衆議院

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第2号 令和6年3月7日(木曜日)

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令和六年三月七日(木曜日)

    午前九時二十五分開議

 出席委員

   委員長 高階恵美子君

   理事 小寺 裕雄君 理事 小林 鷹之君

   理事 坂井  学君 理事 長島 昭久君

   理事 鎌田さゆり君 理事 馬場 雄基君

   理事 早坂  敦君 理事 庄子 賢一君

      五十嵐 清君    上杉謙太郎君

      小田原 潔君    菅家 一郎君

      小島 敏文君    小林 茂樹君

      冨樫 博之君    中曽根康隆君

      西野 太亮君    平沢 勝栄君

      平沼正二郎君    藤原  崇君

      細野 豪志君    三谷 英弘君

      山本 左近君    吉田 真次君

      鷲尾英一郎君    荒井  優君

      金子 恵美君    玄葉光一郎君

      小宮山泰子君    鈴木 庸介君

      堤 かなめ君    市村浩一郎君

      沢田  良君    美延 映夫君

      中野 洋昌君    福重 隆浩君

      高橋千鶴子君    鈴木 義弘君

      福島 伸享君

    …………………………………

   国務大臣

   (復興大臣)       土屋 品子君

   復興副大臣        高木 宏壽君

   復興副大臣        平木 大作君

   復興大臣政務官      平沼正二郎君

   復興大臣政務官      尾崎 正直君

   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     南  圭次君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月七日

 辞任         補欠選任

  赤羽 一嘉君     中野 洋昌君

同日

 辞任         補欠選任

  中野 洋昌君     赤羽 一嘉君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 東日本大震災復興の総合的対策に関する件


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     ――――◇―――――

高階委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 来る十一日で東日本大震災の発生から十三年を迎えます。改めて、お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災地の復興を祈念いたします。

 また、令和六年能登半島地震を始め、これまで各地で発生した度重なる地震による被害でお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員の御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

高階委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

高階委員長 東日本大震災復興の総合的対策に関する件について調査を進めます。

 この際、復興大臣から所信を聴取いたします。復興大臣土屋品子君。

土屋国務大臣 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、復興大臣として所信を申し上げます。

 東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から、間もなく十三年が経過します。

 震災によって亡くなられた方々に改めて心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々や被害に遭われた全ての方々に心からのお見舞いを申し上げます。

 私は、大臣就任以降、福島県、宮城県、岩手県を頻繁に訪問し、被災地で活躍されている女性の方々を始め、多くの方とお話をすることで復興の現状を把握してまいりました。

 その中で、震災からの復興は、被災地の方々の御努力や関係者の御尽力により着実に進んでいる一方で、地震、津波被災地域と原子力災害被災地域とでは状況が大きく異なり、また、原子力災害被災地域においても、避難指示の解除の時期等により復興の状況が大きく異なっており、被災地の状況に応じたきめ細かな対応が必要と実感しております。

 こうした思いで復興の取組を進めておりますが、最近進展のあった三つの取組を申し上げます。

 一つ目は、帰還困難区域及び避難指示が解除された地域への取組についてであります。

 帰還困難区域について、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意の下、取組を進めてきており、昨年十一月までに、全ての特定復興再生拠点区域の避難指示解除がなされました。

 また、拠点区域外に関しても、二〇二〇年代をかけて帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、昨年六月の福島復興再生特別措置法の改正により創設された特定帰還居住区域制度により、昨年九月には、大熊町及び双葉町の一部区域に係る特定帰還居住区域復興再生計画を認定し、昨年十二月には先行的な除染に着手しました。本年二月までには、大熊町の残りの区域のほか、富岡町、浪江町においても、各自治体が設定する特定帰還居住区域について、計画を認定したところです。

 引き続き、認定された計画に従い、関係省庁と連携しながら、除染やインフラ整備等を始めとする避難指示解除に向けた取組を進めてまいります。

 あわせて、避難指示が解除された地域においては、帰還される方が安心して生活できる環境づくりが不可欠であり、政府としては、これまでに、医療、介護、買物、教育等の生活環境の整備を支援してまいりました。引き続き、こうした取組を通じて、帰還の促進につなげていくとともに、事業再開の支援、営農再開の加速化、森林・林業の再生、漁業の本格的な操業再開等、産業、なりわいの再生、雇用の確保を図ります。

 また、地域に新たな活力を呼び込めるよう、地方自治体の自主性に基づく事業への支援や、移住、起業する方に対する個人支援等、移住、定住の促進にも取り組んでまいります。

 引き続き、福島の復興再生に向けて、国が前面に立って取り組んでまいる所存です。

 二つ目は、ALPS処理水放出についてであります。

 昨年八月からALPS処理水の海洋放出が開始されました。ALPS処理水の処分に先立ち、関係閣僚等会議において、政府全体として、安全確保、風評対策、なりわい継続支援策を講じ、今後も全責任を持って取り組むこととしており、関係省庁連名で水産業を守る五本柱の政策パッケージを取りまとめております。

 復興庁としては、これまでに引き続き、風評対策に取り組んでまいります。私自身、タイ、ベトナムを訪問し、トップセールスをしてまいりました。現地では、日本食などへの関心の高さを感じ、三陸、常磐物などの地元産品の魅力発信に手応えを感じたところであります。引き続き、国内外に向けて、科学的根拠に基づいた正確な情報を分かりやすく発信するとともに、三陸、常磐物を始めとする地元産品や地域の魅力を効果的に発信してまいります。

 また、ALPS処理水の海洋放出は息の長い取組になります。ALPS処理水の海洋放出後に身体汚染や水漏れの事案等が発生しております。東京電力には、一つのミスでも地元や社会の信頼を失いかねないため、最大限の緊張感を持って安全確保に万全を期して取り組んでいただきたいと考えております。

 三つ目は、F―REIの取組についてであります。

 福島浜通り地域等における新たな産業基盤の構築を目指す福島イノベーション・コースト構想を更に発展させ、福島を始め東北の復興を実現するための夢や希望となるとともに、我が国の科学技術力、産業競争力の強化を牽引する福島国際研究教育機構、いわゆるF―REIが昨年四月に設立されました。

 設立から約一年の間、研究開発については委託研究を中心に五分野全てで開始するとともに、産業化を見据えて、浜通り地域等の十五市町村ごとに市町村座談会を実施し、ニーズを把握してきました。加えて、F―REI役員が福島県内の大学生や高校生等を対象にトップセミナーを開催し、人材育成に取り組むなど、着実にその歩みを進めています。

 二年目に向けて、研究代表者の公募を開始するとともに、秋に福島で開催する国際放射線防護委員会に併せて、シンポジウムの開催も計画しています。

 また、F―REIの当初の本施設は国において整備することとしており、施設整備の方向性等を定める施設基本計画を本年一月に策定し、令和六年度より設計に着手する予定です。

 引き続き、世界に冠たる創造的復興の中核拠点を目指すF―REIの取組を、関係大臣と連携しながら、政府一丸となって支えてまいります。

 また、福島イノベーション・コースト構想につきましても、引き続き、地域における実証等の支援、地元企業との連携促進や、起業、創業を目指す方への支援等を推進してまいります。

 以上の三つの取組のほかに、原子力災害被災地域、地震、津波被災地域共通の課題にも取り組んでおります。まず、被災者支援について、これまで心のケアやコミュニティー形成、見守り、生きがいづくりなどに取り組んできておりますが、被災者の方々の置かれた状況は様々であり、それぞれの状況に応じて必要な支援が受けられるよう引き続き取り組んでまいります。また、被災地における中核産業である漁業及び水産加工業については、漁港や加工施設等の復旧はおおむね完了しており、今後も、漁業の収益性向上や担い手の確保、水産物の販路の回復、開拓等の取組を引き続き支援してまいります。

 東日本大震災の記憶と教訓を後世に継承することも重要です。

 そのため、これまでの復興施策を振り返り、政府の制度や組織の変遷等を取りまとめ、公表したところです。さらに、これまでに蓄積された効果的な復興の手法、取組や民間のノウハウなど、復興に係る知見を関係機関と共有し、各地の伝承施設等との連携を通じて普及、展開することで、令和六年能登半島地震のほか、将来の大規模災害からの復興に生かしてまいります。

 このほか、来年開催される二〇二五年日本国際博覧会など各種の機会を捉えて、多くの方に被災地まで足を運んでいただけるよう、原子力災害からの復興状況を始め、復興の進捗や被災地の状況について、正確な情報や被災地の魅力などを分かりやすく発信してまいります。

 令和三年度から令和七年度までの第二期復興・創生期間も今年度末で三年目となることから、令和七年度までを見据えて復興基本方針の中間的な見直しを行います。

 また、第二期復興・創生期間後となる令和八年度以降、復興庁設置期限である令和十二年度までの復興の在り方については、最終的には、令和七年度中に、その段階での復興の状況を踏まえて決定することになりますが、最終的な決定を待つことなく、一定の方向性をお示しすることも視野に入れながら、今後しっかりと関係者と意見交換を行うなど、必要な施策についての検討を進めてまいります。

 冒頭にも述べたとおり、被災地を訪れた際、地域で活躍される女性の方々ともお話をし、女性の方々の前向きな底力が被災地の活性化に大きく貢献していることを実感しました。このような活躍している女性の声をこれまで以上に伺う場を設け、復興の取組に生かしてまいります。

 引き続き、現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら、復興の司令塔である復興大臣として、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしとの強い決意の下、東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいります。

 高階委員長を始め理事及び委員各位の御理解と御指導をよろしくお願い申し上げます。

高階委員長 次に、令和六年度復興庁関係予算の概要について説明を聴取いたします。復興副大臣高木宏壽君。

高木副大臣 令和六年度復興庁予算について御説明申し上げます。

 復興庁におきましては、第二期復興・創生期間において必要な取組を精力的に進めるため、地震、津波被災地域において、被災者支援など、きめ細かい取組を着実に進めるとともに、原子力災害被災地域では、帰還環境の整備、生活再建など、本格的な復興再生に向けて取り組み、また、これらに加えて、福島始め東北地方が創造的復興を成し遂げるための取組を進めるための予算として、東日本大震災復興特別会計に総額四千七百七億円を計上しております。

 以下、その主要施策について御説明申し上げます。

 第一に、被災者支援については、被災者の心のケアやコミュニティーの形成、生きがいづくり等の心の復興、見守り、相談支援など、多様化、個別化してきている被災者の状況に応じたきめ細かな支援等に必要な経費として、二百十八億円を計上しております。

 第二に、住宅再建と復興まちづくりについては、住まいと町の復興に向けて、災害公営住宅に関する支援を継続するほか、住民の安全、安心の確保等のために事業を進める必要があることから、災害復旧事業等について支援を継続するために必要な経費として、五百三十億円を計上しております。

 第三に、産業、なりわいの再生については、原子力災害被災十二市町村における事業再開支援や、避難指示解除区域等における工場等の新増設支援等の取組に必要な経費のほか、ALPS処理水の処分に伴う対策として、被災地の水産業等への支援の取組に必要な経費として、三百三十一億円を計上しております。

 第四に、原子力災害からの復興再生については、避難指示解除区域における生活環境の整備や、特定復興再生拠点の整備、特定帰還居住区域への帰還に向けた取組等を実施するとともに、中間貯蔵関連事業を着実に推進するほか、風評払拭及び放射線に関するリスクコミュニケーションの取組の強化に必要な経費として、三千三百三十八億円を計上しております。

 第五に、創造的復興については、単に震災前の状態に戻すのではなく、創造的復興を実現するため、以上の取組に加えて、福島国際研究教育機構の取組や、福島イノベーション・コースト構想の推進、移住等の促進、高付加価値産地の形成等に係る取組に必要な経費として、二百三十九億円を計上しております。

 なお、東日本大震災復興特別会計においては、復興庁予算に加え、震災復興特別交付税交付金など、千六百二十四億円を計上しており、全体では、六千三百三十一億円を計上しております。

 以上、令和六年度の復興庁予算の概要について御説明申し上げました。

 何とぞよろしくお願いいたします。

高階委員長 以上で説明は終わりました。

 次に、尾崎復興大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。復興大臣政務官尾崎正直君。

尾崎大臣政務官 復興大臣政務官の尾崎正直でございます。

 福島を中心とした原子力災害からの復興及び再生に関する事項に係る国土交通省との連絡調整に関する事項を担当いたします。

 関係副大臣、大臣政務官とともに土屋大臣をお支えし、被災地の復興が着実に進むよう、全力で取り組んでまいりますので、高階委員長を始め理事、委員各位の御指導と御協力を何とぞよろしくお願いを申し上げます。

高階委員長 以上で議事は終了いたしますが、先ほどの説明に関し、土屋大臣より追加発言がございます。発言を許します。

土屋国務大臣 ちょっと訂正させていただきます。あと、追加させていただきます。

 皆様のお配りしてありますペーパーの中で、九ページの四行目でございますけれども、私が、来年開催される二〇二五年ニホン国際博覧会と読んでしまいましたが、ニッポンということで訂正させていただきます。

 それから、十ページの四行目でございますけれども、必要な施策についてと言ってしまったんですが、等が抜けておりますので、訂正させていただきます。

 大変失礼いたしました。よろしくお願いいたします。

高階委員長 以上をもって議事は終了いたします。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時四十四分散会


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