衆議院

メインへスキップ



第6号 令和6年3月26日(火曜日)

会議録本文へ
令和六年三月二十六日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 谷  公一君

   理事 井上 信治君 理事 小林 史明君

   理事 田中 英之君 理事 牧島かれん君

   理事 岡本あき子君 理事 藤岡 隆雄君

   理事 一谷勇一郎君 理事 河西 宏一君

      今村 雅弘君    上杉謙太郎君

      黄川田仁志君    小寺 裕雄君

      橘 慶一郎君    谷川 とむ君

      土田  慎君    土井  亨君

      中川 郁子君    橋本  岳君

      福田 達夫君    藤丸  敏君

      堀井  学君    保岡 宏武君

      柳本  顕君    山口  晋君

      城井  崇君    坂本祐之輔君

      中谷 一馬君    福田 昭夫君

      早稲田ゆき君    赤木 正幸君

      伊東 信久君    伊佐 進一君

      浮島 智子君    高橋千鶴子君

      浅野  哲君    田中  健君

    …………………………………

   国務大臣

   (デジタル大臣)

   (デジタル行財政改革担当)            河野 太郎君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)          加藤 鮎子君

   国務大臣

   (地方創生担当)     自見はなこ君

   内閣府副大臣       井林 辰憲君

   内閣府副大臣       工藤 彰三君

   総務副大臣        馬場 成志君

   厚生労働副大臣      浜地 雅一君

   経済産業副大臣      上月 良祐君

   内閣府大臣政務官     古賀友一郎君

   内閣府大臣政務官     石井  拓君

   デジタル大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    土田  慎君

   文部科学大臣政務官    安江 伸夫君

   政府参考人

   (内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官)  吉田 宏平君

   政府参考人

   (内閣府規制改革推進室次長)           稲熊 克紀君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        中村 広樹君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 小林  豊君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            川崎  暁君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室長)            熊木 正人君

   政府参考人

   (こども家庭庁成育局長) 藤原 朋子君

   政府参考人

   (こども家庭庁支援局長) 吉住 啓作君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   冨安泰一郎君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   楠  正憲君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   村上 敬亮君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 三橋 一彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            内山 博之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           日原 知己君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         杉中  淳君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           関村 静雄君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           勝野 美江君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 松山 泰浩君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           佐々木俊一君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 岸川 仁和君

   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十六日

 辞任         補欠選任

  橋本  岳君     山口  晋君

  田中  健君     浅野  哲君

同日

 辞任         補欠選任

  山口  晋君     橋本  岳君

  浅野  哲君     田中  健君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

谷委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地域再生法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案に対する質疑は、去る二十二日に終局いたしております。

 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表して、地域再生法の一部改正案について、反対の討論を行います。

 人口減少や高齢化が進展し、東京一極集中が強まる下で、企業の地方移転を応援することや、老朽化や空き家が課題となっている住宅団地の再生に地域住民や民間業者などが主体となって取り組むことは、大変重要なことです。

 一方、看過できない問題点が含まれています。

 一つは、地方拠点強化税制の延長についてです。

 制度導入から九年、政府は二万六千人余の雇用創出を強調しますが、これは提出された計画人数を足し上げた延べ人数にすぎません。雇用促進税制の適用事業所数は、直近三年間では年十件以下です。

 法案では、これまで本税制の対象外としてきた電話やオンラインを活用した営業やコンサル業など、商業部門やサービス事業部門の一部を新たに対象事業とし、かつ、転勤者要件や施設新設に対する雇用促進税制の対象期間を広めに取るなど、要件緩和を行います。これでは、地方への人の流れのかけ声倒れとなり、東京一極集中の是正に逆行しかねないと指摘せざるを得ません。

 次に、反対はしないが、重大な懸念が二点あります。

 一つは、住宅団地再生に地域住民の参加が必須ではないことです。

 法案は、地域再生推進法人が市町村に対し地域住宅団地再生事業計画の作成等を提案できるとしました。団地内に限らず、周辺地域を一体とした実施区域と定め、用途規制の緩和などをワンストップで行うことができる一方、その重要なプロセスに地域住民が参加しなくてもよいということは問題です。自家用有償旅客運送の届出等も計画をもってみなす規定とされ、住民不在で規制緩和や開発が進むことがあってはなりません。

 特に、廃校となった学校施設の活用についてです。教室の雰囲気を残した市民スペースやレストランなど成功例もある一方、行政、事業者、地域住民など関係者間の調整がされていない又は不十分なために、住民からの苦情が発生し、結果として事業者の撤退につながった事例もあります。

 学校は地域のコミュニティーの核であって、だからこそ地域住民の合意が重要です。団地の再生を目指すなら、学校の再生も視野に入れるべきです。地域住民を含めた全ての関係者を構成員とし、課題解決のために共に協力し合える関係性を構築する仕組みが必要です。

 さらに、民間事業者の施設整備に補助をする際、地方債の起債を可能とします。民間事業者が自ら行うべき施設整備を公の施設に指定したり、逆に、本来地方公共団体がその責任で行うべき公の施設を民間事業者に丸投げすることにもなりかねません。

 以上述べ、討論とします。

谷委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

谷委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、地域再生法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

谷委員長 自見大臣、工藤副大臣及び古賀大臣政務官は御退席いただいて結構でございます。

     ――――◇―――――

谷委員長 次に、地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官吉田宏平君、内閣府規制改革推進室次長稲熊克紀君、内閣府地方創生推進事務局審議官中村広樹君、警察庁長官官房審議官小林豊君、金融庁総合政策局審議官川崎暁君、こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室長熊木正人君、こども家庭庁成育局長藤原朋子君、こども家庭庁支援局長吉住啓作君、デジタル庁統括官冨安泰一郎君、同じく楠正憲君、同じく村上敬亮君、総務省大臣官房審議官三橋一彦君、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官内山博之君、厚生労働省大臣官房審議官日原知己君、農林水産省大臣官房総括審議官杉中淳君、農林水産省大臣官房審議官関村静雄君、同じく勝野美江君、資源エネルギー庁次長松山泰浩君、国土交通省大臣官房審議官佐々木俊一君及び国土交通省道路局次長岸川仁和君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

谷委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小寺裕雄君。

小寺委員 おはようございます。

 時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。

 昨年の通常国会を振り返りますと、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進める方針が示されていた中で、マイナンバーカードへの個人情報の登録に誤りがあったことが次々と明らかになり、大きな政治的な争点となりました。

 当時、新聞やテレビの報道で大々的に取り上げられていたマイナンバーカードの主なトラブルには、コンビニで他人の住民票が発行された、マイナ保険証に他人の情報が登録されていた、公金受取口座に他人の口座が登録されていた、同じく家族名義と見られる口座が登録されていた、これは、小さな、要は通帳を持っていないようなお子さんが親御さんにつながっていたということであったと記憶していますが、マイナポイントが別人に付与されていた、同姓同名で、なおかつ誕生日も同じというような人がたくさんおられたというふうに承知をしておりますが、あるいは、別人、同じく同姓同名の方にカードが交付されていた、他人のクレジットカードなどにひもづけがされていた、マイナポータルから他人の年金情報を閲覧することができたなどなどでした。

 当時は、それはもう鬼の首を取ったような勢いでありました。と同時に、マイナンバーカードは信用できないからといったことで、一旦取得はしたものの、これを返しますといったような運動があったり、現在の健康保険証の廃止の延期、中止を求める声などが上がっておりました。

 そこで、昨年の六月二十一日の通常国会閉会日に、岸田総理は、マイナポータルで見ることができる二十九項目全てのデータを総点検するように指示をされたのでした。

 具体的には、昨年の夏頃から作業が始まり、定期的に総点検本部が開催されており、そこでしっかりと確認しながら、本年の一月中旬に総点検が終了したものというふうに承知をしております。

 そこで、まず河野大臣にお尋ねいたしますが、今回の総点検の結果についてできるだけ分かりやすく説明をお願いいたします。

 そして、何より重要なことは、原因を究明し、二度と同じ失敗を繰り返さないことだと考えますが、今回の総点検を受けた再発防止策についてもお尋ねさせていただきます。

河野国務大臣 総点検の対象となりました八千二百万件、これを総点検をした結果、八千三百九十件程度の誤りが発見をされまして、これについては誤りを解消いたしました。

 ひもづけ誤りの起きた原因は、本来、氏名、生年月日、性別、住所、この四情報で確認をすべきところ、氏名と生年月日のみ、この二情報で確認をしてしまった結果、同姓同名の方に誤ってひもづけをしてしまったということが原因の多数でございましたので、まずは様々なひもづけをするときにマイナンバーを提供していただく、マイナンバーを提供していただいて、それで確認をするということを原則とするように各省の省令の改正をしていただいております。

 また、マイナンバーの提示がどうしてもない場合には、住所、氏名、生年月日、性別、この四情報、あるいは性別を除いた三情報で確認をする、それの確認ができない場合には改めて本人に確認をする、これを徹底することで、今後の誤った、ひもづけ誤りが起きないようにする。

 そして、そこの確認ができたとしても、入力のミスというのは、人間がやっている以上、確率は極めて低くても起こり得りますので、マイナンバーカードから直接四情報が入力されるような、デジタルでそこを完結できるようなシステムをつくっていく、そういう努力をしているところでございます。

小寺委員 ありがとうございました。

 今大臣からお話あったように、八千二百八万件で八千三百九十五件の誤りがあった。これは率にすると〇・〇一%、つまり一万人に一人の割合で間違いがあったということです。

 そこで、いろいろ調べていただいた中で、分母の大きいものを少し見てみると、健康保険証の情報のひもづけの誤りが、千五百七十一万件に対して一千百四十二件、〇・〇〇七%、十万人当たりにして七人ということになります。また、公金の受取口座の誤りは、五千六百二十二万件に対して千百八十六件、率に直すと〇・〇〇二%で、五万人に一人という割合になります。

 では、この数字を聞いただけで、一体どれぐらいの確率なのかということが分かりづらいので、私の好きなサマージャンボ宝くじの当せん確率と比較をしてみました。別にサマージャンボだけにこだわっているわけではありません。全体のひもづけ誤りの確率が一万分の一と申し上げましたが、これは何と、四等の五万円が当たる確率とちょうど同じです。公金の受取口座のひもづけ誤りの確率五万分の一は、サマージャンボを、ばらでも連番でも結構ですが、十枚買ったときに三等の百万円が当たる確率です。

 つまり、申し上げたいことは、行政の行うことにミスや間違いがあっては許されることではないということは言うまでもありませんが、宝くじの当せん確率と比較すれば分かるように、誰しもにいつでも当たるというほどの確率ではないということであります。つまり、問題は、昨年大変大きな騒ぎとなりましたけれども、物事というのは、そうした騒動に左右されることなく、冷静に物事を進めていくということがいかに大事であるかということを私は今回の総点検が示していただいたのではないかというふうに思います。

 ですから、ミスを繰り返すことは許されませんが、やはり、時にはしっかりと冷静に原因を特定して再発防止に努めていただくといったことが肝要であると思いますし、また、そのような御対応をしていただいたというふうに承知をしたところであります。

 続きまして、マイナンバーカードの利活用の状況について順次質問をさせていただきます。

 マイナンバーカードの制度が始まったのが二〇一五年、翌年からカードの交付が始まり、一七年にはマイナポータルの運用が始まるなどの取組が進めてこられましたが、当時は余り取得数も芳しくありませんでした。

 その後、デジ庁ができ、新型コロナウイルス感染症等の拡大によってデジタル化への国民的な理解が進んだことにより、マイナンバーカードの取得が進み始めました。もちろん、カードを作ればポイントがもらえたり、マイナンバーカードの申請率が交付金の支給に関係するということで、各自治体が競うようにマイナンバーカードの取得を市民に勧めたことも大きかったというふうに思います。

 私の当時の記憶では、宮崎県の都城市が何か、断トツで申請率がずば抜けていたというふうに覚えているんですけれども、現状、マイナンバーカードの取得率や普及の状況はどこまで来ているのでしょうか。お尋ねしたいと思います。

三橋政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードは、対面でもオンラインでも安全、確実な本人確認ができるデジタル社会の基盤となるツールであり、政府全体でその普及促進に取り組んでまいりました。

 マイナンバーカードの令和六年二月末時点の累計の交付枚数は約九千八百十七万枚であり、人口に対する割合は約七八・三%、また、同日時点で、有効期限切れや死亡等による廃止を除いた、現に保有されているカードの枚数は約九千百八十九万枚、人口に対する割合は約七三・三%となっております。

 これは、休日や平日夜間におけるカード申請受付や出張申請受付の実施、郵便局窓口での申請サポートなどの普及促進や、マイナンバーカードを利用した住民サービスの利便性向上などの取組について、自治体の皆様を始めとした関係各位に御尽力をいただいたことによるものと認識をしております。

 今後も、総務省としては、カードを出生届の提出に合わせて申請できるような申請手続の見直しや、福祉施設や希望する方の個人宅などを訪問する形での出張申請受付の推進など、丁寧なカードの取得環境の整備を更に進めるとともに、引き続き、関係省庁とも連携して、マイナンバーカードの利活用の推進や取得の円滑化に取り組んでまいります。

小寺委員 ありがとうございます。

 いろいろありましたけれども、感想としては、よくぞここまで来られたなというふうなところが率直です。

 私の地元の市町でも、本当に一生懸命、自治体の皆さん、通常業務を抱えながらマイナンバーカードの発行に取り組んでおられる姿を見て、いろいろ、地元の市長さんからいっときは嫌みを、忙しいのに何してくれんねんというふうなこともありましたけれども、ここまで来れば、いよいよそうした社会基盤が整ったのではないかというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 そこで、こうして全国的に一定程度普及したと言えるマイナンバーカードですが、取得しただけでは身分証明書になるだけで、余り意味がないと思います。やはり、カードを利用することで便利さをそれぞれ実感してもらうことが当然ではありますけれども、利用する側にもメリットがあり、管理をされる国の方にもまたメリットがある、そのようなものでなければならないというふうに考えます。

 という意味で、私は、現在進めておられるマイナンバーカードと健康保険証の一体化には本当に大きなメリットと可能性があるものというふうに期待をしていますが、そこで、マイナンバーカードと健康保険証を一体化すれば利用者や医療機関などにとってどのようなメリットがあるのか、教えていただきたいと思います。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化のメリットといたしましては、患者が御自身の薬剤情報や特定健診情報などの提供に同意された場合、例えば、御自身が使われたお薬や過去の健康診断の結果、これらは、不正確になりがちな口頭ではなく、データによって正確に医師などに伝えられることや、お薬手帳には記載されていない院内処方の、医療機関で投薬された薬剤なども含めまして、別の医療機関やほかの診療科で処方された薬剤の網羅的な情報が医師などに提供されること、これらによりまして、それらを閲覧した医師などから、より多くの種類の正確な情報に基づいた総合的な診断や、重複する投薬を回避した適切な処方を受けることができるようになると考えてございます。

 また、限度額認定証の発行を申請しなくても、窓口で限度額以上の支払いを行うことが不要になるといったメリットもございます。

 今後は、リアルタイムでの薬剤情報の連携が可能な電子処方箋や、それから電子カルテ情報の共有といった、医療DXによるメリットを享受いただく際のパスポートとなるものであります。

 こうしたメリットを踏まえまして、一人でも多くの皆様にマイナンバーカードの健康保険証としての利用登録をしていただいて、実際に御利用いただくことが重要と考えてございまして、引き続き、医療機関等や保険者とも連携をいたしまして、こうしたメリットを広く周知するなど、利用促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。

小寺委員 ありがとうございます。

 聞き漏らしていたらごめんなさいですが、私自身は、今言われたことはもちろんのことでありますけれども、これが過去の健康、医療データに基づいたより適切な医療という言葉に集約をされているということならそういうことだと思いますが、要は、やはり、一体化のメリットの一つに、私は、過剰な投薬の抑制であったり、それから、健康保険証の使い回しみたいな不正利用を防止することは大きな利点ではないかと考えています。

 例えば、通院しているクリニックから処方される薬でも湿布薬でもいいんですが、お医者さんからはこれで十分やというて出していただいているんですが、いやいやいや、右の腰が痛いからこっちに貼るのは当然やけれども、早う治そうと思うたら左の腰にも湿布薬を貼りたいというふうに本人が考えたときは、お医者さんに左の腰分も欲しいと言えたらいいんですけれども、言えへん人はどうするかといったら、もう一遍近所の別のところに行って、左の腰が痛いから、先生、左の湿布をいただけませんかという話になるわけで、ああ、そうかそうか、ほんなんやったら上げようかというて、二つ通う手間はあるものの、本人的にはそれで十分満足して、両方の腰に不必要な湿布まで貼って満足するというふうなことが起きるわけであります。

 これが湿布やからまだ許されますけれども、痛くもないのに頭痛薬が欲しいとか、十分眠れるのに睡眠薬が欲しいということで、手元にそうした薬が残ると、飲まない薬が果たしてどこへ行くのかなといったこと等を防ぐことを考えたら、私は、この一体化のメリットというのは大変大きなものではあるかと思いますので、是非御期待申し上げるところであります。

 ところが、漏れ伝え聞くところによると、このマイナンバーカードと保険証の一体化が実は余りうまくいっていないのではないかといううわさを耳にいたしました。このことが事実であるとすると、昨年の春先から六月にかけて吹き荒れた、健康保険証との一体化なんかやめてしまえという趣旨のキャンペーンが再燃するのではないかと心配をしています。

 そこで、現在のマイナンバーカードと健康保険証との一体化の進捗状況についてお尋ねをいたします。また、現状をどのように評価されているのか、また、当初の想定と進捗状況がかけ離れているとするならば、どこにどのような課題があって、その課題にどのように対応していかれるのか、併せてお尋ねをしたいと思います。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 オンライン資格確認におきますマイナ保険証の利用件数は直近の二月で約八百三十八万件となってございまして、オンライン資格確認全体の件数に占める割合は約四・九九%と、二か月連続で前月より上昇いたしておりますけれども、より一層の利用促進が課題というふうに認識してございます。

 これまで、マイナ保険証につきましては、昨年の春に別人へのひもづけ問題などが報道されまして、医療現場においてトラブルへの不安などがございました。また、医療機関などの窓口における保険証の取扱いを前提とした対応も一つの要因としてあるというふうに考えてございます。

 まず、保険者による登録データのひもづけ誤りにつきましては、これまでに、新規のひもづけ誤りを防止するための措置を講じましたほか、全保険者による自主点検を完了いたしまして、さらに、入念な取組といたしまして、昨年十一月末までに、登録済みのデータ全体について住民基本台帳の情報との照合を完了してございます。こうした対応を行いまして国民の皆様の不安の払拭に努めてきたところでございます。

 また、マイナ保険証の利用促進のためには、国民の方の約四割はマイナンバーカードを常に携行されているという調査結果もありますことから、医療現場における利用勧奨が重要というふうに考えてございます。

 このため、本年度補正予算で設けました医療機関への支援金のほか、令和六年度の診療報酬改定におきましても、利用実績に応じた加算措置を導入することとしてございまして、引き続きマイナ保険証の利用促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。

小寺委員 ありがとうございました。

 本当はここから、マイナンバーカードを持ちたくない人とか、持っていない人とか、そうしたときに対応がどうなっているのかということを詳しくお聞きするつもりでしたが、時間が迫ってまいりましたので、幾つか質問を、ごめんなさい、飛ばさせていただいて。

 いろいろお尋ねをさせていただきましたけれども、私は、マイナンバーカードの利活用には大きな期待を寄せておりますし、健康保険証やまた運転免許証との一体化だけではなくて、やはり、DXを進めていって、行政の効率化、利便性の向上、そして住民サービスの質を高めて、豊かな社会を実現するということがとても大事と思います。

 そこで、河野大臣にお尋ねしますが、マイナンバーカードの今後の可能性についてお話をしていただけますでしょうか。

河野国務大臣 マイナンバーカード、これを使いましてスマホから行政の様々な手続がオンラインで完結できる、あるいはその際の手数料の納付もできるようなサービスを導入していきたいというふうに思っております。

 また、今、一々マイナンバーカードを読み込んでいただくのが大変だ、特に確定申告のときには随分大変だったというようなお話も聞いておりますので、マイナンバーカードの電子証明書の機能をスマホに搭載をする。今既にアンドロイドでもできるようになっておりますが、これを今アップルに、次の確定申告にはiPhoneでもできるようにしたいということでお願いをしているところでございます。

 また、運転免許証とマイナンバーカードの一体化、これは来年度中にはスタートをしたいというふうに思っておりますし、在留カードについてもやはりマイナンバーカードとの一体化というものを進めていきたいというふうに思っておりますので、一つ一つ着実に進めていきたいと思います。

小寺委員 終わります。

谷委員長 次に、中谷一馬君。

中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 私からは、まず初めに、内閣府、経済産業省、金融庁などの会議における資料に、中国の国営電力会社、国家電網公司のロゴが入っていた問題について伺わせていただきます。

 こちらのパネル、用意をさせていただきました。配付資料でも、皆さん、御覧をいただいていると思いますが、まさにこちらの部分ですね。これは金融庁と経産省が類似をしているものでしたから、経産省のものを代表してお持ちをさせていただきました。

 その中で、まず金融担当副大臣に伺ってまいりますが、二〇二一年三月二十五日に開催されたサステナブルファイナンス有識者会議の会議資料の最終ページに、自然エネルギー財団という団体名を象徴するスライドに、中国国営の電力会社、国家電網公司のロゴが入っていましたが、こちらはどういった経緯でこのような状況になっているのか、また、配付者本人からはどういう説明を受けているのか、その上で、これらの問題をどのように捉えているのか、副大臣の見解をお伺いをいたします。

井林副大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、令和三年三月に開催されました金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議において、外部専門家の一名としてプレゼンをされました大林氏の提出資料の最終ページに、そのスライドのとおりでございますが、御指摘の中国企業のロゴの透かしが記載されていたことを確認をしてございます。

 御指摘の資料につきましては、大林氏本人より、誤って特定企業の透かしが入っていたため資料を差し替えたいとの連絡があり、昨日二十五日、資料の掲載を取りやめ、その旨を資料が掲載されているウェブページに記載をしてございます。

 なお、経緯でございますが、大林氏本人より、誤って特定企業の透かしが入ったため資料を差し替えたいとの連絡があったということでございます。

 現時点におきまして、金融庁として、大林氏本人との間で経緯の詳細までは確認できておりませんが、今後、内閣府とも連携し、本人に対しても、本件の経緯、詳細確認を含め、適切に対応してまいります。

中谷(一)委員 副大臣、これはいつまでに調査を終えていただいて、御報告をいただける環境が整いますか。

井林副大臣 お答え申し上げます。

 令和三年の会議でございますので、事務局も含めて、ちょっと確認をさせていただきたいと思っていますので、誠意を持って対応させていただきたいと思っております。

中谷(一)委員 いつぐらいまでにということを伺っております。なるべく早くしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

井林副大臣 お答えを申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、昨日掲載をやめたぐらいでございますので、ちょっとまだ、いつまでにということがお約束できない状況でございますけれども、誠意を持って対応させていただきたいと思っております。

中谷(一)委員 こちらは、金融庁としては不適切だったとお考えですか、この資料掲載は。それとも、適切に行われていたというふうに考えられていますか。

井林副大臣 そもそも、本人から修正の申出があったということ自体、よくないことだというふうに思っておりますので、しっかりと対応したいと思っております。

中谷(一)委員 やはり、こういったチェックを怠っているということも不適切だと思いますし、こういった問題は非常に今、世の中で皆さんが注目をしているものでありますので、速やかにこうした経緯を調査をしていただいて、お示しをいただきたいと思います。

 次に、経産副大臣に伺ってまいります。

 こちらも同様に、二〇二四年の二月二十七日に開催をされた総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会の会議資料の最終ページ、こちらも、自然エネルギー財団という団体名を象徴するスライドに国家電網公司のロゴが入っていましたが、こちらはどういった経緯でこのような状況になっているのか、また、配付者本人からはどういう説明を受けているのか、その上で、これらの問題をどのように捉えているのか、副大臣の見解を教えてください。

上月副大臣 お答え申し上げます。

 経済産業省のエネルギー関係の審議会につきまして、直近五年の範囲で資料を確認をいたしましたところ、本年二月二十七日の総合資源エネルギー調査会電力・ガス基本政策小委員会におきまして、外部の有識者六名からヒアリングを行った際のお一人の資料の中に、特定企業のロゴの透かしのようなものが入ったページがあったということが判明をいたしました。

 本件につきまして、一昨日、三月の二十四日でございますが、資料の提出者から、誤って入ってしまったものであり、資料を差し替えたいという申入れがございました。

 これを受けまして、一旦資料の掲載を取りやめました上で、ヒアリングに参加いただいた有識者の資料になぜ特定企業の透かしのようなものが入っていたのかなど、まずは事実関係の確認を行うこととしておるところであります。

 なお、不透明な形で特定企業の強い影響を受けているとの懸念が払拭されるまでの間は、当該有識者からヒアリング等で意見を聞くことは差し控えたいと考えております。

中谷(一)委員 その懸念はいつぐらいまでに払拭をされて、いつ頃その調査結果を経産省としては報告をしていただけますか。

上月副大臣 お答え申し上げます。

 現在、資料提出者に対しまして、事実関係の説明を求めているところであります。資料提出者に対しましては速やかな対応を求めているところでありますけれども、時期ありきで予断を持って判断するということではなく、しっかりと内容を確認することをまずは努めていきたいと考えております。

中谷(一)委員 もちろんしっかり確認をしていただくことも重要ですし、迅速に対応していただくという局面も重要だと思っているんですけれども、これは速やかに対応していただけるということでよろしいですか。

上月副大臣 そういう気持ちでやりたいとは思っておりますが、いつまでとかいうことを予断を持たずに、しかし、速やかな対応を求めておりますので、そういう中でしっかり対応していきたいと思います。

中谷(一)委員 その上で、今回経産省としては、この資料の事案については、不適切にアップロードをしてしまったとお考えですか、それとも、適切に対応していたとお考えですか。

上月副大臣 ヒアリングに来られた有識者が使われた資料でございますので、それをそのまま出していたものでございます。

 それにつきまして、御指摘のような点が今確認ができたということでありますので、これまでは、何というんでしょうか、有識者が出された資料をそのまま出していたというものでございますので、それ自体が不適切だったということではないんじゃないかと思います。

中谷(一)委員 じゃ、まさにこの国家電網公司というロゴが入っていたことをチェックしないままアップロードしていたことが適切だったと今副大臣は答弁されたという認識でいいですか。

上月副大臣 内容につきましては、今確認をさせていただいております。

 それで、有識者の資料につきましては、委員の資料ではありませんので、外部の有識者からお話を聞くという資料ですので、事前に、何というんでしょうか、この内容がいいとか悪いとかということをチェックして、ここを直してくださいとかということはいたしませんので、そういう意味において、ヒアリングに出てこられた有識者の資料としてそれを出したということでございますので、結果こういうことであったので、今その事実を確認しているということでございます。

中谷(一)委員 問題なかったなら、何で金融庁さんとか他の省庁さんは資料を今アップロードを差し控えられているとお考えになっているんですかね。

 僕自身は、やはり、確認をしないままアップロードをすることに対して、これだけ疑義が生じているので、普通に考えれば適切じゃなかったんじゃないかなと思うんですけれども、今の答弁だったら、適切だったということでいいんですかね。

上月副大臣 有識者の資料でございますので、今回の場合、そういうふうに取り扱ったということでございましたけれども、今回のような経緯もありましたので、今後そういうことがあります、有識者の資料につきましても、何というんでしょうか、有識者の資料を事前にこれがいい悪いというふうに言うと、有識者からの御意見がなかなか、何というんでしょうか、聞きたい意見だけ聞くということになってはいけませんので、そういうふうに、何というのかな、チェックをどうするかということについては、しっかり対応してまいりたいと思います。

中谷(一)委員 端的に聞きますよ。これは適切だったんですか、不適切だったんですか、この事案は。

上月副大臣 ヒアリングに……(中谷(一)委員「端的に聞いていますよ」と呼ぶ)はい。中立的な立場で参加いただいた有識者の資料にこういう形で特定企業の透かしのようなものがなぜ入っていたかということの事実関係を、まずはしっかり確認をさせていただきたいと思います。

中谷(一)委員 委員長、私は五回同じ質問をしていますけれども、答えていただいておりません。適切か、不適切か。

上月副大臣 中立的な立場の有識者が、利害関係を有する特定の社の意向が反映されているにもかかわらず、そのことを明らかにせずに意見を述べたということであれば、審議会の透明性の観点から問題になり得ることだと思います。今、そのことを確認をさせていただいているところでございます。

中谷(一)委員 もう一回答弁させてほしいんですけれども、僕が言っているのは内容じゃなくて、資料をそのままアップしたことが今これだけ大きな問題になっていますけれども、これは適切だったんですか、不適切だったんですかと聞いています。

上月副大臣 申し上げましたように、有識者の資料でございますので、それをそのまま出したわけですが、今御答弁申し上げたように、特定の社の意向が反映されているにもかかわらず、それを明らかにせずに意見を述べたということであれば、問題になり得る資料だと思います。そういったことを確認した上で判断をしたいということだと思います。(中谷(一)委員「速記を止めてください」と呼ぶ)

谷委員長 中谷一馬君、質問を続けてください。

中谷(一)委員 おかしいでしょう、委員長。全く公平じゃないですよ。だって、今の確認する後の前の話じゃなくて、資料を今まさに皆さん、各省庁下げられていますけれども、これを上げたこと自体が適切だったんですか、不適切だったんですかと聞いているんですよ。委員長、ちゃんとやってください、公平中立に。

上月副大臣 有識者の資料でございますので、資料の内容について、基本的には、経産省において事前の確認、修正を行うべきものではないと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、特定の社の意向が反映されているにもかかわらず、それを明らかにせずに意見を述べたということであれば、審議会の透明性の観点から問題になり得るものだと思いますので、そういった観点で今、確認をしておりますので、それを踏まえて対応していきたいと思います。

中谷(一)委員 じゃ、適切だったと今現時点では考えているということでよろしいですか。

上月副大臣 そのことを確認するために、今、確認中でありますので、そのことが分かるまでは一旦掲載を中止をさせていただいて、それで、今、確認をしているということでございます。

中谷(一)委員 委員長、是非、ちょっと公平中立に差配をしてください。聞いている質問と違う答弁が返ってきております、何回も。しっかりと対応していただきますようお願いします。

 その上でなんですけれども、河野大臣に伺ってまいります。

 私自身は、再生可能エネルギーの推進論者であります。その上で、エネルギーセキュリティーは国家安全保障の中核でありまして、他国から干渉されない体制を確保することは必要不可欠です。だからこそ、エネルギー基本計画などにも影響を及ぼす可能性がある重要な会議体である再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースにおいて、万が一にも疑義を生じない運営を行っていただきたいと考えております。

 そうした中、二〇二四年三月二十二日に開催されたタスクフォースの会議資料三―二では、表紙の一枚を除く全てのページに国家電網公司のロゴが入っていました。これは、代表して七ページ目を今、配付資料で皆さんにお配りをさせていただいておりますけれども。

 こちらはどういった経緯でこのような状況になっているのか。また、これらの問題をどのように捉えて改善を図られるお考えであるのか。特にデジタル行政改革の視点から、河野大臣の御見解をお知らせください。

河野国務大臣 このタスクフォースは規制改革の下でつくられているタスクフォースでございまして、本委員会所管外でございますので、事務方から答弁させます。

稲熊政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の第三十回の再エネタスクフォースの資料、スライドの全ページにロゴの記載が入ってしまったことでございますけれども、その理由につきましては、当該ロゴの記載が一部のスライドに入っている状態の第二十九回再エネタスクフォースの公表資料のパワーポイントファイルをベースにして、内閣府事務局で資料を編集し、当該ファイルに残っていたロゴの記載の情報が全てのスライドに反映されてしまったものと考えられます。

 このため、中国企業のテンプレートを、入ったテンプレートを意図して積極的に使ったものではないということでございます。

中谷(一)委員 河野大臣に伺っています。

 Xへの投稿などでも拝見をさせていただきましたが、チェック体制の不備でお騒がせをしたことについて、今後は対策を強化し同じようなことが起きないように徹底していきますという発言をされていますが、これは、何のチェック体制に不備があり、どのような対策を強化されようとしているのか、教えていただきたいと思います。

稲熊政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣府事務局の方から、その中国企業のロゴが記載されました資料を作成しました再エネタスクフォースの大林構成員に確認をしたところ、自身が事業局長を務める自然エネルギー財団におきまして二〇一六年から一九年に開催された複数のシンポジウム等に中国の当該企業関係者が登壇した際の資料を他の機会に引用したことがありまして、大林構成員がふだん使っているパワーポイントのテンプレートに当該記載が残ってしまい、このテンプレートで作成したスライドを再エネタスクフォースの構成員提言の参考資料集に使ったため、当該ロゴの記載が入ったとのことでございましたが、こうした企業のロゴが資料に入っていたことから、当該企業と特別な関係があるかについても、しっかりチェックしなければならないと考えております。

 まずは、事実関係の調査に全力を尽くしまして、その結果を踏まえて、再発防止等を検討してまいりたいと考えております。

中谷(一)委員 委員長、まず質問者の意向をちゃんと酌んでください。河野大臣を指名していますので。

 河野大臣に、今、デジタル行政改革の視点で聞いています。デジタル行財政改革担当大臣として伺っております。

 もう一度聞きます。問題発覚当初、こちら、タスクフォースのホームページ、資料ダウンロード部分には、不正アクセス等による資料の改ざんがあったのではないかと問合せがあったため、一時的に資料を削除します、経緯が判明次第、後日、改めて掲載いたしますとされていましたが、不正アクセス等による資料の改ざんがあったか否か、特に、これはデジタル行政の視点から見解を教えてください。

河野国務大臣 このタスクフォースは規制改革のタスクフォースでございまして、この委員会は残念ながら所管外でございます。院のルールでございますので、事務方から答弁させます。

稲熊政府参考人 お答えいたします。

 三月二十三日でございますが、当初、内閣府のホームページに掲載しておりました資料を一旦削除いたしましたが、これは、再エネタスクフォースの構成員の一人から、不正アクセス等による資料改ざんがあったのではないかといった指摘があったため、一時的に資料を削除したものでございます。

 その後、資料に記載されていた中国企業のロゴには不正アクセスにつながるような有害な要素はないということが分かりましたが、当該資料を提出した構成員から、資料と無関係なロゴが記載されているのは適切ではなく、きちんとした資料に差し替えたいという要望があったため、当該要望があった旨をホームページに付記する形に変更したところでございます。

中谷(一)委員 デジタル行財政改革担当大臣としては、行政事業プロセスにおける視点でも、所管外を繰り返して、発言しなくても問題ないと認識されているんですかね、大臣。

河野国務大臣 院の仕切りで、地・こ・デジは規制改革、行政改革は所管でないということでございますので、それに関する答弁については事務方から行われることになります。

中谷(一)委員 河野大臣、私たちも、平時なら、できる限り国会の作法にのっとって、やぼなことを聞いたりしませんよ。でも、こういう急な、発生したアクシデントに対して、国民生活に大きな影響を与える構造的な問題を含んでいる可能性があります。だからこそ河野大臣に聞いています。

 政府・与党の皆さん、もしかしたらこの問題、余り意識がないのかもしれないんですけれども、多くの国民は、私は、これはしっかりただしていかなければならないと考えている、もう国の一大事だと思っているんですよ。だから、今回、河野大臣が出席される委員会で、私、相当丁寧に通告を出させていただいて、答弁を求めていますよ。

 大臣は、この問題、大したことないと思っているから、向き合わずにそんな答弁をされているんですか、さっきから。

河野国務大臣 当初、規制改革、行政改革もこの地・こ・デジで所管をしたらどうかというお話があったと聞いておりますが、院の仕切りで、そこは内閣委員会ということになったということでございますので、所管外でございます。

中谷(一)委員 国会の閣僚の答弁で、国務大臣の地位にある者が、議院の会議又は委員会での質疑に対する答弁書等においては、一政治家、政党の一員その他の個人の立場での見解を述べることを禁じるものではないという政府答弁があります。

 このような国の一大事とも言えるトラブルが起こったときに、大臣が、SNSなど外ではべらべら、いろいろな見解を述べられますけれども、国権の最高機関である国会で答弁を差し控えるのは、これは適切ではないんじゃないですか。

河野国務大臣 委員会の所管は院でお決めになっていることでございますので、我々としてはその所管に従うまででございます。

中谷(一)委員 所管外と答えた発言者とその回数を岸田内閣で調べていただきましたところ、断トツの一番が河野大臣でありました。

 国民の代弁者として選ばれた議員からの国会質問に向き合わない姿勢が定量的に示されることは、私は大変不名誉なことだと思いますが、大臣はそのようには認識はされていらっしゃらないでしょうか。

河野国務大臣 委員会の所管を認識せずに質問される質問者の問題だと思います。

中谷(一)委員 じゃ、トラブルが起こったときにも、それを聞く委員の問題だ、要するに立法府側の問題だということでよろしいですか、今の答弁は。

河野国務大臣 所管の委員会で聞かれれば閣僚が答弁をする、所管外の委員会で聞かれれば副大臣、政務官あるいは参考人が答弁をする、それが院のルールでございます。

中谷(一)委員 いや、答えられるんですよ、河野大臣は、本当は。なんですけれども、あえて控えている姿勢を見ると、この問題は余り触れられたくはないのかなというふうに邪推をしてしまいます。

 その上で聞かせていただきますけれども、確認ですが、この資料を配付した構成員を選定したのは誰ですか。河野大臣ですか。

稲熊政府参考人 お答えいたします。

 今の、このお示しの構成員につきましては、再生エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースの開催について、これは令和二年十一月二十日の内閣府特命担当大臣の決定でございますけれども、御指摘の資料を作成した者をタスクフォースの構成員としていたところでございます。

中谷(一)委員 要するに、河野大臣ということでよろしいですね。

稲熊政府参考人 お答えします。

 河野大臣が規制改革担当の特命大臣のときに決まったものでございます。

中谷(一)委員 この構成員には今後も続けていただく予定ですか。

稲熊政府参考人 お答え申します。

 大臣が決定いたします。

中谷(一)委員 大臣、これは今でも適切だったと考えていますか。

河野国務大臣 先ほどから申し上げているように、規制改革の質問は所管の委員会でお願いしたいと思います。

中谷(一)委員 残念ながら、質問の終了の時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、やはりこの答弁しない姿勢というのは私はどうかと思います。

 政権を交代していただけたならば、デジタル化もエネルギー安全保障も私たちでしっかりとやらせていただくことをお誓い申し上げて、質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

谷委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の伊東信久でございます。

 本日、三月二十六日で二〇二五年大阪・関西万博まで残り三百八十二日となりました。三月四日に我々維新の会の国会議員団で夢洲の現地まで視察に行ってまいりました。現地では、本当に、大屋根、リングとかパビリオンの建設も進みつつあります。未来社会の実験場として、この万博の成功に向けて大いに期待しているところです。

 くしくも、ちょっと管轄の話になったので、万博のことは万博大臣でありますけれども、この委員会では所管外ということで、地域活性化について、万博に絡めてお尋ねをまずいたします。

 万博の成功に更に大きな期待をするものとして、万博に来場いただいた方々に各地の魅力的な観光地に足を運んでいただくこともやはり重要ではないかと思っております。

 私の地元泉州地区というのは関西空港のお膝元でありまして、その関西空港を擁する泉佐野市は、令和六年度の予算案で、万博に向けた魅力創造、魅力発信に向けた準備のために約一億五千万計上しておりまして、泉南市では泉南ロングパークというところの、公民連携なんですけれども、年間百万人を超える来園者を迎えて万博に向けて機運醸成、阪南市は全国でもいち早く万博共創パートナーに登録いたしまして、貝塚市は昨年の夏に二色の浜公園というところで万博機運醸成イベントを実施しておりまして、地域が一体となった共創による万博関連の取組が大きく進んでおります。

 この万博のメリットを最大化するためには、政府においても、こうした地域の魅力づくりに向けた取組を積極的に後押ししていただきたいと思います。

 それで、自見大臣には、地域創生担当大臣として、政府におけるこういった万博の地域の魅力づくりに向けた具体的な取組状況、若しくは今後の対応についてお答えいただければと思います。

自見国務大臣 地方創生担当大臣としてお答えをいたします。

 大阪・関西万博の開幕までおよそ一年となる中で、万博の全国的な機運醸成を図るとともに、万博がもたらすメリットを日本全国で享受することができるよう、万博を契機として全国各地で地域の活性化につながる取組を進めることは、おっしゃっているように、地方創生の観点からも重要だと考えてございます。

 このため、令和五年度の補正予算におきまして、万博を契機として、開催後のレガシーにもつながる地域活性化の取組を全国各地で一層進めていただくために、全国の子供たちの万博の学習機会への活用につながる出前授業等の実施、あるいは全国の自治体及び万博参加国の子供や住民同士の文化交流等の促進、また、自治体が万博の機運醸成のために地域の文化資源を活用して実施する文化芸術事業への支援、さらには、万博で紹介等される最先端の技術等の学びを通じた中高生等の人材育成や、万博を訪れた外国人観光客等の誘客の促進など、万博を契機として都道府県が実施する地方創生に資する取組への支援を実施することとしてございます。

 また、万博来場者の地方への誘客につきましては、博覧会協会が構築をします多言語対応の観光ポータルサイトを通じた全国各地の観光コンテンツの発信、また、地方自治体によります会場内イベントでの地方の魅力の発信、加えまして、二〇二五年に開催されます瀬戸内国際芸術祭を始めといたしました、各地で開催される芸術祭やスポーツイベントなどとの連携等によりまして、万博に訪れた外国からの来場者を関西のみならず全国に誘客をし、日本各地の魅力に触れられる機会の創出に取り組んでいるところであります。

 引き続き、関係者また政府一丸となって取り組んで、地方創生に取り組んでまいりたいと思います。

伊東(信)委員 国内のみならず海外という話をしていただきましたので、じゃ、大阪・関西万博の魅力発信を更に強化するための外国人旅行客の客数の底上げについて、これはちょっと万博関連になりますので、資料一を見ていただきたいわけなんですけれども、本当にいろいろな取組を、このようにロードマップがあるんだなというところでございます。

 大阪におきましても、三月二十五日、大阪観光局からの発表によりますと、二月の、先月の外国人の、これはインバウンドの話なんですけれども、約百十万人訪れていただきました。これは二月としては過去最多でございまして、二〇一九年のコロナ前も上回っております。韓国、台湾、やはり欧米の方が多かったということなんですけれども。

 今後、インバウンドの多い国への積極的な、重点的な発信とか、潜在的な来場者が見込まれる国や地域などへの発信など、こういった最適な手法を調査研究の上、民間のノウハウも取り入れながら、一層発信に努めていくべきだと考えますけれども、この具体的な戦略に向けて、それでは、万博の管轄である内閣府の政務二役の方よりお聞かせください。

石井大臣政務官 失礼します。伊東委員の御質問にお答えいたします。

 委員のおっしゃられるとおり、海外へ向けての誘客等、非常に重要だと思っております。日本に訪れる外国人観光客に大阪・関西万博に来てもらうために、海外へ万博を発信していくことは極めて重要だと思っております。パビリオンや催事を始め、万博のポジティブなコンテンツがどんどん具体化していく中で、万博に行けばどのようなものが見られるのか、どのような体験ができるのかといった万博の中身の発信を強化していく必要があります。

 これまでも、博覧会協会において、海外での旅行博、商談会への出展など日本政府観光局と連携した海外プロモーション、そして、ジャパン・エキスポなど日本のファン層が参加するイベントでのPR、参加国主催のパビリオン発表会などと連携したPR、ホームページやSNSによる英語での情報発信などの取組を行ったきたところであります。

 また、政府としても、G7やダボス会議といった国際会議場の場を活用したPR、在外公館におけるレセプションなどでのPRなども進めてきたところであります。

 こうした取組に加えて、海外から旅行客がより万博を旅行先として選択しやすくなるように、旅行会社を通じたチケット販売も予定しております。また、テーマウィークを活用し、週ごとにテーマを変えて万博会場内外でビジネスマッチングを実施する予定であり、万博を機にビジネスを目的として日本に訪れる層も取り込んでいきたい、そう考えております。

 今後、これらの取組を一層強化し、博覧会協会を始め、観光庁、日本政府観光局、在外公館、参加国政府などとともに、引き続き連携しながら、誘客が見込めるインバウンド上位国を中心に、海外における認知度、来場意欲向上のための情報発信をしっかりと進めてまいりたいと思っております。

伊東(信)委員 石井政務官からのお話は、本当に万博の中身の発信をこれからやっていただくという話だと理解しております。その具体的な中身についてお話をいただきました。

 先ほどの自見大臣からの答弁で海外の話をしていただいたんですけれども、もう一点、本当に大事なことをおっしゃっていただいたんですけれども、やはり、子供たちへの万博の出前授業だったり、中高生の人材育成の話にも触れていただいたんですけれども、こういった技術のイノベーションの創出とその知的財産戦略の重要性というのも、やはり今後の我が国の経済成長に大きな役割を果たしていると思うんです。

 この若い世代への働きかけなんですけれども、資料二を見ていただきますと、くしくも、私は医療をやっていまして、先進医療をやっていますので、先進医療を、研究の段階で文科省管轄で、臨床の現場で厚労省管轄で、これを商品化すると経済産業省管轄で、それを今度知的財産にしてとかというところの取組を、大阪大学の方で国際医工情報センターというところの招聘教授をやらせていただいたので、そういったところで、学生さんにそういった取組をさせていただいていたんですよ。

 その中で、日本弁理士会がやられているところで、例えば、スーパーサイエンスハイスクールでXR技術体験をやってもらったりとか、最新技術のイノベーションを体験する技術体験会をやられたりとか、この知的財産に結びつける取組をやっております。

 万博期間中にも、修学旅行や若しくは校外学習として、多くの子供たちに来場を促すということも大事だと思いますけれども、本当に、教育旅行の誘致を実効あらしめる方策とこれを後押しする方策があれば、自見大臣がおっしゃっていただいたことと先ほど石井政務官がおっしゃっていただいたこととマッチして、更に進んでいくと思うんですけれども、これも石井政務官からお答えいただくという形でいいのかな、政府参考人からお答えいただけるんでしょうか、万博協会が掲げる教育旅行の誘致を実効あらしめる方策について教えてください。

石井大臣政務官 お答えいたしたいと思います。

 万博の成功のためには、年齢、性別、国籍を問わず多くの方に来場していただくことが重要でありますが、特に、未来を担う子供たちに来場していただくことが重要だと考えております。

 このため、政府としても、今までの取組も含めてお話しいたしますと、子供たちの来場促進に向けて、修学旅行や校外学習を合わせて百二十万人の子供たちに万博を訪れてもらうことを目標として、小中学生への団体チケットの料金を千円として、非常に格安、安く設定しております。

 また、教育関係者に向けた、万博会場でどのような学習ができるかをまとめたパンフレットを作成し、文部科学省から、全国都道府県の教育委員会などを通じて全国の学校現場への周知を図るとともに、校長会などで教育関係者への個別の働きかけも実施しておるさなかでございます。

 今後、秋に向けて、パビリオンや委員御指摘の知的財産の活用による社会課題の解決の取組を始めとした万博のコンテンツの具体化が進むことから、万博がどのような学習につながるか、よりイメージしていただけるようになると考えております。これから秋に向けてということでございますが。そして、秋以降は、全国の学校などで、万博への出展企業の方など万博のコンテンツに関わる方々による出前授業を学校現場へ届ける展開をして、教育現場に直接コンテンツについて伝える取組も進めていきたいと考えております。

 引き続き、大阪・関西万博を通じてより多くの子供たちに夢と力を与えられるよう、全力で取り組んでまいります。

伊東(信)委員 本当に、三月四日の時点で大屋根のリングも三分の二ぐらいでき上がっていまして、そこからまた一か月近くたつので、やはり七割ぐらいでき上がっているんじゃないかと思います。実際に現地に行って分かるんですけれども、三つの車両が通る経路を確保していまして、実際に、全部閉じてしまっても十分に車両は入っていけるんですよ。ただ、メディアでは全然真逆のことを言っておりますし、やはり、政務官おっしゃるように、中身の発信を今後よろしくお願いしたいなということと、本当に、自見大臣おっしゃるように、やはりこれを地域の活性化に向けていきたいと思っております。

 では、万博の話はここまでなので、大臣、御退席いただいても大丈夫です。ありがとうございます。

 済みません、ここで話がちょっと変わりまして、観光などの話をさせていただいて、そこにも関連してくるんですけれども、防災や町づくり、私、どうしても、理系なので、技術的なところで、ちょっとニッチなところもついていったりもするので御容赦いただきたいんですけれども、点群データというものがございまして、地形とか建物の形状を複数の点で表したデータがございます。実は、地元大阪でも二〇二四年一月から一般公開が始まり、誰でも利用可能にして、民間事業者や観光、防災などの分野で新しいサービスの技術を創出しております。

 既に、複数の地域の地方公共団体が点群データのオープンデータ化に取り組んでおりまして、今後更に増えていくと認識しているんですけれども、点群データの話とオープンデータ化の話があるんですけれども、様々な形で活用を促進することは国益に資するものと思うんですけれども、オープンデータの基本指針が、資料三にありますように見直されたわけなんですけれども、この見直しに向けた状況の中身を河野デジタル大臣よりお話しいただいていいですか。

河野国務大臣 国や地方自治体が持っているデータを公開する、あるいは活用する、これは非常に大事なことだと思っております。特に、コンピューターで読める、あるいはコンピューターのプログラムに活用できるようにデータを公開をしていったり、あるいは、個人情報などが含まれているものを、個人情報をきちっと守りながら学術研究用に公開をするなど、いろいろこれから考えていかなければいけないことがあると思いますので、この基本指針の見直しというものを今行っているところでございます。

 パブリックコメントなどを経て、なるべく速やかにこれができるようにしていきたいというふうに思っております。

伊東(信)委員 本当に大事なものであるという認識は河野大臣からもいただいたと思います。本当に速やかにというところで、速やかによろしくお願いいたします。

 河野大臣のお話の中に、コンピューターの中の数値化の話をしていただきましたけれども、ちょっと難しくて、うまいこと伝わるか分からないんですけれども、我々医師というのは顕微鏡とかで見たりするんですけれども、それは視覚であるもので、それをデータに入れるのもあれば、それを暗号化して入れていくというのもあるんですね。

 特に、私はウイルスの医学博士を持っておるんですけれども、ウイルスというのはなかなか見つからないんですよ。コロナウイルスでも同じような写真が出てくるのは、見つからないからなんです。ただ、PCRというので増幅して遺伝子を調べると、そこにあるというのが分かるんです。でも、姿は見えない。でも、あるというところで、こういったところ、科学ではよくあることなんですけれども、それをやはりデータが包括していただくことができて、それをオープン化、オープンデータ化できればなという考えでお聞きしているわけなんですけれども。

 国としては、この点群データがオープンデータに当たるかどうかということを、これはデジタル庁からお答えいただければ。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 オープンデータ基本指針において、オープンデータの定義を、営利目的及び非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されていること、また、機械判読に適していること、無償で利用できること、これら全てに該当する形で公開されたデータと定義をしております。

 お伺いの点群データにつきましては、例えば、データ流通支援プラットフォームであるG空間情報センター上において無償で二次利用可能な形で公開されているものは、これはオープンデータの定義に該当し、一方で、限定的な範囲でのみ提供されているものは、オープンデータの定義に該当しないものというふうに認識をしております。

伊東(信)委員 本当に、これも科学であるので定義というのがあって、その定義に基づいてというお答えだと思います。

 更に使い勝手をよくしようと思うと技術的なところにも関わってくると思うんですけれども、この点群データをオープンデータとして更に充実させる議論とかがあったりするのか、そういった考えがあるのかをちょっと更にお聞きしたいので、お願いいたします。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 基本的に、各行政機関が保有するデータのオープンデータ化につきましては、当該データを所管する行政機関において検討するべきところでございますけれども、点群データについて国としてオープンデータ化を目指すかどうかにつきましては、関係省庁からオープンデータ化に当たっての課題等を聞き取りながら考えてまいりたいというふうに考えております。

伊東(信)委員 なるほどというところで、では、関係省庁の中でちょっと具体的な一例としてお聞きしたいんですけれども、モバイルマッピングシステム、MMSというデータがあります。これが国土交通省が実施されている三次元の点群データですけれども、資料の四にお示ししています。このようにカメラで映したのと、レーザーで、本当に点々と描いた絵みたいな感じですよね。古くはテレビのブラウン管の発想とかこういったところというのも、こういう点群データからあるわけなんですけれども、私自身、ちょっと医療の中でレーザーを使用しているので、特に興味を持っているわけなんです。

 このMMSによる点群データの内容というのは、収集対象の道路の範囲、取得したデータの想定される使い道とあるんですけれども、これは配信の単価というのがあるんですね、一キロごとに五千百円と。

 まずは、有料であるこの単価の算定根拠、設定方法を、国土交通省、教えてください。

岸川政府参考人 お答えいたします。

 委員から御指摘がございましたモービルマッピングシステムを用いました三次元の点群データの提供事業でございますけれども、提供に当たりましては、データを欲しいということの受付、それから、データを送付する、これは非常に重たいデータでございますので、こちらの事務が新たに発生するということになりますので、データそのもの自体は無償でございますけれども、そのような提供にかかる経費といたしまして、一キロメートル当たり五千百円を利用者に御負担をしていただいているところでございまして、なお、この事務を行う事業者につきましては、この事業で利益を得ないということにしております。

伊東(信)委員 人件費を含めて実費であるということだと思うんですね。そういったところの経費がかかってくるのはよく分かる話なんですけれども、このデータの利活用を広く促し、やはり国民の利益に還元していくためには、これを無償で活用できるようにすることも重要ではないかと考えているんですけれども、国土交通省の皆さん、では、その重要性に対する考えをお聞かせください。

岸川政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、今回のこの三次元の点群データの提供事業につきましては、データ提供に係る受付やデータ送付などの新たな事務が発生するということで、そのための環境を構築する必要もありますし、これを無償化するということになると委託事業者が全てその運営費を持つということになりますので、いわゆる受益者負担という形で、その費用を利用者に負担をしていただくということでございます。

 この利用者に御負担いただく費用につきましては、先ほども申し上げましたけれども、データ自体の取得に要した費用は含まれておらず、あくまで実費、提供に当たって追加的に必要となる経費のみを対象としているところでございます。

伊東(信)委員 重要性さえ認識していただければ、今すぐ無償化でやってくださいという意味ではないですので。どうしてもそういった答弁にはなるのかなと思うんですけれども。

 じゃ、改めての確認なんですけれども、オープンデータの基本指針というのは、オープンデータに戻るわけなんですけれども、データ提供システムの維持管理に要するコストを限定された利用者から料金徴収で賄う場合はオープンデータとは言えないとなってしまうんですけれども、であれば、MMSによる三次元点群データはオープンデータには当たらないということになるのでしょうか。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御説明のありました国土交通省の取組事業である三次元点群データにつきましては、有償でデータ提供を行っているというふうに認識しておりまして、この文脈におきましては、厳密にはオープンデータの定義に合致しているとは言い難いというふうに考えております。

 一方で、そのほか、既に公開されているオープンデータ等と比較したときに、この点群データというのは、データの容量が非常に大きいこと等によりデータ提供にかなりの費用がかかる。こういった場合に、当該費用を受益者負担としてデータ提供するということは一定の合理性があるのではないかというふうに考えております。

 現在、完全にオープンにすることが難しいデータにつきまして、利用目的や提供先を限定した形での利用も推進するということを検討しておりますところ、こちらの点につきましても、今後のオープンデータ基本指針の見直しの論点として参考とさせていただきたいというふうに考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。もっと否定されるのかなと思ったんですけれども、逆にありがとうございます。

 そういったところで、可能な限りのデータオープン化を進めていただければと思うんですね。スタートとして、地方公共団体におけるオープンデータ化の促進という話をさせていただいたんですけれども、大阪の話もさせていただいたと思うんです。

 国の働きかけについてお尋ねしたいんですけれども、現在、オープンデータとして収集している自治体の数及びオープンデータとして提供している自治体の数というのを国として把握されておられるのか、また、こういった地方公共団体が点群データをオープンデータ化するに当たって必要な支援がどういったものであるか検討して、国が必要な政策を実施してほしいと思っているんですけれども、ちょっと、時間の関係上、二問まとめてになるんですけれども、デジタル庁よりお答えいただければと思います。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 令和五年六月の時点でオープンデータに取り組んでいる地方公共団体は約八一%、千七百八十八団体中千四百四十九団体というふうになっております。デジタル庁発足間もない令和三年の十月時点におきましては、これが約六七%でございましたので、年々オープンデータに取り組む地方公共団体は増えて、一定の取組が進められているというふうに認識をしております。

 地方公共団体がオープンデータに取り組むに当たり、デジタル庁といたしましては、ガイドラインの整備や、公開ニーズが高いデータ及びその項目を定めた自治体標準オープンデータセットを公開しておりまして、この活用推進に努めるほか、オープンデータに造詣が深い有識者を選任して、地方公共団体が主催する研修会等へ派遣をして、オープンデータ整備や利活用の支援を行っているところでございます。

 引き続き、地方公共団体がオープンデータに取り組む環境の整備を支援をしてまいりたいというふうに考えております。

伊東(信)委員 答弁いただいたように、観光や防災にも役立つデータだと思っておりますので、是非ともよろしくお願いいたします。

 オープンデータ、点群データの話はこちらまでなので、河野大臣、本当に冒頭だけ済みません、ありがとうございます。御退席いただいても大丈夫ですので。

 ちょっと話が変わりまして、地方創生における農業、畜産の話をさせていただけたらと思います。

 農業、畜産業というのは、言うまでもなく農家さんの数は近年減少傾向です。新たに始めたいという方もおられるんですけれども、なかなか経営を安定的な状態に持っていくには難しい。自営で農業を行うというのは、農地はもちろんですけれども、機械の調達等にやはり資金もかかる。

 生活していくのに大きな不安材料があるというところで、資料五にお示ししているんですけれども、自営で農業を始めようとする場合、公的機関で経営や実務の相談などに乗ってくれるところに農業経営・就農支援センターが設置されていまして、このキャッチフレーズのところで「農業のなんでも相談について、専門家が無料でアドバイス」とうたっておりますけれども、なかなかこれは御存じでないところも多くて、私の泉州地区というのは、本当に和歌山との隣接の地域でございまして、農家をされている方も多いわけなんですけれども、なかなか御存じないわけで、こういったセンターが担っている役割とか、どのような相談を受けられているかというところのモデルケースなどを、又は耕作放棄地の土づくりとか農業機械のコストや支援体制の早期構築などについて、農林水産省、政府参考人の方で結構ですので、説明してください。

勝野政府参考人 お答えさせていただきます。

 農業への新規参入を希望する方々に対しましては、昨年四月に施行されました改正農業経営基盤強化促進法に基づきまして、都道府県が整備する農業経営・就農支援センターにおきまして、就農先市町村の紹介や活用できる支援策の情報提供、就農から経営発展に向けた専門家による助言、指導などによりサポートをする取組を行っております。御指摘のとおり、都道府県センターの取組を就農希望される方々に十分に周知をし、活用されていくようにすることが大変重要だというふうに考えております。

 このため、農林水産省といたしましては、各都道府県において自らの取組を積極的に広報することを促すとともに、各都道府県の活動内容や専門家による支援事例を取りまとめ、農業者や就農希望者に対しまして、農水省ホームページ、SNSを通じまして情報発信をしております。今後、就農に関します支援事例につきましても同様に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 また、市町村におきましても就農相談が行われておりまして、農水省としても、就農相談体制や実践的な研修農場の整備、先輩農業者による技術指導など、サポート体制の充実に向けた取組に対して支援を行っております。

伊東(信)委員 そういったところで、本当に政府として更に周知を図っていただければと思っているんですけれども、実際に若い方々に聞きますと、学生を対象に、農業未経験者の方にアンケートを取っても、三割の方が就農の可能性があると答えられたみたいで、農業は地域活性化にも役立っていると回答した人は九割います。一方で、四十九歳以下の若い方の新規就農者と捉えますと、人数は平成の終わりには約二万人を割って更に減っていまして、やはり平均年齢として七十歳に達そうとしているのは皆様も御存じだと思うんですけれども。

 現在、スマート農業という取組が注目されていまして、私が今年六十歳なんですけれども、今年奨学金を返還し終わるという話をさせていただいたんですけれども、この奨学金の返還支援制度とも関連してくるんですけれども、このスマート農業に関する技術の研究開発等に向けた取組にこういった支援ができないかなということです。

 つまり、専門性を身につけた学生、農村に来てもらったときに、例えば、日本学生支援機構から奨学金を受けていた学生が、地方公共団体が減免するとか、何かこういったような施策というのは考えられたり、実際にやられたりされているでしょうか。

勝野政府参考人 お答えさせていただきます。

 農業生産を支える担い手をしっかりと育成、確保していくために、農林水産省におきまして、農業大学校などの研修機関において研修を受ける四十九歳以下の方が年間最大百五十万円、最長二年間支援を受けられる事業を実施しております。また、経営開始直後の四十九歳以下の新規就農者に対しましても、年間最大百五十万円を最長三年間支援する事業を行っております。

 このような就農前後の資金の交付を含む総合的な支援を通じまして、若者の就農を後押しし、農業人材の呼び込みの定着を一層推進してまいりたいというふうに考えております。

伊東(信)委員 時間になりましたので、ちょっと一問残したまま終わりたいと思います。

 もう一問は、今度は畜産関係なんですけれども、畜産関係のところも、地域から理解されなかったりとかして、なかなか課題もありますので、またの機会に質問させていただきたいと思います。

 本日はありがとうございました。終わります。

谷委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 元日に発生した能登半島地震では、三月まで断水が続く地域が残されるなど、生活インフラが深刻なダメージを受けました。マイナカードは災害時に役に立つということが言われていたのですが、実際はどうだったのでしょうか。

 資料の一枚目は、二月八日付の東京新聞です。三月十三日の本委員会で、立憲の早稲田ゆき委員がこの問題を取り上げております。河野大臣は、会見やX上で、マイナンバーカードはたんすに入れておかないで、財布に入れて、一緒に避難してと呼びかけました。石川県ではマイナカードに対応できず、JRから、Suicaを二万一千枚、カードリーダー三百五十台、無償提供いただいたと聞いております。

 避難所での入所手続、服薬情報、罹災証明書の申請など、様々活用できるとしてきたと思いますが、反省点はないのか、大臣に伺います。

河野国務大臣 マイナンバーカードを使った、避難所の入所のシミュレーションなどを行ってまいりまして、これは非常に効果があるだろうというふうに思っております。

 ただ、今回の能登半島の地震の際、避難所でマイナンバーを携帯していた方、高齢者の多い二次避難所でもかなりの確率でいらっしゃいましたが、残念ながら、マイナンバーカードを読み込むカードリーダーを避難所に配付する、そういう予備のカードリーダーがありませんでしたので、マイナンバーカードを使うことができず、JR東日本からSuicaとSuicaのリーダーを御提供をいただくということになりました。

 災害、いつ来るか、次の災害がいつ来るか分かりませんので、今、デジタル庁では、マイナンバーカードのカードリーダーをしっかりと用意をして、いざ災害が起きたときにそれを避難所を始め必要な施設に送り出すことができるように、また、カードリーダーでマイナンバーカードを読んだ情報をしっかりと連携できるようなシステムの構築というものを急いでいかなければならないというふうに思っておりまして、できる限り早期にそうした体制を取っていく、そういう必要性を改めて感じたところでございます。

高橋(千)委員 私は、東日本大震災始め災害の現場で、着のみ着のままで避難してきたという被災者に何度も会っております。そうした立場からすると、本当に発信するべき情報は何なんだろうかということを非常に考えたわけです。

 例えば、福島から埼玉に避難してきた男性が、年金の裁定書をポストに入れたばっかりのときに津波に遭っちゃったと。それがどうなったか心配でたまらないと言われて、私、問い合わせてみたら、確かに届いておりませんでした、津波に流されて。ただ、問合せをしてくれれば、書類が何もなくても再度発行することができるということでありました。

 また、避難所に集まっていた皆さんが、たとえ保険証、当時は紙ですけれども、保険証がなくても医療は受けられるし、また、被災者ですから無料で受けられる、こういうことがはっきりしていたと思うんですね。

 やはり、大事なことは、そういう発信をすることではないかということなんです。とにかくカードを持って逃げてということ、そのためにカードを取りに戻ったらどうしようという指摘もございましたので。

 整備をしていくということは必要なことかもしれないけれども、そうしたことを、本当に大事な、最初に大事なことは何かということをお話ししておきたい、そういうふうに思いました。

 そこで、同じような場面かなと思うのが医療の現場なんですね。医療DXの基盤となるマイナ保険証ということで政府が力を入れているわけですけれども、救急医療における患者の健康データ活用ということもうたわれているわけなんですね。

 だけれども、現場の医師からは、現行のような保険証がなければ、救急若しくは状態の悪い患者さんがいらしたときに診療手続が著しく困難であると指摘をしています。例えば、狭心症若しくは心筋梗塞を疑われる患者さんが来院したときは一刻も早く診察、検査が必要なんだ、そういうときにあれこれ、カードで資格はどうだとか、そう言っている場合ではないんだということを指摘をされているんですね。この点について厚労省の認識を伺います。

内山政府参考人 救急医療の現場におきまして迅速かつ適切な医療が受けられること、これは当然必要だと思ってございます。

 他方、医師等が、例えば意識のない患者さん等について、患者さんの医療情報を必要に応じて確認することにより重複した投薬を避ける、あるいは受診歴に応じて適切な医療行為を選択するなど、より安全な、また、より適切で効果的な医療を提供することにつながるものと考えております。

 病院における救急診療時におきましては、迅速に処置をする必要がある一方、詳細な情報を把握した上で投薬等を行う必要がある事例もあると考えておりまして、救急診療時における医療情報の閲覧についても、現場の医師等の判断で必要に応じて適時適切に行っていただくものというふうに考えてございます。

 したがいまして、御懸念のように、必ずしも、例えば処置等の前に医療情報閲覧を行っていただく必要はございませんで、現場の判断で、必要に応じて適切なタイミングで医療情報を閲覧することにより、より適切な医療提供につながるものというふうに考えてございます。

高橋(千)委員 まず、最初の場面で必要はないということを確認をいたしました。また、必要に応じて適切に情報を確認すればよいとおっしゃいましたが、それは、私が紹介した医師がおっしゃっているように、紙の保険証があっても同じことができるはずです。そこは指摘をしておきたいと思います。

 それで、十二月二日に保険証は廃止するということを政府は決めました。今年一月末でマイナカードの保有状況は九千百六十八万人、全人口の七三・一%。そのうち、七千百四十三万人、カード保有者の七七・九%がマイナ保険証を登録済みだといいます。しかも四人に一人が利用経験がある。なのに利用率は四・六%に一月末でとどまっていたわけです。

 それで、厚労省は保険者や事業者に利用促進の協力を呼びかけてきました。二月末現在ではちょっと上がって四・九九%ということなんですが、ここまで普及しない理由をどのように捉えているのでしょうか。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 今お話ございましたように、オンライン資格確認におきますマイナ保険証の利用状況、直近二月でオンライン資格確認全体の件数に占める割合は約四・九九%と、二か月連続で前月に比べて上昇しておりますものの、より一層の利用促進が課題と認識してございます。

 これにつきましては、医療機関等の窓口におきまして紙の保険証の取扱いを前提とした対応がなされてきたことが一つの要因としてあるものというふうに考えてございまして、今御指摘ございましたような調査結果、国民の四割の方がマイナンバーカードを常に携行されているといった調査結果もございますことから、医療現場におきます利用勧奨が大変重要と考えてございます。

 このため、本年度の補正予算で設けた医療機関への支援金のほか、令和六年度の診療報酬改定におきましても、利用実績に応じた加算措置を導入することとしてございまして、引き続きマイナ保険証の利用促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。

高橋(千)委員 今、さりげなく答弁の中でおっしゃったんですけれども、紙の保険証をお持ちですかと医療機関が聞くから利用率が悪いのであって、そういうふうな報告がされているわけなんですよ。だけれども、それは、そういうふうに聞く理由があるわけでしょう。何回もやってみたけれどもトラブルがあったとか、そういう理由があってのお答えなんですから、これを何か、医療機関がそういうことを言うから進まないんだみたいな議論は違うと思うんですよ。やはり、謙虚にその実態を見て、真摯に反省すべきだと思います。

 それで、資料の二枚目なんですけれども、これは、社保審の医療保険部会のたびに都道府県別の利用率一覧が出されるわけなんですね。上位五県が黄色、下位五県がグレーで塗られておりまして、我が青森県は下から三番目のようで、こうやって自治体同士を競わせているということがやられております。

 さらに、資料の三枚目なんですけれども、今度は、上は診療報酬で、持っている、持っていないで差をつける、下は利用率が上がったかどうかで支援を増やしていく、こういうやり方をしているようですが、この趣旨と内容を簡潔に説明してください。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、マイナ保険証利用促進のための診療報酬上の評価についてでございますけれども、令和六年度の診療報酬改定におきまして、質の高い医療を提供する観点から、オンライン資格確認等システムを導入した医療機関でありまして、初診及び再診時に患者の医療情報を適切に取得することを評価する医療情報取得加算を設けますとともに、医療DXの推進の観点から、医療DX推進体制整備加算、こちらを設けまして、医療機関が満たすべき要件の一つとして、マイナ保険証の利用実績が一定以上であること、こちらを設けてございまして、この要件は令和六年の十月一日から適用することとしてございます。

 また、利用率増加に応じた支援金についてでございますけれども、こちらは先ほども御説明しましたような状況から、患者と直接接されます医療現場におきます利用勧奨、こちらが大変重要であるという観点から、医療現場における利用勧奨の取組に対する支援といたしまして、マイナ保険証の利用率の増加量に応じて支援金を交付する事業、こちらを行っているところでございます。

高橋(千)委員 すごいなと正直思うんですね。上の方は診療報酬なんですが、六月からは、初診のときだけつけていたものを、初診と再診ということで点数を増やしている。そして、十月からは、医療DX推進体制整備加算ということで、八点にこれを増やしていると。まだまだここに到達していない医療機関はとても多いと思いますけれども、これをつけている。そして、下の方は、今度は利用率が五%上がると二十円、それで、一〇%だと四十円、二〇%だと六十円というふうに支援が上がっていくということなんですね。ちょっとあからさまなやり方だなと思うんですが。

 今般の診療報酬改定は、物価高騰には到底追いつかない僅かな賃上げ、〇・六一%のプラスです、にとどまって、六回連続、ネットでマイナス改定となっています。そうした中、医療DX推進体制整備加算始め利用促進のための声かけに点数を上乗せするのかと、非常に残念に思うんですね。

 しかし、ここにちっちゃく書いていますけれども支援は十一月まで、つまり、十二月には保険証が廃止になるんだから、事実上、これは義務になっちゃうわけですよね。そうすると、その先は何か考えていますか。まさか、今度は引き算、減点方式になったりするということを考えているのか伺いたいと思いますし、大臣も、そもそも、これを最初は秋とかおっしゃっておりましたけれども、十二月で保険証廃止ということをおっしゃったのは大臣があれですので、こうしたことをやる必要があると思っているのか、伺います。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 令和六年度の診療報酬改定におきまして、マイナ保険証の利用については、いわゆる減算方式ではなくて、医療情報を一定の方法で取得されていることを算定の要件とする医療情報取得加算や、それから、マイナ保険証の利用実績が一定程度以上であることなどを算定の要件とします医療DX推進体制整備加算といった加算措置を設けることとしてございまして、この体制整備加算における具体的な利用率等については、今後、中央社会保険医療協議会において御議論いただくこととしているものでございます。

 支援金につきましては、これは利用勧奨の取組などに対する支援といたしまして、これは補助金として実施しているものでございます。

高橋(千)委員 加算、加算と言わなくても分かっているの。だから、この後減算するんですかと言っているんですよ、十二月以降。

日原政府参考人 お答え申し上げます。失礼いたしました。

 現時点におきまして、ただいま御説明しました加算以外に、医療機関等におけますマイナ保険証の利用状況を要件とした診療報酬の検討、こちらを行っている事実はございません。(発言する者あり)

谷委員長 厚生労働省日原官房審議官。

日原政府参考人 申し上げましたとおり、現在は、この加算により対応したいというふうに考えてございまして、それ以外に利用状況を要件とした診療報酬の検討は行っていないところでございます。

河野国務大臣 診療報酬は厚労省でございますので所管外でございまして、先ほどから所管外の答弁がと言われますけれども、質問が所管外の質問でございますから所管外とお答えをするしかないわけで、こういうことからも御理解をいただきたいと思います。

高橋(千)委員 だったら、所管外の保険証廃止ということを大臣が言ったことが問題です。

 じゃ、会見で大臣が保険証廃止と言ったことを取り消しますか。

河野国務大臣 厚労省、総務省、デジタル庁、ここで議論をして、いろいろなことを決めたものをデジタル庁が代表して申し上げたということでございます。

高橋(千)委員 都合のいいときに所管外となって、そうじゃないときは自分が代表すると。本当にこれはおかしいと思います。

 大臣が言ったことが最初だったわけですし、厚労省は、当面存続、並行利用ということを方針にしていました。前にここで質問したことがありますけれども、骨太の方針で決定していたものを河野大臣が覆す発言をしたわけですよ。そのことに対する責任がないのかと重ねて指摘をしたいと思います。

 もう一点質問しますので、続けます。

 ここまで、医療機関にも保険者にも、また事業主などにも協力を呼びかけて、財政支援も行うなどして躍起となって、ちょっとずつ利用率は上がっていきます。間に合うかどうか分かりませんが、相当な負担を現場にかけています。支払基金に対してもかけていると思います。なぜそこまでしてマイナ保険証なのかということをつくづく思うんですね。

 今日は、医療DXに賛成の立場の医療関係者でも意見をしていると紹介したいんです。

 保険医協会が提出した健康保険証の存続を求める陳情を受けて、国分寺の市議会において、市内の医療機関でどのくらい困っているのか医師会に聞くべきだという意見が出され、医師会がまとめたアンケートが一月議会に提出されました。

 これによると、健康保険証の廃止を延期し、存続すべきと答えたのが五十件中四十五件に上りました。そのうち、意見の一部です。コンセプトはすばらしかったのだが、慌てて導入を進め過ぎたので多くの方がついていけない現状を見てほしい、導入実験を国立センター病院や公立病院などで複数年度行い、それから民間病院、診療所に広めても遅くはない、せっかくのよいシステムが台なしであるという意見。しばらくの間は従来の保険証とマイナ保険証の二本立てでいくことを強く望む、みんなが不安な状態なのに、なぜそんなに急ぐのか、国民の意見を少しも理解せずに、現状に納得がいかない、誰のための政策なのか。

 政府の方向性に賛成している医療機関でも拙速過ぎたと述べていることに、もっと傾聴すべきではないでしょうか。年内の保険証廃止は見直す考えはありませんか。

河野国務大臣 度々国会でも答弁申し上げているように、十二月二日で保険証を廃止する、しっかりとやってまいりたいと思っております。

 また、それぞれの病院、クリニックの皆様には、その前にしっかりと、カードリーダーを患者さんに利用していただく対応をお願いをしていきたいと思っております。

高橋(千)委員 残念ながら時間ですけれども、今お話ししたように、政府の方向性に賛成している機関でも、ちょっと待てよ、急ぎ過ぎだと指摘している。ここにきちんと耳を傾けるべきだ、このことを指摘して、終わります。

谷委員長 加藤大臣が到着しましたので、休憩せずに質疑を続行いたします。浮島智子君。

浮島委員 公明党の浮島智子です。よろしくお願いいたします。

 本日は、既に政府から国会に提出されている、いわゆる日本版DBSの法案についての法案審議は別途行わせていただきますけれども、それに先立って、子供たちを性暴力から守り抜くことについて、子供政策の基本的な姿勢について確認をさせていただきたいと思います。

 こども家庭庁の設置法第三条第一項には、「こどもの年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とし、」「こどもの権利利益の擁護に関する事務を行うことを任務とする。」と規定されています。子供の権利利益の擁護を図る、いわば守護神役である加藤国務大臣には、本日、御自身の情熱、そして御自身の言葉でしっかりと子供たちに語りかけるように御答弁をお願いしたいと思います。

 私は、令和三年五月二十八日、参議院本会議において全会一致、可決、成立いたしました教育職員等による児童生徒性暴力防止等に関する法律の黒子、取りまとめ役をさせていただいたところでもございます。

 なぜこれに取り組むようになったかという契機は、あるおじいちゃま、おばあちゃま、お母様が私のところに来てくださいました。そして、泣きながら、自分たちのお孫さん、特別支援学校の知的障害の学校に通っていると。毎日学校から帰ってきて、お夕食の時間に、そのお孫さんが、こういうことができた、ああいうことができた、こういうことがしたい、そういう話をして、笑いながら、にこにこしながら話を聞く、それが一家団らんの一番幸せなときであったと。

 そのお嬢様が帰られて、おじいちゃま、お母様、おばあちゃまの前で言われた言葉が、今日も先生に呼ばれて、お洋服脱ぎなさいと言われたから、今日もお洋服全部脱いだの、そうしたら、先生がとってもやさしくしてくれた、毎日特別にしてくれるの。おじいちゃま、おばあちゃま、お母様は、息が止まりそうになったそうです。毎日行って、先生に呼ばれて、毎日先生のところでお洋服脱ぐのか。うん、そう、にこにこしながらおっしゃったそうです。

 おじいちゃま、おばあちゃま、お母様は、本当に泣かれていました。私もその話を聞いたときに、この教員は、この少女が自分の身に何が起こっているか分からないからといって、それを毎日繰り返している、そんな教員は二度と教壇に立たせない、自分の中で誓いました。

 そこで、様々、いろいろな方とお話をしましたけれども、なかなか難しいかもしれないというお話がありましたけれども、しっかりとこれに取り組んでいかなければならない。与党PTを立ち上げさせていただき、僅か八十九日というスピード感を持って、これを全会一致で、委員長提案で、法律を可決すること、成立させることができました。

 この法律の附則第七条第二項には、「政府は、この法律の施行後速やかに、児童生徒等の性的な被害を防止する観点から、児童生徒等と接する業務に従事する者の資格及び児童生徒等に性的な被害を与えた者に係る照会制度の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」と規定されております。

 今回の日本版DBS法案の提出は、この大きな流れの中での、子供たちの尊厳を守り抜く、大人としての責任を果たす取組にほかなりません。

 そこで、まず、加藤国務大臣にお伺いいたしますけれども、そもそも日本の子供の政策においては、全ての子供たち、九〇%でも九九%でもなく、一人も残さず全ての子供たちを性暴力から守り、一人であっても子供の尊厳が傷つけられることがないようにするというこの当たり前のことが前提であると認識をしておりますけれども、この点について確認をさせてください。

加藤国務大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、誰一人として子供が性被害に遭うことのないよう、安全、安心を確保すべきことは当然であると考えてございます。

 こうした認識の下、子供性被害防止対策を更に推進をしてまいります。

浮島委員 今御答弁いただきました誰一人としてというお言葉、また、性被害に遭わないよう、これは当然であるというお言葉がありましたけれども、是非守ってください。

 私が令和三年の通常国会で児童生徒性暴力防止法の成立に取り組んだのは、その国会の内閣として、教員免許法の改正案を出すと説明をしていた当時の文部科学省が、刑法に定める刑の消滅の限界を乗り越えられないということで、内閣提出法案を諦めますと約束を覆されたからでございます。この内閣提出の法案を断念したと私は聞いたときに、本当に悔しくて涙が出ました。期待が裏切られたと同時に、子供たちを守るためには一刻の猶予もならない、その思いが、会派を超えてこの立法化への大きな流れの原動力になったと私は思っております。

 この児童生徒性暴力防止法の肝は、児童生徒に対する性暴力による懲戒免職を理由としての教員免許の失効に着目して、事実上二度と教壇に立たせないようにしたことであります。

 我が党の参議院議員で医者でもある秋野公造さんによれば、WHOの判断基準、ICD10がバージョンアップされて、ICD11、これにおいては、性嗜好の障害という大まかな診断概念に加えて、強迫的性行動症という診断概念が追加されたということであります。

 依存的に児童生徒に対する性暴力を繰り返す者に対する医学や治療に関する国際的動向を踏まえますと、これらの者は永遠に子供に関わる職業から引き離すことが、子供たちにはもちろんのこと、本人の治療と回復にとっても大事なことだと言えますが、我が国の医学においては、このような研究が、治療が進んでいるとは言い難い現状にあります。性犯罪の再犯など法務省のデータにも、このような医学的知見の進展を踏まえれば、そのデータのやり方、取り方、読み方も大きく変わってくると思います。

 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、この日本版DBSだけではなくて、子供たちを性暴力から守り抜く仕組みや取組に終わりはありません。今国会では、日本版DBS法案を軸に、この点についてしっかりと議論をしていくことになりますけれども、子供政策の基本的な姿勢として、依存的に子供たちに対して性暴力を繰り返す者に対する医学研究、そして治療の進展や、その視点を踏まえた子供に対する性暴力に関するデータの把握、蓄積、分析等の状況に応じて、仕組みや取組、これを常に見直し、最善なものにしていくことが、子供たちの尊厳を守る大臣の、こども庁の責任ではないかと思いますけれども、その自覚と覚悟についてお伺いをいたします。

加藤国務大臣 お答えを申し上げます。

 議員の御指摘のように、子供を性暴力から守るための仕組みや取組につきましては、必要な見直しを行いつつ、しっかりと進めていく責任があると考えております。

 その際、医学や治療の観点も含め、子供への性暴力に関する最新の知見などを仕組みや取組の検討に活用していくことは効果的であると考えております。

 例えば、今月十九日に閣議決定した子供性暴力防止法案につきましては、その附則において、施行後三年を目途とした検討規定、これを置いているところであり、その際には、委員御指摘の性暴力に関する医学的な知見の進展の状況なども含めて、制度を取り巻く様々な状況を勘案しながら検討していくことが必要であると考えております。

 また、効果的な取組の分析や治療、更生の観点も含め、子供に対する性犯罪、性暴力対策の総合的な取組につきましては、三年後の見直し、検討を待たずして推進していくことも重要であると考えております。

浮島委員 今、三年後の見直しを待たずしてという力強いお言葉がありましたけれども、是非ともよろしくお願い申し上げます。

 子供たちを守り抜く上での大きな壁は、省庁の縦割りです。

 例えば、児童生徒性暴力防止法により、文科省は、過去を含めて少なくとも四十年にわたる、児童生徒性暴力を行ったことにより懲戒免職されて教員の免許が失効した者、このデータベースがあります。これまでも、児童生徒性暴力で、刑事事件にはならなかったものの懲戒免職となり、教員免許が失効した小学校教諭が学習塾でまた子供相手の仕事をする事例が発生しているのも事実であります。依存的に子供たちに性暴力を繰り返す者が、教員免許が失効して教壇に立てなくなったら、学習塾あるいはスイミングスクールなどで再び子供と関わろうとする可能性が非常に高いことは言うまでもありません。

 今回の日本版DBSにより、実効性のあるものにするためには、省庁の壁をしっかりと乗り越えて、この免許失効データベースの活用が欠かせないと私は思っております。

 そこで、安江文部科学大臣政務官にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、この教員免許失効者データベースを日本版DBSの仕組みに是非活用すべきだと思いますけれども、文科省としての考え、そして、省庁縦割りではなく、しっかり連携、活用するべきと思いますけれども、見解を伺います。

安江大臣政務官 お答えを申し上げます。

 教員性暴力等防止法に基づくデータベースと、子供性暴力防止法案による性犯罪歴確認の仕組みとの連携につきましては、これまでの制度設計の過程においても必要な調整を行ってまいりました。

 その上で、こども家庭庁が設置をした有識者会議の報告書では、これらの仕組みを直ちに統合することは困難であるとされた一方で、双方の仕組みを活用することにより、より効果的に子供に対する性犯罪、性暴力の未然防止に資すると考えられるとされ、両制度の連携の意義についても指摘をされているものと承知をされております。

 教員性暴力等防止法と子供性暴力防止法案のいずれも、子供たちを性暴力等から守り抜くという目的は軌を一にするものであり、委員の御指摘は極めて重要なものであると受け止めておりますので、こども家庭庁ともしっかりと連携をして、両制度の具体的な連携の在り方について検討を進めてまいりたいと存じます。

浮島委員 子供たちを守り抜くという今お言葉もありましたけれども、どうか安江政務官が先頭に立ち、しっかりと対応していただきたいと強く要望させていただきたいと思います。

 最後に、加藤大臣にもう一点お伺いをさせていただきたいと思いますけれども、この子供を守るということに当たっては、こども家庭庁、そして文科省、厚労省といった、大人の都合による省庁の縦割りは何の関係もありません。それぞれの省庁が持てる力を最大限に発揮して、生かして、連携して子供を守り抜くことが重要、そして求められており、その司令塔が、子供の権利利益の擁護をミッションとするこども家庭庁だと私は思っております。

 学校や保育所、そして子供たちに対する性暴力で、刑事事件とはならなかったものの懲戒免職となり、教員免許や保育資格が失効した者が学習塾やスポーツクラブで再び子供たちの前に現れてくる、これを防ぐには、日本版DBSと教員免許証失効者データベース、また、児童福祉法の保育士特定登録者管理システム、これとの連携、連結が不可欠であると私は思います。

 そのために、文部科学省などの他省庁との連携をどう進めるのか、加藤大臣のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。

加藤国務大臣 お答え申し上げます。

 子供性暴力防止法の円滑な施行や子供の性暴力を防止するための総合的取組を進める上では、委員御指摘のとおり、文部科学省を始め関係省庁の協力が不可欠であり、こども家庭庁が中心となりつつ、緊密に連携を取りながら進めてまいりたいと考えてございます。

 ただいま文部科学省からも答弁がございましたように、御指摘をいただきましたデータベースとの関係についても、どういったことができるか、文部科学省ともしっかりと連携をし、検討してまいりたいと考えております。

浮島委員 是非とも縦割りをなくして、しっかりと横軸をつくっていただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。

 この性暴力というのは、本当に魂の殺人、命の殺人だと思っております。どうか大臣におかれましては、一人の子供も残さず、しっかりと子供たちを性暴力から守っていくという強い決意の下、子供たちを守っていただきたいと思っております。また、私は信じておりますので、どうか全力で取り組んでいただきたいと思います。

 また、この後、法案の質疑とかも出てくると思いますけれども、そのときにはまた詳しくしっかりと質問させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 これで終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、早稲田ゆきさん。

早稲田委員 立憲民主党の早稲田ゆきでございます。

 それでは、通告に従いまして、まず、自見大臣に、地域住宅団地再生事業について伺いたいと思います。

 今日の当委員会冒頭で、地域再生法改正案、これが可決をされました。このモデル事業となりましたのが、皆様のお手元の資料にございます神奈川県横浜市、上郷ネオポリスであるということ、ほかにもございますでしょうけれども、これも大きなものでございました。

 このことにつきまして御紹介をしながら、大臣にもお伺いをしていきたいわけですけれども、この横浜上郷ネオポリスは、私の地元の横浜市栄区にございまして、大和ハウス工業株式会社が半世紀ほど前に大規模開発をして、そして五十年たっているわけですが、自治会とそれから大和ハウスが二〇一六年に協定を締結をして、そしてそこからいろいろな取組も始まっております。

 自治会が中心となりまして、ここに、お手元の資料にありますとおり、野七里テラスという、コンビニ併設の住民のコミュニティー施設、これを整備いたしましたり、それから、その下にありますが、グリーンスローモビリティー。いろいろ、買物困難であるとか、それから、高齢者が、高齢化率が五〇%以上になっている地域でもありまして、買物困難ということが本当に日常的な重大な課題となっておりました。

 こういう一つ一つの取組を実施してきたわけですけれども、自見大臣も本年の一月に訪問をされて、そして、熱意にあふれた住民の方々と意見交換をしていただいたということで、この事業の重大性、これも再確認をされたということで、私も、地元選出として大変感謝を申し上げる次第であります。

 そのときにも意見交換を主となってなさいましたのが、上郷ネオポリス自治会まちづくり委員会委員長の吉井信幸さんだと思いますが、この方は、まちづくり委員会というものを自治会の中に立ち上げていらっしゃるわけなんです。

 その中身も御紹介したいとは思いますが、まず、地域再生法の改正案の中でも、全国、五ヘクタール以上の住宅団地、これが約三千あるということです。その中で、ほとんどが少子高齢化が大変進んでおりまして、また、住宅も郊外型団地であるから、横浜市であっても交通不便が日常的になっているということです。そして、地域再生法における地域住宅団地再生事業、これは二〇二〇年に創設をされましたけれども、残念ながら、二件しか全国でまだ実施をされていないということでありました。

 今回の法改正では、地域再生推進法人から市町村へ事業計画を提言できる、提案できるということにもなりましたけれども、これまでの法案審議でも皆さんがるるおっしゃっているように、地域住民が主体となるということが、これは欠かせない要素であります。上から国やそれから自治体が官主導で行うものではないということは、もう皆さんがお分かりのとおりだと思います。そうなりますと、どれだけ地域で熱意のあるキーパーソンが育てられるか、その環境づくりが重要なのではないかと思っています。

 事業の継続性ということから、このネオポリスでは、自治会というのはやはり役員が毎年替わりますので、それではなくて、継続性のために、わざわざ自治会の中にまちづくり委員会を立ち上げました。そして、更に踏み込んだのは、一般社団法人の横浜上郷ネオポリスも立ち上げることで、継続的に住民の担い手が育つような取組も並行して進めております。

 このような先駆的な試み、取組でありますので、是非、もっともっと広く全国に紹介をしていただきたいと思います。

 昨日の日経新聞でありますが、広告としてこのようなものが出ておりまして、これは、ネオポリスという大和ハウス工業さんがやっている全国八のネオポリス団地の中での取組を、ネオポリスサミットというようなことで毎年やっていらっしゃるということですけれども、これを提案したのも吉井さんなんです。

 是非、国がこういうことを主導して、全国にいい取組、好事例を広げていっていただきたい。そのためには、今までのような産官学の研究会だけではなく、民、この地域住民を入れた民と産官学、これの住宅団地再生シンポジウムというものを是非国が開催していただきまして、好事例をまとめたり、また、ガイドライン、これを策定を行っていただくなど、是非検討していただきたいと思いますが、自見大臣の御見解を伺います。

自見国務大臣 お答えいたします。

 一月十六日に訪問をさせていただきました横浜市の上郷ネオポリスの視察を通じまして、関係者と協力して住宅団地の再生に取り組んでいらっしゃる地元の、地域の住民の方々の熱意に触れまして、このような官民共創による取組を後押ししていくことの重要性を改めて認識をしているところでもございます。

 特に、地域住民の中でリーダー的な存在の方がおられ、吉井さんとお名前も出していただきましたが、大変、私も親しくお話をさせていただきました。周囲の多世代、様々な世代の住民の方や民間企業、あるいは地方公共団体もしっかりと巻き込みながら、ただ巻き込むというだけではなく、その巻き込んだ方々とともに対等な立場で取組を進めてきたということが、今回、住宅団地再生において不可欠であったということを認識したところでもあります。また、買物支援など地域の課題もしっかりと拾っておられるところもすばらしいと感じております。

 政府といたしましては、今回、成立をいたしました暁にはということになりますが、改正法の周知に合わせまして、このような地方公共団体、また、民間企業、地域住民等が連携、協働して住宅団地の再生に取り組んでいる優良事例につきまして、改正するガイドラインに盛り込むなど、様々な機会を捉えて周知を図ることで地域における住宅団地再生の機運をしっかりと高めてまいりたいと考えております。

早稲田委員 是非シンポジウムなども御検討いただきたいのですが、どうでしょうか。

自見国務大臣 まず、優良事例の紹介、また、ガイドラインということで徹底して取り組みたいと思っておりますが、あらゆる機会を通じて取り組んでまいりたいと思ってございます。

早稲田委員 加えまして、この一般社団法人が収益を継続的に得られるようになるまで、大和ハウスの場合は三年間支援をするということになっております。これは大変、一方では恵まれた環境であることと思いますけれども、こういうことを企業がやはり社会貢献としてやっていただくためにも、更に、開発事業者、企業に対して、例えばですけれども、税制面での優遇措置であるとか、それから、そうでなくても表彰制度などを取り入れていただくことで、もっと企業のモチベーションも上がり、そしてまた、住民の方たちも広くみんなでやっていこうという機運が高まるのではないかと思いますが、この二つについて、自見大臣、検討していただきたいと思いますが、いかがでしょう。

自見国務大臣 お答えいたします。

 住宅団地においては、地域住民が主体的にその再生に取り組んでいくことが基本であると考えておりますが、開発事業者が可能な範囲で関与し、当該事業者の知見もしっかりと活用していただきながら住宅団地の再生を前に進めていくことは大変有効であると考えてございます。

 このため、まずは、今現在御審議をいただいておりますが、国会で成立をいたしました暁には、それを契機といたしまして、上郷ネオポリスのように、開発事業者が地域住民等と協力して住宅団地再生に取り組んでいただいている優良事例につきまして、様々な機会を捉えて紹介することにより、開発事業者に対して住宅団地再生への協力をしっかりと働きかけてまいりたいと考えております。

早稲田委員 いろいろな場面を捉えて優良事業者の方も紹介をしていくということでございますので、是非、私が提案した二点につきましても、税制面優遇、表彰制度なども今後御検討をいただきたいと思います。

 さらに、自見大臣は小児科医であられ、そしてまた、こども家庭庁創設にも深く関わっていらっしゃいました。そうした観点から、住民の皆さんとも子育てについて大変熱心に意見交換をされたと伺っておりますが、地域再生におきまして、どうしても高齢化ということが主眼になりますのですけれども、高齢化ということと併せて、やはり次の世代をどうやって、住んでいただいて、育てていくかということが大変重要だと吉井さんもおっしゃっておられまして、次なるは子供がヒーローになる町づくりということを掲げていらっしゃいます。

 それは、ただ単に子供の居場所をつくるだけでなく、子供が活躍できる、そして大人が応援できる、そういう場づくりをしていきたいんだということで、具体的には、例えば、閉校になっている小学校で家庭菜園、ファミリーファームというようなもの、それからまた、一旦は停止をしてしまっている温水プールなどがあるんですけれども、それをどうやって再開をしていこうか、そういうところまで考えていらっしゃっています。取り組んでいきたいということなんですね。

 そうしたときに、高齢化ということだけでなく、地域住宅再生事業の活性化、それから全国展開に当たっては、さらに、このようなチルドレンファーストの視点を是非取り入れていただきたいと思いますが、自見大臣、いかがでしょう。

    〔委員長退席、田中(英)委員長代理着席〕

自見国務大臣 お答えいたします。

 住宅団地の再生に当たっては、子供や子育て世代から高齢者まで、地域住民が世代を超えて自分事として主体的に取り組むことが重要であると考えてございます。

 子供がヒーローという、すばらしい言葉だと思いますが、意見交換を上郷ネオポリスでさせていただく中でも、子供たちと高齢者が、団地の中におきまして、ボランティア活動やあるいはイベントの開催を通じて世代を超えた交流を行う様子なども伺わせていただきました。

 また、野七里テラスのところで拝見いたしましたが、野七里コインというものを使って、地域の住民の皆様とともに、子供たちも一緒になって、清掃活動であるとか、あるいは買物を届けるといったことを子供がして、その結果、地域通貨をもらって、それでコンビニで何かを購入できるという仕組みもすばらしいと思いましたし、また、創テラスというものの構想も伺いまして、まさに子育て世代も共に、子供の居場所づくりに対するすばらしい取組も伺ったところでございます。

 こういったすばらしい取組が、是非、多くの方が知っていただけるということも重要であると思っておりますので、私といたしましても、これから、政府といたしましては、このような優良事例の周知を、しっかりと皆様に周知した上で、住宅団地の再生に取り組んでいけるよう、こどもまんなかの視点も取り入れて、頑張ってまいりたいと思います。

早稲田委員 今、詳細、自見大臣の方から御紹介をいただきました。地域通貨も子供と一緒にやっているということであります。本当に、多世代の交流というか、それが当たり前なんだけれども、なかなか失われている中で、そうしたことが復活をすることで更に地域が活性化をしていくということの好事例なんだと思っています。

 ただ、それを継続させるためには次世代につないでいかなければならないので、いろいろ考えていらっしゃるわけですけれども、若い地域住民をタウンクリエーターとして採用したいとか、そうしたことも考えておられるようでありますが、こうした好事例を是非いろいろな意味で国としても展開をしていただけるような、そして、今やりたいなと思っていらっしゃる方のスタートアップのきっかけになるように、お力添えを自見大臣にも更にお願いをしたいということを要望させていただきたいと思います。

 それでは、次に、子供、子育ての方に参ります。加藤大臣、よろしくお願いいたします。

 産前産後の一貫の支援体制の構築について、私は、昨年十一月、厚生労働委員会で武見大臣にお尋ねをいたしました。こども家庭庁ができまして、産前と産後が厚労省と切り離されてしまってはならないという趣旨で武見大臣には伺い、そして、加藤大臣にも、もちろん、縦割りではない、共有をしていただいているとは思いますけれども、産後ケア事業というのが、これは母子保健法に位置づけたわけで、二〇一九年に超党派の議員立法でできました。

 その趣旨も踏まえて、こども家庭庁としても、産後ケア事業をしっかりと応援を、厚労省と連携を密にして、やっていただきたいというふうに強く思うわけですけれども、うなずいていただければよろしいので、御決意を、うなずいていただければ、そこは、お答え、結構でございますが、いかがでしょうか。はい、ありがとうございます。うなずいて、ガッツポーズをしていただきました。

 ごめんなさい、時間の関係で、申し訳ありません。

 そして、産後ケア事業と一言で言っても、本当に多様であるということが今分かってきております。私がヒアリングをさせていただいた方々、助産師さんたちのグループですけれども、産後ケア銭湯というものを提供したいということで、今、実際にもうやっておられます。その中で、実際にこの産後ケア銭湯というのは、空いている遊休施設を利用して、そこにお母さんたちに来てもらう。そして、お風呂にも入れるよ、ゆっくり。今まで一人で入ることなんかなかったわけですから、出産後。そして、そこでお昼寝もできる、それからおしゃべりもできるし、育児相談もしてもらえるというような、大変フレンドリーでラフな形ではありますけれども。

 そうしたことをやっている中で、助産師さんたちが気づいたことは、五千人の方にアンケートも取ったそうです。そうしますと、八割の方が産後ケア事業を利用したいけれども、実際に利用しているのは一割にとどまっていると。それはなぜかというと、施設が例えば遠い、それから高額である、それから申込みがなかなか複雑であるとか、そういうことが相まってなかなかできていないということで、こういう出張サービス的なもの、そして、あくまでも、助産院とか病院ではなくても、公的施設ではなくても、民間の空き施設などを使って助産師さんたちがこういう取組をするということをもう少し市町村にも深く理解をしてもらいたいと思っているんですけれども、国としてはそれも推進をしていくということでよろしいでしょうか。大臣、お願いします。

    〔田中(英)委員長代理退席、委員長着席〕

加藤国務大臣 お答え申し上げます。

 産後ケア事業は、実施類型としまして、宿泊型、デイサービス型、訪問型の三種類がございまして、そのうちデイサービス型は、実施施設に来所した利用者に対して助産師等の専門職が個別又は集団で心身のケアなどの支援を行うものとなります。デイサービス型の実施施設は、病院や助産所のほか、要件として、産後一年未満の母子を通わせ、個別又は集団で支援を行うことができる設備を有していること、これを要件としており、この要件に該当する場合は、民間団体による実施や賃貸物件での実施も妨げられるものではありません。

 なお、こうした実施施設や助産師等の職員配置支援の内容等の要件を満たしているかどうかにつきましては、実施主体である市町村において御判断をいただくものとなります。

早稲田委員 妨げるものではないという御意見をいただきましたので、民間の施設でもできるということでありますけれども、少し要件があるので、市町村の判断の部分もあるのかと思いますが、是非、安全性が保てる場合は、そういういろいろな多様な産後ケアのやり方も国としても進めていただきたいと思います。

 あと、端的にお答えをいただきたいのですが、今、産後ケアのガイドラインでは、市町村は、本人又は家族の申請を受け、途中略しますが、産後ケア事業の対象と認められた場合は、実施場所と日時を調整して本人に伝えると記載をされているんです。そうしますと、利用者は、まず市町村に頼んで、そして市町村が委託をしている幾つかの中から選んで日時調整をしてというような大変複雑なことになっておりまして、ここに行きたいとか、この日に行きたいというふうに直になっていないんです。そこがやはりハードルの一つになってしまっているわけです、お母さんたちの。

 それなので、是非、そうであっても、例えば沖縄県の浦添市などは、直に、産後ケア施設に対して利用申請が直接予約可能ということもあるみたいで、あとは、LINEの予約とか、そういうことももっと広げていただきたいと、国として、思いますけれども、端的に、できるかどうかということだけお答えください。

加藤国務大臣 端的にお答えを申し上げますと、仕組み上可能となっております。そして、その可能であるということなんですが、これを産後ケア施設に直接申込みができると回答した市町村、一〇・五%となっています。

 そして、こういった市町村の、利用が、申し込みやすいよう工夫している事例なんかを紹介する事例集を作成し、横展開などを行って、より使いやすい制度に向けて取り組んでまいります。

早稲田委員 ありがとうございます。

 まだ一〇・五%しかないということでありますので、是非、横展開をしていただきますように、もうとにかく、八割の方が望んでいるけれども、なかなかそこにたどり着けていないというのは、この予約システムの時間がかかる、複雑化ということもあるようなので、是非お願いしたいと思います。

 それから、もう一つの産後ケア事業でございますが、家事支援というものを追加してほしいというお声も大変強くなっております。産後のお母さんの精神的肉体的健康を守るために保健師さんによる訪問指導がございますが、これに加えて、ヘルパーさんによる家事支援、育児支援、必要な方に是非やっていただきたいという声が高まっております。

 これは、今回、要保護児童、家庭については努力義務になりましたけれども、そうではなくて、望めばできるような形にしていただきたいと思いますし、実際、神奈川県の箱根町でも、一歳未満の希望するお母さんを対象に、保健師さんとセットで、一定の知識を持ち、家事支援、育児支援を行うドゥーラという民間資格を持つ方々が訪問をしていると。そして、大変好評だと伺っています。これも今、国の支援がございませんので、是非そこのところも含めて御検討いただけないかと思いますが、御見解を伺います。

加藤国務大臣 委員御指摘のとおり、地域で、家事や育児支援の充実は非常に重要な課題であると認識しておりまして、産まれたばかりのお母さんたちの体調を考えれば、家事というのも大変な負担になってまいります。そういった支援をしっかりと取り組んでいくことは重要な課題であるというふうに認識をしております。

 その中で、御指摘の子育て世帯訪問支援事業によりまして、支援の必要性の高い児童等の家庭を訪問し、家事や育児の支援を行うこととしており、この四月から施行をされます。支援を必要としている家庭にまずは確実に届けられるよう、円滑な施行に努めてまいります。

 また、一方で……(早稲田委員「その先」と呼ぶ)はい。その先、委員の御指摘も踏まえて、しっかりと重く捉え、踏まえて検討をしてまいりたいと考えております。

早稲田委員 是非検討してください。

 必要なお母さんにということなんですけれども、みんな必要なんですね。やはり、休みたい、寝たい、体も非常にきついと。もう加藤大臣、よくお分かりだと思います、自見大臣も含め。その中で、昔は、里のお母さんが来てくれたとか、実家に帰れるとかということもあったでしょうけれども、なかなかそういうことができない中で、この産後ケア事業を法律に位置づけたということは大変評価をしているわけなので、その先に進めるように、誰もがそういう支援を受けられるようにお願いをしたいと思います。

 そして、最後の質問ですが、時間も迫ってまいりましたが、障害児を育てる親から、障害児福祉の所得制限、所得差別も撤廃をしてほしいと声が高まっております。

 今回、子供の補装具、支給制度については、こども家庭庁もこれは撤廃を決めていただきました。でも、まだまだ、特別児童扶養手当の所得制限は残ったままでありますし、この障害児福祉の所得制限というのは、結局、放課後デイサービスとかそうしたところには所得制限がかかっております。

 そして、資料の二と三を御覧ください。私の地元鎌倉市では、この四月から保護者負担が、このデイサービスについても所得にかかわらずゼロということになりました。私もデイサービスに行くと、本当に皆さん、これでとてもありがたいという声を聞いております。是非こうしたことも、大臣、所得制限をなくしていく。

 そして、ちょっと時間がないからまとめて言いますが、これは、九百七十万円を超えると、次の三のペーパーを見ていただきたいんですけれども、突然、三万七千二百円と激増するんですね、負担が。これではなかなか、働いていらっしゃる共働きの世帯も大変なことになっておりますので、この所得制限をなくす、撤廃をするという方向性について御検討をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

加藤国務大臣 障害者支援に関する福祉サービスの利用につきましては、制度の持続可能性や公平性の観点から、一割負担、一割の自己負担を原則としつつ、それが過剰な負担とならないよう、保護者の所得に応じた自己負担額の上限額を設定をしているところでございます。

 各自治体において地域の実情に応じた取組をされているということは承知してございますが、全国的な無償化につきましては、慎重な議論が必要だと考えております。

 その上で、令和元年十月以降は、三歳から五歳の障害児に係るサービスの利用負担を所得にかかわらず無償化をし、きめ細かい配慮を行っているほか、委員先ほど挙げてくださったとおり、補装具の支給制度の所得制限の撤廃、これは本年四月からすることとしております。

 また、続けて御質問いただきました障害児支援の利用者負担の一月の上限額、これにつきましては、平成十八年の制度創設時からこれまでの間、負担軽減の観点から、累次の軽減を図ってまいりました。

 現在のところ、上限額三万七千二百円という、一気に上がってしまうという、壁があるという御指摘のある構成にはなってございますが、障害児支援に関する福祉サービスの利用者負担については、先ほど申し上げたこととも重なるのですが、制度の持続可能性や公平性を踏まえて設定しており、これまでの経緯もある中で、その見直しについては慎重な議論が必要であると考えております。

 いずれにしましても、障害児とその家族の支援は大変重要だと考えており、安心して暮らすことができるように取り組んでまいりたいと考えます。

早稲田委員 終わりますが、この九百七十万円で三万七千円という上限、これは非常に極端だと思うんですね。この基準の考え方、もう少し細かくしていただけるように、今後もお願いしたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、藤岡隆雄君。

藤岡委員 立憲民主党・無所属の藤岡隆雄でございます。イチゴ王国の栃木県から参りました。

 本日も、また地元の皆様に感謝を申し上げ、また、質問の機会を与えていただきました先輩、関係各位に感謝を申し上げまして、質疑に入らせていただきたいと思います。

 加藤大臣、参議院の予算委員会とまた連日の質疑で大変お疲れのことだと思いますが、支援金制度につきまして中心に今日は議論させていただきたいと思います。

 厚労副大臣、ありがとうございます、また。

 まず、この支援金制度、何度もこれまでも恐らく予算委員会等々議論をされてきたと思いますが、私も、九年ちょっとでございますが、金融行政で少し仕事をさせていただいたときに、保険という仕事にも、保険行政にも少し携わっておりましたが、どうしてもやはり、今回の支援金制度、保険料と位置づけているということ、もちろん、民間保険じゃなくて社会保険というところで、一部考え方の修正が入るというのも理解はするんですけれども、さすがにこれはちょっと、私は、この保険料と位置づけていることについて大きな違和感も感じております。

 日本経済新聞の、今日は資料を配付しておりませんけれども、二月十三日に、保険料は税の代役はできないとか、また、政府部内にも、実質的に税ではないかとの異論があったという声もあったというふうに報道されておりますが、私も、これは本当にもっともなことだと思っております。

 改めて、保険制度と位置づけているという、保険料として徴収するということでございますが、どう見ても、高齢者を含む全世代の被保険者から保険料を徴収する一方で、その受益というのは子育て世代にある意味偏る、もちろん子育て世代の対策はやっていただきたいんですよ、あくまで徴収の仕方の話なんですけれども、偏っているということで。

 要するに、全ての加入者が保険料を負担する一方で、保険事故と言っていいのかどうか分かりませんけれども、それもふさわしくないかもしれませんけれども、給付をされる、受ける方が限定的になるというふうな仕組みと言っても過言ではないということだと思うんですね。

 改めて、子ども・子育て支援金を保険料として位置づけているこの考え方の詳細につきまして、教えていただきたいと思います。

加藤国務大臣 お答え申し上げます。

 社会保険制度は、社会連帯の理念を基盤として、共に支え合う仕組みでございます。支援金制度も、こうした連帯の理念を基盤に、子供や子育て世帯を少子化対策で受益、これは社会保険制度の持続可能性を高めていくということも含め、受益のある全世代、全経済主体で支える仕組みでございます。

 支援金を医療保険者に医療保険料と併せて徴収していただくこととしたのは、医療保険制度が他の社会保険制度に比べ賦課対象者が広いこと、それから、出産に関する給付など幅広い給付体系となっており、後期高齢者支援金など世代を超えた支え合いの仕組みが組み込まれていること、さらに、急速な少子化、人口減少に歯止めをかけることが、先ほども申し上げましたが、医療保険制度の持続可能性を高めること等の理由からでございます。

藤岡委員 なかなかすごくて、受益と負担の関係が極めて遠い関係のことを相当おっしゃっているとしか、私は今お聞きしていて言いようがないんですけれども、今日は資料をお配りしております。

 よく役所の方でも、恐らく質問主意書に対して、木鼻と、木で鼻をくくったような答弁ということで片づけるというようなことも、往々にそんな議論も行われているようにも私も聞こえてきますけれども、会派は違います先輩議員の緒方林太郎衆議院議員が、先日、この支援金制度について質問主意書を出されたわけですね。

 ここで、どういう質問主意書かといいますと、いわゆる国民健康保険料の賦課処分取消し請求事件において、平成十八年三月一日の最高裁の判決の判示を引き合いに出しまして、そこで示された一般的な考え方に照らして支援金制度が租税ではないのかというふうな質問をされている。

 ところが、この答弁、本当に申し訳ないんですが、ひど過ぎますね。何か、費用を徴収するために、いや、保険料を徴収するものですと。そして、その最後に、支援金のことじゃなくて、国民保険料については憲法八十四条の租税の規定が直接に適用されることはないというべきであると判示されていると。誰も国民健康保険料のことを聞いていないのに、支援金がどうだ、支援金制度がこの判例に従ってどうかということを聞いているのに、全く答えていないというのが、もう余りにもこの答弁はひど過ぎると思うんですね。

 大臣、これはどうしてこういう答弁になっちゃったんですか。

加藤国務大臣 お答えを申し上げます。

 御指摘の質問主意書におきましては、平成十八年三月一日の最高裁判決を踏まえ支援金が租税ではないのかとのお尋ねに対し、法案における保険料としての支援金の位置づけについて説明をした上で、最高裁判決において、国民健康保険の保険料について憲法八十四条、租税法律主義の規定が直接適用されないとされたことを説明をしたものでございます。

 したがって、御指摘の最高裁判決の関係についてはお答えしているものと考えております。

藤岡委員 いや、これは答えていないですよね。だって、国民健康保険料のことを最後におっしゃっているわけですよね。

 支援金制度について、要は、緒方議員は、この主意書の中で大事な点を出しているわけですよね。「特別の給付に対する反対給付としてでなく、一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法八十四条に規定する租税に当たるというべきである。」というふうに判示がされていると。

 この特別の給付に対する反対給付というのは、非常に、確かにぱっと頭に入ってこないですね、私も頭が回らないものですから。特別の給付といえば、今回でいえば児童手当だとかなんとか、いわゆる給付ですよね。反対給付というのは、その給付に対するいわゆる負担のところですよね。これが、今回でいいますと必ずしも一致しないところがあるわけですよね。

 その中で、例えば、今回、この特別の給付に対する反対給付という関係の中で申し上げますと、支援金制度と国民健康保険料の中で考え方が違いますのは、全世代から徴収しますけれども、御高齢の方は直接の給付を受ける可能性が極めて低い、ここの中で特別の給付に対する反対給付としての基本的性質を有しているとはなかなか言い難いというところが大きなポイントだと思うんですね。

 この中で、特別の給付と反対給付の関係に照らして、今回の支援金制度がどのように保険料に当たるというふうになったのかをお答えいただきたいと思います。

加藤国務大臣 反対給付か否かとのお尋ねでございますが、現行の公的医療保険制度におきましても、病気やけがの治療に限らず、出産や死亡に関する給付や予防事業など幅広い給付事業が設けられており、さらに、後期高齢者支援金など世代を超えた支え合いの仕組みが組み込まれているなど、給付と負担の関係や反対給付の関係は様々であると承知をしております。

 支援金制度は、連帯の理念を基盤に、子供や子育て世帯を少子化対策で受益がある全世代、全経済主体で支える仕組みであることから、社会保険制度として位置づけ、支援金を保険料として拠出することとしております。

 御指摘の最高裁判決は、様々な給付や事業に充てられる国民健康保険の保険料について憲法八十四条が直接適用されないと示しておりまして、支援金もそれと異なるところではないと考えております。

藤岡委員 今の御答弁の中で、やはり大事なことは、いろいろなほかの制度もあると。いや、その制度自体をもう一回検証しないといけないと思いますよ、はっきり言って、ちゃんと負担と給付の関係がきちんとしているのか。それで、この大事なところは、特別の給付に対する反対給付としての性質をきちんと有しているかどうかというところがあくまで基本ですよ。そのところがかけ離れているものでやるんだったら、それは税でやるべきだとか、そういうふうな判断を当然していくということが当然だと思うんですよね。

 その中で、最高裁の判決、資料二ページ目、配付をしておりますけれども、国民健康保険についての中で、「保険給付を受ける被保険者をなるべく保険事故を生ずべき者の全部とし、」と書いてあって、保険事故に生ずる個人の経済的損害を加入者相互において分担する社会保険としての性質に由来するものであるということを述べた上で、今回は国民健康保険料のことを述べているんですけれども、あくまで、できるだけ全部、ちゃんと反対給付、この対象になる、その受益があるということが当然これは基本になってくるわけですよね。

 それが、今回のこのお話ですと非常に、特別の給付に対する反対給付の関係が、照らして、今回の支援金制度は、私は、逸脱しているんじゃないかということをすごく思います。それが逸脱をしていないというところが、原理原則にのっとって、いや、今までこういう制度がありますとかは、その制度をちゃんと検証してください、むしろ。その制度が正しいかどうかという議論があります。これだけ広範に支援金というのを求めるわけですから、本当に、特別の給付に対する反対給付、このところをきちっと詰めていかないといけないと思います。

 明らかに今回のは、私は、逸脱していると言われてもしようがないと思いますよ。大臣、どうですか。

加藤国務大臣 繰り返しになりますけれども、現行制度におきましても、医療保険や介護保険において、保健事業や福祉事業それから地域支援事業など、保険給付以外に保険料を充てている例や、また、医療保険者が徴収する介護保険料は医療保険法上の保険給付に充てるものではないといった例もございます。

 こうした例を踏まえますと、支援金を充てる事業が保険給付ではないということについて、特段問題があるとは考えておりません。(発言する者あり)

藤岡委員 まさに今声があったように、どんどん広がっていって、これはもう何でもありということになっちゃいますよ、これは本当に。保険料、何でもありだと。税じゃなくて保険料でもう何でもやっちゃえばいい、それこそ賃上げでも何でもそうですけれども、そういうことも全部そうだということになってしまいますよ。

 あくまで、国民健康保険だって、この最高裁の判示でもありますけれども、「保険事故を生ずべき者の全部とし、」と、被保険者はですね。できるだけそういうふうにしていかないといけないわけですよ、当たり前の話で。

 今回の話は、御高齢者の方にとってみれば非常に、自らが給付を受ける可能性というのは極めて低いという中にあって、その受益と負担の関係はすごく遠いわけなんですよ。だから、特別の給付に対する反対給付というのには、私は、すごい逸脱していると思います。この関係が遠いということを申し上げているんですが、それに対して直接お答えになられていないんです。お答えいただきたいと思います。

加藤国務大臣 御質問も同じ質問を繰り返しいただいているものと承知しますが、答弁の方も繰り返しになってしまいますけれども、現行制度におきましても、医療保険制度や介護保険において、委員から見れば遠いと指摘をされる可能性のある、委員の視点から見れば遠いと御指摘のある可能性のある保健事業や福祉事業それから地域支援事業など、保険給付以外に保険料を充てている例や、医療保険者が徴収する介護保険料は医療保険法上の保険給付に充てるものではないといった例もございます。

 こうした例を踏まえますれば、支援金を充てる事業が保険給付ではないということについて、特段問題があるというふうには考えてございません。

藤岡委員 私がお聞きしたいのは、じゃ、どのような点で特別の給付に対する反対給付としての性質を持つというふうに御説明されるんですか。

 ちょっと止めてもらえませんか、これ。幾ら何でもこれは公平じゃないですよ。委員長、委員会運営、公平じゃないですよ、これ。

谷委員長 じゃ、ちょっと時計を止めてください。

    〔速記中止〕

谷委員長 じゃ、時計を動かしてください。

 加藤国務大臣。

加藤国務大臣 お答えを申し上げます。

 個々の事業、個々の給付に対して保険料が、済みません、ちょっと確認をさせてください。(藤岡委員「一回整理しても大丈夫ですよ。一回整理してください。ちょっと止めてください、それまで」と呼ぶ)

谷委員長 じゃ、時計を止めてください。

    〔速記中止〕

谷委員長 時計を動かしてください。

 加藤国務大臣。

加藤国務大臣 お答え申し上げます。

 個々の給付と保険料の関係は様々でありまして、支援金が児童手当に充てられましても、保険料全体の性格は変わらないと考えてございます。

藤岡委員 丁寧に申し上げますね。

 特別の給付に対する反対給付としての性質というところで、特別の給付は、当然、児童手当だとかいろいろなそういう給付ですよね。それの反対給付、これは保険の関係としての反対給付。何でもかんでも税で集めるとかじゃなくて、反対給付、当然、受益と負担の関係が一定程度なくちゃいけませんけれども、その反対給付として、集めるときの反対給付というのは今回でいえば支援金です。それが、特別の給付に対して、御高齢者の方は、当然、受益を受ける可能性は極めて低いわけですよ。だから、給付に対して反対給付というところの概念からすると逸脱しているんじゃないんですか、どういうふうに関係があるんですかと。その給付が受けられます、それに対して負担をします、でも、その関係性が遠いので、どういうふうに反対給付としての性質があるんですかということをさっきからお聞きしております。

谷委員長 時計を止めてください。

    〔速記中止〕

谷委員長 はい、動かしてください。

 加藤国務大臣。

加藤国務大臣 給付と負担の関係性ということでありますが、支援金制度のそもそもの趣旨になりますけれども、支援金制度は、児童手当の拡充等を始め、子育て世帯をしっかりと社会全体で支えていく制度でございます。

 子供、子育て世帯をしっかり支えて少子化の対策を図っていくことによって社会保険制度全体を持続可能なものにしていくということは、我が国の喫緊の大変重要な課題になってございます。

 これをしっかりと手当てをして子育て世帯を支えていくということが、ひいては高齢者の方々も含め社会全体の受益にかなう、このように関係性を整理してございます。

藤岡委員 支えるとか、それはもう、まず分かるんですよ。ただ、今回、この最高裁の判決に照らして逸脱しているんじゃないんですかということに対する回答としては、私は不十分だと思います。

 今の御答弁をある意味しんしゃくして読み取ると、いや、健康保険制度の持続可能性のためだとか、少子化対策が何とか解決されて人口減少が解決されてとかということをおっしゃっているんだと思いますけれども、余りに遠いですよ、その関係は。普通は直接の給付でしょう。直接の給付との関係ですよ。それが、今回の話ですと、すごくその関係性が遠いんですよ。

 そんなことを言ったら、じゃ、賃金を上げるために何かいろいろなことを出したら、全て回り回って全部これは何かプラスなんだと言って、それを受益なんだと言ったら、もう何でもありになっちゃいますよ。それは幾らでもありになっちゃうから、当然慎重に考えなくちゃいけませんし、この判例との関係を、大臣もこれ以上はあれでしょうから、一回整理してもらえませんか、これはきちんと。この特別の給付と反対給付の関係を、大臣、これは一回整理してください、法案審議の前にきちんと。お願いします。

加藤国務大臣 御指摘の点につきまして、整理をしてまいります。

藤岡委員 では、整理をして、きちっとこの委員会に御報告をお願いしたいと思います。

 改めて今のお話を聞いていますと、やっぱり今回の支援金制度は、申し訳ないですが、保険料に偽装して国民負担を課すものだというふうに私は言わざるを得ないなということを感じます。きちっとした、これは本当に保険料なのか税なのか、改めてしっかりした整理を求めたいと思います。

 続きまして、今回の支援金制度におきまして、いわゆる歳出改革をやって、その範囲内で支援金を、額を捻出するというのが基本だと思います。

 厚労副大臣、お待たせしました、済みません。

 それで、私、今回の中で非常にひっかかっておりますのが、資料をお配りしております、五ページ目の資料でありますけれども、公明党の河西委員も先日取り上げておりましたけれども、歳出改革をやっていわゆる〇・三三兆円、それを三年間で約一兆円だ、今回一兆円だ、その範疇でということだと思うんですけれども、突如歳出改革の中で一部控除したものがあるわけですよね。何でもこれは控除しちゃったら、結果的に、一回賃上げの議論に行っちゃうと頭がそっちに何か行っちゃうんですけれども、冷静に見て、そもそもこれは控除するべきなのか、控除していいのかと。控除しちゃったら、それは常に実質負担ゼロだという、政府の独自基準に基づく説明の、達成するためにこういうことになっているとしか私は思えないんですよね。

 これを控除されているということ、これは今後も毎年こういうふうに検討されるんだと思うんですけれども、これは控除することは本当に適切なんですか。

浜地副大臣 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、今回の支援金につきましては、診療報酬等の改定における医療、介護における現場の従事者の賃上げ措置につきましては、今回は控除をさせていただいております。また、前期財政調整の報酬調整導入、そして介護一号保険料の見直しについても、今回は控除をさせていただいているところでございます。

 特に、医療従事者等の賃上げにつきましては、やはりこれは、政府が総力を挙げて行う賃上げの、成し遂げなければならない非常に重要な取組の一環でございます。

 したがいまして、このような金額を控除をしたわけでございますが、あくまでも、この支援金制度につきましては、歳出改革と賃上げにより実質的な社会保険料の負担軽減効果を生じさせ、その範囲の中で構築していくものであります。そして、全体として実質的には負担が生じないという考えの下、行っておりまして、このように控除をさせていただいたところでございます。

 しかし、これらの控除したものは、賃上げ等により雇用者報酬の増加率が上昇することを通じて生じます社会保険料の負担軽減効果も踏まえて控除したものでありますことを御理解いただければと思います。

藤岡委員 賃上げが総力ある取組と、そういうのもよく分かるんですよ、それはそれで。さらに、雇用者報酬が上がって、保険料が上がって、その範囲内だということも、そういう説明も一つの説明だということも分かります。

 ただ、あくまで、歳出改革をやって、その範疇で支援金をやるというのは基本であるということを総理も答弁されている。それが基本であるということは、まず、これは政府の説明が三段論法になっているわけですね。それが基本である。それから、急遽、十一月、十二月ぐらいから出てきた、あ、十二月か、賃上げの話が入ってきて、そしてまた、法案の附則の四十七条になるとまた違う書き方になっている、ちょっと違うテイストになっているんですけれども、三段論法で国民の皆様に負担を、実質負担がないんですという説明が、複雑な、難解な方程式を解いてくださいというふうな説明になっちゃっているんですよね。もう私、こういう説明ってやめませんかと思うんですよ。

 本当に、今おっしゃったことも一つの考え方ではありますよ。でも、歳出改革の範疇から、これはしかも、全世代型社会保障の改革工程にも書いてあることじゃないですか。控除して説明すること、私は適切じゃないと思いますよ。歳出改革の粉飾をやっているとしか私は思えません。

 改めて、今後きちっと、歳出改革のこと、数字を出すときには、これはちゃんと一体的に全部合わせて出していただきたいと思うんですけれども、副大臣、どうでしょうか。

浜地副大臣 済みません、繰り返しの答弁になりますが、今回の支援金制度におきましては、政府の考え方は、あくまでも、まず歳出改革、そして、賃上げによりまして実質的な社会保険料の負担軽減効果を生じさせる、その範囲の中で、全体として実質的に負担が生じないように構築をしているところでございます。

 したがいまして、先ほども御答弁申し上げましたが、特にこの賃上げ部分につきましては控除させていただいておりますが、これはあくまでも、賃上げにより生じます、雇用者報酬の増加率、これが上昇することを通じて生じます社会保険料の負担の効果も踏まえて控除しておりますので、全体として実質的に負担が生じることがないということの前提の中、制度設計されているものであります。

藤岡委員 歳出改革について、何だか抜いたり入れたり、そういうことがないように、私は、きちんとこれはやっていくべきだということをしっかり申し上げまして、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

谷委員長 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲です。

 大臣、本日はよろしくお願いいたします。

 私も、今の議論に関連して、子ども・子育て支援金について少し、今日は十五分間質疑をさせていただきたいと思います。

 今の藤岡委員の質疑の中で、子ども・子育て支援金については保険料として徴収をされるということが取り扱われました。なぜ保険料として徴収をするのかという、まずその理由について伺おうと思っていたんですが、先ほど答弁もありましたのでこの問題は飛ばさせていただいて、次の質問に行きたいと思います。

 先ほどの大臣の答弁を聞いておりましたら、なぜ保険料として徴収をするのか、社会連帯の理念を基盤とした共に支え合う仕組みであること、制度の持続可能性を高める効果があること、ほかの社会保険制度について、対象者が広いこと、また、世代を超えて支え合う仕組みが組み込まれていることなどが答弁の中に含まれておりました。私は、それはそのとおりなのかなというふうに思うんですね。

 ただ、この子ども・子育て支援金、今回、ちょっと健康保険法の改正も絡みますので、その健康保険法の法律の内容とちゃんと整合しているのかという視点で次の質問をさせていただきたいんですが、まず政府参考人の方に確認をしたいと思います。

 三問目に準備をしていたものですけれども、子ども・子育て支援金を充当する事業というのは健康保険事業なんでしょうか。健康保険法の第百五十五条を見ますと、健康保険事業に要する費用として保険料を徴収するというのが定められているんですね。つまり、保険料として徴収をされたお金というのは基本的に健康保険事業に使わなければいけないという法のたてつけになっていますが、子ども・子育て支援金は健康保険事業なのか、教えてください。

熊木政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、結論的に申し上げまして、この支援金を充てる事業というものは、概念上、健康保険事業の範疇に含まれるものと考えております。

 御指摘のとおり、現在、健康保険法第百五十五条におきましては、「健康保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収する。」というふうに書いてございます。この中で、健康保険事業に要する費用は、幾つか、介護納付金ですとか、後期高齢者支援金ですとか、そういったものが含まれるというふうに書いてございます。

 今回、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案におきまして、健康保険法を改正させていただきます。この改正部分におきまして、今申し上げましたような介護納付金等々と同様に、この健康保険事業に要する費用の中に、子ども・子育て支援納付金に要する、支援金の納付に要する費用、これを含ませる改正案を入れてございます。

浅野委員 ありがとうございました。

 そうですね。百五十五条を改正して、保険料として徴収をする対象の中に子ども・子育て支援金というものを追加をするという法改正が今回されるということなんですが、続いて、ちょっと角度を変えて大臣にもお伺いしたいと思います。

 これは、百五十五条ではなくて、健康保険法の第一条。この第一条の中では、この健康保険法という法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行うものだというふうに書いてあるんですね。

 今回、この第一条は改正される予定がありません。ということは、つまり、子ども・子育て支援金というのは、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行うためのものなんだということになるわけですけれども、その理解でいいんでしょうか。

加藤国務大臣 委員の御指摘は、支援金制度が健康保険法の目的の範囲内であるかとのお尋ねと理解をいたしますが、健康保険法の目的には、先ほど委員が挙げられた文言の後に、「もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」という文言があるのですが、健康保険法の目的には国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することが含まれていることや、支援金制度は、将来の健康保険制度の担い手の育成を支援し、健康保険制度の持続可能性を高めるという観点から、同法の目的の範囲内であると考えております。(発言する者あり)

浅野委員 今、無理があるんじゃないかという声も出ましたが、今大臣が答弁された第一条の前段には、業務災害以外の疾病、負傷、死亡、出産に関する保険給付を行うということ、そして、それをもって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的としているということで、これは前段が手段、後半は目的なんですね。

 ですから、手段の部分を変えずに、目的に合致しているからいいんだということにしてしまうと、では、条文の前半部分が何でもいいということになってしまうので、それはちょっと法律の拡大解釈なのではないかなというふうに思うわけです。

 ですから、私としては、第一条も併せて改正しないとおかしいんじゃないかと。具体的に申し上げれば、現状、業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産。これに加えて、子育てに関する記述を追記をしないと、健康保険法第一条の手段を規定している部分、子育てに対する保険給付を行うというふうに書いておかないと、法律の条文に書いてあるものが形骸化してしまって、何でもありというふうになってしまいかねない懸念があるんですが、そういう改正をすべきではないでしょうか。

加藤国務大臣 支援金制度は、社会連帯の理念を基盤に、子供や子育て世帯を少子化対策で受益がある全世代、全経済主体で支える仕組み、これは繰り返し申し上げてございます。

 そして、現行の医療保険制度におきましても、病気やけがに限らず、出産や死亡に関する給付など幅広い給付のほか、保険給付ではない疾病予防等の広範な事業、これが行われておりまして、またさらに、後期高齢者支援金など世代を超えた支え合いの仕組みが組み込まれているなど、給付と負担の関係は様々であると承知をしております。

 さらに、少子化、人口減少に歯止めをかけることは、将来の健康保険制度の担い手の育成を支援し、その持続可能性の確保に資するものであることから、支援金は健康保険法の目的の範囲内であり、改正は不要であると考えております。

浅野委員 そうなると、やはり第一条の意味がなくなってしまうのではないかなと思うんですね。必要性がなくなってしまいかねないなというふうに思いますので。第一条、疾病予防というのは、やはり疾病に関する保険給付という範疇に含まれると思うんですね。

 ただ、今回は、死亡若しくは出産という事象に対する保険給付だけしか規定していなかった法律の中に子育てというものが新しく加わるという変更だと思いますので、やはり、第一条、健康保険制度というものが存在する目的の中に、子育てに対する保険給付を行うんだというのをもっとちゃんと国としても明確にすべきだと思うんですよ。

 こどもまんなか社会を目指すのであれば、子育てもちゃんと保険給付の対象にして、そのために子ども・子育て支援金を皆さんからいただくんだということをもっと堂々と言ったらどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 繰り返しになりますが、支援金制度は、次世代の育成が健康保険制度の持続可能性を確保する観点から重要であること、これは繰り返しになりますが、また、そこに加えて、健康保険制度においてこれまでも出産育児一時金や出産手当金といった給付を行ってきたことを踏まえれば、健康保険法の目的の範囲内であると認識をしてございます。

浅野委員 次世代の育成、担い手確保ということを先ほどから何回もおっしゃっていられます。それは必要だと思うんですが。

 ちょっと時間がないので行きますけれども、次の質問。

 厚生年金保険でも、次世代の担い手確保のための負担があるんですね。子ども・子育て拠出金、保険料率〇・三六%、これが既に上乗せをされて徴収をされています。

 今回、この厚生年金保険で既に子ども・子育て拠出金というものを徴収をしている上で、更に子ども・子育て支援金というのを今度は健康保険から徴収をするということになりますので、将来の労働力確保、担い手確保、制度の持続性強化という同じような目的で、既にある子ども・子育て拠出金に加えて、子ども・子育て支援金というのを健康保険側に設けると。これは制度がより複雑になりますし、もっと簡素であるべきだと思うんですね。

 私としては、やはり、子ども・子育て拠出金を、その料率を見直す。若しくは、健康保険の方が、被保険者が、対象が広いということであれば、子ども・子育て拠出金は廃止をして、子ども・子育て支援金に一本化するとした方が、制度的に簡素になりますし、国民からの分かりやすさも改善します。こちらの方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。

加藤国務大臣 お答え申し上げます。

 子ども・子育て拠出金は、仕事と子育ての両立を支援し、将来の労働力の確保に資するため事業主の皆様から拠出をいただいているものであり、子供、子育て支援の重要な財源の一つでございます。

 今般の支援金制度の創設により子ども・子育て拠出金のこうした意義が失われるものではなく、子ども・子育て拠出金を廃止することは考えておりません。

浅野委員 今の説明を聞くと、子育てと仕事の両立を図る、そして将来の担い手を育成する、これは子ども・子育て拠出金の設立理由なのかもしれませんが、先ほどから聞いていると、子ども・子育て支援金の方も同じような目的があると思えてならないんですね。

 ほぼ同じような、仕事と家庭の両立、子育て支援の充実、また、制度の持続可能性を強化するための将来担い手の育成。これは完全に両者重なっていると思うんですよ。ですから、これはどちらか一方に集約をするという方が、行政効率も高まりますし、国民からの理解もされやすいというふうに思うんですね。

 ただ、同じことの繰り返しになりますので、是非、ここは今後引き続き議論をさせていただきたいと思います。

 続いて、質問ですが、被用者保険については、事実上、今回、国が一律に料率を示すというふうにされています。ただ、市町村国保については、料率に違いが生じる可能性が否定されていません。

 いわゆる協会けんぽですとか組合健保の方では料率を固定するというふうに国は言っているんですが、国保については自治体によって差が生じることを許容するのかどうか、ここについて答弁を求めたいと思います。

加藤国務大臣 お答え申し上げます。

 市町村国保ごとの支援金の拠出についてのお尋ねですが、まず、支援金は、医療保険料と併せて徴収するものであり、賦課方法も基本的には医療保険制度に準じた取扱いとなります。したがいまして、市町村ごとに支援金の賦課方法を定めることとなりますため、受益に応じた応益割と負担能力に応じた応能割の組合せやそれぞれの割合が自治体によって異なることもあり得ます。

 他方で、支援金につきましては、医療保険料と異なり、自治体の医療費の相違が勘案される仕組みとはなってございません。

 また、国民健康保険制度における支援金の料率が市町村により異なることがあり得るのは、現行の国民健康保険において、都道府県が市町村ごとの所得の水準等を考慮して各市町村の納付金額を決定していることに倣うためでございまして、一定の合理性があると考えております。

浅野委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、やはり制度の公平性という意味ではまだまだ議論の余地が残っていると思いますので、引き続き議論を深めたいと思います。

 終わります。

谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十三分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.