衆議院

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第3号 令和元年11月13日(水曜日)

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令和元年十一月十三日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 田中 良生君

   理事 あかま二郎君 理事 井林 辰憲君

   理事 うえの賢一郎君 理事 津島  淳君

   理事 藤丸  敏君 理事 末松 義規君

   理事 古本伸一郎君 理事 伊佐 進一君

      穴見 陽一君    井上 貴博君

      石崎  徹君    今枝宗一郎君

      勝俣 孝明君    門山 宏哲君

      金子 俊平君    神谷  昇君

      小泉 龍司君    高村 正大君

      國場幸之助君    鈴木 隼人君

      田野瀬太道君    高木  啓君

      武井 俊輔君    武部  新君

      辻  清人君    古川 禎久君

      本田 太郎君    牧島かれん君

      宗清 皇一君    山田 賢司君

      山田 美樹君    海江田万里君

      岸本 周平君    櫻井  周君

      階   猛君    野田 佳彦君

      日吉 雄太君    緑川 貴士君

      森田 俊和君    石井 啓一君

      清水 忠史君    串田 誠一君

      青山 雅幸君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣        遠山 清彦君

   財務大臣政務官      井上 貴博君

   経済産業大臣政務官    宮本 周司君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局総括審議官)          白川 俊介君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    栗田 照久君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           神田 眞人君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    可部 哲生君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    岡村 健司君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           春日原大樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           島田 勘資君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長)     飯田 陽一君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    鎌田  篤君

   政府参考人

   (防衛装備庁調達管理部長)            水野谷賢司君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   財務金融委員会専門員   齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十三日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     金子 俊平君

  今枝宗一郎君     神谷  昇君

  山田 賢司君     高木  啓君

  階   猛君     緑川 貴士君

同日

 辞任         補欠選任

  金子 俊平君     石崎  徹君

  神谷  昇君     今枝宗一郎君

  高木  啓君     山田 賢司君

  緑川 貴士君     階   猛君

    ―――――――――――――

十一月十二日

 消費税一〇%撤回に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一号)

 同(笠井亮君紹介)(第二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三号)

 同(志位和夫君紹介)(第四号)

 同(清水忠史君紹介)(第五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六号)

 同(田村貴昭君紹介)(第七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第八号)

 同(畑野君枝君紹介)(第九号)

 同(藤野保史君紹介)(第一〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第一一号)

 同(本村伸子君紹介)(第一二号)

 同(村上史好君紹介)(第一九号)

 同(宮本徹君紹介)(第三八号)

 同(神谷裕君紹介)(第五三号)

 同(清水忠史君紹介)(第七四号)

 同(清水忠史君紹介)(第一四九号)

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(村上史好君紹介)(第一七号)

 同(山内康一君紹介)(第一八号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第三九号)

 同(中川正春君紹介)(第四〇号)

 同(神谷裕君紹介)(第五四号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第五五号)

 同(山岡達丸君紹介)(第五六号)

 同(森山裕君紹介)(第七〇号)

 同(清水忠史君紹介)(第七五号)

 同(武内則男君紹介)(第一一二号)

 同(緑川貴士君紹介)(第一一三号)

 同(岡島一正君紹介)(第一一五号)

 消費税増税を中止して五%に戻し、生活費非課税・応能負担の税制を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二六号)

 同(笠井亮君紹介)(第二七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二八号)

 同(志位和夫君紹介)(第二九号)

 同(清水忠史君紹介)(第三〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三四号)

 同(藤野保史君紹介)(第三五号)

 同(宮本徹君紹介)(第三六号)

 同(本村伸子君紹介)(第三七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総合政策局総括審議官白川俊介君、監督局長栗田照久君、財務省大臣官房総括審議官神田眞人君、理財局長可部哲生君、国際局長岡村健司君、経済産業省大臣官房審議官春日原大樹君、大臣官房審議官島田勘資君、貿易経済協力局貿易管理部長飯田陽一君、中小企業庁次長鎌田篤君、防衛装備庁調達管理部長水野谷賢司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山田美樹君。

山田(美)委員 おはようございます。自由民主党の山田美樹です。

 質問の時間をいただき、ありがとうございます。

 今般の外為法の改正案については、米国や欧州を始め各国が投資規制の強化に乗り出す中で、テロ対策を含めた安全保障の観点や機微技術を保護する観点から、我が国も適切な投資規制を行うべきだと考えます。特に、米国の投資規制であるCFIUSのプロセスにおいて、企業の支配につながらない投資についても広く規制の網をかける改正が来年二月までに施行されることになっており、日本も早急に制度整備することが求められているかと思います。

 他方、我が国への対内直接投資は更に促進しなければならないのも事実です。外国資本の対GDP比率を見ますと、日本はたった五%。中国、韓国、インドが十数%、アメリカが四割弱、イギリスが六割超、シンガポールに至っては国内投資の四倍以上です。投資促進も我が国にとって重要な命題であり、難しい両立を迫られている状況だと理解しています。

 本法案の提出に至った背景と本法案の狙い、特に安全保障政策と投資促進政策の両立をどのように実現するのか、麻生財務大臣より御説明をお願いいたします。

麻生国務大臣 いわゆる外為法、外国為替及び外国貿易法のことですけれども、この外為法の基本は、投資の自由、海外からの投資の自由というものをきちんと第一前提に据えた上で、その上で、一定の対内の直接投資につきましては、国の安全保障等々の観点から一部の業種に限定して事前届出を求めております。

 その上で、いわゆる健全な対内直接投資というのは、これは日本の経済発展のために重要な役割を果たしておりますので、その促進というのを一層図っていかないかぬというのは当然のことで、いわゆる国の安全保障等々を損なうおそれのある投資というのについては、これはアメリカは一昨年、それからEUはことしからでしたか、いろいろ改善をしておりますけれども、主要国においての制度の改正によりまして、対応強化の動きが盛んになってきておりますのは御存じのとおりで、日本でも、株だ何だというのだけに限らず、いろいろなものに対する投資が特定の国から行われていることに関するいろいろなお話が既にこれまでもあっておるとおりです。日本としてもその対応を強化していくということは、これは必要なんだろうと思っております。

 したがいまして、今回の法案は、そういった状況全体のことを考えて、全般的に見て、いわゆる健全な対内直接投資というものに関しては一層促進を、進めていただけるようにするために、事前届出の免除というもの、もうこういうものはいいじゃないかというものに関しては免除の制度を導入するということで、投資が自由にやりやすくする一方、先ほど申し上げたように、国の安全等々を脅かすおそれがあるとか損なうおそれがあるという投資には、これは対応をしていかねばなりませんので、少なくとも外為法だけでこれが全部できるとは思いませんけれども、事前届出の対象を見直す等の改正を行うというふうに御理解いただければと存じます。

山田(美)委員 御答弁ありがとうございます。

 麻生大臣もおっしゃるとおり、投資促進と安全保障を両立するというのは非常に難しいものの、しっかり取り組まなければならないと思います。抜け穴をつくらない緻密な制度設計が必要であるのと同時に、投資家の懸念の払拭も大きな課題であろうかと思います。

 先月、本法案の閣議決定後に、財務省のホームページで「よくある質問」などの資料を公表しておられます。今後、制度の詳細設計を進められるに当たって、対内直接投資を阻害しない形を目指すことを示す重要な取組であると御評価申し上げたいと思います。

 その一方で、資料だけでは伝え切れない部分があり、また不明瞭であるという御指摘や、逆に、国の安全などへの影響を考えたときに、これだけ緩和して問題ないのかというような御意見も聞かれるところであります。

 今回は、そういう疑問や懸念を解消するという観点から、幾つか政府から改めて御趣旨を御説明いただきたいと考えております。

 財務省の資料によりますと、外国証券会社や外国運用会社は事前届出免除の対象とするとなっております。確かに、国内に拠点を置いて、日本の法令で規制されている外資系の運用会社であれば、業法において業務内容の制限が法的に担保されている上に、政府の監督も行き届いており、安全保障などの観点でも危険な行動をとることは少ないと考えられます。

 一方で、海外に拠点を置いている証券会社などは、日本と同等の規制がかかっているとは限りません。さらには、証券会社、運用会社、銀行などの定義が日本とは異なっていることも考えられるかと思います。場合によっては、機微技術の獲得を目的とするものが、外国の運用会社という器を利用して経営支配を行うことが可能なケースも考えられます。

 今回新たに設けられるこの事前届出免除制度を利用すれば、事前の届出をすることなく、一%以上の株式を取得することが可能になります。機微技術の獲得を狙って経営への影響力を行使しようとするものは、事業譲渡の提案をしないなどの基準を守ると装って、免除基準をクリアして投資を行った上で、経営陣に影響力を行使することで、間接的に国の安全等に影響を与えようとすることも考えられます。

 これまで、過去に、外為法に基づいて投資を中止するよう命令を行った事例として、二〇〇八年に、電源開発の株式を英国系のファンドであるTCI、ザ・チルドレンズ・インベストメント・マスター・ファンドが一〇%を超えて取得しようとしたケースについて、日本のエネルギー政策へ影響を与える懸念があるとした旨、聞いております。

 ファンドというと一般的に運用会社に位置づけられるのではないかと思いますが、政府による審査を経ずに、機微技術や重要インフラを持つ企業の株式を一〇%以上取得することを可能にしてしまうということなのでしょうか。外為法の趣旨に照らして、国の安全や公の秩序を害するおそれがない外国運用会社などを念頭にこの資料を公開されたものと理解をしておりますが、ここで言う外国証券会社、外国運用会社などとはどのようなものを指しているのか、特に、国外に拠点を置いている運用会社などに対して事前届出免除制度の利用の可否をどのように区別するのか、改めて御説明をお願いいたします。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、外国証券会社等につきましては、対象銘柄にかかわらず、今回導入いたします事前届出の免除制度の利用を可能とすることを考えてございますが、こうした外国証券会社等ということといたしましては、まず、日本に所在するものについては、日本の業法の許認可など規制に服する金融機関、それから、議員からの御指摘ございましたが、日本に所在しないもの、国外の外国証券会社につきましては、外国において日本の業法に準ずるような規制に服しているもの、そういう許認可等の規制に服している機関とすることを考えてございます。

 これは、国内外の業法など法令に基づく金融機関であれば、当局がその存在、活動をしっかり把握できますので、国の安全等に係る技術情報の窃取、あるいは事業活動の譲渡や廃止を目的として金融活動をするということでもないということでございますので、類型的に国の安全などを損なうおそれがないと認められるという考え方に基づくものでございます。

 こうした考え方に基づいて、免除の後、更にということでございますが、これらの外国金融機関が、株式の取得後に、仮に対内直接投資に該当いたします役員への就任でありますとか重要事業の譲渡、廃止などの提案を行うという場合には、その行為の前に事前届出を求めまして、当局においてこれを確実に審査を行うということでございますので、規制の抜け穴とはならない、規制の抜け穴になってはならないというような運用をしっかりとしていく所存でございます。

山田(美)委員 御答弁ありがとうございます。

 行為の前に改めて申請を求めるということですけれども、外国運用会社の定義が過度に広がり過ぎないように、安全保障などの観点から懸念がないと言えるように定義を設定していっていただきたいと思います。

 機微技術を有する日本企業の株を例えば一〇%、二〇%あるいは五〇%以上取得して大株主となった外国投資家が、大株主としての影響力のもとで、経営陣との対話を通じて、事業を譲渡しないまでも縮小すべきといった提案を持ちかけることも考えられますし、外国証券会社や外国運用会社という名前だけで判断して、思わぬ抜け穴が生じないよう、しかるべく対応をよろしくお願いいたします。

 さて、財務省が公表された資料に戻りますけれども、その中で、国有企業などは事前の届出免除制度を利用できないというふうにされております。欧米でも、外国政府からの影響の有無は審査において重要な要素となっておると聞いておりますし、国際社会と歩調を合わせた内容だと思います。

 その上で、「よくある質問」の中では、国有企業等に該当することとなる政府系金融機関、ソブリン・ウエルス・ファンドについて、国の安全などを損なうおそれがないと認められるものには事前届出免除制度の利用が可能だとしています。ソブリン・ウエルス・ファンドの中にも、ほかの外国運用会社と同じようにポートフォリオ投資を行っている場合もあって、免除制度の利用を完全に閉ざすべきではないという考え方かと思います。

 一方で、ある国の運営するファンドは我が国の安全等を損なわないけれども、別の国のファンドは我が国の安全等を損なうおそれがあるという判断は、外交問題に発展する可能性があり、対外的な公表は行うべきではないと考えます。

 どのような観点でソブリン・ウエルス・ファンドの区別を行うのか、また、該当、非該当の情報を対外的に公表すべきでないと思いますが、その点について改めて政府から御説明をお願いいたします。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 ソブリン・ウエルス・ファンドが国の安全等を損なうおそれがあるかないかを判断する方法につきましては、例えば、その組織の設立目的でありますとか、日本への投資の実績、あるいは投資活動の実績、履歴といったこと、それからファンドのガバナンス構造、これは、より具体的には、例えば投資判断が外国政府から独立して行われているのかどうかといったガバナンス構造、こうした点につきまして、ソブリン・ウエルス・ファンド側に情報を求めて、提出いただいた情報に基づいて、国の安全等を損なうおそれの有無を判断するということを考えてございます。

 各それぞれのソブリン・ウエルス・ファンドの免除制度利用の可否、具体的な判断に当たりましては、あるいは、その結果、ソブリン・ウエルス・ファンド側に不利益が生ずる可能性があるというのは議員御指摘のそのとおりでございまして、その可能性も勘案しまして、ソブリン・ウエルス・ファンド側が自発的に公にするということがない限りは、政府の側からこれを公表するということは考えておりません。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 届出免除の基準と公表の可否の二点について今確認をさせていただきましたけれども、冒頭に麻生大臣から御答弁いただいた内容も含めて、政府が安全保障と投資促進の両立を目指して御検討いただいているということをしっかり理解をいたしました。政府の考え方には大いに賛同するところですので、制度の詳細設計において、その考え方を具現化できるようにぜひお願いしたいと思います。

 続いて、詳細設計の検討において、政府において考慮していただくべきと考える内容についてお伺いいたします。

 「よくある質問」の中で、届出対象及び免除対象となる企業についてのリストを公表するとのことですけれども、どこの企業がどのような技術でどのような事業を行っているのかなどの情報は、公表しているか否かも含めて事業戦略の根幹をなす重要な情報であろうかと思います。私の地元にも、極めてすぐれた技術を持ってビジネスを行っている中小企業がたくさん存在しますし、このような技術を我が国の経済成長につなげていかなければいけないと思っております。

 ある中小企業が極めて重要な技術を保有していることを国内外に公表することになれば、産業や雇用を守れなくなってしまう結果になりかねません。非上場企業で必ずしも事業内容を公開していない企業については、投資家の利便性のためにかえって不必要に情報開示を強要することにならないでしょうか。結果的に、国の安全などを損なうおそれのある業種に係る事業を含む企業の情報を提供することになり、国の安全等を損なうおそれが高まるのではないかと心配をしております。

 上場企業についても同様です。企業戦略として、例えば、みずからが武器製造に利用される可能性のある技術を有していることをあえて公表していないケースも考えられますけれども、政府が企業の意向に反して情報開示を強要することにならないでしょうか。さらには、当該企業が機微性の高い情報を持つ可能性が高いことを公表することになるとも言え、かえってサイバー攻撃の対象になってしまう可能性が高まってしまうのではないか、そんなことも心配をしております。

 こうした観点から、リストの公表に当たっては、リスト化される側の企業への配慮が必要だと考えますけれども、どのような配慮を行う予定なのかを御説明いただければと思います。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 リストの作成に当たりましては、上場会社について、定款や有価証券報告書などの公開情報に記載されている事業内容に基づきまして、事前届出の要否、それから事前届出免除の可否だけを示すリストを作成するということを考えております。

 これは、すなわち、詳細な事業内容などを公表するものではございませんので、企業の意に反して情報が開示されたり、例えばですがサイバー攻撃の対象になったりということはないものと考えておりますが、いずれにいたしましても、先生おっしゃられたとおり、投資促進のための投資家の利便性ということが、国の安全を損なうおそれをかえって助長したり、企業側の利益を損なうということがあってはならないということで、そういった点に十分配意した運用を進めてまいりたいと考えております。

 また、今、上場企業で公開情報ということを申し上げましたけれども、非上場企業につきましては、そもそもが投資家から広く資金調達を行うということを想定しておりませんものですから、非上場会社につきましてリスト化するということは予定をしておりません。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 今の御説明によりますと、上場企業のリスト作成の際には、基本的に定款や有価証券報告書などの公開情報で判断するとのことですので、技術の動向や企業の状況は日々刻々と変化しますし、実際に、民間投資家が投資判断を行う際には、有料の調査報告書はもちろん、投資先の会社に直接コンタクトして事業内容を聞くというようなことは当たり前に行っていますので、このリストの位置づけはあくまで参考情報であって、投資家がこれを見て投資したからといって免責されるものではないと理解をいたしました。

 御答弁の趣旨を踏まえますと、業種該当性については外国投資家の責任において判断されるということは、法改正後も現在の制度と変わらないと理解いたしますが、こうしたことも含めて、このリスト作成において検討すべき論点は数多くあるかと思います。

 いずれにしても、投資を阻害しない措置をとることは重要ですが、国の安全等にかえって悪影響を及ぼすことにならないように、公表の方法を慎重に御判断いただきますようお願いいたします。

 時間も迫ってまいりましたが、法施行後、財務省や事業所管官庁が制度を運用していくに当たって、幾つか見解をお伺いしたい点がございますので、質問をいたします。

 現状では、事前届出の手続は電子化をされておらず、紙の準備や窓口への持参の負担が大きいという話を聞いております。投資先の事業内容を一つ一つ全て調べ上げて、各事業分野の所管官庁のそれぞれに宛てて個々に紙の届出を準備しなければならない、非常に面倒なものだと伺っております。

 金融庁が所管する市場関係の報告はもう電子化がなされておりますし、デジタルガバメントは政府全体で推進すべき方針ですから、外為法の対内直接投資制度が紙の届出のままでいいはずがないと思いますし、届出の電子化は早急に実現すべきだと考えます。

 こういった政策は、ボトムアップではなかなか実現しないものです。大臣のリーダーシップのもとで、トップダウンで推進していただく必要があると考えますが、麻生大臣からの決意表明をいただければと思います。

麻生国務大臣 これは全くごもっともな御指摘なんですけれども、これは、山田先生、もともとは財務省の方が早くやったんですよ。財務省としては珍しく、二〇〇五年にこれは電子でいいですよということを言ったの。ところが、届けた件数は一千七百少々あったんですけれども、電子で届けたのは実に二十七件しかなくて、一・六%しかなかったんですよ、当時は。だから、じゃ、もうやめた方がいいというので、これは二〇〇八年にやめております。

 時代も変わって、それから十数年たっておりますので、市場関係者から電子をやらせろという、山田先生と同じような話、要望は今いただいておるところなので、私どもとしては、利用者の御意見等々を伺いながら、これは費用対効果を考えないけませんので、そういった意味では、日本銀行ともちょっと連携せないかぬところだと思いますが、電子手続の促進というものをやらせていただきたいと思います。

山田(美)委員 力強いお話、ありがとうございます。

 政府側の電子化はもちろんなんですけれども、これはやはり、証券会社や運用会社など、投資家側のシステム変更にもかかわってきますので、関係者と十分に協議をしていただいて、全体として効率的な使い勝手のよいシステム構築をお願いしたいと思います。

 さて、最後の質問になります。

 一部、前の質問とも関連しますけれども、外国証券会社や外国運用会社は、一〇%未満の場合には事後報告不要とされています。国の安全等の観点で問題がない投資を行う外国投資家への負担軽減措置だと理解をしております。

 本来は、事前届出免除制度を利用した場合には、事後報告を求めて、それによって、投資が実行されたことを当局が把握することになると理解をしておりますが、基準がちゃんと遵守をされたのかということをどのようにモニタリングしていくのかというのが非常に重要になります。情報収集が鍵となることは言うまでもありません。

 外為法の問題にとどまらず、最近は、経済政策と安全保障政策が絡む問題というのが非常にふえてまいりました。政府全体で、省庁の壁、それから官民の壁を越えて、幅広く情報を収集し、集約する体制を構築していくことが不可欠であります。

 我が国においても、国家安全保障会議を支える事務局である国家安全保障局の中で経済班の設置に向けた準備が進んでおり、経済問題についても大所高所から情報分析や戦略的な政策立案を行うと伺っております。省庁の縦割りを超えた協力体制づくりを急ぐ必要があろうかと思います。

 そうした中で、今回の外為法改正の関連では、事前届出免除制度の基準を遵守していない事例を事後的に見つけるに当たって、株式の大量保有報告を始め、既存の制度を通じて入手される情報を利用する観点で、金融庁との連携や協力が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 外国投資家の基準の遵守をモニタリングしていくことが極めて重要である、そして、そのモニタリングに際しては、投資先の企業に着目して、そこから必要な情報をしっかりと得ていく、その情報収集がかなめである、委員御指摘のとおりだと考えております。

 そこで、御指摘のございました大量保有報告書でございますけれども、それが受理された日から公衆の縦覧に供される、パブリックになるということとなっておりますが、財務省及び事業所管省庁は、大量保有報告が提出された際には、それを速やかに入手し、金融庁と連携して、外国運用会社等の株式の保有状況を把握して、基準が遵守されているかしっかりとモニタリングをしていく。そういう意味では、省庁間の連携が極めて重要と認識しておりまして、しっかりした連携のもとでモニタリングを行っていくという考えでございます。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 パブリックになったものを入手するというのは、これはもちろんでございますし、更にそれ以上にいろいろな連携を進めていただきたいと思っております。

 いろいろとお願いをさせていただきましたけれども、冒頭、麻生大臣に御答弁いただいたとおり、この法案は、我が国の投資促進と安全保障上の脅威への対応という、いずれも重要な課題に対応するものでありますので、ぜひ実現すべきものだということに変わりはございません。国際社会に誇れる制度となるよう、詳細設計や適切な運用をお願いしたいと思います。

 私の質問は以上です。ありがとうございました。

田中委員長 次に、末松義規君。

末松委員 立憲民主党の末松でございます。

 きょうは、いろいろと、政治的にいろいろな波が高くなってきていますけれども、淡々と法案の質疑をさせていただきます。

 この法案ですけれども、国家セキュリティーの観点から、株式保有、閾値というのを一〇%から一%に変えると。その意味で、そこは投資の自由というものにも配慮した形でやっておる措置ということで、我々の方は賛成をしております。

 そういう観点ですけれども、ただ、その中でも、指定業種の中で、機密情報なんかをどうしても入手したい国があるとしたら、例えば、一%以内でも、〇・八%ずつ、二十社とか三十社、どんどんわからないように集めて、そこで企業をコントロールすることもある、可能性もある。また、例えば、我が国がいろいろな情報に接する中で、全く知らない間に指定業種の中の株をある国がかなり保有をしていたというようなことが後でわかる。

 そういった場合であっても、事後的に、我が国政府の方で、財務省が中心となるんでしょうけれども、しっかりとそこは対応できて、セキュリティーの観点から、いや、そこはだめなんだぞということを事後的に対応ができる場合もあればできない場合もあるというのを伺っております。

 だから、そういったことが、事後的に、何かやばい、危ないなという情報が出てきたときも、しっかりと実効的あるいは機動的な対応ができるように、我が国の国益に沿って、有効な措置がとれる体制、システムの改善といいますか体制の改善、これをしっかりと、あるいは法的な改善をやっていかなきゃいけないと思うんですけれども、そこは大臣、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 これは、末松さん、全く大事な視点だと思っております。

 買ったそのころは大した会社じゃなかったんだけれども、後からその会社が別の会社に買われているかもしれませんから、そういった意味では、いわゆる国の安全保障にかかわるというような情報に接した場合には、これは事後的にもしっかり対応できるということにしておかないと、今言われたようなことになりかねぬという重要な御指摘だと思っております。

 今回の外為法によれば、無届けのものだとか、今の場合は虚偽とはいいませんけれども、虚偽の届出が行われたとか、後から状況が変わったとか、そういった形で行われたいわゆる不正、まあ合法的といえば合法的なんですけれども、いわゆる対内直接投資に対するものに関しては、それはだめということで、こちら側が後で株式の売却命令を出せるとか、指定業種で行えるようにする、これはだめとかいうように。

 そういった事後的な対応を強化していけるようにしておかねばならぬということに関しまして、私どもはそう考えておりまして、引き続き、この問題に対しては適切に対応してまいりたいと考えております。

末松委員 今の大臣の御答弁、本当にありがとうございます。

 ほかの各国、国際的に見ても、事後的な対応はびしっとやっているというところもございますので、そういった体制がきちんとできるように、また引き続き御努力をお願いしたいと思います。

 二点目ですけれども、この前、私の方で、日韓の関係悪化によって九州を中心に経済的にどしゃ降り状況といいますか、それが続いていて、これを救済すべきだというお話をいたしました。そしたら、大臣の方から、政府にとって落ち度がないわけだから、そこは、韓国との商売をやっているところはリスクの範囲内で受けとめるしかないだろうという話で、やや冷たい対応があったわけでございます。また、私の友達の方から、日韓の関係について、あれは韓国側が悪いんだ、だから末松は韓国の肩を持つなよという話がございました。

 私は韓国の肩を持ったことはなくて、今の韓国政権が、外交常識から外れた対応をしていて、これは問題だということをこの前の委員会でも言ったわけでございますけれども、ここで、外交人災という私が言ったことに対して、もっときちんと説明しろよ、そうじゃないと何を言っているのかわかんないと言われたので、ここ二、三分で説明をさせていただきたいと思います。

 私は、この日韓の関係、私なりに勉強してきたんです。ですから、そこでちょっと経緯から見させていただきたいんですけれども。

 日本政府が、G20の大阪サミット、これで大阪宣言というのを出して、貿易については、自由、公平、無差別で、透明で、しかも安定した貿易、これを促進すべきだということを大阪宣言ということで高らかにうたったんですね。これが六月二十八から二十九の大阪サミット。

 それで、その舌の根も乾かないうちに、七月一日になったら、突然、韓国に対して、半導体の関連でホワイト国から外す、こういう発表を行った。そして、その翌二日に世耕大臣がその理由について記者会見をしているわけです。私も、しっかりとそこは見てきました。

 世耕大臣の記者会見でのこの理由は、貿易管理で不適切な事例があったということだけでとめておけばいいのに、彼は、世耕前大臣は、徴用工の問題とかそういうことで、もろもろのことで日本と韓国の信頼が著しく損なわれたんだ、だからやったんだということを言って、これは将来、WTOで、この係争問題でかなりここは日本側にとって苦しい状況になっていくんですね。

 それと、こういうことで、経緯をもうちょっと広げて言うと、昨年、一年ぐらい前に、韓国の大法院が徴用工問題で日本企業に賠償しろという判決を行った。ここは、韓国の世論を見ていたときに、これはちょっと、日本側の企業に今さら賠償ということはなかなか難しいだろうということで国論が割れて、これはやはりまずいよね、日本側を怒らせちゃうじゃないかという話、また、日韓の基本条約、あれとの関係でまずいよねという話がかなり世論であったんです。

 でも、この日本側の今回のホワイト国外しで世論が統一してしまいまして、日本けしからぬという話になって、不買運動とか、さらに、対日の観光をやっちゃいかぬのだ、自粛すべきだという、そのボイコット運動が起こった。

 これが私の言う人災という、本当は必要のないことを、この不買運動とかあるいは対日の観光ボイコット運動を招き寄せるすきをつくったというのが、私が言う人災ということなんですね。

 だから、外交的に、例えば韓国政府が日本企業に対してこの賠償を強要させるような、例えば企業を接収するとかそういった場合は、これはおかしいといって報復、あるいは、これはもう本当にリタリエーションという形でやることは、あったとしても韓国側として不買運動とかそういうところまではいかなかったと思うんですけれども、その前に何でこんなことをやってしまったのというのが私の疑問だったんですけれども。

 これは、七月のことを考えたら、七月の四日から日本で参議院選挙が行われて二十一日に投開票なんですね。だから、これは私だけが指摘するんじゃなくて、いろんな識者も言っていますけれども、参議院選挙にこれを政治利用したということが言われているわけですね。これで、韓国けしからぬという世論をつくって、そして、それで与党を有利にしたいという思いがあったんだということがいろいろと指摘をされています。

 それはそれで、あったのかもしれないし、そこまで私も検証のしようがありませんけれども、でも、それの逆に反発として韓国における日本製品不買運動とかボイコット運動が起こってきた、これは非常に問題でございます。

 ですから、本来、日本国として、日本国の主張は正しいという政府の立場であるならば、そういったダメージに対して、寄り添って、しっかりとそこは、我々はできるだけの救済をするから、これは韓国がおかしいんだから、だからあなた方は救済しなきゃいけないというふうに、同胞を助けていかなきゃいけないにもかかわらず、何かそこを突き放して、それはもう商売、リスクがつきものだというふうに言われるというのは、これはまずいと私は思っているわけでございます。

 さらに私、もうちょっと外交的なことを、ここは外務委員会じゃないですけれども一言言わせていただければ、GSOMIAの破棄とか韓国側からいろんな反発が起こって、これこそ、日本政府がずっと言ってきて、対北朝鮮の包囲網をしっかりとやっていく、それをやらないかぬと世界に発信をしてきたにもかかわらず、みずから自分で大穴をあけてやっていく。これなんかは本当に外交失態だと私は思っているわけです。

 やはり北朝鮮の核兵器というのは、一番我々にとって重要なテーマであるべきなんですね。

 そして、さらに、この日韓の外交の今の悪化を、今度はアメリカに頼んだんじゃないかと思うんですけれども、何かアメリカが動き始めて、トランプ大統領が日韓の調整あるいは仲介に動くという、本当に必要ない、不必要な外交的な借りまでつくっているというのは、私はおかしいと思うわけでございます。これは私の友達からもそれを指摘をされたんですけれども。

 ですから、こういうことの中で、この前の麻生大臣のお言葉の中に、日本政府に極度に瑕疵があったわけじゃないから、あとはリスクは商売人が負うべきだというのは、私としては納得できない。その中で、麻生大臣が国が補償するなんということはあり得ないでしょうと言われたわけですよ。でも私、末松の方は、国が補償ということは一言も言っていない。これは、極論を言ってそしてそれを否定したような言い方なんですね。

 だから、私が言いたかったのは、まさしく、中小企業とか旅館とか、いろいろな被害を受けている企業が何とか立ち直るかあるいはそれをまた再生できるような政府からのいろいろな融資の支援とかあるいは融資しやすい支援、こういう環境をやることが救済だと言っているわけです。

 だから、そういった意味で、私、中小企業庁の方ときのう話をしていたら、幾つかのスキームがあるということでございますので、そこは、じゃ、中小企業庁の方から説明いただきたいと思います。

鎌田政府参考人 お答えいたします。

 資金繰りに困難を来す中小企業に対しましては、日本政策金融公庫によりまして、セーフティーネット貸付けなどの制度を用意しておりまして、これらの施策によりまして支援を実施しているところでございます。

 また、よろず支援拠点におきまして、事業者の多様な経営相談に応じ、販路開拓やホームページを通じた情報発信などの支援を行っているところでございます。

 これらの施策を通じ、影響を受けている中小企業の支援について、引き続き対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

末松委員 そういう支援策というのは、中小企業は知っていますか、いろいろなメニューがあるということは。できれば、当然、本当に広く周知をしてもらって、できればワンストップでそういった困った企業が相談できるような、それをやってもらいたいと思うんですね。

 大企業はメーンバンクとかが一生懸命助けるでしょう。それはいいんですけれども、特に中小企業が本当に疲弊していくということ、これはまずいと思うので、そこはちょっと、広報し、ワンストップでやっていくようなことを、ぜひ中小企業庁の立場からもう一度言ってもらいたいと思います。

鎌田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど御説明させていただいた施策につきましては、自治体などにも御説明をさせていただいておりますし、また、御説明させていただいたよろず支援拠点は、これがそもそもワンストップの窓口というふうな形で機能しているところでございますが、御指摘も踏まえまして、引き続き情報発信に努めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

末松委員 そこはよろしく、救済の方をお願いします。

 黒田日銀総裁にもおいでいただいておりまして、ちょっと私の方で、余り深い議論はできませんけれども、まず御質問させていただきたいと思います。

 黒田総裁が、質問のときにあったように、日米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられないということを、これが大体平成十四年でしたっけ、日本国債が低く評価されたときに言っておられた。それについて、日銀総裁の立場としてどういうふうに認識しておられるか、それをお伺いしたいと思います。

黒田参考人 日本銀行総裁の立場から、一般論としてお答えします。

 日本国債が市場で消化されているというのは、やはり日本国債の償還能力に対する信認が前提になっていると思います。したがいまして、仮に市場の信認を失う事態が発生すれば、金利の上昇などを通じて国の市場からの資金調達が困難になる可能性もあるというふうに考えております。

 したがいまして、中長期的な財政健全化について市場の信認をしっかりと確保することが重要であるというふうに考えております。

末松委員 多分これはMMTの理論にも沿ったような感じなんですけれども、今の、自国の金であるならば国債を幾ら発行してもデフォルトというのはないよというのは、私自身が素直に感じるのは、確かに、日本国債を幾らやっても自国の円である限り円をどんどん発行すれば返済に困ることはない、それがMMTの言っていることであるし、それが、日本というのが非常にMMTの模範国である、インフレどころかデフレになっていて全然問題ないじゃないか、こういうことなんですけれども、私の今の解釈ということでいけば、信認というのもあるけれども、さらに、自国の通貨である限り中央銀行がきちんと通貨を発行すれば問題ない、この見解についてどう思われますか。

黒田参考人 このMMTの観点というか、その点からいろいろな議論があることは事実ですけれども、MMTについて、しっかりしたマクロ経済学的な裏づけがあって議論になっているというよりも、むしろ、基本的な考え方として、財政政策は財政赤字や債務残高などを考慮せずに景気安定化に専念して、中央銀行がこれをファイナンスするということで大丈夫だという議論だと思いますが、そこは、マクロ経済学が教えるように、仮にそういうことをすれば、大変なインフレになってしまうおそれもありますし、また、金融システムがおかしくなるというおそれもありますし。

 さまざまな問題があり得るわけですので、MMTの議論が学界で受け入れられているとか、あるいはしっかりした理論で裏づけられているということではないと思うんですけれども、確かにそういう理論というかそういう議論があるということは事実なんですが、我が国の経済政策運営がそうした考え方に沿って行われているということではないと思います。

 財政政策については、政府は、機動的な財政運営を行いながらも、中長期的な持続可能な財政構造を確立するための取組を進めて市場の信認確保に努めておられますし、金融政策面でも、日本銀行は、物価安定の目標の実現のために、最も適切なイールドカーブを形成をするというように市場から国債を買い入れておりまして、これはあくまでも物価の安定のために実施している必要な政策でございます。

 したがいまして、我が国の財政金融政策運営がMMTの理論というか議論を裏づけしているということでは全くないというふうに考えております。

末松委員 この問いを麻生大臣にもしたかったんですけれども、ちょうど質問時間が終わったということで、引き続きそこの議論をさせていただくということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、櫻井周君。

櫻井委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの櫻井周です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 それでは、本日の議題になっております外為法の改正案について議論をさせていただきたいと思います。

 まず、外為法についてでございますが、そもそも、立法趣旨というのを見ますと、外国為替や外国貿易などの対外取引が自由に行われることを基本としつつ、必要最小限で管理することで我が国経済の健全な発展に寄与する、こういうふうになっております。

 簡単に言えば、外国との自由な取引で経済を発展させましょう、でも、自由勝手にやっているといろいろなリスクも出てくるから、そこは最小限のチェックはしますよ、こういうことだと思います。自由な取引によるメリットと無防備になってしまうリスク、そのバランスをとるというのが立法趣旨だというふうに理解をしております。そして、このメリットとリスクというのは、国際情勢によって変化していくものというふうにも理解をしております。

 一方で、これまでの経済の常識では、発展途上の段階ではある種の開発独裁というような経済体制もあり得たんでしょうけれども、ある程度のレベルに達すると、自由、民主主義、人権、法の支配、こういったものが経済発展の基礎になるんだ、これがなくしては、より高いレベルの経済発展はあり得ない、このように信じられてきたし、私もそういうふうに思っておりました。

 ところが、昨今の状況を見ますと、国家資本主義、権威主義というのが幅をきかせるようになってきている。これまで信じられてきたことが必ずしも通用しないのではないのか、自由などの価値観に基づく社会が破壊されるのではないのか、そんな恐怖心も芽生えてきているところです。

 中国では、二〇一七年六月に国家情報法というのを制定して、その七条には、いかなる組織及び国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助及び協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない、このように規定をされています。

 これ、そのまま読むと、何か中国人の皆さんは国を挙げてスパイ活動するのか、こんなふうにも捉えかねないようになりますが、こういうこともあってか、リスクが高まったという認識で、アメリカやヨーロッパにおいては規制強化に乗り出している、このようにも理解をしているところです。

 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、大臣は、法案の趣旨説明のときには、国の安全等を損なうおそれがある投資について、昨今の主要国における対応強化の動向を踏まえ、随分マイルドな表現でされておりますけれども、やはり昨今の国家資本主義、権威主義が幅をきかせている状況について、やはり私はこれも法改正の背景にあるんだろうなというふうに理解をするんですが、この法改正の背景について、もう少し大臣から御説明いただけますか。

麻生国務大臣 アメリカ・ファーストとかいろいろ、中国とかいろいろ、今、櫻井先生の御指摘である流れがあるというのは、昨今の一部の流れとしてはあると存じますが、例えば日本の場合は、これはどう考えても、さきの戦争で負けて多くの国土を失った後、この小さな国土、世界の〇・三%しかない国土で、世界の貿易のナンバーツーまでのし上がる、ナンバースリーまでのし上がるということができたのは、これは自由貿易体制のおかげ以外の何物でもありませんから。そういった意味では、この体制の維持というのは大事なところだと思っております。

 その上で、我々としては、今回の外為法ですけれども、投資の自由というのは、原則これはもうきちんとした上で、その上で、対内直接投資について、いわゆる国の安全保障というものを考えたときに、こういったものに対する投資はいかがなものかということを考えて、一部の業種に限定を求めて事前届出してくださいと、例えば武器製造業とか航空機産業とかガスとか電気とか、非常にいろいろあろうかと思いますけれども、そういったのは事前届出を求めているということであります。

 対内の直接的な健全投資というものは大事なことなのであって、日本にとって、外からの直接投資というものはいろいろな意味で日本の産業発展に大きく寄与したことは間違いありませんので、その促進を図っていく必要があるんだとは思いますけれども。

 他方、今言われましたように、国の安全保障を損なう等のおそれのある投資についてということで、これはそういう流れが今の中国の話以外にいろいろありましたので、昨年でしたか、二〇一八年の八月にアメリカで新法が成立したのかな、それで、翌年、ことしの春ごろにたしか欧州でもいわゆるEUの新しい規制が成立するなど、先進国においてもいろいろ法改正がなされておる。

 ですから、対応の強化が進んでいるんだと思いますので、我々としても、日本がその抜け穴になるというので、おまえのところが抜け穴じゃないかというようなことになりかねませんから、適切な対応を行っておく必要があろうというものの一端がこの外為法の改正というふうに御理解いただければと存じます。

櫻井委員 いろいろなリスクもあるというお話でございました。

 国際社会におけるリスクの高まりに対して、外為法で手当てをしている部分というのもある。今の御答弁の中にも、外為法でその一端というふうにおっしゃられました。しかし、それ以外の法律で手当てをしている部分もございます。ただ、いろいろな法律で手当てしていても、それぞれ法律が違えば立法目的も微妙に違っていて、すき間なく手当てできているかというと必ずしもそうでもないかなというふうに思います。

 そこで、改めてお尋ねをいたしますが、こうしたいろいろなリスクに対して、もう一度何か法令を全般的に見渡して、もちろん今回の外為法で手当てをしているところもあるけれども、それ以外抜け落ちているところはないのかということを、やはり副総理のお立場で見ていただいて、きちっと点検するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 これは櫻井先生御指摘のとおりに、今回の外為法というのは、いろいろ、今も答弁で申し上げたようにその一部と申し上げましたけれども、少なくとも、この改正だけで日本のいわゆる一連のリスクに対する対応が全部できているかというのは、これは困難です、はっきりしておりますので。例えば、法律として、航空法もあるでしょうし、電気事業法もあるでしょうし、港湾法もあるでしょうし、金融商品取引法かな、そういった法律、思いつくだけでもずらっと出てきますので。

 そういったようなものは、変化していく国際情勢の中にあって、これにどのように対応していくかというのは、各国、いろいろ、よく会議でこの話はいたしますので、そういったものでそこらの国々とよく詰めた上で、では、うちもこれを一緒にやろうというようなことをやっていかないと効果が上がらぬということになろうかと思いますので、そこらのところは対応していく必要があろうと考えております。

櫻井委員 そうですね。今大臣の方からも幾つか例を挙げていただきましたが、私の方からも、もう少し具体的に話をさせていただきます。

 例えば、今回の外為法というのは、そもそも、外国から日本の国内への投資なりということが対象になっているわけですが、国内に居住されている方は外為法では対象にならない。そうすると、例えば、日本に対して輸出をする、輸出代金をその後本国に持ち帰らずに日本国内の何か現地法人みたいな形でどんどんため込んでいけば、大きな資金をため込むことができるわけですね。そのお金でもって何か投資をしよう、企業を買収して、その技術を、それこそ機微技術を盗み出そうとか取り出そうというようなことを考えたとしても、これは外為法で規制する対象にはならないということになろうかと思いますが、まず、その理解でよろしいでしょうか。

岡村政府参考人 事実関係をお答え申し上げます。

 外為法は、国境をまたぐ資金の流れを伴う取引を対象としておりますので、国内居住者は基本的に対象外でございます。

 基本的にと申し上げましたのは、例えば外資比率五〇%以上の法人などのように、非居住者の影響下にあるとみなされる居住者、こういったものは例外的に外為法の規制が及ぶこととなりますが、国内居住者は基本的に外為法の対象外でございます。

櫻井委員 こういったように、外為法は、外から中に入ってくるその資金の動きについて規制をしているから、国内に一旦入っちゃうとなかなか対象にならないということでございます。

 もちろん、投資分野について、もう何でもかんでも、国内居住者も含めて全て規制をしてしまうとなると、これこそ自由な経済取引を阻害してしまって、とんでもないことになってしまうというふうにも思うわけなので、これは経済発展に逆効果です。

 自由というのは、自由な取引というのは大前提ではあるんですけれども、ただ、内外でいろいろなリスクが高まっているという中において、こうした部分について何かちょっと穴があいているようにも見えるものですから、この点についても検討していかなきゃいけないと思うんですが、大臣の御所見をお願いいたします。

麻生国務大臣 今、岡村の方から答弁をさせていただきましたけれども、今国内に居住しておられる外国人によるいわゆる企業買収という話なんですけれども、これは国境をまたぎます資金の流れとは全然違いますので、いわゆる外為法の対象外ということになろうかと思いますので、外為法の対応では困難。そういったものに対するリスクは共有します、私も同じように思いますので。

 これは具体的な事例について一つずつやっていかなきゃいかぬところだと思いますので、対応の検討を今後進めていかないかぬ分野だと思っております。

櫻井委員 具体例の二つ目を申し上げます。

 今回、事前届出対象業種というのがあって、その中の公の秩序として水道事業が挙がっております。ただ、これも局長にお尋ねをいたしますが、水道事業は対象になっていても、水道事業を行う上で必要不可欠な水源については何ら規制されていないわけですよね。そういうことでよろしいでしょうか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、水道は公の秩序として指定業種に入っておりますので、外国投資家が水道業を営む会社の株、株式を一定以上取得する場合には、これは対内直接投資ということで、外為法の規制の対象になるということでございます。

 他方、外国投資家が先生御指摘の水源地を取得する場合には、その取得の対象が株ではなく土地でございまして、これは対内直接投資に該当いたしませんので、そういう意味では外為法の規制対象から外れるということになります。

櫻井委員 これは、水源地の保全等について大丈夫かという議論は、与党の中でも以前そうした議論があったやに聞いております。私もやはり水源の保全というのは非常に重要なところだというふうに考えますので、大臣、いかがでしょうか。これは、ただ、外為法でやるというのは何かちょっと筋としては違うと思いますが、しかし、何の規制もないというか、自由にやってくださいというのもちょっとおかしな話だと思います。大臣の御所見をお願いいたします。

麻生国務大臣 水源地の保全というのは、これは間違いなく重要な政策課題で、よく、水は持って帰れないからいいじゃないかと言われた方も随分いらっしゃいましたけれども、そうとは限りませんから、なかなか難しい問題だと思っております。

 先ほど岡村の方から申し上げましたように、ただ、水源の保全を外為法でやるというのは少々無理がありますので、そういった意味では、水源地に限らず、外国人並びに外国資本による土地の取得、例えば結構話題になったところで、万景峰が寄ります新潟港のある土地の真裏というのが買われる買われないとえらい騒ぎになったことがあったと記憶しますけれども、さまざまな御意見があることも確かなので、今回、外為法からスタートしておりますけれども、その他の法律について、これはちょっと他省庁の話になろうかと思いますけれども、そういったところを含めまして、この問題は安全保障の意味からいろいろな広い範囲で考えないかぬところだと思っております。

櫻井委員 本日は経済産業省からも政務官に来ていただいております。ありがとうございます。

 外為法というのは、省略すると外為法ですが、正式名称は外国為替及び外国貿易法ということになっております。

 外国貿易に関してもいろいろなルールがあるわけでございます。

 機微技術の管理のあり方というのも、今回、一つ大きなテーマだというふうに理解をしております。

 産業構造審議会の小委員会の中間報告では、機微技術の流出を通じた安全保障上の懸念というのが指摘をされております。

 これは、外国貿易、貿易で製品レベルで規制するということはできたとしても、技術情報を規制することは外為法の中ではなかなか難しいというふうに理解をしております。

 一方で、だからこそ、不正競争防止法とか特許法とか、いろいろな法律で知的財産を守っていこうというふうにもなっているわけですが、ただ、昨今の状況を見ますと、国際的なリスクに対して十分防御をできているのか、穴があいている部分があるのではないのかというふうにも考えるんですが、これは経済産業省の所掌の分野で、政務官、どのように把握されていますでしょうか。

宮本大臣政務官 櫻井委員にお答えをいたします。

 我が国の特許法におきましては、特許出願について、その内容が公序良俗に反しない限り、原則として、出願から十八カ月経過した段階で全件公開をするということになっております。これは、第三者に新技術の存在を知らせることで、重複した研究開発を防止するとともに、当該発明を利用した発明を積み重ねることの促進、このことも意図しております。

 ただ、一方で、諸外国において、国家安全保障上の機微技術の流出を防止するために出願内容の公表を制限するいわゆる秘密特許制度、これを導入している国がある、日本以外にそういった国もあるということは、これは承知をしております。

 こうした制度につきましては、特許制度における発明の公表の趣旨と、そして国家安全保障上の秘密保護の要請に留意しつつ、慎重に検討すべきものと認識をしております。

田中委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

田中委員長 速記を起こしてください。

 櫻井周君。

櫻井委員 今、特許法についての御答弁も政務官からいただきました。

 外為法は、こうした機微技術も含めてしっかり守っていこうという法律ですが、特許法は、ちょっとその立法趣旨からすると、発明した人が発明したものを公表するかわりに二十年間の独占排他権を認めますよ、公表する対価として独占排他権を認めるというような構造になっているものですから、公表がやはり前提になっている。今政務官から御答弁いただいたとおりだと思います。

 そうすると、やはり機微技術がどうしても漏れてしまうというようなことにもなりますし、過去には、こうした機微技術について、先端技術について、日本の企業から外国企業にどんどん漏れていっちゃったという事例もございます。

 こうした観点からも、特許法、先ほど秘密特許の話もございました、また、日本においては、第一国出願、まず、日本国内で発明したものは日本国内で出願をするというようなことで、きちっと日本国内に技術をまず定着をさせるというようなこと、こうしたことが行われていないので、こうした観点からも手当てが必要なのではないのか。ぜひ、経済産業省でも検討を進めていただきたいというふうに思います。

 また、こうした先端技術については、大学や研究機関においてもいろいろ開発をされているわけでございますが、例えばアメリカの大学関係者から聞いた話でございますが、アメリカと中国、人工知能の技術でしのぎを削っているわけでございます。この人工知能の技術というのは、サイバーセキュリティーにも直結する問題でもございます。ですから、アメリカの大学院の、それこそ人工知能の研究のコースでは、技術流出のおそれのある国からの留学生を制限するべきではないのか、そんな議論もあるやに聞いております。

 また、ことしの十一月四日、二週間ほど前のニューヨーク・タイムズの記事でございますが、NIH、アメリカの国立衛生研究所の研究機関で、中国系のアメリカ人が研究成果を盗んで中国政府に渡していたのではないのか、こんな疑いもあるという記事が出てきております。

 そのほかにも、アメリカ国内では、FBIや司法省が、中国に技術を売ったというか技術窃盗があったんじゃないのかということで訴えた事件がこの一、二年の間に複数あるということで、これは、日本経済新聞にもそういった記事がことし載っております。

 こういったことを考えますと、やはり、国の安全を守るための管理、調整においてはまだまだ行き届いていない部分があるのではないのかというふうに考えるのですが、これは経済産業省の所掌の範囲もあればそうでない部分も、文部科学省とかいろいろ多岐にわたるかもしれませんが、政務官の御見解をよろしくお願いいたします。

宮本大臣政務官 今御指摘、また、御懸念の件に関しましてお答えをいたします。

 大学であったり研究機関が開発又は保有する技術の中には軍事転用される可能性がある技術もあることから、大学等に対する技術管理を徹底する、このことはますます重要になっていると認識をしております。

 このため、経済産業省では、安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス、これを一昨年改訂をいたしまして、大学や研究機関における研究活動の実態に即した効果的な管理手法を紹介するとともに、大学の体制整備、これを支援するための規程類や、また審査票のひな形、こういったものも提示もしております。

 加えて、大学・研究機関における安全保障貿易管理に関するヒヤリハット事例集、こういったものも本年五月に公表しておりまして、法令違反につながりかねなかった事例及びその対策について十分に情報の提供もしているところでございます。

 また、管理体制の構築、また、運用改善を希望する大学等があった場合には、そこに対しては個別に安全保障貿易管理の専門家をアドバイザーとして派遣する、また、地域ごとに説明会を開催して大学等の取組を支援する、こういったことも進めているところでございます。

 大学等におきましても、グローバル化が進展する、そういったフェーズに入ってきておりますので、国際連携を通じたイノベーションの創出と安全保障貿易管理の徹底、これは車の両輪であると考えておりますので、経済産業省といたしましても、引き続き、大学等の自主管理の強化に取り組んでまいりたいと思っています。

櫻井委員 今政務官から御答弁いただきましたとおり、いろいろ取組は進めていらっしゃる。

 ただ、研究をされている方というのは、やはり研究の成果を発表して、こんな新しいことを発見しましたよ、発明しましたよ、開発しましたよとアピールして、発表して、それで初めて評価されるというところがあります。発表して何ぼの世界のところで、いや、それは秘密にしておいてくださいというと、これは方向性として真逆なわけでございますね。

 なかなかその辺のバランスをとるのは難しい部分があろうかとは思いますけれども、しかし、だから発表するなと言われたら、それはそれで、そのかわりに何らかの評価制度とかいろいろ必要になってくるのではないのかというふうにも考えますので、ぜひとも取組を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 また、今回、外為法ということですが、外為法に関しましては、先ほど末松委員からも質問がありましたとおり、韓国との輸出の規制の、輸出管理の件、これも外為法が根拠法になっております。

 七月一日、経済産業省は、大韓民国に関する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したこともあり、輸出管理を適切に実施する観点から厳格な制度運用を行うということで、弗化ポリイミド、レジスト、弗化水素について、規制をより厳格にするということをやった。例えば、弗化水素については化学兵器の原料になり得る、こういうことでございます。

 そこで、経済産業省にお尋ねをいたしますが、この大韓民国に関する輸出管理をめぐる不適切な事案ということでございますが、もしこの不適切な事案ということであれば、これは日本と韓国の間の問題にとどまらず、やはり国際的な問題になろうかと思います。化学兵器の拡散防止の国際的枠組みである例えばオーストラリア・グループですとか、こういったところで情報交換、問題意識の共有、そういったアクションはとられているんでしょうか。

飯田政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘の弗化水素につきましては、今御指摘ございましたように、化学兵器の原料として、オーストラリア・グループのガイドラインにおきまして厳格な輸出管理を行うということが決められております。ただ一方で、その輸出管理の運用につきましては各国の裁量に委ねるということもガイドラインに明記されているところでございます。

 今回の韓国に対する運用の見直しにつきましては、過去に発生した不適切事案の再発防止のためということで、我が国の輸出管理当局の判断として決定し実行しているものでございます。

 今御指摘のオーストラリア・グループで議論をしたのかという点につきましては、オーストラリア・グループの会合におきましては、生物化学兵器に関します輸出管理、これをめぐるさまざまな動向について関係国と情報交換を行っているところでございますけれども、このオーストラリア・グループではその議論の詳細について対外的には明らかにしないこととされておりますので、議論の詳細についてはお答えを差し控えたい、このように考えております。

櫻井委員 本当に不適切な事案があったというのであれば、そういうことがあってはならないので、きちっとこれは管理していただかなきゃいけないし、再発防止、しっかり取り組んでいただかなきゃいけない。

 他方で、先ほどの末松議員の質問の中にもありましたとおり、世耕大臣それから菅官房長官も、徴用工問題をめぐり韓国政府からG20までに満足する解決策が示されなかった、こういうことが背景にあるということを記者会見でも述べていて、徴用工と絡んでいるのか、対抗措置なのかというふうな余計な疑問を惹起するようなことを言っちゃっているから話がややこしくなっているのではないのかというふうに思うわけですね。後になって徴用工問題の対抗措置ではないと幾ら言ったって、それはやはりそうでしょうということに思われてしまう。

 一方で、この弗化水素については、弗化化合物大手のステラケミファという会社があるわけですが、ここは、先週発表した決算ですと、純利益が前年同期比で五八%減ということで、それなりに大変な状況になっている。

 こうしたことについて、先週の財務金融委員会で、麻生大臣は、外国と商売していれば、その国の事情が変わったときは突如として状況が悪化する、常につきまとう危険は覚悟しておかないといかぬ、当然のことだと思いますがね、外国と商売していたらという答弁をされています。

 これは、政治リスクがあるというふうになりますと、そうすると、企業はその分手当てが必要、在庫を積み増すとか調達先を別なところからも探すとか、いろいろやっちゃうということで、余計なコストがかかって手間暇がかかれば、その分やはり経済発展の妨げになってしまう。外為法の本来の趣旨の、自由な取引をやってそれで経済を発展させていきましょうよということと真逆のことになってしまうわけです。

 実際、韓国企業は、政治リスクへの対処として国内調達をやっていると。LGディスプレイは韓国工場で使う弗化水素を全て国内メーカーから調達することに成功した、こんな報道も出ております。これが本当なのかどうかは私はわかりませんが、そういう報道もあるということです。

 そうすると、せっかく日本企業、一生懸命頑張って世界シェア七割、八割、九割というふうにして築いてきたものが失われることになるのではないのか、日本企業は、韓国で培ってきた、世界で培ってきたマーケットを失うだけということになりはしないかという心配をしているんですが、どうでしょうか。

宮本大臣政務官 お答えをいたします。

 まず、今回の運用見直しに関しましては、これは禁輸ではなく、民生用途であると確認された輸出は許可をしてきております。また、一方で、弗化水素等が、厳格に輸出管理を行うことが国際輸出管理レジームにおいて合意されている、この事実に関しても御認識もいただいているかと思っております。

 不適切事案の再発防止のために必要な輸出管理の運用見直しは、国際社会の一員としての当然の義務でありますので、政治リスクといった御指摘にも当てはまらないと考えております。

 いずれにいたしましても、先ほど御指摘がありましたステラケミファ社に関しましては、七月四日に開始をした輸出管理強化による業績への影響は精査中ということでもございますので、日本企業への影響については引き続きしっかりと注視もしてまいりたいと思います。

櫻井委員 時間も参りましたのでこれで最後にいたしますが、やはりこうした、最初申し上げましたとおり、自由取引によって発展をさせていくというメリットと、それからいろいろなリスクがあるよねと。このメリットとリスクのバランスをとるというのは、口で言うのは簡単ですが、実際やるのは本当に大変だと思います。

 変な政治リスクにならないようにしつつ、しかし、守るべきものはしっかり守るということで、この法律、外為法の運用、その他の法律の運用をしっかりとやっていただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございます。

田中委員長 次に、日吉雄太君。

日吉委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの日吉雄太です。

 本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。外為法改正案、これについてまず質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 我が国の対内直接投資は、各国から見ても低い水準にあります。二〇一八年の一年間の対内直接投資では、アメリカが二千五百八十四億ドル、中国が二千三十五億ドル、ドイツが千五十八億ドルで、フランスが五百九十九億ドル、イギリスが五百八十七億ドルに対し、日本は二百五十九億ドルとなっています。

 その要因には、我が国が、国内産業の育成と保護に重きが置かれ、外国資本の受入れは経済復興を支え得るものに限られていたといったことがありまして、そのために、対内直接投資については相当に不自由な状況にあったと言われています。

 安倍内閣は二〇一三年に、国内経済活動のグローバル化を徹底するべく、二〇二〇年までに対内直接投資残高を三十五兆円に拡大することを目標に掲げました。二〇一八年末には、対内直接投資の残高は三十兆七千億円になり、過去最高額を更新いたしました。

 今後、政府として、対内投資の促進に重きを置くか、それとも規制をかけるか、今の状況を見ますと、規制と促進、アクセルとブレーキを同時に踏む、非常にバランスをとるのが難しい状況に思われております。

 いま一度、促進と規制のバランスについて麻生大臣に、この考え方を教えてください。

麻生国務大臣 いわゆる外国貿易法、通称外為法ですけれども、これは投資の自由が原則ですから、そういった意味では、一定の対内、日本に対する直接投資については、国の安全保障等々を求めるという観点から、一部の業種に限定して事前届出を求めるという話になっておりますので、今言われましたように、健全な対内、日本に対する直接投資というのは、これは極めて重要な要素なのであって、一層その促進を図っていくというのは今後とも必要なものだと思っております。

 他方、安全保障を損なうという話は最近よく出てくるような話になったんですが、昨年八月、アメリカでこの法律を新しく厳しくし、EUがことしの三月、このルールを厳しくしているんですが、制度改正による対応強化という動きは、これは世界じゅうには大きく進んでいるというのがこの一、二年の顕著な傾向だと思っております。

 したがいまして、今回も、この法律を改正させていただくに当たっては、健全な対内直接投資というのを一層促進するために、いわゆる事前の届出制度というのの免除制度、免除しますというような形で、しやすくなるようにしたというのが一方、傍ら、安全保障が損なわれるというようないわゆる投資に対応するため、この事前届出制の対象というものを見直すという形にするものであって、それなりに、同じ対象でも、事前届出を免除するか、見直すかというような形で、バランスをとるというような点は極めて大事なところだと思っております。

日吉委員 そのバランスをとっていくこと、非常に難しいことだと思います。一方で、促進もしていかなければいけない、規制もしていかなければいけない、このバランスのとり方、今後、慎重に進めていただきたいと思います。

 それでは、法案の各論といいますか、一つ一つ、ちょっと疑問に思ったことをお伺いさせていただこうと思います。

 まず初めに、事前届出免除制度の対象外として国有企業等があります。免除されないということですけれども、この例外、免除される場合に、どのような基準で判断をしていくのか、これについて教えてください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 国有企業等といいましても、さまざまな形態がございますことですから、その投資目的や形態、あるいは実績やガバナンス等につきまして当局が個別に検討して、ソブリン・ウエルス・ファンドでありましても、国の安全等を損なうおそれがないと認められるものは免除制度の利用を可能とすることといたしております。

 その判断の基準ということでございますが、例えば、ソブリン・ウエルス・ファンド、ファンドの組織としての設立の目的でありますとか、あるいは日本への投資の実績とか活動の履歴、それからそのファンドのガバナンス構造、投資判断が外国政府から独立して行われているか、あるいは外国政府の強い影響下にあるかどうか、こういった点につきまして、ソブリン・ウエルスのファンド側に情報を求めて、その提出された情報に基づいて、おそれの有無というものを判断するということを考えてございます。

日吉委員 その判断基準に際して、恣意的にならないように御注意いただきたいなということを申し上げさせていただきたいと思います。

 それともう一点、この国有企業等の「等」、この等は何か、念のため確認させてください。

岡村政府参考人 例えば、アメリカでいえば、連邦政府ではない州政府の年金基金といったようなものが、こういった意味では外国政府の影響下、国有企業等ということになろうかと思います。

 ただ、今の例は年金基金でございますので、これは形式としては、ソブリン・ウエルス・ファンドと同じように、リターンを目的とした運用をするということですので、個別判断をした結果、免除制度が利用できるかできないかということを判断していくということになろうかと思います。

日吉委員 ありがとうございます。

 次に、貸付けについてちょっとお伺いいたします。

 今回の改正の対象は株式の取得についてでございますが、経営への参画を企図して行われる投資という意味では、長期の貸付けも経営に影響を及ぼすというふうに考えられています。

 この長期の貸付けについては今現在どういった規制があるのか、そして、今回改正がありませんでしたけれども、この改正の要否、今後どのように考えているのか、教えてください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 貸付けにつきましては、対内直投の行為の類型ということで現行法で規定されておりまして、今回はその部分についての改正はないところでございます。

 したがって、今私どもがこれについて改善をということで検討しているという事実はございません。

日吉委員 検討されていないということですけれども、貸付けについても同様の問題というのはあるのかなとも思うんですけれども、そのあたりはどのような御見解をお持ちでしょうか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 貸付けにつきましては、企業に対して直接支配権、支配力を及ぼすということがございませんものですから、つまり、株を取得して、その経営に参画して、そこから経営を支配し、そこから機微な、機微なと申しますか国の安全に関係する情報を窃取する、こういう国の安全等へのおそれの有無ということで対内直投の行為類型を考えましたときに、今申し上げましたとおり、貸付けは国の安全等を損なうおそれに対する対応の必要性ということからすれば、範疇から外れるというような理解をいたしております。

日吉委員 この長期の貸付けにつきましては、確かに支配権は持たないんです、支配はしないんですけれども、ただ、貸付け、その額にもよりますけれども、それを引き揚げるとなると、企業に事実上大きな影響を及ぼすことになるということがございます。だからこそ、長期の貸付けにもいろいろ規制がかけられていると思っております。

 そんな中で、この長期の貸付けについて全く考慮をしないというのもどうなのかなというような思いを持っておりまして、現状は検討していないということなんですけれども、今後必要性がないかどうか、確認をいただけたらなというふうにお願いをさせていただきます。

 続きまして、今回の改正におきまして、議決権ベースの考え方、こういったものがつけ加えられております。また、株式の取得ベースだけではなくて、議決権の割合が一%以上というような基準が加わりました。これは密接に関係している者と合わせて一%を超えるということなんですけれども、こういったものを、誰が密接に関係しているのかということをどのように、審査する上で特定するのかというか、事実上かなり困難なのではないのかなというふうに思うんですけれども、そのあたり、どのような運用を予定されているのでしょうか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 密接関係者は、親族あるいは株式の保有関係ということで永続的な関係を有するもの、あるいはこうした関係に準ずるものとして政令で定めるものというふうに法律に規定がございます。

 それから、議員が今御指摘ございました、密接関係者が複数一緒になって議決権の行使をするという場合は、共同議決権行使ということで、これは直近の政令改正で、秋の政令改正でございますけれども、共同議決権行使合意のもとに議決権行使するものは、共同議決権行使ということで規制の対象となってございます。

日吉委員 規制の対象になる、なっているということですけれども、それがちょっと、運用上それを把握するのは難しいんじゃないのかなというふうに思ったところでございますので、そこのところをもう少し御検討いただけたらと思います。

 次に、ポートフォリオ投資が事前届出免除になるということなんですけれども、このポートフォリオ投資等はどのように定義されているのか、教えてください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 事前届出の免除制度の対象となります投資の要件ということでございますが、これは、事前届出免除を受ける投資家が守るべき基準として、国の安全等にかかわる技術情報の流出でありますとか事業活動の喪失を防止するという今回の法改正の目的に照らしまして、三点、外国投資家みずから又はその密接関係者が役員に就任しないこと、それから二点目として、重要事業の譲渡、廃止を株主総会にみずから提案しないこと、三点目として、国の安全等に係る非公開の技術情報にアクセスしないこと、こうした三点の免除基準を定めることを考えてございます。

日吉委員 もう一つ、このポートフォリオ投資等の「等」、これは何を意味しているんでしょうか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 ポートフォリオ投資等と申し上げました。免除対象となる投資の要件として、免除基準を満たすということを申し上げまして、その具体的な一つの典型例ということでポートフォリオ投資、それに等をつけて、免除基準を満たすものということをここで表現させていただきたかったということでございます。

 ポートフォリオ投資というのは、一般的な定義としては、リターンを目的として行う投資であって、企業に対する経営の支配ということを目的としない投資、いわゆる純投資というふうに定義されるものだと思いますが、こうした純投資というものであるかないかということは、外形的にはその意向の有無ということにかかりますので、それを、ポートフォリオ投資が典型例ではありますけれども、ポートフォリオ投資に等をつけて、基準を満たすのであれば免除は利用可能ということを表現させていただいているところでございます。

日吉委員 今のお話ですと、ポートフォリオ投資が典型例で、これが大半を占めるということで、ただ、定義としては、最初に、届出免除を受ける投資家が守るべき基準として三項目をつくり、それを満たすものについてはポートフォリオ投資等とみなす、こういうような考え方だというふうに理解いたしました。

 そんな中で、この三項目、今御説明いただきましたけれども、その中に、重要事業の譲渡、廃止を株主総会にみずから提案しないことという項目がございます。ただ、これに類型するものとして、合併や吸収分割、こういったものを提案するというようなことも事実上同様の効果が生まれてしまうのではないかなと考えますが、これらについては、ここに記載はないんですけれども、どのように考えられているのでしょうか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆるMアンドA、合併、MアンドAでございますが、一般的には、事業の全部又は事業の重要な一部の譲渡、あるいは株式の全部又は一部の譲渡、株式分割、合併といった形で行われるものと承知しております。

 そして、この免除基準で書かせていただいております重要事業の譲渡の提案ということでございますが、これは株主総会での提案ということでございますので、株主総会の特別決議が必要となります事業の全部又は事業の重要な一部の譲渡、その子会社の全部又は一部の譲渡、会社分割、合併、現物配当等による事業の承継の提案を想定しております。

 したがいまして、これらは、MアンドAは、免除基準として定められます重要事業の譲渡、廃止の提案に含まれるというふうに考えております。

日吉委員 吸収分割はいかがですか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 吸収につきましても含まれるという点でございます。

 それから、一点、私、修正させていただきますが、会社分割のところを株式分割と申し上げましたけれども、済みません、株式分割じゃなくて、会社分割、合併ということでございます。

日吉委員 済みません、もう一度確認させてください。

 含まれますというのは、分割は、重要事業の譲渡、廃止を株主総会にみずから提案しないこと、ここに含まれる、そういう意味ですか。

岡村政府参考人 そのとおりでございます。

日吉委員 としますと、もう少し、これ以外のものをポートフォリオ投資等というふうに定義をされているわけですので、ここで、三つの、これを守る、これについては免除の対象としないわけですので、それをもう少ししっかりと定義した方がいいのではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 免除基準は、外形的に明確に、投資家が判断を迷うことのないように透明な形で定めるべきであるということは全くそのとおりの御指摘だと思いますので、これから下位規範で具体的に規定していくということに努めてまいりたいと存じます。

日吉委員 それでは、よろしくお願いいたします。

 続きまして、またちょっと具体的な話なんですけれども、外国証券会社の自己勘定で行う取引についてお伺いをさせていただきます。

 外国証券会社が自己勘定で行う取引については事前届出の免除対象となりますが、具体的にこういったケースがあり得るかどうかはちょっとわからないんですけれども、特定の株主に支配されているような外国証券会社等がもしあった場合に、そういった外国証券会社が自己勘定で行う取引について事前届出の免除対象として扱われるのかどうか教えてください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 国有企業等は、先ほどのお尋ねにもございましたけれども、原則として事前届出の免除制度を利用できないということでございますので、ただ、外国証券会社が国有企業である場合はいかがなんだというお尋ねでございました。

 外国証券会社が国有企業である場合には、もはや類型的に、国の安全等を損なうおそれがないとは認められないと考えておりますので、この場合には、外国証券会社であっても、おそれがあるということですので、他の国有企業等と同様に、事前届出の免除制度の利用は原則としてできないとするという考えでございます。

日吉委員 わかりました。一律に免除はしないということですね。ありがとうございます。

 次に、投資事業有限責任組合についてお伺いいたします。

 今回の改正によって、投資事業有限責任組合等を通じた外国投資家の出資については、外国投資家単位ではなく組合単位で一本化した形で事前届出が認められることになりますが、この改正の趣旨と、外国投資家の情報が見えにくくなるといったことについての何らかのリスクがあるかどうか、これについてお答えください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 投資事業有限責任組合を含みます組合形式のファンドにつきましては、現行法では届出義務が、ファンドそのものではなくて株式の所有権を有します外国投資家であります個々の組合員、ゼネラルパートナー、GPですとか、有限責任組合員、LPですとか、こういった個々の組合員に届出義務が課される仕組みとなっております。

 このため、外国投資家であります組合員がそれぞれに事前届出を行う必要がございまして、これは、投資家にとって大きな負担になっているだけではなくて、ベンチャー企業の適時の資金調達に支障を来す可能性が生じてございます。

 今般、こうしたことから、株式の所有権という形式面ではなくて組合という実体面に着目して、届出義務者をファンドに一本化することとしたわけでございます。

 こうした点で、むしろ緩和して隠れるということがないのかというお尋ねでございました。その点につきましては、組合という実体に着目して、現在、外国投資家が会社である場合の届出義務と平仄を合わせるような今回の制度改正でございますので、そういう意味では、組合を会社並びで規制のレベルを合わせるということでございまして、その点は平仄がとれた制度改正であろうと思っております。

日吉委員 どうもありがとうございました。

 続きまして、あともう時間も残り少ないんですけれども、法案以外で一点、森友学園の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 お手元に二枚資料をお配りさせていただきました。こちらの資料は、三・八メートルのところにごみがあるという判断をしたというときに、この写真とそのとき作業をされた業者の方の証言、こういったものを総合的に判断をしてごみがあるというふうに結論を出されたというふうに伺っております。そのときに判断の資料となった報告書の写真なんですけれども、こちら、一枚目は当初の写真なんですけれども、二枚目はこれを解析した写真になります。

 この一枚目、二点質問があって、まず一点目なんですけれども、当初八億円の値引きをしたとき、ここにごみがあるという判断をされたときに、この写真について、これを見てごみがあると判断されたのか、ないと判断されているのか、それともこの写真からはわからないというふうに考えて総合的に判断をされたのか、どれになるのか教えてください。

可部政府参考人 お答えいたします。

 委員の方から、当時どういう判断をしたのかというお尋ねでございましたので、当時の近畿財務局の職員にも確認をいたしました。

 このごみの深さを含む地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては、当時、試掘報告書の写真だけをもって判断したものではございませんで、大阪航空局において、平成二十八年四月五日の現地確認、あるいはその後入手をいたしました試掘報告書、さらには平成二十二年の地下構造物調査、あるいは、昭和四十年代初頭まで当時ここが池とか沼であった、その後ごみが蓄積していった、こうした過去の調査結果など、当時検証可能なあらゆる材料を用いて見積もられたものであるというふうに確認をいたしました。

日吉委員 そういうふうにいろいろな情報で総合的に判断したというのはわかるんですけれども、総合的に判断するということは、一つ一つの資料についての個別判断があった上で総合的に判断するわけです。ですので、この写真について、この資料について、ごみがあると判断したのか、ないと判断したのか、それとも、これでは不明だと判断したのか。それを積み重ねていって総合的判断をされていると思うんですけれども、この写真について、ある、ない、不明、どれなんでしょうか。三つからお選びください。

可部政府参考人 お答えいたします。

 委員お尋ねは、当時どういう判断をしたのかという事実関係でございますので、当時行った判断のプロセスを申し上げることが適当かと思いますが、当時、そのときに、この写真の部分についてどうだということを取り出して判断をしたものではなく、先ほど委員が御指摘になったように、トータルの材料を全て勘案して判断をさせていただいたというのが事実関係でございます。

日吉委員 ですので、総合的に判断したというのはわかるんですけれども、でも、それに対しては、じゃ、この写真については判断をしなかったということなんでしょうか。

可部政府参考人 お答えをいたします。

 当時、職員は、近畿財務局の職員も現地を見ております。それは、一日見ただけではなく、何回も見ております。その当時の状況等も見た上で、それから、専門的な知見のございます大阪航空局の方に依頼をして、そこで集まってきた材料も全て拝見をした上で、トータルとして判断をしたということですので、一枚の写真を切り出して判断をするというプロセスではなかったというふうに承知をしております。

日吉委員 この一枚の写真だけで判断するのではなくて、この写真についてはどういう判断をしたから総合的にどういう判断になったのかという、その総合判断の基礎としてこの写真をどう評価したのかというのをお伺いしていたわけですけれども、時間がなくなりましたので、最後、麻生大臣にお伺いします。

 この二枚目の写真を見て、これを見て、ごみがあるように見えますか。

麻生国務大臣 写真の見え方についてはさまざまであって、これはコメントを差し控えさせていただきます。後で撮ったものかもしれないじゃないかとかいろいろ御意見もありましたからね、この点に関しましては。

 ですから、いろいろな話があるんだとは思いますけれども、いずれにしても、地下埋設物の撤去費用、これは、先ほど可部の方から申し上げましたように、近畿財務局から、知見を有する大阪航空局というところにいわゆる見積りを依頼したものでありますので、大阪航空局において、当時、検証可能なあらゆる材料というものを用いた上で、私どもとしては、地下埋設物の撤去費用の見積りが行われたものだと承知をいたしております。

日吉委員 時間が参りましたので、終わります。どうもありがとうございました。

田中委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 立国社の会派の森田俊和と申します。よろしくお願いいたします。

 三十分のお時間をいただいておりますので、質問させていただきます。

 今回の、投資にかかわることなんですけれども、すごく大事なことだと思っております。

 そもそも、私たち人間というのは、誰でもこの世に生まれてきた目的、何か、大きくても小さくても役割があるものだと思っておりまして、恐らく、私たちのこの日本という国も、世界の中に存在する意義というものが私はあるのではないかなと思っております。その意義というのは、私は、いろいろな、戦争のこともありましたので、平和主義に立脚して、とにかくいろいろな国の方、地域の方に役に立つということが日本の使命ではないかなというふうに思っております。

 そういうふうに考えますと、まずは、私たちの国が存在するということを考えますと、安心、安全ということは、国の防衛に関することをきちんとまずやる、安心、安全にかかわることをきちんとやる。その上に、私たちが食べていけるだけの経済を成り立たせていくこと。そして、さらにその上で、飲んだり食べたりすることができて国民がちゃんと生活できるという上で、私たちが他国に対して、あるいはいろいろな人々に対して、草の根の支援であったり、あるいは今回のことになっているような、いろいろな企業が自分の技術やノウハウを活用して、いろいろな人たちの生活がより便利になるように、より暮らしやすくなるようにというようなことを、いろいろな世界の国々においてもやっていけるようなことが望ましいのではないかな、そういうことを考えております。

 今、投資の環境もすごく変化をしてきていると思うんですが、一つの大きな事例は、薄く広く集められるような環境ができてきている。

 情報技術の発展によって、例えば、身近な例ですとクラウドファンディングというようなこともありまして、私の地元に、造り酒屋、熊谷市に一軒だけ残っている権田酒造さんというのがあるんですけれども、継いだ若い三十代の方が酒づくりを勉強してきて、蔵を直してやっていきたいんだと言ったら、目標額に対して二〇〇%の資金が集まったというようなこともありました。一人一人の出資額というのは、五千円だとか一万円だとか、そういう小さい金額かもしれませんが、薄く広く集めることによって大きな金額をつくることができる。

 これは国を取っ払っても同じことが言えると思っておりまして、いろいろな国のいろいろな人々に日本の国の企業のいろいろな技術だとかノウハウ、システムづくり、こういったものに興味を持ってもらってお金を出してもらう、それによって日本の企業がいろいろな活躍をすることができるというのも、今の日本にとってはとても大事なことだと思っております。

 そういった意味では、投資をしやすくする取組というのは、私たちの時代にとっては大変重要なことであると思っておりまして、法案の趣旨はよく理解をするところでございます。

 一方で、投資というのは常に行ったり来たりということでございまして、この届出の業種の指定にも入っておりますけれども、例えばインフラの産業をとってみても、例えば関空の運営にフランスの企業がかかわっているというようなこともありますし、例えばほかのインフラですと、JR九州の資本には海外の資本が四割入っている。上場の当初は三割強であったのが今は四割になっているということで、こちらに入っているものもありますし、逆に、例えば鉄道の車両の分野でいえば、日立が、英国の鉄道の車両を納めるような役割を果たしていたり、イタリアの鉄道会社を買収してヨーロッパの方にも進出していっているというようなこともありますし、国内企業だと思われていたようなJR東日本なんかも、イギリスの鉄道運営にタッチするようになったり、あるいはタイの路線を、そのまま車両だとか運行の仕組みを含めて受注をしたりなんということもありますので、そういった、資本というのは常に行ったり来たりというふうになっているんだろうなと思います。

 そこで、やはりいかに適切に、これは危ないなというようなところをきちんとチェックしていくかどうかというのが大変大事なところだというふうに思っております。

 今回の改正案の中に、外国銀行、外国保険会社、外国の運用会社、こういったものを事前届出の免除とするというふうに入っておりますけれども、これは、影響力を排除する、影響力を行使する危険、リスクを排除するということについて十分なのか、お答えいただければと思います。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 外国証券会社等の金融機関がその業務として行う株式の取得は、金融機関の業務でございますので、国の安全等に係る技術情報の窃取等を目的とした行動ではなくて、類型的に国の安全等を損なうおそれがないと認められることから、対象銘柄にかかわらず、免除制度を利用可能としているところでございます。

 ただ、外国証券会社等の金融機関が国有企業等に当たる場合には、こちらは投資家の属性としてしっかりと注意をしなければいけないということがございますので、この包括的な免除の利用というところの対象からは外れるというのがまず一点ございます。

 その上でですが、これらの外国金融機関が免除制度を利用する場合には、免除基準を遵守する必要がございまして、免除基準のうち、特に、対内直接投資に該当いたします役員への就任でありますとか重要事業の譲渡の提案というのを、株式取得のときは免除を受けるわけですけれども、株式を取得した後で行おうというときには、その行為の前に届出を行って、当局の審査を受けるというような仕組みを用意してございます。

 こうした手続によらずに、もし、万一ということでございますけれども、当該外国金融機関が免除基準に合致しないような行為を行った場合には、基準を守るために必要な対応をとるべき旨の勧告、命令の対象となりますし、そしてまた、もしこの命令に従わない場合には、取得した株式の処分その他必要な対応を求める措置命令の対象となり得る、こういった仕組みとしてございます。

 したがって、御指摘のとおり、しっかりとチェックしていくことは重要だということを肝に銘じながらでございますが、制度の運用は、今申し上げましたような制度ということになってございますので、しっかりチェックをしていくということも念頭に置きながら運用に努めてまいりたいと存じます。

森田委員 ありがとうございます。

 この免除を受けるための基準として遵守することが求められる基準ですね、三基準というのがありますけれども、例えば、先ほども挙げていただきましたが、重要事業の譲渡、廃止をみずから提案しないといったような基準が挙げられているというようなことなんですけれども、例えば、直接こういうものを提案しなかったとしても、役員の選任とか解任の提案ができる、そういう、役員を通してそういうことをコントロールするようなことがあったりとか、あとは、例えば大きな投資家ですと、株主総会ではなくて個別の面談の中でもそういった事業の提案を求めていくというようなこともあるだろう。あるいは、自分が提案しなくても、誰かダミーを立てて、他者が提案をした議案に対して賛成をしていくというような形でコントロールを図っていくというような、そういうケースも考えられるのではないかなというふうに思っておりますので、ぜひ、こういった、この基準は確かにこれはこれで必要なことだと思いますけれども、更にこの制度の趣旨を固めていくような取組についても考慮をしていく必要があるのではないかなというふうに思っております。

 それから、業種が、指定業種というのがありますけれども、この分類も非常に難しいのではないかなと思っております。

 私の地元に、埼玉県の羽生市というところに、キットセイコーさんという金属加工のメーカーが、いわゆる工場というような感じのメーカーさんがあるんですけれども、この工場でつくっているのがねじです。このねじをJAXAに納めていて、そのJAXAはあの例の「はやぶさ」を飛ばして戻ってきた、この実績をつくったねじに使われているのが、キットセイコーさんという羽生の会社のねじであったということなんですね。

 その「はやぶさ」に使われているねじというのは、直接JAXAに納めているわけではなくて、まず自社の工場で製造したものをNECを経由して、これは公表されているので言っても大丈夫だと思うんですけれども、キットセイコーからNECに行って、NECからJAXAに納めていて完成品になっているということがございます。

 ですから、ぱっと見た目の業種、業態が必ずしもこの制度で指定をされているものと合わないようなケースも出てくるのではないかなというふうに思っておりますけれども、こういった下請等も含めた業種についてはどのように分類していくのか、お答えいただければと思います。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、下請企業であるかどうかという点についてでございますけれども、外為法では、事前届出の対象となる業種の分類については、一本と申しますか、全ての企業、元請であるか下請であるか、そういうことを区別なく同じ分類を適用しておりますので、下請企業が、元請が例えばロケットあるいは人工衛星といったものをつくっているからという理由で、元請、下請間の関係を理由として業種指定が行われるということではございません。

 その点が一点でございますが、その上でですが、その下請会社が元請とは独立してどの業種であるかということでございますけれども、例えば製造業につきましては、人工衛星やロケット等の製造業というのが指定業種になってございますけれども、その同じ告示の条文で、その附属品や部分品の製造業についても指定業種というふうにしておりますので、そういう意味では、その附属品や部分品、つまりロケットの附属品や部分品の製造業ということに該当するかどうかという判断になろうかと存じます。

森田委員 ありがとうございます。

 例えば、このキットセイコーさんは、これは小さい会社なので、そんなにすぐ法の趣旨と絡めてどうのこうのということはないと思うんですけれども、いわゆる登記をされている定款上の事業目的としては、金属部品の製造、販売ということなものですから、直接人工衛星とか航空宇宙産業とかということが、どうしても外面的にはわからないし、ともすると、経営者そのものもどこにその部品が使われていったのかというのがわかっていないという可能性もある。それを、さらに、外から見た場合にどういうふうに判断できるかというのも、いろいろ見方によって見え方も違ってくるというようなこともあろうかなと思っておりますので、ぜひそういった、適切に業種をどうやって判断していけるのかというあたりも、これからの課題として取り組んでいっていただければなというふうに考えております。

 それから、今回の法改正によって大分基準がぐっと引き下げられて、多くのものについては対象になってくるということで、ただ、ポートフォリオ的な投資が除外されるということで、数としては、予測としては今までの数とそんなに変わらない数なんだよというような御説明を聞いております。それはそうなんだろうなというふうに思うんですけれども。

 ただ、お話の内容を聞いておりますと、例えば、数は変わらなくても、どっちかというと、リスクの高いといいますか、きちんとした判断をしなくちゃいけない、審査をしなくちゃいけないというようなものが、上がってくる審査のものとしては大勢を占めるということで、今までに比べると非常に中身の濃いチェックをしなければいけないということがあるんだろうというふうに思います。

 今回の改正による、制度を支える体制としてはどのような変化があるのか、教えてください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の制度改正は、御指摘のとおり、国の安全等を損なうおそれのある案件について、これまでより重点的に審査を、あるいは審査能力を振り向けることができるようにという、重点的に審査を行えるようにするものでございまして、したがって、今後事前届出がなされる案件というのは、免除で除きますので、届出がこの先なされる案件というのは、議員御指摘のように、審査、難しいものが多くなってくるということが十分考えられるところでございます。

 こういう中で、実効性のある審査をしっかりと行っていくために、審査体制の充実、担当官の能力向上、そして具体的なノウハウの蓄積、こういうことに努めていくということはもちろんでございます。

 その上で、今回の外為法の改正で新たに設けます国内外の当局との情報交換に関する規定に基づいて、内外の機関が保有する情報を審査に有効に活用してまいりたいと考えております。

森田委員 そこで、大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、今回の、中身がかなり濃くなった審査を行う必要が出てくるということでございまして、例えば、他の省庁との連携であったり、ほかの外国との連絡調整であったりというのが必要だということに加えて、やはり財務省そのものの担当に当たる方の数を充実させていくというようなことも含めた充実というのが必要なのではないかなと思っておりますが、今回の改正に当たって、そのあたりのことを政府としてどのようにお考えか、御答弁ください。

麻生国務大臣 これは、森田先生、先ほどの、その前の方の質問のときにもいろいろ出ていましたのであれですけれども、少なくとも、この財金で所管しております外為法だけで、一連の外国企業による日本の企業、防衛産業等々いろいろな問題の起きるあれに対する防衛は全てこれでできる、全然違います。

 さっきの水の話もありましたし、いろいろありましたし、今お尋ねの熊谷の話で出ていましたけれども、例えば、埼玉県川口のキューポラなんというのを例をとれば、あそこでできている金型というのは、多分世界の金型のかなりの割を占める。その金型にプレスをかけてやるんですけれども、プレスをかけて、今や、千トンプレスだ、百トンプレスだというそういったプレスの機械というのは、IHIとか何かみんなそういったところでつくっているんですが、そのプレスの機械をつくる機械というマザーマシンと称するものは、これは、森精機とヤマザキマザック等々、三社ぐらいで世界のシェアの九九%を持っているんじゃないの。トヨタでもそこの機械を使わなきゃできませんからね。そこが全て持っているんですよ。

 それ、株を買われたらどうするかという話でしょう、これは、詰めていけば。これはわからないようにやられるかもしれぬ。幸いにして、この三社とも、調べてみましたけれども、そういう傾向のある会社じゃありませんから。「メード イン ジャパン ツー ウイン アラウンド ザ ワールド」というのがその会社の標語ですから。えらい標語で、これは何だ、通産省の標語かよと聞くぐらい立派な標語が書いてありましたけれども。随分田舎にあった会社でしたけれども、そこに行きましたけれども。そういった会社も、これは一番私はやばい会社ということになるんだと思いますけれども、そこの株主構成やら何やらは、全くこの種の心配の起きる対象になるような状況にありませんから。だと思いますが。

 私らに言えるのは、ただ、今一つの例を、プレスの機械を申し上げましたけれども、それ以外の業界で、竜頭のねじ一つで絶対ほどけないねじとかいったようなものがきちっと押さえられたらどうするとか、あれは小さな会社ですから。そういったようなものを含めて、これはいろいろよく見なきゃいかぬところなので、私どもの外為法だけで全部が取り仕切れると思っているわけでもありませんので、これは他省庁の話で、港湾法だ、電気事業法だ、いろいろありますので、そういったものを含めて、各省庁、この問題については検討させねばならぬところだと思っております。

森田委員 ありがとうございます。

 ちょっと技術の流出に関して経産省の見解を伺っていきたいと思うんですが、ちょっと質問をまとめさせてください。

 まず、熟練工だとか技術者の流出を避ける、日本人のそういった技術者の流出を避けるということもありますし、今、外国人の流入、この前、技能実習生の問題もありましたけれども、百五十万人ぐらいの外国人の労働者が働いていただいているということがあります。

 こういったことも含めて、人を介した技術の流出というのをどういうふうに抑えていくか、御見解をお聞かせください。

宮本大臣政務官 森田委員にお答えをいたします。

 先ほど、JAXAへのねじを供給している町工場、物づくり産業の現状、またその技術の高さに関しましては、委員も十分に御理解をいただいていると思います。

 そういった貴重な技術の流出、また、それのみならず、熟練工であったり技術者、こういった方々が外国の企業に引き抜かれる、こういった場合も含めまして、経済産業省では、海外への技術の提供等について、外為法また不競法などに基づきまして、この技術流出防止対策を実施しているところでございます。

 日本企業が保有する技術が安全保障上の機微技術に当たる場合に関しましては、その海外への提供などについて、外為法に基づく厳格な審査を行っております。一昨年の改正のときにも、違法な技術提供への罰金を大幅に引き上げるなど、罰則の厳重化もやっておるところでございます。

 また一方で、事業者の重要な技術情報、これが不正競争防止法に基づく営業秘密に該当した場合、その不正な取得また使用などに対して刑事罰が科される、こういった措置もしております。営業秘密の保護につきましても、二〇一五年に法改正をしておりまして、海外での使用を目的とした不正な行為も重罰化したところであります。

 外国人技能実習生また外国人労働者に関する御懸念も、今御説明したこの中でしっかりと対応をしているところでございますので、技術取引に関する規制の厳罰化、また、海外での使用を目的とするようなそういった不正行為への重罰化、こういったことに加えて、我が国のすぐれた技術の流出防止のために、今後も、必要な措置につきましてしっかりと検討もしてまいりたいと思っております。

森田委員 ありがとうございました。

 私が日ごろおつき合いしている車両の工場で、定年退職をした方が中国の企業に引っ張られて、持っていかれて、今、中国で悠々自適な生活を送っているなんという、年金生活をしながら中国企業に今雇用されて、そういう生活を送っているなんという例もあるやに聞いております。

 人材流出を含めた情報の流出、技術流出ということになると思いますので、ぜひその対応も考えていかなきゃいけないなと思っております。

 防衛省に伺いたいと思うんですが、コマツの、装輪装甲車から撤退するというようなお話もありました。こういった撤退によって情報が散逸してしまうというようなことのリスクもあると思うんですが、それについてはいかがでしょうか。

水野谷政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛装備品は、民間企業が従来から保有しています技術と、防衛省が企業に貸与する技術資料等を活用して製造されます。

 防衛省から企業に貸与される技術資料等は、全て、契約に基づき貸与されるものであり、契約が終了すれば、企業から防衛省へ返却されることになります。

 特定の企業が防衛省から撤退した場合には、その時点において防衛省との契約は全て終了しておりますので、その企業に貸与していた技術資料等は、契約に基づき全て防衛省に既に返却されることになります。

森田委員 ありがとうございました。

 形に見える技術というのは、多分、お話のように、回収して戻っていくと思うんですけれども、人の中に蓄積された技術というのは、なかなか、やはり、特にこれから、どうしても日本の単独の調達ということになると、数が少ないしコストが高いしというと切られていく心配が出てくるということになりますので、ぜひ、これからその辺も注意して取り組んでいただければなと思っております。

 時間の関係もありますので、最後、大臣にお伺いして終わりにしたいと思います。

 今、先ほどもお話もありましたけれども、あくまで、財務省だけではなくて、いろいろなほかの省庁を含めた、あるいは他国も含めた取組が必要だというようなことがお話でございました。

 改めて、技術を守っていく、知的財産、これから日本の経済をしっかり立ち行かせていくためにも必要なことだと思っておりますが、ぜひ、大臣としてのお考えを最後に聞かせてください。

麻生国務大臣 これは、国の安全にかかわります、いわゆる情報なり、情報、技術なり、そういったものの流出とか、買収されて事業自体が喪失するとか、そういったような事態を防止するということは、これは重要な政策課題なんですが、先ほど申し上げましたように、これは外為だけでできる話ではありません。

 したがいまして、このたびの外為法の改正におきましては、情報の流出とか、事業活動の喪失につながり得る役員への就任、そこから情報が抜けますから、役員への就任とか、重要な事業を譲渡するときに同意するといったような行為も、これは事前届出審査の対象として外為法の中で強化をさせていただいております。外為法でできるのはこれぐらいまでですな、私の見たところでは。

 したがって、外為法以外で、例えば不正競争防止法とかいろいろありますし、先ほど申し上げた、末松さんの質問だったか、幾つかお答えしましたけれども、企業が保有しております技術情報というものの不正な取得とか使用とかいうのに対して対策は講じているんですが、これは、他の経産省所管の法律にしても、建設、運輸等々いろいろ皆関係してくる技術がいっぱいあるんですけれども、こうしたものも含めまして、この技術の流出等々については心がけておかないと、大した話じゃないものが、そこができないから技術ができなかったものが、この小さな小さな技術ができたためにこれが全部開発された、幾つもそういう例がありますので、そういったことに対しても適切に対応できるようにしておくためには、いろいろなこの外為法以外の法律につきましても配慮していかねばならぬだろうと思っております。

森田委員 他省庁も含めた中での、ぜひリーダーシップを発揮していただくことを期待して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、清水忠史君。

清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 外為法改正案の質疑に入る前に、前回の委員会でも取り上げました、台風や豪雨で被害を受けた地域の被災事業者への支援及びキャッシュレス決済の増加による資金不足支援について確認させていただきたいと思います。

 十一月七日にまとめられた「被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージ」には、被災した中小零細業者に対し、グループ補助金や自治体連携型補助金による事業の再建支援が盛り込まれました。そこで、消費税の複数税率対策のために補助金で購入したレジについてはどうなっているのか確認したいと思います。

 九月末までの災害、例えば台風十五号ですが、それで使えなくなってしまったレジの場合、再度国のレジ補助金が使えるということなんですが、台風十九号やその後の豪雨災害、十月以降の災害で補助金購入したレジが使えなくなった場合、水につかったとか流されたとかいう場合については、これは国の補助はあるのでしょうか。また、ある場合は、そのときの負担割合について教えていただけるでしょうか。

春日原政府参考人 今回の台風十九号、二十一号で被害を受けた事業者については、一日も早い事業の再開に取り組んでいただくことが何よりも重要であり、政府としても全力で支援を行っているところでございます。

 今回、七日に発表されました「被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージ」では、被災された中小・小規模事業者が事業継続に向けて予見性と希望を持って取り組めるよう、思い切った復旧復興支援策を講じていくとしておりまして、中小企業庁といたしましては、被害の実態に応じた適切な支援策を被災事業者が選択いただけるよう、中小企業団体等を通じた丁寧な説明に努めてまいりたいというふうに考えております。

 今般の台風被害を受けた事業者につきましては、被害の内容や被害の範囲など、それぞれの被災事業者が置かれている状況は個々の事業者ごとに異なるものと考えられておりますので、被災事業者の被害の実態につきまして、被災事業者とも連携して細かく把握をして、より適切な支援策について事業者に提示できるように努めてまいりたいというふうに思っております。

 例えば、被災小規模事業者再建事業いわゆる持続化補助金を活用できる場合には、被災した個々の小規模事業者の機械設備等の購入費等を補助することが可能でございまして、こうした支援策を活用しながら、被災事業者の一日も早い復興に向けて全力で支援してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 持続化補助金につきましては、基本、状況にもよりますけれども、三分の二の補助ということになります。

 以上でございます。

    〔委員長退席、あかま委員長代理着席〕

清水委員 ありがとうございます。

 小規模事業者持続化補助金等で対応していただけるということであります。これは大事なことなんですね。同時に、これは補助率が三分の二になっているということで、三分の一は自己負担なんですね。

 このレジの補助金制度につきましては、ことしから実は四分の三補助になっているんです。ですから、九月の災害で被災された方がレジを買いかえる場合には自己負担は四分の一で済むんですけれども、この十月以降の災害では三分の二しか補助されませんので三分の一の自己負担になる。つまり、レジを買いかえた時期は同じであっても、九月と十月の災害によって、レジを買いかえる自己負担の割合が変わってしまうというのは、どうしてもこれは不公平感は拭えないんじゃないかというふうに思うわけです。

 例えば群馬県の渋川市というところでは、九月の補正予算で複数税率対応レジ導入支援事業補助金制度というのをつくりまして、事業者への複数税率対応レジ導入の支援を行うことを決めております。費用のうち最大八分の一が補助されるということなんですね。

 国の制度、これがことしに入ってから四分の三に引き上げられましたが、これと合わせますと、レジを買いかえるときには八分の一の負担で買いかえすることができるということになっております。ちなみに、これは災害と関係なく補助を行う制度になっているわけなんですね。

 市の担当者に伺いました。事業者から、国の補助だけでは自己負担が厳しいとの声があると。上乗せ補助を決めたということなんですね。

 群馬県だけでいいましても、これまで二千三百件の、いわゆる複数税率対応のレジの買いかえの申請があります。大変大きな被害がもたらされた地域なわけであります。このような業者が再びレジを買いかえをするときに自己負担が大きいというのは、厳しい状況があるというふうに思うんですね。

 この渋川市のような独自の取組をしている自治体への補助を含めまして、そうしたきめ細かい対応が求められていると思うんですが、いかがでしょうか。

    〔あかま委員長代理退席、委員長着席〕

春日原政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の対策パッケージに含まれている持続化補助金では、例えば被災事業者が行う広告宣伝費用それから販路開拓に係る費用、そういったもの、被災事業者が再建に取り組む費用を幅広く支援することができますけれども、事業者負担分そのものを補助金により更に国が支援するということは難しい状況でございます。

 それから、御指摘のございました軽減税率対策補助金、レジ補助の関係でございます。

 こちらにつきまして、仰せのとおり、十五号につきましては、直接この対応レジを買い直す場合についてこの対策補助金の対象としておる状況でございますけれども、この十九号、二十一号の対応については、現在取扱いについて検討させていただいているという状況でございます。

 いずれにしましても、被害の内容や被害の範囲など、被災事業者の実情に応じまして、被災事業者に寄り添った支援を講じてまいりたいというふうに考えております。

清水委員 先ほども、思い切った支援をということでありましたので、九月と十月の災害によって自己負担割合が変わるというようなことがないように、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。

 次に、キャッシュレス決済の増加による入金のタイムラグ問題について伺います。

 十一月五日に、財務省と中小企業庁の連名で、日本政策金融公庫に対し、キャッシュレス決済を導入した事業者に対する貸付業務についてという事務連絡が発出されているとのことです。

 この内容について説明していただけるでしょうか。

神田政府参考人 お答え申し上げます。

 キャッシュレス決済を導入する事業者の増加に伴いまして、その資金繰りについてのお問合せをいただくことがあったことなどから、委員御指摘のとおり、財務省を含めた主務官庁から、今月五日に、日本政策金融公庫に対して配慮要請を行ったところでございます。

 その内容を具体的に申しますと、キャッシュレス決済を導入した中小企業、小規模事業者の資金繰りに重大な支障が生じないよう、引き続き、セーフティーネット貸付けなどを活用した貸出し、適時適切な貸出しなど、個別企業の実情に応じた十分な対応に努めていただくこと、また、各営業店及び受託法人に対しましても、これらの趣旨について十分周知徹底いただくことを要請したものでございます。

 今後とも、キャッシュレス決済を導入した事業者が資金繰りに困難を来すことがないよう、日本政策金融公庫等に対してきめ細やかな対応をするよう求めてまいります。

清水委員 御丁寧に説明いただきありがとうございました。

 私も前回のこの委員会で資金繰りの問題を取り上げさせていただきました。セーフティーネット貸付けで対応していただくということなんですが、今回、そもそもクレジット決済の普及ということで、政府の政策によって一定起こった現象なわけでありますから、通常の融資よりもやはり金利負担については検討してもらいたいという声も上がっております。

 経産省として、こういう声も届いていると思うんですが、どのような対応を考えていただいているでしょうか。

島田政府参考人 お答えを申し上げます。

 キャッシュレス決済の導入等によりまして資金繰りに困難を来す中小企業がある場合には、委員御指摘のとおり、政府としては日本政策金融公庫によるセーフティーネット貸付けなどにより支援を行うということにしてございます。

 このセーフティーネット貸付けの金利につきましては、貸付期間五年以内の標準的な金利の場合ですと、担保の状況ですとかあるいは業績などにもよるところではございますけれども、中小企業向けの適用金利で一・一一%、小規模企業向けで一・九一%となっているところでございますが、これは民間金融機関と異なり、利ざやを取らない収支相償うという原則として、公庫が調達する資金の金利、あるいは経費、及び貸付先の信用コストといったことを踏まえた金利水準になっているというものでございます。

 他方、経済産業省といたしましては、入金サイクルへの懸念がキャッシュレスの導入をちゅうちょさせることがないよう、キャッシュレスの導入を行う事業者を対象とした、より低利な貸付制度の創設について現在検討を行っているところでございます。

 いずれにいたしましても、政府の施策により中小企業が資金不足に陥ることがないよう、実態を踏まえて丁寧に対応をしてまいりたいと考えてございます。

清水委員 より低金利の融資を検討しているということで御答弁いただきました。

 財務省の方に最後、確認したい、できれば麻生大臣に答えていただきたいわけですが、財務省としても、今回中小企業庁と連名でこうした事務連絡を発出したわけで、クレジット決済がふえることによって資金繰りに苦心している、そういう業者の実態については把握していただいていると思うんですが、経産省の方で今後一層低金利の融資を検討する場合、例えば、優遇する金利分などについては予算措置の必要性も出てくるかもわからないと思うんですが、仮にそうした場合は、ぜひ前向きに検討もしていただくということで、ぜひこうした中小企業の支援を行っていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 この種のものをやれば資金繰りが、足りなくなるのは当たり前の話なのであって、導入する方もそれを考えてしない方がおかしいといえばおかしいんですよ、これ。私らに言わせれば、商売する方から言わせれば。

 ただし、これは国としてお勧めをして、ぜひやってもらいたいということを言っておるわけですから、その意味では、これはある程度、当然やるべきではないかということで、この資金繰りが困難になった事業者に対しては、政策金融公庫を使って、これまでも資金繰りを含めた相談に応じろということで、一般貸付けとか、一般貸付けより融資枠が大きいセーフティーネット貸付けというのがありますので、それを使わせていただいて、貸付けを今、既に行っております。

 その上で、政府参考人の方から答弁があっておりましたけれども、これを導入をするに当たって、事業者が今までに比べて増加しますので、当然のこととしてその資金繰りについてのお問合せをいただくこともありますので、財務省を含めて、これは経産省等々主務官庁の方から政策金融公庫等々政策金融機関に対して、それなりに配慮してやらぬといかぬということで配慮要請もしております。

 その上で、経済産業省から、これらの貸付けよりも貸出金利が低利になっている現行の企業活力強化貸付けについて、キャッシュレス決済への対応を行う事業者を貸付対象として追加するという要求をいただいているところだと聞いておりますので、今年末までのいわゆる予算編成において、よく実態をちょっと伺ってみた上で、よくよく相談をして対応してまいりたいと考えております。

清水委員 ありがとうございました。

 資本力が豊かな事業者につきましては、そうした事業資金についてもしっかりプールして、そういう準備に向けて努力されていたと思うんですが、やはり中小零細というところはなかなか厳しいというところがありまして、例えば、町の薬局でも、高い化粧品はもうみんなカードで買うようになった。そういうところはもう自転車操業で、いわゆる売れた売上金で仕入れをする、現金商売ですし、近所のおすし屋さんに聞きましても、魚屋への仕入れはみんな現金だ、ところがお客さんがみんなカードで買うようになって大変だというようなこともありますので、そういう実態に即して、ぜひ、経産省の方からそうした更に低金利での、政策の実現のための要請があった場合には、今麻生大臣が答えていただいたようにぜひ検討していただきたいということと、やはり年末年始にかけまして非常に資金繰りが厳しくなってくると思いますので、ぜひそうした相談にも乗っていただくということを要望いたしまして、外為法の質疑に入らせていただきます。

 外国為替及び外国貿易法改正案の質疑に入らせていただきます。

 やはり、平和憲法を持つ我が国において、武器輸出はもとより、軍事転用に用いられるような技術、こういうものについての国外流出というのは当然避けるべきだと考えております。一方で、安全保障ということを理由にして国民の経済活動や大学における研究及び自治などが阻害されかねない、そういうことが起こらないためには、この外為法や貿易に係る法律というのは、抽象的かつ不透明なルールを定めるのではなく、やはり国民から見て透明性のあるものにしていかなければならないというふうに思います。そういう観点で幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 本改正案では、対内直接投資などに際し、事前届出が必要とされる上場株式取得基準の閾値について、範囲ですね、現行制度で一〇%としていたものを一%に引き下げました。現行の制度でそもそも一〇%としてきたその理由と、今回引き下げる下限を一%としたその理由について説明をお願いします。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の外為法の一〇%の閾値でございますが、昭和五十四年の外為法の改正の際に、旧外資法のもとで、外国投資家による持ち株比率が一〇%以上となる場合は、より慎重な取扱いがなされていたこと、また、当時の証券取引法上、公開買い付けに際し、取得する株式が一〇%以上となる場合は届出が必要とされていたことなどを踏まえまして設定されたものでございます。

 その上で、今回の一%にその閾値を引き下げる理由でございますが、昨今、外国投資家を含めまして、株主による株主権の行使や経営陣との対話といった株主の活動が活発となっておりまして、これはコーポレートガバナンスの観点から歓迎されるものでございます。他方で、外国株主の活動が我が国の安全などを損なうおそれがある場合には適切な対応が必要であるということで、両者を両立するということでございます。

 こうした観点から、事前届出が必要となる上場企業の株式取得の閾値でございますが、株主総会で株主が議題提案権を持つ会社法上の一%以上という、それと合わせる形で一%へ引き下げるということといたしました。

 なおでございますけれども、これとあわせまして事前届出を免除する制度を導入して、国の安全等を損なうおそれのない対内直投につきましては、その一層の促進を図ることとしているところでございます。

清水委員 株主として議題提案権を持つということが企業にとって大きな影響力をどの程度持つのかどうかという根拠がやはり明確でなければならないというふうに思うんですね。

 例えば、十月八日の外為審議会分科会の議事録を読みますと、ある委員の方がこうおっしゃっているんですね。日本が一%に引き下げるということについては、諸外国に比較してもちょっと低過ぎるのではないかとの意見を述べているんですね。

 現在、G7諸国のうち、事前届出制度を保有する国でこの閾値が一%以下の国は幾つありますか。あれば、国名を挙げていただけるでしょうか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 対内直接投資の審査制度自体は、事前審査を重視するもの、事後介入を重視するもの、両者を組み合わせたものなどがありまして、国によって制度の仕組みは大きく異なってございます。

 その上ででございますが、お尋ねの、事前届出に係る閾値が一%以下の国をG7諸国で挙げるとすれば、米国は下限を設けない制度を導入しておりますので、つまり、特定の投資について閾値なく事前届出を求めておりますので、アメリカというお答えになります。

清水委員 アメリカのみという御答弁でございました。

 事前届出が必要となる閾値、各国を見ていきますと、フランスは三三・三%、ドイツは一〇%、イタリアは三%。単純に比較すればの話ですが、やはり日本の一%という閾値は非常に低いと言わなければなりません。

 もう一度財務省にお伺いするんですが、具体的に、この閾値が一〇%だった当時、安全保障上の技術や情報の流出を防げなかったという事例があったかどうか。また、その場合、あったとすれば、一%にしておけばそうした技術や情報の流出を防げたという事例はあるのか。これまで国内で発生している事例について紹介をしてください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 閾値が一〇%であったことによって国の安全等が損なわれた事案があったというわけではございません。

 それから、一%であればどうなのかということでございますが、一〇%で特定の事案があったわけではないということを申し上げましたので、そういう意味では、今回の改正が特定の事案を念頭に置いて行うということではございません。

清水委員 今、そうした事例がないということでございますので、立法事実という観点から見て、投資家やあるいは企業にとって非常にその辺が曖昧ではないかなという印象は少し拭えないと思うんですね。

 例えば、この閾値の問題でいいますと、外為審の外国為替等分科会で十月八日の一回しか議論をされておりません。経済産業省においては、産業構造審議会の通商・貿易分科会安全保障貿易小委員会がことし七月十日から九月二十五日にかけて五回も開催されておるんですが、この問題、閾値の問題を検討していたようなんですが、実は、議事録も配付資料も非公開だったものですから、なぜこの閾値が一%が適当なのかということがなかなかわからないわけなんですね。

 そういう点では、こうした閾値の問題を、明らかな立法事実をなかなか示すことができずに決めてしまうということについては、やはり疑問が残るのではないか、こういう懸念があるわけでございます。

 次に、機微情報の問題について質問したいと思います。

 先ほど取り上げた外為審の分科会では、事前届出免除を受ける投資家が守るべき基準のうち、非公開の技術情報にアクセスしないこと、こう定められているわけですが、この非公開の技術情報とは一体何なのかということについても議論されております。

 これは、一般的には、武器だとか、あるいは軍事転用可能な技術だとか、あるいは原子力や通信にかかわることだとかと言われていますが、そもそも、この機微情報あるいは機微技術というものは財務省としてどういう定義を位置づけているのか、説明していただけるでしょうか。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 機微技術につきましては、政府として明確な既存の定義というものがあるわけではございません。また、外為法改正案を議論した外為審におきましては、委員からの御指摘のとおり、外為審の場では、外為審委員から、定義することは難しい旨の御意見も出されているところでございます。

 他方、米国、アメリカでは、最近、重要技術、これをクリティカルテクノロジーズということで、この定義を策定したところと承知してございます。

 財務省としては、こうした米国の動きなどを踏まえつつ、専門家の御意見も頂戴しながら、事業所管官庁とよく連携をした上で、機微技術についての議論を深めてまいりたいと考えております。

清水委員 今、財務省として、機微技術、機微情報に対しての明確な定義というのを持ち合わせていないという御答弁がありました。

 今御答弁にありましたように、外為審の分科会でも、三村副財務官は、具体的にどういうものが機微技術なのか、あるいはクリティカルなテクノロジーなのかというところは非常に定義が難しいとおっしゃるのはそのとおりだと思います、こう述べておられるんですよね。

 その他、亀坂委員という方は、私は委員をさせていただいて議論していても、機微技術って何なんだというところに今でもひっかかっておりまして難しいんですと。続いて、アメリカのファーウェイの規制といったら、どこまでは規制して、どこまではだめで、どれが危なくてというのが、はっきり言って、委員でもまだわからないんですね、こういうふうに述べておられるんですよね。

 そうした認識と財務省との方でほぼ認識が一緒だということは、今の質疑で明らかになったというふうに思うんですね。

 最後に、麻生大臣に質疑をさせていただきたいと思うんですね。

 今回、この外為法の改正案につきましては、マスコミやエコノミストの方々からも、この技術保護というのは、やはり中国を念頭にして行われているものではないのかとか、あるいは、やはりアメリカに配慮したという色合いが非常に濃いのではないかとも言われているわけであります。

 もちろん、日本にとっては、アメリカとの安全保障も大切だという政府の認識は承知しておりますが、拡大する中国との経済取引、あるいは対内投資をどうふやしていくかということについても、やはりそのバランスという点で非常に難しいというふうに思うんです。

 それで麻生大臣にお伺いしたいのは、二〇一九年十一月七日付の日経新聞でも報道されたんですけれども、半導体製造装置世界最大手のオランダASMLという企業なんですが、半導体の性能を飛躍的に高める次世代装置の中国顧客への納入を保留しているとの記事が掲載されました。ハイテク分野の覇権をめぐる米中摩擦の中、米国の規制を懸念し、自主的に納入を保留していると報道されております。

 やはり、機微技術、機微情報、これは財務省としても明確な定義がないとおっしゃいましたが、これがやはり明確でなければ、曖昧のままだと、投資家や企業にとって同じような自主規制が働いたり、あるいは実体経済に影響を及ぼすことなども場合によってはあるんじゃないかな。

 ですから、ぜひ大臣にお願いしたいのは、今後行われる、非公開の技術情報、この定義を定めていく外為審の議論で、やはり、その議事録を非公開にするとかではなくて、投資家だとか、あるいは研究者だとか、あるいは企業だとか、国民にとってわかりやすい方式で進めていくということが求められているのではないかというふうに思うんですが、ぜひ大臣の所見をお聞かせください。

麻生国務大臣 いわゆる事前届出免除制度におけます、外国人がとりあえず守ってもらわないかぬ条項につきましては、よく言われるところでいえば、外国投資家みずから又はそのいわゆる関係者が役員に就任しないこと、重要事業の譲渡、廃止を株主総会にみずから提案しないこと、また、国の安全等に係る非公開の技術情報にアクセスしないこと等々、基本的なことは決められておるわけですよ。

 しかし、今回導入する事前届出制度免除の対象となるかどうかについては、これは外国投資家に与える影響というのが大きいだろうということを考えて、その基準の設定に当たりましては、これは透明性の高いプロセスを確保していくことが必要だろうと思っております。

 そこで、今回の改正案は、非公開の技術情報にアクセスしないことも含めた事前届出免除の基準を定めるに当たって、外為審の意見を聞くということにさせていただいたところであります。

 外為審の議論では、従来、原則として議事録は公表することとしておりますので、免除基準の設定に関する議論につきましても、これまでと同様、議事録で公表するということで、今御懸念の話で、お好きのような話ですけれども、これは透明性は確保するようなことになるんだと思っております。

清水委員 ぜひ国民にわかりやすい形で審議していただきたい。

 この質疑で明らかになりましたのは、二〇二〇年までに対内直接投資を三十五兆円まで引き上げようというもとで、投資の自由というものを保障していく、一方で、機微情報、機微技術の流出を防ぐ、その両方のバランスを考えた上での法改正ということでありますが、質疑で明らかになりましたように、閾値の根拠、あるいはその機微情報、機微技術の定義、こうしたものがやはりまだまだ定まっていないというか、わかりにくいという点については、今後の課題としてぜひ検討していただくことを求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田中委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。串田誠一君。

串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。

 外為法に関連しまして、きょうは、海外からの投資というようなこともありまして、海外送金に関することと暗号資産との絡みなどをちょっとお聞きしたいなと思っているんです。

 今、海外送金というのが大変時間とか費用がかかっているというようなことがありまして、そういう不利なところがあるからこそ、別のもので代替しようということで、リップルなどが出てくるのかなとは思っているんですが、そういう意味からすると、正攻法で海外送金というものを、ある意味で非常に不安定な暗号資産によるのではなくて、海外送金自体を、時間を短くするとか費用を、短くするとかいうようなことで改善していけば、非常にそういう意味で各国が管理していくということができるんだと思うんですけれども、これについて改善する余地がないのかどうか、まずはお聞きしたいと思います。

栗田政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のように、一般論として申し上げれば、銀行を通じた海外送金につきましては、送金先にもよりますけれども、暗号資産交換業者を通じた海外送金などに比較して、相応に手数料や時間を要する場合があるというふうに承知しております。

 これは、一つの大きな理由は、銀行を通じた海外送金が、一般的に、SWIFTと呼ばれる団体の運営する国際送金ネットワークを用いて行われておりまして、この場合、営業時間の異なる国内外の複数の中継銀行が介在して行われるということによるものであると承知しております。

 このような中で、SWIFTでは、個別の送金処理の状況ですとか手数料の開示をさせることを通じて、送金処理に要する時間の短縮ですとか手数料の透明化に向けた取組が進められているというふうに承知しております。

 このようなイノベーションとか競争を通じて、金融サービス利用者の利便性の向上が図られていくことを期待したいというふうに考えてございます。

串田委員 この外為法の改正に関しても、会社法の要件、届出要件を緩和するなどして、投資をしやすくしているという部分もあると思うんですね。そういう意味では、海外送金とかという部分も改善していけば、非常に投資も呼び込みやすいというようなこともあるんですが、今お聞きをしますと、かなり限界があるんだという感じを受けました。それに取ってかわっているのが暗号資産と言われているものになるわけでございます。

 ただ、暗号資産というのは、日数もかからない、そして費用も非常に安いというようなこともありまして、当然そっちがいいに決まっているわけですよ、普通、使うとしたら。しかし、そのかわりに、マネーロンダリングだとか、いわゆる各国の監視というのが非常にしにくいというようなこともある。

 ですから、これを解決するとしたら、正攻法の、海外送金を非常に暗号資産と同じぐらいのレベルにまで持っていくか、逆に言えば、暗号資産をがっちりと規制していくのか、どちらかしかないと思うんですけれども、今、どんなようなことを検討されているんでしょうか。

白川政府参考人 お答え申し上げます。

 暗号資産が持っております匿名性などの特徴に起因するマネロンのリスクについては、金融庁としても十分認識しております。

 そこで、我が国では、他国に先駆けまして暗号資産交換業者に対する登録制を導入いたしました。これにより、犯罪収益移転防止法に基づくマネロン、テロ資金供与対策の義務を課すとともに、マネロンガイドラインなどに基づいて暗号資産交換業者に対する監督を行っております。

 さらに、G20を始めとする国際的な場でも議論は進んでおりまして、本年六月に、金融活動作業部会、これはFATFと呼んでおりますが、ここの場において、各国に対して、暗号資産交換業者に対する登録免許制に加えまして、暗号資産の海外移転に際して、依頼人情報や受取人情報を暗号資産交換業者間で通知し合う仕組み、トラベルルールとも呼んでいますけれども、こういう仕組みを導入することが義務づけられたところです。

 金融庁といたしましては、こうした情報通知の仕組みを具体的にどのように実施するのかといった議論も含めて、FATFと民間セクターとの間の対話を後押しするとともに、FATFでの議論にも積極的に参加してまいりたいと考えております。

串田委員 暗号資産という話をしてまいりましたが、その中で、暗号資産というのは資産的な裏づけというものが非常に曖昧なわけですけれども、これを、いわゆる通貨というものを裏づける形で行われているのがステーブルコインと言われているものだと思うんですが、その中でも、グローバル、世界的に利用できるようなステーブルコイン、グローバルステーブルコインというのが、今、先ほどありましたけれども、G20でも議論されている。

 中でも、リブラというものでしょうか、フェイスブックが提唱してきているものというのは、ある意味で大変魅力のある、非常にそういう意味でいいんじゃないかという感じもするんですけれども、これに対して大変課題も多いのかなというような中で、G20の中でどんなような課題というようなものが取り上げられたのか教えていただければと思います。

麻生国務大臣 これは、串田先生おっしゃるとおり、とにかく、海外送金、数百万円を送ろうと思ったら、まあ、ばかばかしく高いですからね、おまけに面倒くさい。それが、ある程度ドルなり円なりの裏づけのあるステーブルコインでやるとか、中央銀行がステーブルコインを出す、セントラルガバメントステーブルコイン、CGSCというんですけれども、こういったものを出したらどうだとか、それは、なかなか、ちょいちょいいろいろ出てきているんですよ、意見は。間違いなく今、そういったものが、課題と同時に、これはいい利便性がありますから。

 そういった意味では、これは対応をやらないかぬということで、ことしの十月のG20の会議で、議長国が日本だったので、日本からこの問題を提起ということにさせていただいて、これは先進国の中でもいろいろ意見がありますし、G20の中でももちろんいろいろあるんですが、中国等々を含めて、少なくとも、意見を集約した上で、G20の合意として、中国を含めて合意して、プレスリリースを出すことができたというのは、この間のG20の中で大きな成果だったろうと思っております。

 このプレスリリースにおいて、少なくとも、金融技術とかファイナンシャルテクノロジーとかいろいろ表現ありますけれども、これによって潜在的な便益が発生しつつあることは確かですよ、しかし同時に、このグローバルなステーブルコインというものの持つ、いわゆるマネーロンダリングとかリスクとかいうのはまた別の話でして、そういったものを取り組まねば、安心して利用者がその便益に供しませんから、そういった意味では、ちょっと待たないかぬ、よく見ておかないかぬということで、マネーロンダリング等々のリスクが生じるということを生じさせないようにする、その上で、プロジェクトのサービスがスタートする前にいろいろな問題は全部解決した上でやるという話で我々としては認識を一致させることができましたので。

 これは、今から各国でいろいろ、それに対して、単なる倫理性だけではなくて、技術的にさせられないようにしておかないと、倫理の高い方ばかりいるという保証でやっていられる世界じゃありませんから、そういったことも含めてやらねばならぬところだと思っております。

串田委員 特に、今、中国がこれを先駆けてやろうとしているという話があります。かつて暗号資産に関しては中国は禁止している、今は禁止しているのかなと思うんですけれども、禁止しているから暗号資産みたいなものは一切国が認めないのかなと思ったら、いや、そうではなくて、むしろ世界制覇しようとしているのではないかというようなことがG20で言われているというような部分で、フェイスブックも、そういう意味で、このグローバルステーブルコインを立ち上げる理由としては、中国に好きなようにさせないんだというようなことを言っているわけです。

 そういう意味からすると、今、米中が非常にそういう意味で牽制している中においては、漁夫の利を得やすいんじゃないか。日本が、今G20でもみずから発案したということでもありますが、先行利益というのが莫大になるという話もあります。

 日本が、そういう意味で、中国と米国が争っている間の中で、グローバルステーブルコインを日本主導で行うという可能性はないんでしょうか。

岡村政府参考人 日本主導でということの前段として、中国のデジタル通貨の動向についてファクトの部分を申し上げます。

 中国人民銀行は、二〇一四年から、独自のデジタル通貨の発行に向けた調査を行っているものと承知しております。

 最近、ことしの九月に、中国人民銀行の易綱総裁は、この中国のデジタル通貨に関しまして、現金の一部を置きかえることが目標で、中央銀行と商業銀行の二層で運営されるシステムを想定しているということでありますとか、あるいは、中心的な管理を維持していくということでありますとかを言っておられます。

 また同時に、易綱総裁は、タイムテーブルは現在持っておらず、デジタル通貨のクロスボーダーの利用には反マネロンや反テロなどのリスクが存在するというような発言もございます。

 したがって、中国のデジタル通貨の現状につきましては、その導入時期を含めまして、構想はありますが、制度の詳細がまだ明らかにされていないというのが現状であろうと承知しております。

串田委員 今の説明をすると、ますます不安になる。要するに、ほかの国を不安にさせないような利用であるということを言いながら、実は世界制覇をたくらんでいるのではないかというふうな、そういう意味では、やはりそういう面でアメリカのリブラも提唱されてきているのかなと思いますので、それは正面から真に受ける必要はないのかなと思います。

 特にグローバルステーブルコインの場合には、通貨を、円とかドルとかユーロとかポンドとか、いろいろなものを合算した形の中で、バスケット方式の中で安定性を図るという意味なんですけれども、中国の場合には元というような一元化した形の中でグローバルステーブルコインをつくるということになると、本来であれば、グローバルステーブルコインの最大の弱点というのが、各国の中央銀行がコントロールできないんじゃないかというのが指摘されているんですけれども、中国のような一元化が行われるということになると、中国の考え次第で世界の経済が決まっていってしまう、そういう可能性も私はあると思うんですが、麻生大臣、そういう御心配、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 串田先生、中国の場合の最大の強みは、組織も何となく頼りなさそうだし、何となく技術も進化しているという感じでもないんですが、最大の強みは規模ですよ。十三億という規模はでかいですよ、やはり。

 したがって、十三億人だけでやりますからという話に仮になったとしますか。そこでいろいろなものができ上がって、では次にそれを一帯一路だけでやりますとか、それで気がついてみたらということになり得る可能性がある。

 しかし、それの中において、スタビリティー、安定性がどうかという点を考えたときに、それは、今よく言われるように、中国の経済というのは極めて内容が外から見て不透明ですから、その中で本当にそれが信頼性の置けるものであるのかという点が最大の問題になりますので、これはほかの国としては、ちょっと待てと。

 ここのところはよくよく対応を決めておかないといかぬし、そのためにはよほど連携してやらないかぬということなんだろうと思っております。

串田委員 まさに御指摘のとおりで、規模が十三億ということが一気に実現していくと、世界的な意味でも、何割という部分がそれによって動いていくというようなことでもありますし、また逆に、ステーブルコインの利点というのは、海外送金も非常にしやすくなっていくという意味で、十三億という規模が更にどんどんと増幅していくということもあると思いますので、ぜひともこの、恐らくグローバルステーブルコインというのが廃れていくというような感じが全くちょっとしないんですね。

 というのは、やはり為替のリスクというものが、バスケット方式になっていくということになると、逆に言うと、各国の中央銀行のコントロールがきかない反面、安定性というのは増すのかなという意味では、そういう意味で、発展していないような国が非常に採用しやすいという部分もあって、アフリカなども中国は狙っているわけですし、そういう意味での活用というのは非常にあると思いますので、日本もぜひこの仕組みの中の一端に何とか食い込んで、世界的なグローバルステーブルコインの一端を日本が担っていただくような形で、ぜひとも麻生大臣に頑張っていただきたいというようなことがあるんですけれども。

 一つ、やはり、これはフェイスブックが提唱しているということで、やっかみといいますか、何でフェイスブックなんだというようなのもアメリカでもあるようですね。そういう意味では、もうちょっと世界銀行的な意味でステーブルコインみたいなものができ上がっていったらいいんじゃないかなというふうなこともあると思うんです。

 G20等も含めまして、一つの民間企業が何か立ち上げを誘導していくというのは、一つの問題点としては情報が全部フェイスブックに集まるんじゃないかというのもよく言われていますし、そういったようなことも含めまして、何か公共的な形でこのグローバルステーブルコインというものの管理というものをしていくという話がないのかどうか、方向性として。何らかの形でちょっと一端を教えていただけるとありがたいです。

麻生国務大臣 グローバルステーブルコインとか、先ほど申し上げたセントラルガバメントが出しますデジタルコインとか、そういったようないわゆるフィンテックがつくり出します新しいものには当然リスクが出てきますので、その懸念というものを極小化、最小化しつつ利益を最大化するために、これは嫌でも国際協調がないとどうにもなりませんから、ということなんだと思うんです。

 先ほど申し上げた大阪のG20のプレスリリースの中におきましても、マネーロンダリング等々、いわゆる政策とか規制上のリスクを生じさせるとか、そういったようなものが起きることはもう容易に想像ができますので、それがきちんと対応ができるようにしておかない限りは、このサービスをスタートアップさせるのはやめた方がいい、これは世界じゅうの合意でありますから。

 これは、技術の話もありますし、今言われたように、ブロックチェーンなんという技術は多分日本が一番進んでいるかもしれませんが、こういったようなもので、少なくとも、海外送金に関して必要となる技術それから情報、そしてどういったような問題があるのかというような話、対処していくには少々時間がかかるんだと思うんです。

 ただ、今、技術進歩というのは速いものですから、その技術進歩ができて、それができるようになると、それをまた破る技術というような話になってきますので、金融技術がもたらす便宜性とそれに伴ういろいろな危険性というものの課題については、これはもう引き続き各国密にしてこの問題は取り組むと決めておりますので、この話はいろいろ各国で進めていかねばならぬところだと思っておりますが、せえのでやらないと、みんなでやらないと、どこかから穴があいてということになりかねませんから、やはり、今日、オイルマネーというものはドルでやるというルールに決まっているからあれは安定しているのであって、そうじゃないと別なものになっていただろうと思いますから。

 そういう意味では、安定性、安心して見ておられるようなものになるまで、少々時間がかかるだろうとは思っております。

串田委員 今、ブロックチェーンという話もありましたが、マネーロンダリングを避けるためには、そのブロックチェーンに対しての、送金だけではなくて、いろいろな情報がこのブロックチェーンの中で記載されていきますと、帳簿式なものですから、大量な情報がブロックチェーンという形になるので、ある意味では、ブロックチェーンを全般的に使うのではなくて、一部抽出した形でのブロックチェーンとか、いろいろなことを想定しながら、世界環境にもよくないですので、全部をブロックチェーンにしていって情報を全部集めると大変な消費エネルギーになってしまいますので。そこら辺の部分、日本のこの最先端な技術を生かしながら、ステーブルコインも進めて、検討していただきながら、一斉にという形で、スタートラインを切るのは日本でやっていただきたいということを期待いたしまして、きょうの質問を終わります。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、青山雅幸君。

青山(雅)委員 無所属の青山雅幸でございます。

 本日は、大変貴重な質問の機会をいただきまして、同僚委員の皆さんに心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

 まずは、外国為替法、外為法の改正案についてお伺いします。

 本改正案は、対内投資の促進と、一方で、アメリカでのFIRRMAの制定、あるいはEUでの規則の制定などに平仄を合わせた、時代の要請に合ったものと理解しております。ただし、最近の入管法の改正案もそうでしたけれども、実質的な中身が政令以下に定められる部分が多くて、改正の全体像が法案だけでははっきりしているとは言いがたいところがございます。今後の円滑な運用のためにも、そういった点、何点か政府に確認をさせていただきたいと思っております。

 まずは事前届出免除制度について、そのうちの三基準の中の、国の安全等に係る非公開の技術情報にアクセスしないことについて確認させていただきます。

 午前中の審議の中で、非公開の機微な技術情報とは何かという同僚委員の御質問があって、それには既存の定義はないというお答えがあったかと思います。そこで、そういうことを踏まえ、一体どういった会社のどういった技術を守るのか、それは誰がどのように判断をするのか、お尋ねしたいと思います。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 免除基準のうちの、非公開技術情報にアクセスしないという、その非公開技術情報の、それは定義や誰がどう判断するのかというお尋ねでございますが、まず、個々の企業の保有しております情報について、その公開、非公開、これは一義的に当該企業、技術を有している企業に委ねられているものでございます。

 また、政府として、機微技術が何であるかということについての明確な定義はないわけでございますが、現時点では持ち合わせておらないということを御答弁申し上げた次第でございますが、対内直接投資の審査においては、例えば、その技術が当該外国投資家によって国外に持ち出された場合に、国の安全等へ影響がある、ないという観点での判断を行っているところでございます。

 これは、政府として、機微技術についての流出が国の安全等へ影響があるかどうかという判断を行っているということでございます。

青山(雅)委員 政府が、判断をする主体に当然なってくるんだと思いますけれども、一方で、技術進歩というものが非常に速い、本当に日進月歩という言葉どおりで動いているわけですけれども、そういった技術、どのくらいのスパンでこれを見直していくのか、それについてお答えください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の対内直接投資の審査におきましては、外国投資家の属性等も踏まえまして、個々のそれぞれの技術につきまして、国の安全等に対して大きな支障を及ぼし得るものかどうかということを判断しているわけでございまして、これを、特定のスパンで一義的に、これだけ期間がたったらばということで見直す性質のものではないと存じますが、もちろん機動的に、その時々の技術の進歩等を踏まえて、個々の技術についておくれのないように適時の機動的な判断を行ってアップデートをしていくというところでございます。

青山(雅)委員 今度は少し観点を変えて、事後審査についてお伺いしたいんですけれども、事後報告の件数は、基準が一%に下がりましたので大幅にふえるんだろうなと思いますけれども、その事後審査の基準ですけれども、誰がどういうふうな基準を示して審査するのか。それから、これは一回報告すればいいのか、それともある程度定期的に報告するのか。この辺について教えてください。

岡村政府参考人 事後報告は事後報告として出していただきますので、それを審査するということではございません。したがいまして、追加的に審査をするということではないわけでございますけれども。審査という点については、事後報告は報告でございますので、それについての審査というのはございません。それが一点目でございまして。

 二点目に、免除を適用した投資家の事後報告で何を報告させるのかという点でございますけれども、それにつきましては、外国投資家の情報でありますとか、株式の発行会社の情報でありますとか、対内直接投資等の金額でありますとか、実行日、株を取得した日でございますが、さらに、その免除基準を遵守する意思、例えば、これは方法としては、基準、三項目ございますが、その三項目についてそれぞれチェックを入れるというような方法、こういった項目についての報告を求めるということを考えてございます。

 いずれにしましても、詳細は政省令で定めるということになりますが、事業所管省庁と連携して、今後、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

青山(雅)委員 外為法の改正についてあと幾つか質問を用意しているんですけれども、時間の関係がございまして、時間があるようでしたらまた戻ってまいりたいと思います。

 次に、関連して、先ほど串田委員の方からも御質問ありましたけれども、暗号資産関係について少しお伺いしたいんです。

 現在流通している暗号資産、これは外為法の規制対象となるのか。それから、いわゆるリブラ、これが、現在公表されているホワイトペーパーなどを参考に推測した場合に、ステーブルコイン、こういったものも対外取引の決済に早期に使われるようになろうかと思いますけれども、外為法で規制し得るのか。これについて簡単にお答えください。

岡村政府参考人 お答え申し上げます。

 外為法は国境を越える資金の移動に関するものでございますので、暗号資産や御指摘のリブラがこうした国境を越える支払いに用いられる手段であるという意味で、外為法の規制対象となるわけでございます。

 それから、現在の外為法の規制でございますけれども、外為法は、居住者が非居住者との間で三千万円相当額を超える支払い又は支払いの受領を行った場合、報告義務を課しておりまして、暗号資産を用いた支払い等につきましても、この居住者、非居住者間の三千万円相当額を超える支払いについての報告義務という規制がかかっているところでございます。

青山(雅)委員 ありがとうございます。

 続きまして、今話に出しましたリブラに関連して若干お伺いいたします。

 ホワイトペーパーやアメリカにおける議論を見ますと、リブラというのは複数通貨バスケットとペッグされることが構想されている。具体的には米ドル、ユーロ、日本円、ポンド、シンガポール・ドル、その割合も公表されているわけですけれども。

 そうしますと、このバスケット外の国はもちろんのこと、要は、リブラに通貨発行権益といいますか、リブラが主に通用するようになる。リブラに限りませんけれども、こういった暗号資産が通用するようになる。

 一方、例えば円にしても、円の割合は十数%にすぎないわけですから、為替レートが変動していくと、直ちに対リブラレートといいますか、そこが変わってくることになる。

 そうすると、仮に、これはもう米ドルであってさえもそうだと思うんですけれども、その通貨に対する信用、通貨の安定性が損なわれていると国民が思った場合、日本に限らずどこの国でもそうですけれども、貨幣の主役が、その国の中央銀行が発行する通貨ではなくてリブラ、あるいはリブラではなくてもそうです、何らかのステーブルコインのようなものに置きかわっていく可能性があると思うんですね。例えば、このことは、その国の通貨が信用されなくなってきた発展途上国において米ドルが一般に流通しているようになる、それと同じようなことが当然起こる可能性があると思うんです。

 報道を見ますと、G7、G20、このリブラに対して一斉に反発に近いような声が出ておるようですし、そういった声明も出ている。

 じゃ、なぜそういうことになってしまうかというと、これは私の考えにすぎませんけれども、各国が余りに拡張的な金融政策をとり過ぎている。例えばFRBも、つい先般、量的緩和の再開ではないけれども、政府発行の短期証券の買入れ、これを再開するというようなことを言っております。日銀は量的緩和を続けております、八十兆円をめどとするという。

 こういったことによって通貨への信頼がだんだんに失われてきたことが背景にあり、こういう民間が発行する通貨、類似のものに主役をとって奪われるんじゃないかという、そういう不安があるのではないかと推察しているわけですけれども、実際にG7、G20に御出席された麻生大臣に、その辺に関する御見解をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 今、青山先生おっしゃいましたように、たらればの話でありますけれども、このグローバルステーブルコインとか、セントラルガバメントの出しますデジタルコインとか、そういったものについて、今、各国の金融政策に対してどのような影響を与えるであろうかという仮定の質問なんですけれども、これは懸念があるのは事実だと思うんですね。それに加えて、それが出されたときにマネロン対策どうするのとか、また、金融市場のスタビリティーは、安定性はどうなるのとか、使った使用者、利用者の保護とか使われたデータの保護とかいった政策上とか規制上のいろいろリスクを生じさせるんじゃないのって、これはいずれも全部懸念を申し上げているんですけれども。

 こういった問題意識に立って、ことしの十月の、いわゆるワシントンDCにおいてのG20の会合においては、この種の、グローバルコインとか類似の商品というものの取組が生じさせるであろうリスクについては、このプロジェクトのサービスというものが仮に開始されるとするなら、その前までにきちんと吟味され、適切にそれを対応する方法というものをきちんとつくっておく必要があるということで、これはG20、中国、アメリカ、皆含めてこれを合意ということで、この意識は皆合意していますので、自分たちでそれをやった場合、自分たちにも影響が返ってきますから、ということで合意しておりますので。

 これはちょっと、しばらくこのG20の人たちで、きっちりこの問題を、何が起きるであろうかということについてきちんとし、もしどこかの金がフライングしてやったときには、それに対する対応をどうするとかいうこともあわせて、これはG20の、いわゆるこういった国際通貨というもののプロの人たちできちんと対応を検討、研究をさせねばならぬところだと思っています。

青山(雅)委員 ありがとうございます。

 広い意味での通貨発行権益、つまり、国債などを発行して、例えば日銀なりFRBがこれを引き受けていくことができる、それが最後の支えというか担保になっているかと思うんですけれども、そこが侵されていく可能性がある。

 なので、やはり、グローバルコイン、ステーブルコイン、こういったものに対しては警戒が必要であるとともに、そういったものが国の発行する通貨よりも信頼されるような事態というのが生じるのを避けるというのは非常に重要なことだと思っております。

 そういった観点からお聞きしたいんですけれども、今、ニューヨークの株式市場、どんどんどんどん史上最高値を地道に更新し続けている状況にあります。それから、不動産市場も同じような状況かと思っております。

 こういった、資産インフレといいますか、現物が上昇を続けている、あるいは、金価格も、最近ちょっとまた落ちついていますけれども、値上がりを続けている。こういったのは、要は、通貨の異常な発行が続き、それから異常な低金利が続いていることに関して、投資家がもう嫌気を差して現物、ほかに行くところがないから現物に流れ込んでいるんだ、こういう見方もあろうかと思います。

 ですから、これは見方を変えれば中央銀行バブルでありますし、各国の財政赤字を基調とした財政政策というのは、こういった中央銀行バブルに支えられている反面もあろうかと思います。

 そういった、バブルが余り行き過ぎるのは当然いいことではございません。こういった懸念に関して、麻生大臣、どういうふうにお考えになっているか、お考えをお聞かせください。

麻生国務大臣 世界じゅう、超低金利というような形の緩和的な金融環境によって、グローバルな世界においての現物資産というものが、バブルが生じているのではないかという、多分縮めて言えばそういうことを言っておられるんだと思うんですが、資産価格というのは、これは御存じのように、何も資産の実際の需給というだけじゃなくて、いわゆる企業や経済のファンダメンタルズというものの見通しで投資家がさまざまな形でつくっていきますので、その点も考えないかぬ。

 また、アメリカとか欧州の場合は、経済状況や金融スタンスはそれぞれなので、ちょっとスタンスがさまざまでありますので、資産価格全般については一概に申し上げることは困難だと思っております。

 その上で、日本について申し上げさせていただければ、少なくともこの七年間で、大胆な金融政策を含めて私どものやった結果、企業収益が向上したし、雇用も所得環境も改善もしたということによって、経済のファンダメンタルズというものの回復の中で、株価や土地というものも上昇傾向にあった。少なくとも、八千円ぐらいだったものが二万三千円まで上がってきているとか、いろんな形で、はっきりした形で数字でも出てきておりますので、そういった状況がこの七年間続いてきた。

 正直、税収も、おかげでバブル前までほぼ戻ってくるところまで来て、四十五兆ぐらいまで落ちたものが六十兆近くまで上がってきておりますので、結構なことだとは思いますけれども、しかし、まだ三万八千九百円には行っていないじゃないかと言われればまだ行っておらぬわけですから、そういった意味では、緩和的な金融環境というのが続いていく中ではありますけれども、資産の価格というものの動向を含めまして、金融面での脆弱性というものが、蓄積については、これは、金利を見ましても何を見ましても、国内外ともに引き続きよく見ておかないかぬという大事なところなんだと思っておりますので、私どもは、この種のところは日本以外の国の動向を含めましてきちんと見ておかないと、最近はすぐ影響が出ますので、そこらのところもよく注視しつつ、対応をしてまいらねばならぬと思っております。

青山(雅)委員 ありがとうございます。

 バブルは終わってみなければわからないというような格言めいたものもございますが、バブルが急にはじけると大変な迷惑をやはり国民もこうむることになりますので、ぜひ、その辺、注視をお願いいたします。

 続きまして、私、最近すごく心配しているのは、MMTと言われる理論、これに注目されることが、与野党の政治家を問わず、あるいは市民の方にも膨らんできている。ただし、日本においては、御承知のとおり、ここ七、八年、歳入面で六割から三割、国債に依存している状況にある。一方で、社会保障費は年々膨らむしかないような状況になっております。

 こういった国が仮にMMT的な声が高まって国債依存度を高めれば、急にやめることは不可能なわけですから、大変な事態が起きる。ですから、私は、日本においては、MMT的な、余り国債に頼るような政策、それでもって景気を回復させていくという政策はとりにくいんだと思っておるんですけれども、これについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 今お尋ねのMMT、モダン・マネタリー・セオリー、現代貨幣理論ですかね、そういったものは、これは、言っていることは、自国の通貨で全て賄っている国、例えば、日本とアメリカとデンマークとスイスぐらいかな、今四カ国ぐらいだったと思いますけれども、自国通貨だけで通貨をやっておりますので、これはデフォルト関係ないんだから延々と出せるんだと、極端なことを言えばそういう話をしておられる。結構アメリカで、一部の国会議員なんかでわんわん言っている話だとは思いますけれども。

 政府残高はどれだけやっても問題ないんだという話なんだと思いますけれども、これを実行した国は一つもありませんので、その意味では、私どもとして、この実験を日本でやって、日本の金融マーケットを修羅場にするつもりは全くありません。

 それから、今、財政とかいうものにとめどもなくという話ですけれども、きちんとマーケットというものが世の中には存在しますので、そのマーケットの反応というものが極めて大きな要素であって、その中において、この出しておる国債は必ず返済されるものだという信用があって初めてマーケットが成り立ちますので、そういった意味では、市場の信認を確保するということで、我々としては、二〇二五年とかいろいろな形でそういった対応を続けていきますということを申し上げさせていただいておりますので、今の状況というものは、私どもは、MMTというような、私どもから見ると極めて問題点の多い、そういった理論によって我々は財政運営をするつもりはございません。

青山(雅)委員 財政に関して最高責任者である麻生大臣、明確な御答弁をいただきまして、大変ありがとうございます。

 本日は、本当に貴重な機会をありがとうございました。

田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

田中委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、津島淳君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党及び日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。櫻井周君。

櫻井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 世界の安全保障環境が厳しさを増している中、我が国の対内直接投資の事前届出審査制度の改善を図る本改正が、経済の健全な発展に資する対内直接投資を一層促進しつつ、国の安全等に関わる技術の流出や事業の喪失を防止し、我が国又は国際社会の平和及び安全の維持に資するよう、事前届出制度の適切な実施に努めること。

 二 事前届出審査の実効性を高めるため、関係省庁において定員の確保、機構の充実その他審査体制の強化を図るとともに、本改正で設けられた情報交換規定を適切に活用し、関係省庁間及び外国政府等との連携の強化に努めること。

 三 我が国の経済成長や企業のコーポレートガバナンス強化、ベンチャー企業の発展に資する直接投資を一層促進するため、市場関係者に対し、事前届出免除制度の内容及び趣旨を広く周知するとともに、必要に応じ更なる投資促進策の検討を行うこと。

 四 我が国の中小企業が有する国の安全等に関わる重要な技術の流出や事業の喪失を適切に防止できるよう、事前届出の審査の適切な実施に努めること。

 五 事前届出制度の詳細を政令等で定めるに当たっては、委員会審査を通じて確認された本改正の立法趣旨を十分に踏まえるとともに、市場関係者に分かりやすいものとなるよう、幅広く丁寧に意見を聴取し、その内容を明確化すること。

 六 安全保障の観点から対内直接投資に係る対応強化の流れが国際的に見られる中、我が国の安全を脅かす対内直接投資について、内外の情報収集に鋭意努めるとともに、実効的かつ機動的な対応を行えるよう、新法の規定について検討を更に加え、国益を踏まえた必要な措置を講じること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

田中委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

田中委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四十八分散会


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