止めを教えていただければと思います。

北村政府参考人 お答えいたします。

 サステーナビリティーということでございますけれども、まず二つお答えしたいと思います。

 一つは、JICAの取組ということでございまして、JICAは、今委員おっしゃいましたとおり、二〇二一年からサステナビリティ・レポートというものを発刊し始めました。そして、今年の四月にはサステナビリティ推進室というものも新しく立ち上げまして、つい先月にはそのための指針を新たに出したということで、サステーナビリティーに対する取組を強化しているということは外務省としても非常に歓迎しているところでございます。

 新しい大綱の下でまさに出された新しいJICAのサステーナビリティー指針には、気候変動とか環境といったような地球課題に加えて、ジェンダー、人権、平等というようなことも入っておりますので、そういうものをODA、開発協力を進めていく上でも推進していきたいというふうに考えております。

 もう一つ、委員御指摘の外部との取組ということで、まさに、今回、六月に改定しました新しい開発協力大綱におきましても、そういう民間資金との連携、外部のステークホルダーとの連携が非常に重要だというふうにうたわれているところでございます。

 それは、途上国の開発あるいは地球規模課題の対応にはODA、公的資金だけでは必ずしも十分ではない、そういうODAを呼び水にしながら、我が国の民間企業を含む多様な主体との間で連携していくことが重要だという発想に基づいているものでございますので、外務省としましても、この新しい大綱の下に、そういった発想の下で、民間あるいはNGO、それ以外の様々な方々との連携を強化して開発効果を最大限に発揮できるように進めてまいりたいと考えております。

青柳(仁)委員 経産省と環境省、金融庁の方からもそれぞれお願いします。

菊川政府参考人 経済産業省でございます。

 先ほど外務省がるる述べられたとおりだと思います。

 JICAに関しましては直接所管する立場ではないので、なかなか評価は難しいところでございますが、先ほど委員の方からも御指摘があったとおり、国際的にサステーナビリティーに関する要請が非常に高まっているということでございます。そういう中で、JICAがこのような形でサステーナビリティーに関する方針、活動内容を積極的に開示するということにつきましては、JICAと連動して途上国を含めた海外で事業を行う日本企業の活動を一層後押しするということにもつながることかと思います。

 私自身もこの二〇二三のレポートを拝見させていただきましたが、個別の企業名は書いておりませんけれども、様々な事例が載っております。そうした中で、連携をしてサステーナビリティーにつながっていく、これは非常に重要な取組だということかと思います。

 なお、委員の方から、IFRS財団のサステーナビリティーに関する取組状況の御発言がございました。今その開示基準を順次開発されているわけですけれども、経産省といたしましても、IFRSの開示基準の開発にも大きく貢献をしようとやってきているところでございます。企業に対しましても、ベストプラクティスの共有といった取組、こういったところを通じて、サステーナビリティー情報の開示を推進させております。

 本年二月にSX銘柄といったものも創設させていただいておりますけれども、こういった様々な政策ツールを用いまして、経済産業省としましても、JICAのこういった積極的なすばらしい取組と相まって、企業の持続的な企業価値向上に向けた取組をしっかり支援していきたいというふうに考えております。

神谷政府参考人 議員が御指摘いただきましたとおり、気候変動を始めとしまして、サステーナビリティーの重要性が国際的に増しておる中、環境省としては、国際的な開示の枠組みを踏まえながら、気候変動、生物多様性といった環境上の諸課題に関する開示が一層拡充していくことが望ましいと考えております。

 JICAのサステナビリティ・レポートについては、気候変動について対策を定めるとともに、国際的な開示枠組みであるTCFD提言を踏まえた情報開示を行っておられます。また、生物多様性に関する取組についても開示をされておりまして、さきに述べた国際潮流に沿ったものであると理解しております。

 また、環境省とJICAの共同事業として、途上国における都市間連携事業というのを行っておりまして、途上国と日本の都市が協力して気候対策を進めるというような事業も進めてございますので、こういったことも含めて、今後、JICAとの連携を一層深めてまいりたいと考えてございます。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 国際協力機構のJICAにおかれましては、人間の安全保障を始め、持続可能な世界の実現に向けて早くからサステーナビリティーに係る取組を精力的に進められておって、国際開発金融機関や民間企業等と連携をしながら、開発途上国に対してSDGsに関する資金協力、技術協力、専門家派遣等の事業を多面的に推進していただいているというふうに認識しております。こうしたJICAの業績や成果等が本レポートを通じて国内外に適時に発信されているということは大変重要なことであろうというふうに考えてございます。

 また、JICAにおかれましては、国際開示基準を踏まえた正確かつ透明性のある情報開示に取り組まれていると伺っておりまして、例えば、金融安定理事会、FSBでありますが、の下に設置されました国際的な枠組みでございます気候関連財務情報開示タスクフォース、TCFDとよく言われておりますが、こちらの提言を参考に、気候変動に係る事業の機会やリスクを分析、検討しつつ、情報開示が進められているものと承知をしております。

 金融庁といたしましても、引き続き、JICAと連携を強化しながら、特に金融面でのサステーナビリティーに係る取組を進めてまいりたいと考えてございます。

青柳(仁)委員 どうもありがとうございました。

 JICAの取組がどうこうというより、こういったサステーナビリティーの潮流というのは次の世界の競争ルールにつながってくる話だと思うんです。今、COPの中でも、ちょっと前までは、もうEVじゃないと駄目だというような論調が非常に多かったものが、ウクライナとロシアの問題が出てきたら、LNGと原発はグリーンであるとか、何か急によく分からない話になってきたりとか、地球温暖化、気候変動ということを対処しなきゃいけない。これはそうなんですけれども、そのルールをどうするかという話の中ではいろいろな政治性というのが出てきますので、これを後追い、後追いでやっていますと、日本は企業も国としてもどんどん追い込まれていくんじゃないかと思うんです。

 ですから、そのルールを作る、先んじて入っていくことが何よりも重要で、そのためには、今、民間企業はみんな待っていますけれども、こういう民間で取り組んでいる先進的な方々と話ができる共通言語、それがこのサステーナビリティー、JICAでいえば、全然まだまだ不十分だと思いますが、まずはサステーナビリティーだと思いますし、そういった取組もしっかり政府としてやっていくことが極めて重要だろうと思っております。

 時間もなくなりましたので、一問飛ばさせていただいて、ちょっと話を変えて、日本のアフガニスタン支援について御質問させていただきたいんです。

 二〇〇一年にタリバン政権が崩壊をしまして、その後、タリバンが政権復帰するまでの間、約二十年間、日本政府は約六千億円のお金を、これは税金ですね、アフガン支援に投じてきました。ところが、二十年間支援したんですが、私も現地にいたことがあるんですが、私が現地にいたときにやっていたプロジェクトはことごとく消滅しました。今は跡形もありません。

 当たり前ですね。ガバナンス支援とかをやって、例えば、財務省のお金の管理を教えるだとか、警察をトレーニングするとかをやっていたんですけれども、そんなものが全部なくなっちゃったわけです。タリバン政府になってしまってみんな全く違う仕組みになりましたから、成果がほとんど全部なくなったんです。

 これは、ですから、日本だけでどうにかなる問題ではもちろんないんですが、ただ、結果だけ見ると、六千億円を投じて成果はほとんどなかったんじゃないかと私は思っているんですが、このアフガン支援に投じてきた支援の成果をどういうふうに総括しているか。

 それから、今パレスチナ問題、ウクライナ問題等々ありますが、今後の平和構築や復興支援を行う上で、こうしたアフガン支援から得た点、どういう反省すべき点があるか、あるいは、今後に生かせるような点がある、そのように考えているかについてお伺いできればと思います。

北村政府参考人 お答えいたします。

 現場にいらっしゃった委員の方からの御質問ということでございますけれども、まさに、おっしゃるとおり、二〇〇一年以降、日本はアフガニスタンに対して様々な援助を行ってきたところでございます。

 具体的には、アフガニスタンの持続的、自立的な発展のための人道、保健、教育、農業、農村開発、そして治安維持能力向上、女性の地位向上、これは申し上げるまでもないことかと思いますけれども、こういう様々な分野で行ってきた支援というものは全て国民生活の向上に主眼を置いたものでございます。そういう意味で、当時あるいは現在も国民あるいは国際社会からは高い評価を受けているというふうに考えているところでございます。

 その意味で、アフガニスタンは、タリバンによる制圧というものはございましたけれども、同国の平和と安定あるいは成長を支える人づくりという意味においては一定の成果を上げることができたのではないかというふうに考えているところでございます。

 その上で、この困難な国際情勢の中にありまして、日本は、国際社会の一員として、引き続きほかの途上国の平和構築あるいは復興にも取り組む必要性がございます。それは今の委員御指摘のとおりでございます。

 そうした支援を行っていく際には、支援対象国が我々が考えている以上に政治的、社会的、経済的に非常に高い脆弱性を有しているということを十分に認識、留意する必要があろうかと思っております。その上で、現地のニーズ、優先課題を踏まえて、その国の安定が地域さらには国際社会の安定につながるように、引き続き貢献をやっていきたいと考えているところでございます。

青柳(仁)委員 時間がなくなってまいりましたので、今の御答弁は実はかなり私としては疑問がたくさんありまして、細かく一つ一つ申し上げていると時間がありませんので、また次回の質疑の機会にさせていただければと思います。

 最後の質問で、大臣に一問だけお伺いしたいんです。

 今、イスラエルとパレスチナの紛争が続いております。これに対して様々な方策で取り組んでいるところだというふうに承知しておりますけれども、どういった終結の在り方があり得るか。停戦なのか、この今の非常に人道的な危機が生じているわけですけれども、どういった方向に向かい、どういった終結をすることが望ましいと大臣としてはお考えか、お伺いできますでしょうか。

上川国務大臣 イスラエル、パレスチナをめぐる情勢につきましては、我が国といたしましては、一貫して、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難した上で、人質の即時解放、一般市民の安全確保、そして全ての当事者が国際法に従って行動すること、事態の早期鎮静化を図ることを求めてきてまいりました。この状況が推移をしていることでございまして、予断を許さない状況にあることは御承知のとおりでございます。

 今、戦闘休止の状況を破りまして再度の戦闘状況にあることについては大変憂慮しているところでございまして、何としても、人道状況の改善と人質の即時解放に資する戦闘休止の合意への復帰、そして、事態の早期鎮静化に向けまして、外交努力を粘り強く積極的に続けていく必要があるというふうに考えております。

 停戦に至るまでは、非常に複雑な背景事情もございますし、また今次の事案の経緯もございまして、それをすぐにということについてはなかなか難しい中におきまして、いろいろな知恵を出しながら、人道的休止、ヒューマニタリアンポーズという形での可能性を追求し続けてきたということでございますので、一つ一つの成果を積み上げていく努力ということについては、そして、そのための環境整備、環境確保ということについては、これからも積極的にしてまいりたいと思っております。

 そして、将来的に、イスラエルと、将来独立したパレスチナ国家が平和かつ安全に共存する二国家解決を支持する、この立場は一貫しているところでございますので、この間、平和と繁栄の回廊構想など日本の独自の取組も進めてきて、この実現に向けての貢献をしてきたところでもございますので、こういった方向性に向かって、全力でこの問題につきましても向き合ってまいりたいと思っております。

青柳(仁)委員 時間がなくなりましたので終了しますが、今日ちょっと積み残した疑問点、それから通告した質問については、また別の機会にやらせていただきたいと思います。

 終わります。

勝俣委員長 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 外務委員会での質問は本日が初めてでございますので、作法等いろいろとまだよく分からないところもありますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 今日は、人権デューデリジェンス、そして、現在も行われているCOP28を含む今後の環境対策について、大きく二つのテーマで質疑をさせていただきたいと思うんですけれども、その前に、私も一言申し上げさせていただきたいのは、先ほど青柳委員も冒頭触れられておりましたし、源馬委員の質疑に対する政務三役の皆様の答弁内容を聞いておりまして、もう少し委員の質問に誠心誠意答える答弁の在り方はないものかなというふうに感じました。

 確かに、政務のお立場でこの答弁席にお座りになられていますので、基本的には外務に関する内容に関する答弁をするのが適切というふうに私も感じるところではあるんですが、やはり、政務三役に就いている皆様自身の適格性をしっかりとこの委員会の場で説明いただくことも重要な責務かと思いますので、この委員会の中でとは申し上げませんが、この場では答弁は控えるけれども、例えば、今後、しっかり調査をしたならば、しかるべきところでその責任を果たしていくような意思はせめて示していただきたかったというふうに思いますので、今後の答弁に当たっては、お互い信頼関係を持ってやり取りができるように、是非、誠心誠意御答弁いただけることを望みたいと思います。

 それでは、本題に入っていきたいと思いますが、まず、人権デューデリジェンスについて、今日は経済産業省にも来ていただいておりますので、参考人の方にも伺っていきたいと思いますが、人権デューデリジェンスというのは、そもそも、企業や組織が、自らの活動やそのサプライチェーンにおいて、人権を尊重して、人権侵害を防止するためのプロセスだということであります。具体的には、人権リスクの特定と評価、そのリスクへの対応、対応策の効果の追跡、そして報告などが含まれますが、国際的な規範としては、国連が定めたビジネスと人権に関する指導原則があります。

 この人権デューデリジェンスの取組について、欧米では既に義務化や法制化が進みつつあるわけですけれども、我が国においてはガイドラインの作成にとどまっております。政府が作成したガイドラインは法的拘束力を有するものではありませんので、企業活動の現場等で実際の活動に落とし込むことになかなか苦慮しているという現状があります。

 ドイツの法制化過程なども参考にして、まずは、年限を定めて、ガイドラインに基づく企業の自主的な取組状況等を見ながら、その実効性を確認、評価していくというプロセス、これが現実的なのかなというふうに思うんですが、これらの今後の進め方について、政府の考え方を伺いたいと思います。

杉浦政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇二一年に外務省と経済産業省で共同で企業調査を行いました際に、人権尊重の取組が進んでいない企業の約半数からは、これは四八%でございましたけれども、具体的な取組方法が分からないという声が寄せられました。

 また、同調査で、政府に対してどのような御要望があるかということをお伺いしたところ、取組の進んでおられる企業、また進んでいない企業を問わず、自主的な取組のためのガイドライン整備ということを望む声が多く寄せられました。

 こうした声も踏まえまして、昨年九月に、責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン、いわゆる人権デューデリジェンスガイドラインを策定いたしました。

 本ガイドラインでは、国際スタンダードに沿った形で企業による人権尊重の取組を促すということを通じまして、活用する企業の経営リスクの低減及び企業価値向上を通じて、我が国企業の国際競争力強化につながるものと考えております。

 経済産業省におきましては、関係省庁とも連携しながら、企業がガイドラインにのっとり、自社のサプライチェーン上のリスクをしっかりと把握し、総点検をしてもらえるよう、引き続きガイドラインの普及を進めていく考えでございます。

 その上で、今後、国際協調に関する議論など、国内外の動向を踏まえながら、関係省庁とともに更なる政策対応についても検討していきたいと考えております。

浅野委員 ありがとうございます。

 今の答弁を要約すると、約半数がやり方が分からないと言っているからガイドラインを作りました、これからは、このガイドラインの普及に努めると同時に、国内情勢を見ながら、海外も含めた制度の詳細を詰めていきたい、そんな答弁だったかなというふうに思うんですが、もう少し、もう一歩次の質問では踏み込ませていただいて、では、その普及のために何を今政府は考えているんですかということを質問させていただきたいと思います。

 やはり大企業は、自主的にCSRの取組の中でそういった人権デューデリジェンスの取組なども進めていたりしますし、何よりも、それを行うためのアセットがあります。人的アセット、経済的アセット、そして、グローバルネットワークの中でどういう取組を進めればいいかという知見も蓄えていますが、一方で、日本国内の過半数を占める中小企業においてはそういったアセットがありませんので、ガイドラインはあるけれども、人がいない、知識がない、行うための時間やお金がないといったところで、現実問題、足が止まってしまっているという現状があると認識しています。

 それでもなお、普及させなければその先に進めないということも確かなので、そこに対して政府が今どんなことを考え、どんなアクションを取っているのかということについて伺いたいと思います。

杉浦政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、我が国として、また政府として、国際スタンダードに沿った形で企業による人権尊重の取組を促すことで、企業の経営リスクの低減及び企業価値向上を通じて我が国企業の国際競争力強化につなげていくことが重要だと考えておりますが、人権尊重の取組を進めるに当たりまして、特に中小企業におきましては、人材や知見が不足しているといった課題が多いというふうに承知しております。

 先ほど申し上げましたとおり、昨年九月に策定しました政府のガイドラインがございますが、こちらについては、国際スタンダードにのっとると同時に、中小企業等にも分かりやすいように、なるべく多くの具体例を含めたものとさせていただいております。

 また、これのみではなく、本年四月には、経済産業省として、多くの中小企業を始め、これまで本格的に人権尊重の取組を行ったことのない企業がガイドラインに沿った取組を進めやすくなるように、詳細な解説や多くの事例を盛り込みました企業実務者のための参照資料というものを公表させていただきました。

 また、経済産業省としまして、ガイドラインに基づく企業の人権尊重の取組の普及啓発を進める中で、特に中小企業を対象としたセミナーも開催してきております。

 さらに、経済産業省では、国際労働機関、ILOへの拠出を通じて、全国社会保険労務士会連合会と協力しまして、中小企業の人権尊重の取組をサポートできる専門人材の育成を行っているところでございます。

 引き続き、こうしたガイドラインをセミナー等を通じて普及していくことや、先ほど申し上げましたようなILOと協力しての専門人材の育成などに取り組むことで、中小企業の皆様の人権尊重の取組を後押ししていきたいと考えております。

浅野委員 ありがとうございます。

 様々な取組を行っているということなんですが、是非それはそれで進めていただきたいと思うんです。

 ただ、今聞いていて感じましたのは、事例展開だとかセミナー開催というものも、これまで様々な施策の中で、好事例の横展開、あるいは、セミナーを全国で開催してそこに企業に参加していただいたりだとか、相談窓口を設置したりだとかという施策を行ってきているんですけれども、いかんせん参加数が少なかったりだとか、そもそも参加する側が参加するための時間を捻出できないとか、そういった問題が壁になって実効性が確保できないといった反省がこれまでもあったと思いますので、そういった実際に普及に向けてどういう手だてを取ればよいのかという政策策定のプロセスあるいは実行段階において、政府関係者のみならず、様々なステークホルダーが参画することがとても重要だと私は思うんです。

 次の質問、三問目、通告をしてあるんですけれども、政策の策定あるいは実施のそれぞれの段階において、そういった現場の方々も含めたステークホルダーが参画して、どうすれば早く国内の企業の方々がこの問題に取り組めるようになるのかということを推進する体制づくりが重要だと思うんですけれども、その辺りについて答弁をいただきたいと思います。

 事前に聞いていますところ、政策策定プロセスの中ではそういった取組もあるようなんですが、改めてそこも整理をいただいた上で、私が今日聞きたいのは、実施段階、普及させるためのアクションを起こす段階でいかにその実効性を高めるか、そのための対応策について伺いたいと思います。

杉浦政府参考人 お答え申し上げます。

 政策の検討において幅広い意見を取り入れることは重要だということは御指摘のとおりでございまして、先ほど来申し上げております責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン策定に向けた検討会では、専門家、産業界、労働者団体、国際機関など、幅広い有識者により構成される委員と検討を重ねて原案をまとめるとともに、パブリックコメントを実施いたしまして広く意見もいただいたところでございます。

 また、こうした経緯を経て策定されたガイドラインにおきましても、ステークホルダーとの対話は、企業が、そのプロセスを通じて、負の影響の実態やその原因を理解し、負の影響への対処方法の改善を容易にするとともに、ステークホルダーとの信頼関係の構築を促進するものである、人権デューデリジェンスを含む人権尊重の取組全体にわたって実施することが重要であるというふうに明記しておりまして、ステークホルダーとの対話の重要性を強調させていただいております。

 こうしたガイドラインの普及ということにおきまして、先ほど来申し上げておりますように、セミナー等、いろいろな施策を行っておりますけれども、そういったところでもこういった意義を伝えていくことが重要だと考えております。

浅野委員 今日、この後、最後に大臣にも伺いたいと思っているんですが、これから、日本が持っている技術ですとか、そういった産業競争力の源を海外にもっと展開していく際に避けられないのは、やはり、こうした人権デューデリジェンスの取組がいかに日本国内で浸透しているか、徹底されているかというところは、当然ながら国際社会から見られて、それが評価をされることになりますので、是非、今日やり取りさせていただいた中身については、今後経産省の中でもしっかりと推進をしていただきたいですし、今日は時間の関係で議論できなかったのですが、中小企業だけが頑張るだけじゃなくて、先行している大企業と中小企業の連携によるネットワークでの解決といいましょうか、そういった観点からも様々な新たな制度設計を議論する余地が十分にあると思いますので、ここは是非今後とも議論を深めさせていただきたいと思います。

 残りの時間は、COP28の状況であったり環境関係の質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、環境省に伺いたいと思っているんですが、現在COP28が行われていて、先日岸田総理もそちらに行ったということなんですが、国連は、COP28の前、十一月二十日にある報告書を公表しました。それは、各国が二〇三〇年までの温室効果ガスの削減目標を仮に達成したとしても、世界の平均気温は今世紀末までに二・五度から二・九度上昇する見通しだということであります。

 一・五度から二度の間に抑えようという目標が現状達成できないという警笛を鳴らされた格好になるわけですけれども、パリ協定に基づいて各国が目標を策定してそれに取り組んでも、なお今回のような気温上昇の見通しになってしまっている原因が今一体どこにあるのか、まずその原因について答弁いただきたいと思います。

神谷政府参考人 お答えします。

 気候変動に関する政府間パネル、IPCCの報告書によりますと、温暖化を一・五度に抑えるためには、二〇五〇年までにCO2の排出量を正味ゼロにする必要があるとしております。他方、パリ協定に基づいて国が決定する貢献、いわゆるNDCが予定どおり実施された場合の温室効果ガス排出量とのギャップについて、追加的な政策の強化がない場合は、二一〇〇年までに平均二・八度の温暖化になると予測されております。

 こうしたギャップが生じている原因として、IPCCの報告書では、多くの国が二十一世紀半ば前後に温室効果ガス排出量又は二酸化炭素排出量の正味ゼロを達成する意思を示しておりますが、国によって削減目標の規模や具体性が異なっており、また、それらを実現するために実施されている政策も限られていることからと示唆されております。

浅野委員 要するに、各国が同じ粒度といいましょうか、同じ具体性を持って目標を定めていないですとか、その目標水準が国によってまちまちであることが現状の課題だということなんですが、それは今後COPの場などで、是非外務大臣にもそういった各国の取組をできる限り平準化する方向に日本がリードしていっていただきたいと思っていますが、もう一方の視点として、では、そうはいっても、国によって排出量が大きく異なる中で、抑えるべき地域、国というところがあると思うんですね。

 次も環境省に伺いたいと思うんですが、現状、私の手元にある資料ですと、例えば、中国は全世界の三一・八%のCO2を排出している、アメリカがそれに次ぐ二番手で一三・四%、EUが二十七か国全体で七・六%といったような数字が手元にあるんですけれども、中国、アメリカといった国々が排出量を抑えるのはもちろんなんですが、これから成長するアジア圏において今どのような現状なのか、教えていただきたいと思います。

神谷政府参考人 IEAが今年七月に公表したレポートによりますと、二〇二一年におけるアジア主要国のエネルギー起源CO2排出量とその世界に占める割合でございますが、中国は約百六億五千万トンで三一・七%、インドは二十二億八千万トンで六・八%、それから、日本が約十億トンで約三・〇%、韓国とインドネシアがそれぞれ約五億六千万トンで約一・七%となっております。

 アジア地域全体の排出量は約百六十七億九千万トンであり、その世界に占める割合は約五〇・〇%であります。

浅野委員 ありがとうございました。

 今、最後、アジア全体では五〇%ということで、中国も含まれますが、アジア圏内でこの排出量をいかに抑えるかが今後の地球環境にとっては大きな問題だということは既に皆さん周知のことかと思いますが、続いて、最後、残りの時間は大臣に聞いていきたいと思います。

 今やり取りをさせていただいたような現状があり、COP28の前後で表面化したように、各国の目標設定やその進め方がまだまだ均一化が図れていないという中で、では、日本がどのような貢献をこれからしていくのかという部分について、二件、是非お願いしたいと思うんです。

 まずは、最近、カーボンニュートラルの議論が始まって以来、火力発電というものが非常に悪者扱いされているんですが、実は、日本の火力発電技術というのは世界の中でもトップ水準の高効率、低排出の性能を持っていて、確かに火力を使わずにエネルギーを確保できることは望ましいことなのかもしれませんが、そうはいっても、これから火力発電を導入する国々もアジア圏内では多数存在していますので、是非、アジア諸国を始め、多排出国の低炭素化に貢献するこうした技術を積極的にPRしてほしい。

 経産省はこれまでもトップセールスをやってきているんですが、外務省としても様々な国際会議や国際交渉の中でこういった日本の貢献できる部分をPRしていただきたいと思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

上川国務大臣 我が国の持つ質の高いインフラの海外展開ということでありますが、これは日本の経済外交における重要施策の一つでございます。インフラシステム海外展開戦略二〇二五に掲げられました二〇二五年に三十四兆円のインフラシステムの受注、この目標に向けまして、官民が一体となって取組を推進してきているところでございます。

 委員が御指摘いただきましたとおり、アジアの多様かつ現実的な脱炭素化にいかに貢献するかという点でございますが、再生可能エネルギーや原子力等の既存技術の活用、また、水素やアンモニア等の新たな技術の実現、普及、こうした点につきましては重要な役割を果たすものと認識しております。

 そして、外務省といたしましても、私自身、各国の政府要人との会談を行ってまいる折には、日本のインフラ技術を直接PRしてまいりましたし、同時に、在外公館に配置いたしましたインフラプロジェクト専門官、現地事情に精通したアドバイザー、こうした専門的な見地を持ったプロフェッショナルを是非積極的に活用していただきまして目標達成に向けて取り組んでいく、こうした方向性につきましても、アドバイスも含めてしているところでございます。

 あらゆる機会を捉えまして、気候変動対策を始めとして、途上国の課題解決ということにつきましては、日本の誇る技術力、これまでのインフラ整備の蓄積ということにつきましては、大変信頼感も高いし、また評価もされているところでございますので、積極的にアピールをして、そして受注してまいりたいと思っております。

浅野委員 最後になるかと思いますが、もう一問、大臣にお願いをさせていただきたいと思います。

 私は、今年の夏に、内閣委員会の海外派遣でポーランドに行ってまいりました。当委員会の藤井委員も一緒に、そのときは内閣委員の理事として参加をされたんですけれども、ポーランドなどが所在する東欧諸国が現在形成する、三海域イニシアチブという枠組みがあります。これは、中央ヨーロッパ、東欧及びバルト諸国の連結性の強化を通じて、欧州からインド太平洋地域にわたる広域の安全保障に寄与するものとして、日本政府もこの取組は強く支持してきたというふうに聞いております。

 そのとき現地で聞いたのは、今後、この三海域イニシアチブの枠組みの中で、エネルギー安全保障の観点から、ウクライナがすぐ隣にあって、ロシアとのエネルギー安全保障の問題がありますから、エネルギー安全保障の観点から広域ネットワークを形成する動きが出てくるということで、経済連携上も更に重要度が高まっていくと我々は見ました。

 これまで、この三海域イニシアチブの会合には、岸田総理や歴代の外務大臣がビデオメッセージを送っているということなんですが、更に踏み込んで、現地参加であったり様々なトップセールスをこちらについてもどんどん積極的に行っていただきたい。今、チャンスだと思うんですね。是非検討いただきたいと思いますが、最後に伺います。

上川国務大臣 委員が御指摘いただきました三海域イニシアチブでございますが、まさに、中東欧諸国、またバルト諸国の連結性が強化されることは、強く繁栄した欧州をつくる上で大変有益であるということでございます。また、ロシアによるウクライナ侵略に地域が結束して対応するという観点からも重要であるという考え方の下で、この三海域イニシアチブにつきましては、日本として一貫して支持してきているところであります。

 こうした観点から、例えば、日本企業が有する最先端の技術と専門性を生かしまして、このイニシアチブが重視する連結性の強化やインフラ整備に貢献したいと考えております。

 委員御指摘のとおり、これまで岸田総理、林前大臣のビデオメッセージという形で首脳会合に参加してきたところでございますが、同時に、日本企業向けのセミナー等も開催してきたところでございます。御指摘いただきましたように、日本企業の一層の参画を促すべく、政府としても積極的に努力してまいりたいと思っております。

浅野委員 終わります。ありがとうございました。

勝俣委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 初めに、鹿児島県屋久島沖で米空軍のCV22オスプレイが墜落した事故について聞きます。

 上川大臣は、十一月三十日、駐日米大使と面会し、オスプレイの飛行については、捜索救助活動を除き、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うように求めたそうだけれども、なぜ飛行停止という明確な文言で要請をしなかったのか、お聞きします。

上川国務大臣 政府といたしましては、我が国における米軍機の運用に際しましては、安全性が最大限確保されることは当然のことと考えているところであります。

 今委員が御指摘いただきました十一月三十日でございますが、私からエマニュエル駐日米国大使への働きかけの中で、オスプレイの飛行につきましては、捜索救助活動を除き、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うように求めたところでございます。

 これに対しまして、エマニュエル大使からは、アメリカにとって米軍人と日本国民の安全こそが最重要事項であり、現在事実関係を調査中であるが、引き続き、日本政府と緊密に連携し、情報共有を行っていきたい旨の発言がございました。

穀田委員 やり取りは分かっているんですよ、新聞に出ているんですから。問題は、なぜ飛行停止ということを言わなかったのかと私は聞いているんですよね。

 飛行停止を明確に要請しなかったために、米軍は事故後、CV22の飛行は停止したけれども、米海兵隊のMV22や海軍のCMV22の運用は続けているではありませんか。しかも、上川大臣は、今お話があったように、捜索救助活動を除くということで、捜索救助活動の名目であれば飛行は容認した。その理由は何ですか。

上川国務大臣 十一月三十日の私自身とエマニュエル大使とのやり取りでございますが、捜索救助活動を除いた理由につきましては、当時、政府として、米側に対しましては、事故の状況に関する事実関係の確認を求めつつ、人命の救出に全力を尽くすことを最優先に対応していたためでございます。

穀田委員 こう言っては失礼ですけれども、二〇一六年の名護市沿岸沖における墜落時、当時外務大臣だった岸田氏は、駐日米大使に対して飛行停止を求めていたということは事実として知っておいていただければと思います。

 そこで、宮澤防衛副大臣にお聞きしますけれども、事故後、奄美空港には捜索救助活動の名目で複数のオスプレイが飛来しており、そのうち一機で不具合が生じた可能性が指摘されています。奄美大島の住民は、ここなんですよ、欠陥機の救助に欠陥機が当たるというのは常識では考えられない、日本はばかにされていると憤っていると報道されていますが、そのとおりだと私は思うんですよね。

 複数の目撃証言によると、事故を起こした機体はエンジンから火が噴き出して墜落したとされています。副大臣、オスプレイの実戦配備が始まった二〇〇七年から今日までの間、エンジンから出火して墜落した事故はあるかどうか、お答えいただきたいと思います。

宮澤副大臣 お答え申し上げます。

 防衛省において把握している限りにおいてでございますけれども、米軍オスプレイにおけるクラスAの事故のうち、エンジンから出火があったものは二件ございます。いずれも墜落を伴うものではありません。

 一件目は、二〇〇七年十一月六日に、米国ノースカロライナ州ニューリバー基地周辺におきまして、MV22オスプレイが夜間の着陸訓練中にエンジンナセルから出火し、着陸帯に着陸したもの。二件目は、二〇二二年十月十四日に、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴのミラマー海兵隊航空基地において、MV22オスプレイが着陸直前にエンジン火災を起こしたものの、安全に着陸した。こういった事例があると承知をしております。

穀田委員 だから、エンジンから出火して墜落した事故は、二〇〇七年の実戦配備以降一件も起きていないということなんですよね。今回の事故が目撃証言どおりならば、オスプレイ特有のクラッチの不具合とされているハード・クラッチ・エンゲージメントとは別の不具合の可能性があります。いずれにせよ、構造上の欠陥が残されていることは間違いない。このようなオスプレイの飛行を容認している上川大臣、防衛省、政府の責任は極めて重大だと私は思います。

 事故が起きた翌三十日、我が党の国会議員団は、政府に対して、一、米軍と陸上自衛隊のオスプレイ全機を直ちに運用停止し、事故原因を明らかにすること、二、米軍のオスプレイ全機を撤去すること、三、陸上自衛隊へのオスプレイの導入を中止し、撤去すること、この三つを緊急に求めました。しかし、当面、事故原因が究明されるまで、全てのオスプレイの飛行は例外なく停止すべきだ、そのことを強く求めておきたいと思います。

 次に、話題を変えます。

 防衛省は、先月、軟弱地盤が見つかった名護市辺野古の大浦湾側で、艦船が接岸可能な係船機能を有する護岸の新設工事の発注を行いました。この係船機能付護岸について、防衛省は、オスプレイなどの運用機能を最低限維持するために必要なものだと説明してきました。

 そこで、具体的に聞きますけれども、この新設される護岸の長さは何メートルなのか、お答えいただきたいと思います。

宮澤副大臣 お答え申し上げます。

 この係船機能付護岸の施工延長につきましては、沖縄防衛局が令和二年四月に沖縄県に提出した公有水面埋立変更承認申請書におきまして、二百四十一・六メートルとお示ししているところでございます。

穀田委員 何メートルかと聞いているのやから、文書を見ているんですから、別に説明の中身はいいんです。

 今ありましたけれども、二百四十一・六メーター。これはどの程度かすぐ分かりませんわね。距離感はどんな感じかといいますと、国会議事堂の本館、衆議院の端から参議院の端まで何ぼあるか。二百六・三六メートルなんですね。どれだけでかいかというのが分かるかと思います。

 その二百四十一・六メートルの護岸を使用する艦船はどのようなものか、対象となる艦船を全て挙げてほしい。

宮澤副大臣 お答え申し上げます。

 お尋ねの係船機能付護岸につきましては、航空機が故障した場合などにおいて輸送を行うための船舶といたしまして、T―AVB4などが使用することを想定しているところでございます。

穀田委員 今副大臣からお話があったT―AVB4というのは米海兵隊の兵たん支援を主な任務とする艦船だけれども、私が聞いたのは、護岸を使用する艦船の全て。なぜ一つしか示さないのか、ほかはないのか。

 対象となる艦船は、二〇〇九年四月九日の衆議院安全保障委員会で、防衛省の井上地方協力局長が、T―AVB4に限定されるわけではないとはっきり答えているんですね。だから、他の艦船の使用も計画しているはずなんですけれども、それはなぜ示さないんですか。

宮澤副大臣 お答え申し上げます。

 想定される船舶の一例としてT―AVB4と申し上げましたけれども、いずれにしても、航空機が故障した場合等において輸送を行うための船舶が使用される、そういうことを想定しているところでございます。

穀田委員 ということは、米海兵隊の兵たん支援を行う艦船はほかにもあるということだと。

 防衛白書によれば、海上自衛隊は、二〇二一年四月から今年の三月にかけて、サマセットやニューオーリンズ、グリーンベイといった米海軍のドック型輸送揚陸艦と沖縄東方などで計十一回共同訓練を実施していますけれども、このドック型輸送揚陸艦も護岸を使用するのではありませんか。

宮澤副大臣 お答え申し上げます。

 係船機能付護岸につきましては、滑走路の短縮によりまして、普天間飛行場代替施設においては故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなることから、輸送機の代わりに運搬船を接岸できるようにするためのものでございまして、強襲揚陸艦の運用を前提とするものでは全くございません。

穀田委員 全くございません、そういう答弁をして大丈夫ですかいな。故障した航空機を運搬すると今ありましたよね。兵たん支援はこのドック型輸送揚陸艦で十分にできるんですね。そういう仕掛けに米軍ではなっています。

 サンアントニオ級と言われるドック型輸送揚陸艦は、レーダーに映りにくいステルス構造で、私が先月十日の質疑で指摘した共同交戦能力、一緒に交戦するという能力を言いましたよね、CECといっているんですけれども、はもとより、強襲揚陸指揮システム、AADSも装備しているんですね。また、飛行甲板に四機、格納庫デッキに一機のオスプレイが収容可能で、同時に二機を発着できるなど、強襲揚陸艦に次ぐオスプレイの飛行プラットホームの役割を果たしているわけなんです。さらに、上陸用の船であるLCAC、これなら二隻、LCUなら一隻、そして、水陸両用車AAV7なら十四両を搭載できる、これだけできるんですよね。しかも、米側は、陸上の海兵隊を支援するために巡航ミサイル・トマホークも追加搭載することも検討していると言われています。

 宮澤副大臣、このドック型の輸送艦の全長は二百八・五メートルであります。よろしいか、二百八メーター。そうすると、先ほど述べた二百四十一・六メートルの護岸なら十分使用できるということになりますわな。

宮澤副大臣 先ほど答弁したとおりでございますけれども、今回の係船機能付護岸につきましては、強襲揚陸艦の運用を前提とするものでは全くございません。滑走路短縮によりまして、普天間飛行場代替施設においては故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなることから、輸送機の代わりに運搬船を接岸できるようにするためのものでございます。

穀田委員 だから、運搬できるようにするんでしょう。運搬できる仕掛けがこの船はあるでということを言っているんですよ。まあ、そういうふうにしらを切らないとしゃあないんでしょうけれどもね。

 そこで、国防総省が二〇一七年の一月に定めた桟橋、埠頭の設計に関するUFC、統一施設基準があります。これを見ますと、サンアントニオ級のドック型輸送揚陸艦を接岸するのに必要な施設の長さは二百三十九メートルと書いているんですよね。つまり、護岸の長さ二百四十一・六メートルとほぼ同じじゃないか。だから、まさにアメリカの桟橋、埠頭の設計に関する統一基準にきちんと定められている内容とほぼ同じだということは確かだよね。

宮澤副大臣 お答えいたします。

 今回、二百四十一・六メートルとお示ししておりますと答えましたけれども、その前は二百七十一・八メートルでございました。

 今回、滑走路短縮によりまして、航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなることから、輸送機の代わりに運搬船を接岸できるようにするためのものでございます。

穀田委員 さっきの外務大臣の答弁じゃあるまいし、同じことを繰り返したってしゃあないですやんか。要するに、長さはちゃんと合うでということを言っていて、運搬するのやろと。あれでは運搬しませんねんて、全世界で運搬してますやんか。

 だから、米側の定める基準を無視して米側の施設を建設することなど、あり得ない話ではありませんか。でしょう。元々そういう埠頭を造っているのは、米側が使うから造っているわけであって、その基準を満たしているじゃないか。満たしていることは確かですよね。

宮澤副大臣 護岸については、二百七十一・八メートルから二百四十一・六メートルへと短縮されたものでございまして、これは、何度もお答えしておりますけれども、輸送機の代わりに運搬船を接岸できるようにするためのものでございます。

穀田委員 だから、飛行機が壊れたときにやるんでしょう。オスプレイだって壊れたときにやるじゃないですか、今度は落ちとんねんから。そのときに、あなたが言うように、不時着をやったやつをとっつかまえて載せることもできるわけでしょう。できる船なんやから。できる船で、そこに接岸することができるやろと言っている。理論的な問題であって、二百七十一メーターだったら、もっとでかいやつがされるかもしれませんで、前のやつのね。強襲揚陸艦もあるでしょう。私は新しい揚陸艦の話をしてますやんか。そこを勘違いしたらあきまへんで。

 そこで、もう一つ、別な角度から聞いてみましょう。

 自衛隊は、今年二月、米海兵隊と共同訓練、アイアンフィスト23を実施しているけれども、その際にキャンプ・シュワブの水域を共同使用したのではありませんか。

宮澤副大臣 お答え申し上げます。

 陸上自衛隊は、本年二月から三月までの間、九州から沖縄県にかけて、アメリカ海兵隊との実動訓練、アイアンフィスト23を実施いたしました。当該訓練の中で、キャンプ・シュワブの水域の一部について、日米合同委員会における合意に基づき、共同使用したところでございます。

穀田委員 そうですよね、共同使用していると。それは、陸自のニュースリリースでも明らかでありますし、関係自治体が住民に対しても周知を行って、注意されたいということをやっていることからも、それは明らかであります。

 今、事実関係を認めたように、この訓練では、キャンプ・シュワブの一部を共同使用し、水陸両用作戦に関する実動訓練を行っています。その際、自衛隊の水陸機動団や輸送艦「おおすみ」などとともに、米海軍からは、私が指摘したドック型輸送揚陸艦グリーンベイも参加しているわけであります。

 だから、この訓練からも、係船機能付護岸が新設されれば、この護岸を日米で共同使用することになるのではありませんか。

宮澤副大臣 お答えいたします。

 答弁を繰り返すことになりますけれども、先生御指摘の係船機能付護岸につきましては、普天間飛行場代替施設におきましては故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなることから、輸送機の代わりに運搬船を接岸できるようにするためのものでございまして、強襲揚陸艦の運用を前提とするものでは全くございません。

穀田委員 私が指摘したのは、そのときは参加していると言っているだけなんですよね。

 それで、私が聞いたのは、新設されればこの護岸を日米で共同使用するんじゃないのかと聞いているんですよ。そのことを答えてくれな。

宮澤副大臣 お答え申し上げます。

 在日米軍及び自衛隊による施設・区域の共同使用の検討に当たりましては、特定の地域を排除することなく、沖縄を含む日本全国の施設・区域について幅広く様々な可能性を検討してきておりますけれども、日米間の具体的なやり取りや検討状況につきましては、相手方との関係や情報保全などもあり、従来よりお答えを差し控えてきているところでございます。

穀田委員 つまり、一時的な共同使用の可能性はあるということですわな。差し控える、一貫してそれしか言わないんですよ。

 私が聞いているのは、事実、一緒にやってんねんから、今度も護岸は一緒に使うつもりやな、こう聞いているわけですよね。

 では、もう一遍聞きますけれども、辺野古の新基地を日米で一時的に共同使用する可能性は排除されるんですか。

宮澤副大臣 お答えいたします。

 共同使用に係る検討状況につきましては、部内検討であることや情報保全などもございまして、一時的か恒常的かを問わず、従来よりお答えを差し控えてきておりまして、普天間飛行場の代替施設における一時的な共同使用につきましても何ら具体的に決まったことがあるわけではなく、お答えを差し控えさせていただきます。

穀田委員 何ら具体的なことはなくと言っているけれども、結局、具体的にはないが、一時的な共同使用の可能性はあるということを逆に言うと示していると思うんですね。

 大体、答弁がおかしいんです。現に、アイアンフィスト23で日米共同訓練がシュワブ沖で行われたじゃありませんか。接岸可能なドック型揚陸艦も参加の事実があるじゃないか。そういう事実を示して私は言っているわけですよね。

 二〇一五年三月十七日の参議院予算委員会で中谷防衛大臣は、係船機能付護岸の設計について、米側の要望を基に日本の基準なども加味して設計すると説明している。つまり、護岸の設計は共同使用を前提に行われているということなんですよね。ここが大事なんですよ。一般論で、あっちゃこっちゃやっていますけれども、その場に応じて考えますなんという話じゃないんですよ。これを造る際から始まっているところで、当時の防衛大臣が、係船機能付の護岸について、米側の要望を基礎に、こう言っているわけですよね。そういう意味で言うと、共同使用を前提に行われていることなんだということをはっきり私は言っておきたいと思います。

 ですから、日米一体の出撃拠点となる辺野古新基地建設は断じて認められない。建設の中止、普天間基地の即時無条件撤去を求めて、今日の質問は終わります。

勝俣委員長 次に、吉良州司君。

吉良委員 有志の会、吉良州司です。

 さきの予算委員会でも発言していますけれども、尊敬してやまない上川外務大臣、また上川外交に大いに期待しておりますけれども、一方では、ただすべきはただすという姿勢で臨んでいきたいと思っています。

 今日取り上げるテーマも、ここ一年九か月ばかり念仏のように唱え続けているウクライナ戦争の停戦に向けた日本外交ということについてであります。

 停戦の必要性というのは、もちろん、罪のない人たちをこれ以上犠牲にすることなく、それも、一般人はもちろんですけれども、軍人といえどもこれ以上犠牲にしてはならないと思っています。また、これに加えて、世界中が物価高、資源高、そして食料高に苦しみあえぎ、特に、途上国の貧困層は食料不足で飢えにあえぎ、そして、子供たちは餓死する子供たちまで出てきている。この状況を一刻も早く終わらせなければいけない。ウクライナ戦争だけではないかもしれませんけれども、大きな要素である、要因であることは確かだというふうに思います。

 停戦するにこしたことはないというのは、今回のガザの紛争を見ても、誰が見ても明らかなことだというふうに思っています。そして、早く停戦に持ち込まないと、今支援している各国が、よく言われるように支援疲れしている。アメリカでも予算がなかなか成立しない。そういう中にあって、支援が細ってきてしまうと、ロシアから見れば、どうせ支援はないから、これ以上継戦は無理だろうと足下を見られて、そして、今の現状を固定化するような形で停戦に応じざるを得なくなってしまうということを私は物すごく懸念しております。

 ですから、劣勢な形での停戦合意、敗北してでの停戦合意、これではなく、一刻も早く、まだまだ五分五分というか、支援があれば十分戦える、このような状況下において停戦に持ち込むことが必要だというふうに思っています。

 そして、特に、今言った劣勢だとか敗戦、敗北による合意となると、今占領されているところを全部主権をロシアにという、そこをのまされてしまいます。けれども、今であれば、ちょっと極端なことを言いますけれども、主権は認めないけれども、停戦のために今現在の実効支配状況については目をつぶる、しかし当面の間であるということでの停戦も可能だというふうに思っています。

 そして、その停戦に向けた機運というものが実はウクライナ国内でも出てきています。

 これは、つい最近、十二月五日付のニューズウィーク日本版の情報です。ロシアとの交渉による和平を支持する、具体的には、第三者の仲介の下、交渉を行い、妥協と解決を模索するべきだと答えたウクライナの人たちが四四%います。戦い続けるべきだという人がまだ四八%いますけれども、実は、今年の二月時点、軍事侵攻開始から一年後の今年の二月時点では、交渉による、また妥協による解決を支持した人は三五%だったわけですけれども、それが九%増える、ほぼ一〇%増えているという状況です。

 そして、一刻も早く妥協してでも解決すべきという支持派は、十五歳から三十五歳の若者が四五%、そしてウクライナ東部の住民が五一%に上っています。ロシアに占領された領土を奪還するまで戦闘を続けることを支持するというウクライナ国民の割合が、この一年間で、二月の時点では六〇%だったのが、今は、先ほど言いましたように四八%に減少しているという状況です。

 そして、もうちょっとだけ、先ほど言いました若者とウクライナ東部に、妥協してでも停戦すべきという回答者が多い、その背景を見てみたいと思います。

 皆さんのお手元に一枚物の資料をお配りしています。これは、一は、歴代大統領の誕生の仕方、結果と支持基盤。二番目は、十年一昔というので、もう古いデータではありますけれども、最新のデータがないので使いました。二〇一三年のウクライナ国民の理想の政府というものの意識調査であります。

 まず、一番の方を見ていただければ分かるとおり、ウクライナというのは、ドニエプル川を挟んで西か東かによって共有する歴史も文化も違う。言語も、東側はロシア語を話すロシア語話者が多い。そういう中で、東側の方々は、大統領選挙があると、大概がロシアと仲よくしたいという大統領候補を支援してきている。一方、西側は、西側とより仲よくしたいという大統領候補を支援してきている。その結果、西側を志向する大統領も誕生し、東側を志向する大統領も誕生してきた。

 けれども、大事なことは、東側の候補でロシアと仲よくしたいと言ってきた候補も、大統領になればEUとの関係を深める行動を取ってきた。一方、西側を志向する大統領が就任しても、真っ先に訪問したのはモスクワでした。それは、天然ガスのほぼ一〇〇%をロシアに依存している、エネルギー源を依存している。ましてや、言い方が悪いですけれども、大きな暴力団のような国が隣にあって、そこからにらまれたくない。いろいろあるけれども目をつぶって、何とか平和を維持したい。そういう表れが、今言った、どちらを志向しようともほぼ拮抗する、西側がいい、親ロシアがいい、拮抗するウクライナにおいて、そういう気遣い、どちらの支持派にも配慮してきたのが歴代大統領でありました。

 ところが、いい悪いは別にして、ドラマの主人公があれよあれよとドラマのストーリーのままに大統領になって、圧勝して、そして、西側だと。

 私は、ウクライナが政治的、経済的にEU加盟を目指す、これは当然あっていいことだと思っていますけれども、軍事的にNATOに入るということは選択すべきではなかった。これはいつも言っていますけれども、私はこの主張を軍事侵攻前からずっと主張し続けています。

 二番目を見て、与党の皆さん方は、いろいろと専門家を呼んで部会あたりで専門家の意見を聞くことがあるかもしれないので、知っている情報かもしれませんけれども、少なくとも多くの国民は知らない情報です。

 さっき言いました、どういう政府が理想かということを聞いたときに、ウクライナ全土では、ソビエト体制が一九、ソビエトに近いがより民主的で云々、見てのごとくですけれども、結果的に、ソ連かソ連に近い体制を望むという人たちが五六%いて、西側スタイルがいいという二八%の倍になっている。それを東ウクライナだけに限定すれば、親ソ連、ソ連的なものを支持する人たちが六八%で、西側スタイルがいいという一五%の四・五倍にもなるんです。

 私も、二〇〇五年に、オレンジ革命の直後にウクライナへ行きましたけれども、正直言って、キエフに行ったときもソ連だと思いました。あれから二十年たっていますので、様相は大きく変わっているとは思います。しかし、多くの人もそうですけれども、時代の変化に伴っていろいろ意識は変わってくるけれども、基本的な考え方、基本思想はそんなに変わらないです。

 ということを考えたら、東ウクライナの人たちが、今でもソ連的なるもの、ここに最後に書いていますけれども、一番は多分ゴルバチョフ体制的なものだと思います。ソ連的な体制がいいんだけれども、より民主化、より自由度が高まるソ連的なものを望んでいる住民が多いのではないかと思っています。私は、そういう人たちが気の毒で気の毒でしようがない。

 今言った、大統領選挙のたびにロシアと仲よくしたいという人に投票してきた人たちが、今回の軍事侵攻によってマリウポリを始め一番犠牲になって、町を破壊され、犠牲になっているのがロシア語を話すこの東部の住民たちであることを考えると、本当に気の毒で気の毒でしようがないです。そういう意味でも、早く停戦にこぎ着けなければいけないと思っています。

 そういう意味で、先ほど私が言いましたが、劣勢になってから、敗北してからでは主権まで譲らされてしまう。けれども、今であれば、まだ、実効支配に目をつぶるという中で、将来の話合い、また、人には必ず寿命がありますので、今強権を発動している人も永遠に生きるわけではない、それを考えたときに、将来にもう一回今ウクライナの人たちが望んでいる状況を取り返す道が残せる。

 そうしたときに、私たち日本は、北方領土という、ロシアに不法占拠された北方領土にずっと向き合ってきました。今、ミンスク合意時点の、例えばクリミアもロシアに不法占拠された状態です。私たち日本は、北方領土に対して必ず取り返すという意思の下、だけれども、武力行使ではない、あくまでも平和裏に交渉を重ねて取り返そうとしている。けれども、一方で、G7の一員として支援するから、今のゼレンスキー大統領が武力を使って全領土を取り返すまで戦いはやめない、それに対して日本がその方向性を支援すると言い続けているのは、私は筋が通らないと思っています。

 この点についての上川大臣の見解をお聞きしたいと思います。

上川国務大臣 今委員から、ウクライナ情勢につきましての長い時間軸の中でのお話をいただいた上で、今のようなお話を踏まえた上でのこれから先の展望ということでのお話をいただきました。

 ロシアによるウクライナ侵略に至るまでの間におきましても、我が国も日ロの電話首脳会談を行うなど、国際社会は、事態の平和的解決を図るべく、ロシアへの働きかけを含めまして懸命な外交努力を重ねてきたところでございます。しかし、こうした外交努力にもかかわらず、昨年の二月二十四日でありますが、ロシアがウクライナ侵略を開始したところでございます。

 その意味で、ロシアによるウクライナ侵略につきましては、国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であるということでございまして、断じて認められないということにつきましては変わらない状況であると認識している状況でございます。

 現在もロシアはウクライナに対する攻撃を続けておりますし、また、プーチン大統領も、併合したウクライナの一部地域は交渉の対象ではない趣旨の発言を繰り返しているという状況は御承知のとおりでございます。これは、委員御指摘の二つのミンスク合意とは異なりまして、ウクライナ国内の四州はロシアの領土であるとの立場をロシアが取っていることを意味している、こうした国際的な認識でございます。現在、ロシア側に歩み寄ろうとする兆しは一切見られない状況の中で、当事者であるウクライナの考え方の中からも大きく離れたものである、こうしたところの大きな溝が生じているということであります。

 日本といたしましては、まず行うべきことは、何といっても、一日も早くロシアの侵略を止めるという目標に向かいまして、G7を始めとして国際社会と緊密に連携しながら、対ロ制裁とウクライナ支援を強力に推進していくことである。こうした方針の中で、先般十一月八日のG7外相会議におきましても、議長である私といたしましては、中東情勢の緊張度が増す中にあっても、引き続き、G7は対ウクライナ支援において結束すべきことについて訴え、また、その旨をウクライナにも伝えてきたところであります。

 G7といたしましても、厳しい対ロ制裁、また強力なウクライナ支援に取り組む姿勢は不変との認識で一致しているところでございまして、その意味で、まだG7議長国として、年末ということでございますが、そうした中でリーダーシップを発揮していく覚悟で今臨んでいるところでございます。

 今、北方領土の問題との比較の中でのお話がございまして、この対比については、それぞれ異なる経緯がございますので、両者を単純に比較することにつきましては必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えているところでございます。

 いずれにしても、力による一方的現状変更は認められないということ、そして、クリミアを含むウクライナの主権及び領土一体性を一貫して支持してきているところでございますので、その解決に向けましての粘り強い努力につきましては、日本としても引き続き外交努力を重ねてまいりたいと思っております。

吉良委員 納得できない答弁もあるんですけれども、時間がここまで来てしまったので、またの機会にしますけれども、ロシアの一方的な軍事侵攻は私も絶対許せないと思っています。ここは確認しておきたいんですけれども、ただ、外交的に止めることができたと思っているんです。これは、アメリカであり、EUというのかNATOというのか、そしてウクライナの外交の失敗だと私は思っていますので、そういう点も踏まえて、もう一回、侵攻前の状況も考えながら、とにかく戦争が継続することによって見ていられない状況が続いていくわけですから、停戦以上の善はないと私は思っています。

 そして、G7として、議長としては残り少ないんですけれども、私は、ヨーロッパの地続きの国、ドイツであり、イタリアであり、フランス、これは、裸の王様ではないけれども、本音では、一刻も早く停戦してくれと思っていると思います。太平洋、大西洋で守られたアメリカとカナダは、今から申し上げる資源も含めてそれほど痛手を感じていないですけれども、このヨーロッパの地続きの国々は一刻も早くやめてくれというのが本音ですから、その本音を引き出しながら、G7というのは多数決の場ではなくて全会一致を目指していく場だとは思いますけれども、それでも、日本を含めて四か国で何とか停戦への道筋をつくっていく、これは大事なことだというふうに思っています。

 今、イタリア、ヨーロッパの例を出しましたけれども、私は、今回のバイデン大統領が、軍事侵攻しても軍事的に対応しない、経済制裁で対応する、これは最悪のコメントだったと思う。それが引き金を引いたとも思っています。

 経済制裁は実際に効いているのか。私はほとんど効いていないと思っています。経済制裁とは兵糧攻めのことですから。兵糧攻めというのは、相手に、こもる方に食料が潤沢にあって、水が潤沢にあって、寒いときにまきがたくさんあって、これがあれば落ちないですよ。ロシアは輸出するほど小麦があって、まきに当たる天然ガスも石炭も石油も潤沢にあって、それは効果なんかないですよ。それで見事に返り血を浴びている。イタリアの電気料金は三〇七%になりました。イギリスも一九二%です。日本も一二八%。返り血の方が多い。

 これに加えて私が一番気にしているのは、アメリカの覇権というのは、軍事力、政治力だけではなくて、極端に言ったら、一番大きいのは金融支配です。金融覇権です。その意味で一番大きな武器がSWIFTです。このSWIFT対象をロシアの銀行全部にしているわけではありませんけれども、それでも、主要な銀行をSWIFTから排除して、そして締め上げようとした。

 けれども、ロシアはどうしたか。抜け道である中国、それからインド、トルコ、特に中国とはルーブル決済、人民元決済、これによってSWIFTから締め出されても生き延びている。それでなくても、反米又は中立を保っているグローバルサウスは、今言ったようになかなかアメリカに同調しようとしない、西側に同調しようとしない。これは、米国のダブルスタンダードのオンパレードということに対する反発もあると思いますけれども、これらの国々は、中国とつながっていれば、いざ何かあったときにSWIFTから除外されても経済制裁に遭っても生きていけるぞ、こういうメッセージを送っていることになる。

 今起きている世界の分断は、日本の国益にとって何らいいことはありません。この分断をやめさせる、和らげなきゃいけないところに、言い方が悪いけれども、かえって反米、反西側連合に対して塩を送っているのではないか。私はそれを危惧しています。

 この経済制裁が効かない、そしてSWIFTという一番強力な経済制裁の武器が効かないどころか、かえって相手に塩を送る結果になっているということについての上川大臣の見解を求めます。

上川国務大臣 ロシアによるウクライナ侵略について、力による一方的な現状変更の試みということで、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙である、そのような行動には高い代償が伴うことを示していくことが必要である、こうした考え方の下で、G7を始めとする国際社会と緊密に連携し、厳しい制裁措置を迅速に実施してきたところでございます。

 我が国を含む各国の制裁措置により、ロシアに対しまして一定の効果が出てきているというふうに考えております。例えば、対ロ制裁によりまして、侵略前と比較して、ルーブルにつきましては約二〇%下落し、直接投資は約八百億米ドル減少するなど、中長期的な観点からのものも含めまして、ロシアの経済に否定的な影響をもたらしているというふうに考えているところでございます。

 他方、御指摘いただきましたとおり、我が国を含めまして、制裁を講じる国々にも、また、制裁を講じていないグローバルサウスの国に対しても一定の影響が生じているということは事実でございます。

 したがいまして、制裁の回避や迂回への対策を進めて実効性を不断に高めていくこと、そして、エネルギーや食料等の面で様々な影響を受けているグローバルサウスに対しまして、G7を始めとして、同志国と連携しつつ支援を行っている状況でございます。

 SWIFTにつきましての御言及がございましたが、そうした対ロ制裁措置のある一定の効果が出ているということでありますが、ロシアは、人民元の決済の割合、こうしたものを増やしているということも御指摘のとおりでございまして、そして、各国の制裁措置が講じられている環境に順応しようという、適応というか、そうした動きもございます。

 委員が御指摘のようなこうしたロシアの動きを踏まえまして、対ロ制裁の実効性を高めることが何よりも重要であると考えておりますので、G7を始めとする国際社会と連携して厳しい制裁を講じてまいりたいというふうに思っております。

吉良委員 御承知のとおり、何とか権益を維持したことは評価していますけれども、サハリンの1も2も配当支払いは人民元です。私は、この先、中国に多く存する、また独占状態にあるようなレアアースだとかレアメタルだとか、そういうところまで人民元でというような流れが出てくることを非常に恐れています。人民元の基軸通貨というのは多分ないだろうし、あっても百年かかると思っていますけれども、中国が目指す人民元の国際化というのは、逆に、このウクライナ戦争、そしてそれの経済制裁の返り血の結果、それを結果的に助けてしまっているのではないかということを強く懸念する。

 ということで、経済制裁という拳を下ろすには停戦しかないんです。そうでないと、我々西側が負けたことになる。

 だから、停戦に持ち込んで、今言った、返り血を浴びている、世界中の貧困層が困っている、これも解決しながら、日本にとっても、そして、さっき言ったある意味では中国の人民元の国際化も緩やかなものにしていく、こういう戦略が必要であるということを申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

勝俣委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四分散会


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