第1号 平成22年4月21日(水曜日)
平成二十二年四月二十一日(水曜日)午後一時一分開議
出席委員
内閣委員会
委員長 田中けいしゅう君
理事 井戸まさえ君 理事 大泉ひろこ君
理事 小宮山洋子君 理事 松本 大輔君
理事 村上 史好君 理事 井上 信治君
理事 平井たくや君 理事 高木美智代君
石毛えい子君 泉 健太君
磯谷香代子君 市村浩一郎君
今井 雅人君 打越あかし君
緒方林太郎君 大島 敦君
逢坂 誠二君 岡島 一正君
岸本 周平君 後藤 祐一君
笹木 竜三君 菅川 洋君
園田 康博君 田名部匡代君
田中美絵子君 田村 謙治君
津村 啓介君 中島 正純君
中林美恵子君 橋本 博明君
福嶋健一郎君 藤田 大助君
古川 元久君 矢崎 公二君
山田 良司君 甘利 明君
小渕 優子君 小泉進次郎君
橘 慶一郎君 中川 秀直君
長島 忠美君 西村 康稔君
塩川 鉄也君 浅尾慶一郎君
総務委員会
委員長 近藤 昭一君
理事 稲見 哲男君 理事 奥田 建君
理事 黄川田 徹君 理事 古賀 敬章君
理事 福田 昭夫君 理事 石田 真敏君
理事 大野 功統君 理事 西 博義君
小川 淳也君 小原 舞君
大谷 啓君 大西 孝典君
逢坂 誠二君 奥野総一郎君
小室 寿明君 階 猛君
高井 崇志君 中後 淳君
永江 孝子君 野木 実君
野田 国義君 藤田 憲彦君
皆吉 稲生君 湯原 俊二君
若泉 征三君 渡辺 周君
赤澤 亮正君 秋葉 賢也君
佐藤 勉君 菅 義偉君
橘 慶一郎君 谷 公一君
森山 裕君 山口 俊一君
稲津 久君 塩川 鉄也君
重野 安正君 柿澤 未途君
…………………………………
議員 塩崎 恭久君
議員 柴山 昌彦君
議員 西村 康稔君
総務大臣 原口 一博君
国務大臣
(公務員制度改革担当) 仙谷 由人君
内閣官房副長官 松野 頼久君
内閣府副大臣 大島 敦君
内閣府副大臣 古川 元久君
総務副大臣 渡辺 周君
財務副大臣 野田 佳彦君
厚生労働副大臣 細川 律夫君
内閣府大臣政務官 泉 健太君
内閣府大臣政務官 田村 謙治君
内閣府大臣政務官 津村 啓介君
総務大臣政務官 小川 淳也君
総務大臣政務官 階 猛君
政府参考人
(人事院事務総局総括審議官) 小林 広之君
政府参考人
(人事院事務総局給与局長) 尾西 雅博君
内閣委員会専門員 上妻 博明君
総務委員会専門員 大和田幸一君
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本日の会議に付した案件
国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
国家公務員法等の一部を改正する法律案(塩崎恭久君外四名提出、衆法第九号)
幹部国家公務員法案(塩崎恭久君外四名提出、衆法第一〇号)
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○田中委員長 これより内閣委員会総務委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
内閣提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案並びに塩崎恭久君外四名提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案及び幹部国家公務員法案の各案を一括して議題といたします。
各案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付の資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。
これより質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷公一君。
○谷委員 自由民主党の谷公一でございます。
きょうは内閣委員会との連合審査ということで、質問の機会が与えられましたことに感謝を申し上げます。限られた時間でございますので、各大臣、簡潔に御答弁をぜひお願いしたいと思います。
まず、天下り調査でございます。
お手元に毎日新聞の記事がございますが、民主党は選挙前、四千五百の法人、そこに二万五千人の天下り、十二兆一千億の資金の流れということを盛んに言われました。当時の鳩山代表も、党首討論において、それは間違いないんだと胸を張って言われていました。
さて、政権をとりました。十一月に私が質問主意書でその数字は間違いないのかとただしました。答えは、膨大な調査を要するのでわからないというものでした。
年が明けて、総務委員会で何度も原口大臣に質問し、調査の必要性を訴えました。原口大臣は答えていただきました、三月末に調査をする。そして、この前その内容を知りました。しかし、極めて不十分です。対象が本省の課長相当職以上、しかも年数は十九年一月から昨年の十二月末まで、対象人数は約四千人です。二万五千人と比べて全くけた違いであります。
しかも、金銭の流れも、これは、十二兆一千億というのはよく誤解されるんですけれども、補助金、交付金だけではありません。融資も含んでいるんです。今回の調査は、そういったものは含んでいない。
これでは、この四千五百、二万五千、十二兆一千億の検証になっていない。天下りの全体像というのは相変わらずわからないじゃないか。そもそもその数字が正しかったかどうかということは、政権を担った与党は責任があると私は思います。
この調査は事務連絡という、何か極めて、もっとしっかり公文書で各省庁に総務省からお願いをしているのかなと思ったら、何と事務連絡でした。締め切りが六月十五日でございますけれども、原口大臣、公表はいつごろされるんですか。参議院選挙の前ですか。
○原口国務大臣 谷委員にお答えいたします。
天下りを撲滅したい、ずっとやってきたんです。今回、十二・一兆円の補助金が流れている四千五百団体……(谷委員「資金。融資も入っています」と呼ぶ)資金ですね。その二万五千人の天下り、すべて調査すべきじゃないか。私たち、あっせんの有無、これを確認しようとしているわけです。
正直言って、谷委員、記録が残っていなかったり、昔でわからなかったりするものもある。だから、まずサンプルとしてこの四千名をやった。そして、独法、政府関連法人について、人件費だけ見ていたのではできないんですよ。非人件費ポストで五代連続天下りをやっている。非人件費ポストで退職公務員がいる、あるいは、五代連続ポストといって、あっせんはないんだけれども、事実上そこが指定席になっている、それに加えて……(谷委員「公表はいつですか。簡潔に」と呼ぶ)今中身を言っているので、どうぞお聞きください。
それ以外に、三種類のいわゆる裏下りと言われるものについても調査をし、六月に調査をまとめ、速やかに公表したい、このように考えています。
○谷委員 大臣が今言われました、わからないというのは、これは言いわけにはならないですよ。わからなかったら、なぜ、選挙前に四千五百の法人、二万五千人の天下り、十二兆一千億の資金などと公的な場で言うんですか。これはおかしい。それは言いわけにならないんですよ。言った者の責務なんですよ。その点を指摘させていただきたいと思います。
○原口国務大臣 それは、本来だったら、旧政権が天下りの有無ぐらい記録を残している。私たちが、現実に二万五千人がそのポストに、中央官庁におられた方々がそこにおられる、これは事実なわけです。その方々が、あっせんによるものなのか、今申し上げたようないわゆる継続的な連続ポストなのか、人質型なのか、創業型なのか、そういったものについて今調べているわけですから。
谷委員も建設的に御議論いただいていると思いますが、少なくとも、中央省庁ですから、あっせんしたか否かぐらいの記録は残っているというふうに思っていましたけれども、それは残念なことに残っていなかったんです。そのことが困難だと言っているので、天下りの調査をしないなどと一言も言っていませんので、誤解のなきよう、よろしくお願いします。
○谷委員 よくわからない答弁でした。それは責任転嫁だと私は思います。そういう数字を主張して政権をとったんですから、政権をとったからには、その数字が正しいかどうか検証して、全体像を明らかにするというのは、私は極めて当然だと思います。
そうしたら、大臣にもう一つだけお尋ねします。これで調査は終わりですか。終わりですか。
○原口国務大臣 終わりにする気なんかないですよ。だって、この一年ぐらい前に私はここで、駐車場整備機構、給料の金額さえ出てこなかったんです。天下りのあっせんをしたか否かなんというのは、本当は記録に残っていなきゃいけないんですよ。そのことも含めて徹底的に調査をしていきたいと思っています。御協力をよろしくお願いします。
○谷委員 当面、六月の調査を見て、またいろいろ調査結果を見ながら、この問題をしっかりと追及してまいりたいと思います。
勧奨退職の問題についてお尋ねします。
仙谷大臣、今、中央省庁で、仮に私と同じような年代で、五十代半ばで、うまくいって部長を務めている。そのところで一年ほどたった、通例であれば人事の交代の時期だ、交代といいますか、今までであれば、もう退職される時期だ。
さて、私はみずから自己開発して再就職の先を探すか、あるいは居直るか。もうそれしかありませんか。
○仙谷国務大臣 何をお聞きになりたいのか少々疑問でありますが、それぞれの人生はそれぞれが、人生八十年時代でございますので、あと何年生きるのかということから、人生設計を四十代、五十代でされるということは、私はあってしかるべきだし、そのような方も随分最近はふえているんじゃないかと思います。
○谷委員 言い方が余りよくなかったかもわかりませんが、国家公務員ですから一般職の場合は定年、六十まではあります。しかし、今の中央省庁の幹部は、六十までまだ間がある方が大部分です。しかし、あっせんの禁止ということは既にされています。いわゆる官房はだれも再就職のあっせんはしない。しかし、肩たたきは引き続きやるわけでしょう。
そうなるとどういう問題が起こってくるかというと、恐らく二十一年度、勧奨の方は極端に減っているかと思うんです。例年三千人ぐらい勧奨退職でやめられていると聞いております。手元のデータを見ますと、平成十九年度三千二百二十二人、二十年度二千七百六十一人。
さて、二十一年度は、これは原口大臣ですか、おおむね何人程度ですか。
○階大臣政務官 お答えいたします。
二十一年度の数字は今大まかに取りまとめているところでございますが、委員の御指摘のとおり、あっせんつきの退職勧奨というものがなくなったために、激減しております。先ほど二十年度が二千七百人ぐらいというような数字を示されていたと思いますが、それよりも大幅に減っております。
○谷委員 大幅ということは、数字は言われなかったんですけれども、三けた、三けたでも下の方ということですかね、そういうことではないかと思います。
そうなると何が差し支えが出てくるかというと、来年度の新規採用なんですね。新規採用が大変気がかりになります。平成十九年では八千人余り、二十年、二十一も七千人ぐらい新規採用をしたかと思いますが、今までの三千人ぐらいいた勧奨退職の方は激減する。そして、それの対策のために、肩たたきは維持して退職金の割り増しをするとか、あるいは現役を民間、NPOに出向させるというようなことも報じられていますが、そういうことでされているでしょうか。民間、NPOに出向といいましても、たしか三百人ぐらいですね。しかも、若い公務員が多いはずですよ。五十代の、僕のような年齢の方は、民間に行ってもなかなか、こういう経済情勢ですし、大変厳しいと思います。
退職の割り増し、あるいは民間、NPOに出向、そういうことで、例年どおりの新規採用というのは、原口大臣、確保できますか。
○原口国務大臣 お答えいたします。
やはり発想が違いますね。これだけ国の財政が厳しいときに、例年どおり新採をやるんですか。私は、その考え方そのものがやはり危機感が足りないんじゃないかと。
もちろん、組織にとっては、若い人が入ってくれれば、それはいい。しかし、そういう状況にない。また、私たちは、国、地方協議の場でも、出先機関については原則廃止すると言っているわけであります。そのやっている先を、去年と同じように採るということは考えておりません。
その上で、退職勧奨、二十一年度は千百人台だというふうに承知をしておりまして、これ以外に、今委員がおっしゃったようないわゆる現役出向、それから、できるだけ勤め上げていただく、定年制の延長といったことも踏まえながら、適正な人員管理に努めてまいりたい、このように考えています。
○谷委員 どうもちょっと原口大臣、居直りですよ、今のは。
これだけ国の財政事情が厳しいので、何も例年どおり採りなさいと言っているわけではないんですよ。今までのあっせんというのはなくなった、しかし肩たたきはやる。しかし、肩たたきされた方は、では原口大臣もその立場であれば、私もその立場であれば、五十半ばで、まだ定年まで間があるのに、家のローンもある、子供も育てなきゃならない、肩をたたかれてもやめようがないじゃないですか。
そうすると、人事管理の上でも、人件費の上でもどうしても、それは財政は厳しいですけれども、伸びてしまうでしょう。それは総務省が試算されているんじゃないですか。そのあり方を今問うているわけですよ。
では、ちょっと問題をかえます。
退職金の割り増しということは今は検討されているんですか、肩たたきを推進するために。これはどちらの大臣になるんでしょう。
○原口国務大臣 お答えいたします。
しかし、例年どおり採れるかとおっしゃったので、先ほど申し上げたように、例年どおり採る気はないということを申し上げたということで、そのことは御理解をください。
勧奨退職については、勧奨退職の分、割り増しがあるわけですけれども、公務員が安心してみずからの職務に専念できるように、今、四大臣会合その他のところで検討をしているところでございます。
○谷委員 それでは、新聞で報じられているように、民間への出向というのもさらに進めるように、何かやり方を新たにやっていくわけですか、これから。
○階大臣政務官 お答えいたします。
これは以前、原口大臣の方から記者会見等で説明したお話ですけれども、これから公務員の意識改革を進めて、人事交流を活発に行っていこうということで、私ども総務省としまして今考えているのは、民間企業での勤務経験を拡充しようと。特に、今までは係長級の若手が中心だったものを中堅幹部職員にも広げて、官から民への交流の人数をふやしていこうということです。そのために、官民交流法の派遣基準の見直しということもこれから検討してまいりたい。
それから、民間シンクタンク等での勤務経験も拡充していきたい。これは今現在、国からそういったところへの派遣の実績は、直近の数字ですと三百五、六十人程度。これも、現在の要件は、行けるところがかなり限定するようなものになっていますので、この要件を緩和して、よりそういった場所で働いてもらう。(谷委員「何人程度」と呼ぶ)こちらは、今は、直近の数字、我々が把握している数字は三百六十人程度、それを大幅にふやしたいというふうに考えております。
それから三つ目として、独法等への現役出向についても、出向対象法人などを見直しながら、ふやしていければというふうに考えております。
○谷委員 報じられているように、今、階政務官の答弁では、民間派遣を拡充するために、現在では人事院規則で、たしか職員の所管に関係する民間への派遣は認めていないですね。これを緩和しよう、そういうことでしょう、おっしゃられるのは。
そういうことだと理解しましたが、いずれにしましても知れていますよ、今で三百五十人ですから。これが大幅に拡充というのは、そんなに期待できないのではないかと思います。
そうしたら、では、来年の国家公務員の新規採用は一体どれぐらいになるんですか。先ほど原口大臣は、前年度、平成二十一年度は勧奨退職の方が千百人、一千人を超えていたんですか。何か階政務官のあれでは、三けたの下の方だと、うなずいていましたけれども。そうですか。
では、そうしたら、二十三年度は何人ほど採用する予定なんですか。もう五月は目の前ですよ。
○原口国務大臣 谷委員、三けたの下の方だとおっしゃったのは、階政務官じゃなくて谷委員でいらっしゃいます。それは明確に申し上げておきます。
それで、二十一年度が九千百十二人採用しているんですね、二十一年度の採用実績。私たちは、そのうちのいわゆる地方支分部局、出先を、これが三十万人のうち二十万人ぐらいいらっしゃるわけですけれども、原則、地方移管も含めて考え直していこうと。事業によっては随分削減されたところもあるわけです。事業が削減しているにもかかわらず人が同じということはない。地方支分部局は三千四百九十三人、前政権下では採っておられるわけですね。
こういったところも含めて、今、四大臣会合で、試験採用の区分、あるいは選考採用、そういったところでどれぐらい新採について一定の採用の抑制をするかということを詰めて、最終段階に入っているところでございますので、近々御報告をできるというふうに思います。
○谷委員 いずれにしても大幅な、とにかく例年に比べて勧奨で退職される方が大変少なくて、いわば人事が停滞と言ってはおかしいかもわかりませんけれども、そういう状況ですので、相当厳しいということは言えるのではないかと思います。
関連して、国家公務員の二割削減についてお尋ねしたいと思います。
この二割削減の中には地方移管ということも明記されています。地方に移管すると、仮に、仮にですよ、地方自治体が受け入れても、受け入れるのも大変だと思いますけれども、それこそ今の普天間の問題のように。金と権限はくれという話は自治体からよく来ますが、職員を欲しいという話は皆無と言っていいと思います。そういう状況の中で、大変だとは思いますけれども仮に受け入れても、しっかりとした財源措置がなければ、それは受け入れるはずがないですね。
そういう財源措置があるものは、二割削減、一兆一千億の枠外だ、こう考えてよろしいんですか。
○原口国務大臣 ことし、一兆一千億のうち既にもう一千四百億円削減しているわけですね。先ほど御答弁申し上げたように、三つの方向で削減の方向。一つは公務員制度改革。来年の通常国会に出す、いわゆる労働基本権、こういったことの回復措置に伴う削減、あるいは、削減だけじゃないですね、場合によってはふえることもあると思いますけれども、人員管理。それから、先ほど申し上げたような地方支分部局。そういったものを入れて、加えて、ICT化、電子政府を行う。
そして、谷委員、これから私たちは権限仕分けというものをやろうとしています。国の出先機関が果たしてそれを今までどおりやっていくことの合理性があるのかどうか、これは谷委員も多分方向は同じだと思いますけれども、もっと行政改革できるところがないのか、こういう観点からやってまいりますので、この一・一兆円の中に今委員がおっしゃった地方に移管する部分が入っているのかどうかということは、一義的には言えないというふうに思います。
○谷委員 大臣、よくわからない答弁でした。一兆一千億の中に入っているか一義的にわからないと。
視点を変えます。
この前、独法通則法の審議がありました。枝野大臣が本会議の答弁で、独法の中でも、公務員から非公務員になっても実質上国から交付金が出ている場合も多い、そういうことを考えるならば、実質的に国民の税金で賄われる給与等の人件費相当額がどうなるのかという観点で改革を進めてまいりたい、そういう言い方をされていました。正論だと思います。私もそのとおりだと思います。
ですから、今回の二割削減も、地方に移管もする、移管をするということであれば、地方に財源措置をしてもらわなければなりません。ただ、それは国、地方を通ずる税金の使い道というものであれば、別にマイナス効果はないですね、削減効果は。そのことの確認です。
○原口国務大臣 済みません、誤解して私が答弁をしていた部分があると思います。
つまり、真水でもって国、地方合わせて、要するに、国から地方に財源措置するんだったら、それは減らしたことにならないんじゃないかというお話ですね。真水でもって一・一兆円を目標とするのかという御質問であれば、そのとおりだというふうに答えます。
○谷委員 真水で一・一兆円、ぜひとも、マニフェストにあることですから、しっかりとこれを達成していただくようにお願いします。今年度の予算のあれを見れば大変心配です。強い決意でもってやらなければなりませんが、今の内閣の支持率を見ていると大変心配です。強力なリーダーシップがないとこんなものできません。そういう意味で、我々としてはじっと政府の対応を見させていただくということだと思います。それは、協力すべきことはしっかりと協力させていただきます。そのかわり、組合がといって聖域にしないでください。そのことを我々もしっかり要望したいと思います。
二割削減に絡んで、仙谷大臣、この前、九日の内閣委員会で、民主党マニフェストの国家公務員の総人件費二割削減について、大臣は、オープンな団体交渉を通じて組合の方々にも御理解いただいて協議を成立させるという方法しか、うまく総人件費が減ってくるということは起こり得ない、そういう答弁をされたかと思います。
これは、組合の理解がなければ総人件費は減らさないということですか。マニフェストではそういうような留保条件はなかったかと思いますが、これはある意味では何かごまかしではないかと考えられますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○仙谷国務大臣 現在、勤務条件という言葉でありますが、総人件費を減らすということは、多かれ少なかれ、今、講学上の用語で勤務条件というものについて影響が出てくるということは、これはだれが考えても当たり前であります。そういう場合に、一方的になたでたたき切るようなことで勤務条件の低下をするということが近代的な労使関係の中でできるか。私は、いかに人事院の力をもってしてもそんなことはできないだろう、だから今までできなかったと。
現に、谷さんも御承知のように、都道府県でそのことがなし得ているところは、ほとんど公開の団体交渉をやっているじゃありませんか。そして、住民、有権者のお考え方がそこに反映されるという形で勤務条件が下がっても、それは御辛抱いただく、住民の一人としても存在しているわけですから御辛抱いただく、そういう方法しかないと思います。
そのためにこそ、こういう時代にそのことをやり切るためには、当局がといいましょうか、政府がしっかりとした当事者能力を携えて、そして労働基本権を付与する中で交渉して、総人件費の問題についても適切な削減を行っていくということになるのではないか、私はこう思っているから、先般答えたまででございます。
○谷委員 大臣の考えと方向としては同じかもわかりませんけれども、今お聞きしまして、私は少し違うと思います。
都道府県段階で労使交渉をオープンにしているのは、私の知る限りそんなに多くないですよ。前の鳥取の片山知事を初めごくわずかな自治体はありますけれども、全体としては非公開です、オープンになんかしていないです。それに、世論というのが大きいと思うんです。都道府県なり、特に市町村は、もう住民の方はよく見ていますから。
ですから、でき得るならば組合と話し合ってまとめるのがベストでしょうけれども、しかし、大事なことは、組合ではなくて、国民なり住民だと私は思っております。そのことを御指摘させていただいて、ちょっと関連の、次の質問に移りたいと思います。
国家公務員の合理化計画、これは原口大臣でよろしいですか、今後の計画はどうなったんですか。
○階大臣政務官 お答えいたします。
合理化計画というのは、今の人員配置を毎年二%ずつ、五年で一〇%見直しましょうということで、これ自体が定員の純減を意味するものではございません。今申し上げました合理化計画は、この二十二年度からまた五年間で一〇%ということで進んでいくわけでございます。
一方で、純減にかかわってくる定員の削減の数字、これが、この二十二年度で前政権から続いてきた五年間の計画が終わります。そこで、私どもとしては、二十三年度からの新たな、定員を削減する、純減のための数字をつくっていかなくてはなりません。そういった作業を今鋭意進めているところでございまして、原口総務大臣の御指導のもと……(谷委員「いつぐらいに出るの」と呼ぶ)なるべく早急にやっていければというふうに考えております。
○谷委員 何か答弁が抽象的で、鋭意、早急にという言葉だけが耳に残りましたけれども、しっかりとやっていただきたいですね。これ以上は申しません。その姿勢と、言葉だけではなくてどういう計画かというのをじっと見させていただきますので、しっかりとした取り組みをお願いしたいと思います。
原口大臣、きょうは国家公務員法の改正案です。地方公務員法はどうなっているんですかね。
つまり、前に我々が政権にあった平成十九年に、国家公務員並みの能力・実績主義と再就職規制を導入する地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案を提出いたしました。国家公務員の方は紆余曲折がありましたけれども成立しましたが、地方公務員は廃案になり、まだ政府もその動きも見られません。どうも、うわさによれば、現政権の支持基盤であるところの自治労が反対しているというような声も聞こえてくるところでありますけれども、これをどういう工程表でされていくんですか、大臣。
そのことと、それから、中身はこれからだという答弁を予測しながら御質問するんですけれども、国家公務員並みの能力・実績主義と再就職規制、この二つは必ず地方公務員法の改正の柱に入れますか。そこをお尋ねしたいと思います。
○原口国務大臣 国家公務員法と異なり、地方公務員法には、現在のところ、今委員がおっしゃるように、人事評価制度の導入など能力・実績主義の人事管理の徹底に関する規定は盛り込まれておりません。
私たちは、国、地方協議の場、これも法制化の法案を出させていただいて、今参議院で御審議をいただいておりますが、速やかにこの法律を通していただき、そして、地域主権の考え方に沿った適正な地方公務員法、この能力・実績に応じた人事管理の徹底を一層促進し、そして、より透明で、公正で、地域のニーズに的確にこたえる公共サービスを提供すべく、国家公務員法に並び、地方公務員法についても必要な法整備の検討を進めてまいりたい、このように考えています。
○谷委員 二つのあれは必ず入れるという理解でよろしいんですか、今のところ。
○原口国務大臣 人事管理についての能力・実績主義でございますね。(谷委員「それと再就職」と呼ぶ)いわゆる天下り規制と言われるものですね。
それは、当然、協議の上に盛り込むべきですし、また、お話し合いをする事項の中に入っております。
○谷委員 大分時間が少なくなってまいりましたので、項目を絞ってお尋ねしたいと思います。
今度の国家公務員法の改正で、幹部職員がワンバスケット、政府案によれば、審議官から部長、局長、事務次官、それも一つのバスケットで区分はしていない。適格性審査が一段階であり、わずか一つの段階だ。それで、ポストごとに必要な能力とか知識経験を明らかにした職務明細書もないわけですから、結果として残ることは、まあ、大臣の好みという懸念が大変生じるところです。
ごますり役人といいますかヒラメ役人といいますか、そういう方がふえて、がたがたになるのではないかというふうに懸念されますけれども、こういうワンバスケットについて、衆法提出者の方の見方をお伺いしたいと思います。
○塩崎議員 先生御指摘のように、政府案では、いわゆる幹部というのが、次官、局長、部長、審議官、これがワンバスケット、ワンレイヤーになっていて、我々が聞いている限りでは、審議官の標準職務遂行能力であと全部構わない、こういうことのようであります。(谷委員「事務次官も」と呼ぶ)事務次官までそうだというふうに聞いております。
したがって、今でいう審議官になれる標準職務遂行能力を持っていれば、あとは幹部として、次官、局長、審議官、これは給与は変わるようでありますけれども、これでランクを変えていくということになれば、一体何を基準に評価していくのか。
きょうは高木先生からもいろいろお話がありましたけれども、やはり公正公平な人事が行われなければいけないというときに、これでは、まさに情実人事が行われても、あるいは、今ヒラメというお言葉がありましたけれども上ばかり見る、何で評価されるかわからない限りは気に入られることが先に立つ、こういうことが十分起こり得るような仕組みであって、おかしいというふうに思っています。
我々は、次官級は廃止をしますけれども、引き続き標準職務遂行能力をそれぞれ、局長、審議官、あるいは、これから政令で定めますのでどういうふうにするかは別にして、やはり客観的に判断をする基準を設けた上で、あとは内閣との一体性というものを判断する、加えるということだろうというふうに我々は思っています。
○谷委員 仙谷大臣、経験豊かな仙谷大臣ですから、今そういう答弁があったんですが、その答弁に対する答えではなくて、大臣の方から見られて、中央省庁の審議官・部長クラス、局長クラス、次官クラス、能力に余り違いはないですか。大臣の評価はどうですか。
○仙谷国務大臣 明治維新のときは、二十代、三十代の方でも国を担って大改革ができた。今の課長職にいらっしゃる方々は、私が接している限りでは、特にキャリアの方々で、あした、次官にしても、局長にしても、十分務まる人は数多くいらっしゃると私は思います。
つまり、先ほど塩崎さんもおっしゃいましたけれども、今規定されている標準職務遂行能力の規定ぶりで、今私が接している課長さんでも審議官の方でも、次官のところの書きぶりに合致する方、局長のところに合致する方は多々いらっしゃる。ただ、今の年功序列の職階制のもとで力が発揮されずに、だからこそ、ある種の改革の停滞が、そこに原因があるのではないかということすら、私は感じております。
○谷委員 大変仙谷大臣らしい明快な答弁、ありがとうございました。
要は、今の課長クラス、課長・企画官クラスというんですか、いっぱいいる、次官も局長もいる、そういうことだと思います。
その率直な答弁に敬意を表して、別の問題をお尋ねしたいと思います。
同日選挙について、仙谷大臣は発言がございました。(発言する者あり)いや、率直に。新聞報道によれば、ダブル選挙を問う可能性があるというか、論理的にはそうなると、同日選挙の可能性に言及したとあります。
私は、仙谷大臣が言うように、論理的に考えれば、今まで民主党が主張されていた、頭がかわったら信を問うべきだ、これは、弁護士である仙谷大臣の考え方は筋が通っていると思います。
その考え方は今でも変わりませんか。
○仙谷国務大臣 谷先生は日曜日の「時事放談」という番組を最初から最後までごらんいただいておるでしょうか。(谷委員「いいえ。外を回っていましたので」と呼ぶ)それならば、その文脈とか脈絡に即して私の発言を御理解いただければ十分だと思います。
つまり、その一部を切り取って紙面がつくられておるわけで、それで論評をされても、私としては困ってしまう、こういうことになろうかと思います。
○田中委員長 時間でありますから。
○谷委員 はい。
ありがとうございます。先ほどの答弁と違って、大変、何か明快でない答弁で、残念でございました。
ありがとうございました。
○田中委員長 次に、西村康稔君。
○西村(康)委員 自民党の西村康稔でございます。
時間がありません。早速質問に入りたいと思います。
松野副長官、お越しをいただいております。
大臣、副大臣は今、私の理解では、一〇%の給与返納をしていると思いますけれども、今どういうことをやっておられて、どういう目的でやっておられるか、お聞きをしたいと思います。
○松野内閣官房副長官 今、西村先生御指摘のとおり、大臣、副大臣は給料の一〇%の返納というものを行ってございます。これは、特に私ども、行政改革、また無駄遣いというものを今後徹底していくという中で、まずみずから内閣として襟を正そう、こういう思いの中で一〇%の給与の返納を行っているところでございます。
〔田中委員長退席、近藤委員長着席〕
○西村(康)委員 大臣政務官はやっているんですか、やっていないんですか。
○松野内閣官房副長官 大臣政務官は行ってございません。
○西村(康)委員 なぜ行っていないんですか。
○松野内閣官房副長官 この理由は、要は、私ども、例えば内閣官房副長官の給料と全体の議員としての給料というのがございます。そうすると、全体の議員としての給料プラス官房副長官の給料から一〇%引くわけになるわけです。そうすると、それを引きますと、大臣政務官の給料、大臣政務官のみの給料というのが低いもので、ほとんどなくなってしまうという状況でございますので、大臣政務官は行ってございません。
○西村(康)委員 ほとんどなくなってしまうとはどういうことですか。行革をやろうとして、何で大臣政務官はやらないんですか。
○松野内閣官房副長官 一応、政務官としての給料分を超えてしまうおそれがあるということで、大臣政務官に関しては行ってございません。
○西村(康)委員 ちょっと意味がわかりません。一〇%減らしたら、なぜいけないんですか。ちょっと計算方法を教えてください。
○松野内閣官房副長官 ですから、要は、私の例でいうと、内閣官房副長官としての給料分と議員としての歳費がございます。その一〇%というのは、内閣官房副長官分の一〇%ではなく、議員歳費の分まで含めた一〇%をやってございますので、そういう理由で大臣政務官に関しては、もともと政務官としてだけの給料が低いもので、一〇%引くと、ほとんどなくなってしまうという状況でございます。
○西村(康)委員 では、仮に一〇%はできなくとも、何で五%、七%、八%、できないんですか。
○松野内閣官房副長官 これは、麻生内閣、福田内閣から同じことが行われてございまして、それを私ども、踏襲をしたということでございます。
ですから、基本的には全くただ働きの状態になってしまうということになりますので、これは私どもの判断として、大臣政務官に関しては行わなかったということでございます。
○西村(康)委員 では、別の聞き方をします。
これはどなたに答えていただいたらいいのかあれですけれども、事務次官の給与は年間幾らですか。
○尾西政府参考人 平成二十二年四月時点におきます事務次官の年間給与、二千三百十二万円でございます。
○西村(康)委員 国会議員の年間の給与は幾らですか。
これもきのう通告しています。聞いていますよ。
○近藤委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○近藤委員長 では、速記を起こしてください。
西村康稔君。
○西村(康)委員 国会議員の報酬に加えて、政務官としてプラスになっている部分の金額は幾らですか。
○松野内閣官房副長官 行政府としての支給分が十五万五千五百八十円。大臣政務官としてもし返納を行うとすれば、国会議員の歳費と合わせた分の一〇%で十二万三千百円。差がわずか三万二千四百八十円ということでございます。
○西村(康)委員 ちょっとわかりにくい数字だったのであれですけれども、大臣政務官は二千三百七十八万円もらっている、国会議員は二千百三十九万だと思いますので、今の十五万幾らを加えて計算をしますと、年間二千三百七十八万だと思います。この一〇%を引くと、おっしゃるとおり、議員の報酬とほとんど変わらなくなるわけですけれども、もう一つ、これは我々の反省を込めて言いますが、事務次官の給与より低くなる、これがあったんですね。
先ほど、事務次官の給与、二千三百十二万ということでした。つまり、大臣政務官の給与を一〇%カットすると、事務次官よりも低くなるからできない。これは、我々、当時からおかしいと思って、今回、実は我々の提案は、事務次官も含めて給与を下げるということをやりました。なぜこれができないのですか。
○松野内閣官房副長官 私たち、事務次官の給料と比較をしたという意識は余りございません。最初の閣僚懇談会の中で大臣の給料の返納分、そして第一回の副大臣会議の中で副大臣の給料の返納というものを決めたわけでございます。
○西村(康)委員 副長官は、自民党のやり方を踏襲したと言われました。我々もそういうやり方をしておりました。しかし、本気で行革をやるなら、政務官も含めてやるべきだと思いますし、事務次官の給与が国会議員よりも今高い状況、国会議員二千百三十九万、事務次官二千三百十二万ですか、この状況をそもそも改善した方がいいとは思いませんか。
○松野内閣官房副長官 先ほども御答弁させていただいたように、わずか三万円の、給料掛ける政務官の給料を省くということよりも、もっと全体的な人件費を含めた行政のコストというものを考えていかなければいけないのではないかというふうに私たちは考えております。
○西村(康)委員 だから、事務次官も含めた幹部の人件費を下げられないかと聞いているんです。下げる意欲はありますか、副長官。
○尾西政府参考人 国家公務員の給与水準は、民間企業の給与水準と均衡させる民間準拠を基本としておりまして、事務次官を含みます指定職の職員につきましても、従来から、民間企業の役員報酬を参考としながら、片や一方で、他の行政職の職員の改定状況との均衡も図るということを基本としてきております。
そういった中で、近年、実は民間企業の役員報酬というのは引き上げる傾向がございますが、そういった中で、指定職職員の給与につきましては、公務部内の均衡という観点から、行政職の俸給表の職員と同程度の引き下げを行ってきております。
そういった中で、やはり民間準拠ということを基本にしますと、今この時点で事務次官の給与を引き下げる、そういう必要はないものと私どもは考えております。
○西村(康)委員 仙谷大臣にお伺いします。
国会議員の給与は二千百三十九万、これも高いという議論はあります。事務次官が二千三百十二万。政務官が事務次官より若干上回るだけで一〇%もカットできない。この状況を改善すべきだと思いませんか。
○仙谷国務大臣 偉い偉くないということではありませんが、少なくとも、政務三役でこれだけの仕事量と質をこなしているというふうに私は思っておりますので、それは、事務次官よりは責任が重いという意味では、そこはバランスをとっていただいた方がいいのかなという感じはします。
私どもが今一割をカットしているのは、これはある種の自律的な作用としてやっておるわけでありまして、結果として、そこで国会議員あるいは大臣、副大臣の総収入が事務次官よりも減っているからといって、今度は事務次官を下げろ、こういう理屈にはなかなかならないと思いますし、事務次官の給与自身、やはりしかるべき手続がないと、そう簡単に下げるとか下げないとか切り飛ばすとか、そういう話にはなり得ないと私は思います。
○西村(康)委員 政務三役は物すごく仕事をされる、そう言われています。事務次官会議も廃止をして、次官の仕事、事務方の仕事は減っているんじゃないですか。調整役としての仕事も減っている。にもかかわらず、国会議員よりも約二百万近く高い給与を事務次官がもらっている。これは高いと思いませんか。下げるべきだと思いませんか。
○仙谷国務大臣 私は、国会議員も事務次官も下げればいいという話ではない部分が相当あると。責任の重さとか、それにまつわる、ある種、勤務時間とか労働時間にかかわらない分野での仕事というのもあるんでしょう。
事務次官については、西村議員がおっしゃるような事務次官の方もいらっしゃると思いますし、そうじゃなくて、大変重い職務あるいは大変広範な分野を受け持って、それほど、過労死をしかねないぐらい働いている事務次官もいらっしゃるように思います。
○西村(康)委員 国家公務員の人件費を二割削減するというのが民主党のマニフェストじゃないですか。高給な人の給与を下げないでどうやって減らすんですか。
それから、あわせて、今大臣が言われたのは、私が言うような事務次官もいる、どこの省庁の事務次官ですか。
○仙谷国務大臣 その種の質問をこういう場でされるというのは、つまり後半の質問ですが、甚だ不穏当だと私は思いますので、そこはお答えをしかねるという答弁にさせていただきたいと思います。
前半の問題については、だから我々は公務員の総人件費というふうに記載をさせていただいておるので、一人一人の、ある官職について、ある職位職階について、単価を何割切り飛ばせばいいなどという、そんな単純な話で人事労務政策が行われてはならないというのは、私は明らかではないかと思いますが。
○西村(康)委員 もちろんです。だから、我々の案は、内閣人事局に、総務省、人事院の機能、財務省の機能も移して、全体での削減計画をつくり、どうやって削減していくかというのをつくって、そして、幹部は幹部で人件費をどう下げるかよく考えていこう、そのための案を我々は提案しているわけで、そういう提示も何にもなしにやるやるとだけ言うのは、非常に心外であります。これまでも四の五の四の五の答えられていますけれども、答弁を読ませていただいていますけれども全然方向性が示されていないわけです。
別の聞き方をします。
山内康一議員の質問主意書に対する答弁を見ますと、鳩山政権発足後から八十三人の勧奨退職を行った、これは地方の人を除いてだと思いますけれども。早期退職勧奨は行うのか行わないのか、原口大臣、お答えください。
○原口国務大臣 前段で、私たちが方向を示していないんじゃないかと。それは全く違います。公務員の活力確保、大臣管理による人事権、公務員人件費の抑制、意識改革、定年まで勤務ができる環境の整備、こういった考え方を出しまして、そして、総人件費の二割をいつまでにどのようにカットしていくか。もう現に一千四百億円カットしているわけでございます。
その上で、今の早期退職勧奨、あっせんを伴わない退職勧奨については、現在、政府としての考え方を検討中でございまして、定年まで勤務できる環境整備という観点からは、これを行わないで済むということが理想だと考えております。
ただ、組織の活力維持や新規採用が困難となる事態も想定されるため、あっせんを伴わない退職勧奨まで禁止する必要はないという論があることも事実でございます。
○西村(康)委員 たしか今後、方向を示されるということで伺っていますけれども、仮に退職勧奨を行わないでずっと定年まで残るとすれば、これは人件費がふえる、新陳代謝も進まないということになると思いますし、勧奨退職を行ってもあっせんしないわけですから、行き先がないと、同意をしないとそのまま残るということになりますし、降格をさせても、特に管理職の場合は、パッケージで総人件費の抑制はなかなか難しいですから、そうすると、結果として新規抑制にもなりかねないということだと思いますし、そういうような試算を出されていると思いますけれども、そういう理解でよろしいですか。
○原口国務大臣 これはやはり、現在の政府の規模を、公務員の数を規模に考えてはならないんだと私は考えています。
先ほど、九千人を超える昨年度の新規採用という話でしたけれども、やはり財政が厳しく、そして私たちは出先についても原則廃止をするということを言っているわけです。だとすれば、廃止をする出先に去年と同じものをまた同じように採るということは、これは原理的にあり得ない。
あるいはICTで、西村委員も大変私たちに御協力くださっていますけれども、電子政府化をしていこう。そのときには、例えば、今までの旅費精算のシステムだけで何人の公務員の方がそこに携わっているか。西村委員と私と多分同じ方向を向いていると思いますが、一般の企業では二人とか三人でやっているんですよ。そういった、まさに仕事の仕分け、権限の仕分け、これもあわせて行って、適正な人事管理に努めてまいりたいと考えています。
○西村(康)委員 もちろんICTの技術も使って効率的な政府をつくっていただいて、それは我々も協力をしていきたいと思いますし、その中で、適正な人事管理、人件費の管理をやっていただいて、新陳代謝もやはり進んでいかなきゃいけない。これは、どういう形で新陳代謝を進めるか、特に高齢の方の人件費をどう抑制していくかというのが大きな課題で、我々はそこで提案をしているわけですけれども、新規採用をある程度、一定程度していくことも組織にとっては大事なことだと思います。
そこでお伺いをしますけれども、この四月一日に新規採用した人数は、全役所で、国家公務員何人ですか。
○階大臣政務官 私の手元には、二十一年度の採用ということで、試験採用が六千五百六十五人、選考採用、いわゆる中途採用で二千五百四十七人、合わせて九千百十二人でございます。
○西村(康)委員 何で二十二年の、この四月一日の数字がわからないんですか。きのうから聞いているんですけれども、全然数字が出てこない。もう四月の二十日になっていますけれども、国家公務員として四月一日に採用した人数がわからないんですか。
○原口国務大臣 大事な御指摘なんですよ。
この間、来年度の人事管理をやるについて、一番近い数字を出してくれと。普通だったらコンピューター管理していますよ、人事管理。やっていないんですよ。それで、集計、二十一年度でもやっと出てきたという状況なんですね。
つまり、私たちはガバナンスそのものを変えようと思っているわけです。出先に何人いて、そして1種、2種、3種、どれぐらいいるんですかということを、一応来年度の採用の要求は出ているわけです、だったらそのもとになるものを早く出してくださいと言って出てきたのが今の数字でございますので、やはり長い政権の間で見過ごされていたことを、しっかりとその反省を込めて頑張ってまいりたいと思っています。
○西村(康)委員 おっしゃっている意味はよくわかりますけれども、我々議論を、これから公務員の人件費をどう管理しようか、早期退職みたいなことをどういう仕組みにしていくのか、それを議論しているのに、新規採用している四月一日からの人数がわからない。予算も通っているんですよ。どういうことですか、これは。審議の前提になる数字だと思いますけれども、どうですか。
○階大臣政務官 お答えいたします。
本年四月一日の新規採用というお尋ねでした。
私どもの方で把握しておりますのは、平成二十一年度の採用試験に基づく一般職国家公務員の採用内定者、二十二年一月末現在で把握している数字ですが、これが五千四百十二人でしたので、ほぼこの数字が四月一日に採用された新規採用の数字だというふうに考えてよろしいかと思います。
○西村(康)委員 いつ時点と言いましたか、今。
○階大臣政務官 二十二年一月末現在で把握した数字です。
○西村(康)委員 もう四月二十日ですよ。一月末の数字を我々議論しているんじゃないですよ。
この法律、ずっと用意をされていたわけでしょう。どうやって新規採用をふやして一定程度新陳代謝を図っていくか、仙谷大臣もいろいろ考えておられたと思いますけれども、四月一日の数字を出してください。
速記をとめてください。
○近藤委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○近藤委員長 では、速記を起こしてください。
原口総務大臣。
○原口国務大臣 西村委員、先ほどお答えしましたね。本来、民間企業であれば、内定値とそれから実績値が即コンピューター管理して出るわけです。それが、支分部局で管理をされていたり、定数の一元管理といったことについて、かなり時間がかかる集計の仕組みを持っているんですね。ですから、私は、委員がその数値がなきゃ、やはり来年について議論できないとおっしゃっているのはそのとおりだと思います。だから、私たちも同じことをずっと求めてきて、そして、今ある古いシステムの中で早く出してくださいとお願いをしているところでございまして、一月末の内定値と実数値について、数日で出させていただきたい。
これは、三週間前に私が同じことを、こんなので政府と言えるのかということで申し上げた、全く同じ問題意識を持っているので、しばらくお待ちをいただければと思います。
○西村(康)委員 金曜日以降の審議もありますので、これは理事会で協議していただいて、数字をしかるべきタイミングで出していただくということでいいですか、委員長。
○近藤委員長 連合審査会でありますので、内閣委員会の方でお引き取りをいただいて、理事会で協議していただきます。内閣委員長に依頼をいたします。
○西村(康)委員 きょうは野田副大臣に来ていただいていますので、わたりの問題について御質問をしたいというふうに思います。ちょっと時間がなくなってきましたので。
日本郵政の副社長に坂氏が就任をし、それに伴って社団法人日本損害保険協会副会長のポストを辞任されて、その後に元国税庁長官の牧野さんが損害保険料率算出機構の理事長からその協会の副会長になられた。副大臣、これはわたりですか、わたりではないですか。
○野田副大臣 西村委員にお答えをしたいと思いますが、牧野さんのケースがわたりかどうかということですか。
基本的にこれは、省庁によるいわゆる再就職に対するあっせんとか情報提供はありません。現象として、ポストでこういう異動があったということは事実だというふうに思います。それをどう解釈するかだと思います。
○西村(康)委員 民主党の定義によるわたりですか、わたりではないですか。
○野田副大臣 こういう疑念がある場合は、今回の法案で出てくるような再就職等の監視・適正化委員会で調査をしたりするということになると思いますが、省庁によるあっせんはありませんでしたということです。
○西村(康)委員 野田副大臣、このように疑念がある場合というのは、これは疑念がある場合という意味ですか。ちゃんと調査されたんですか。
○野田副大臣 御質問があるということはお疑いを持ってやっていらっしゃるんだろうと推察をしながらお答えをしましたけれども。
財務省として調査というのは、あくまで、どういう経緯があったのかということは調査をしています。その結果、あっせんはなかった、情報提供はなかったということが判明をしています。
○西村(康)委員 そうしたら、この牧野さんは、だれから連絡を受けて損保協会の副会長に就任をしたんでしょうか。
○野田副大臣 これは、直接は金融庁の方がお調べになったというふうに思いますので、正確には、多分、金融庁の政務官が来られているからお答えいただきたいと思いますが、もともと、郵政の副社長に就任をされるということで、前任の方がやめられるに当たって牧野氏を推薦した、推薦をされたことに対して、どのポストの方かはわかりませんが、御連絡で、電話で要請をして、面談をされて、そして理事会で決定したというふうに聞いています。
正確には、金融庁に聞いていただければと思います。
○西村(康)委員 田村政務官が来られているので。今ので正確ですか。どういう経緯で副会長に就任したか、教えてください。
○田村大臣政務官 今、野田副大臣がお答えくださっておりますけれども、副会長の後任候補者についてその坂前副会長に相談をしたところ、損害保険料率算出機構副理事長であった牧野氏を坂さんから紹介されて、協会として検討した、牧野氏はその経歴等から、見識、人格等申し分なく、最適任者であると協会として判断をした、そして就任を要請したということでございます。
○西村(康)委員 つまり、官僚の先輩OBが後輩を推薦し、いわば後輩をあっせんする。これは、今の民主党政権の政府の言うわたりには当たりますか、当たりませんか。仙谷大臣。
○仙谷国務大臣 現在の定義では、あっせんに伴うわたりではないということです。
○西村(康)委員 つまり、OBは、後輩を紹介して、推薦してやっても、全く天下りにもわたりにもならないということを今言われたわけですね。OBが集まって何人かで相談をして、そして、では今度は、おれの後には彼にしよう、おれの後はだれにしよう、こう相談することを許されるわけですか。
○仙谷国務大臣 その会社があるいはその団体が、官から全くお金が出ているわけでもない、あるいは委託を受けているわけでもない、そういう純粋の団体の場合に、OBの方々なのかその団体の方々なのかが、あの人はすぐれた人だからうちの団体にもらおうという話があっても、これはあっせんに基づくわたりとかあっせんに基づく天下りとは言わないと私は思っております。
○西村(康)委員 坂さんが牧野さんを、個人的に何の恨みもありませんけれども、たまたまこういう事例ですので名前を使わせていただきますけれども、損保協会の副会長に推薦をし、損保協会副会長になったと。これは、今大臣の答弁された中では問題はないと言われるわけですか。
○仙谷国務大臣 今、そのケースの、おっしゃっておりますが、事実関係がそうであるのかどうなのか、あるいは、その程度の単純なものなのか、もっと違ったケースなのかわからないので、お答えのしようがありません。
○西村(康)委員 田村政務官、損保協会には、補助金その他、国からお金は行っていますか。
○田村大臣政務官 特に補助金などは行っておりません。
○西村(康)委員 仙谷大臣、いかがですか。
○仙谷国務大臣 先ほどお答えしたとおりであります。
○西村(康)委員 損保業界、さまざまな税制の優遇措置があると思います、損保の保険料控除の制度を初めとして。そこに元国税庁長官が、先輩のOBのあっせんで、紹介で、そこのポストについた。これは問題ありますか、ありませんか。
○仙谷国務大臣 私が申し上げているのは、坂さんと損保協会の間でどういうやりとりが交わされたのか、あるいは損保協会がどのような行為を行ったのかがつまびらかにわかっていないので判断のしようがないというふうに申し上げたわけであります。
○近藤委員長 西村康稔君、質問時間が終わっておりますので、御協力をお願いいたします。
○西村(康)委員 それでは、調査をして問題があるかないかを御報告いただけますか。
○仙谷国務大臣 先ほど野田副大臣の方からもお答えしたとおり、この法案を一刻も早く通していただいて、再就職監視・適正化委員会で、この独立した調査権限を持つ委員会で調査をさせていただくということが最もいい姿だと思っております。
○近藤委員長 西村康稔君、質問時間が終わっておりますので。お願いします。
○西村(康)委員 今の答弁は、この法案が通るまでは天下りも裏下りも調査もしないし、全く逃げじゃないですか。答弁していないですよ。(発言する者あり)
いや、つまびらかになっていないからというわけでしょう。それなら調査してくださいよ。(発言する者あり)
○近藤委員長 質疑時間が終了しておりますので、次に移りたいと思います。(発言する者あり)
ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕
○近藤委員長 速記を起こしてください。
次に、西博義君。
〔近藤委員長退席、田中委員長着席〕
○西委員 公明党の西博義でございます。
本日は、連合審査で質問の機会を与えていただいて、ありがとうございます。
私に与えられた時間が十五分ということになっておりますので、早速質問に参ります。
まず初めに、幹部職員の人事一元管理のことについてお伺いをしたいと思います。
省益を超えた国民本位の行政の実現をする、また適材適所の人材を登用する、こういう目的でもって、今回、一元管理という方法が考えられたというふうに考えておりますが、この目的を達するためには、人事を行うときに任命権者が多くの候補者の中から選べるという状況、これが大事なことだというふうに思います。
ところが、現在、省庁ごとに人事の時期が若干とはいえ異なっている、また大きく異なっているケースもあるように見受けられます。各省庁がばらばらに人事を行っていては、実際には多くの候補者から選べる状況にはならないのではないか、こういう疑問があるわけでございます。
この人事の時期について、どういうふうに考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。
○仙谷国務大臣 今回は、幹部職員人事の内閣の一元化ということが一番大事なコンセプトで、そのために法案を出しているわけでございますので、西議員が御指摘いただいたように、実際の実行過程では、総理大臣それから官房長官のいわばリーダーシップのもとに、各任命権者つまり各省大臣とそういう方向で人事をされるのではないか、されるというふうに私は考えております。
○西委員 実際は、それぞればらばらに、現職場で一生懸命に使命を帯びて頑張っておられる人がそこここに対象者としていらっしゃるという状況の中で、必要な人の人事を考えていくということについては効率的ではないんじゃないか、余り、可能性としては少ないといいますか、人事として引っ張れる人が少なくなってくるのではないかという意味では、私は一考の価値があると。すべての人がある程度人選に上がってくる可能性のある時期というのがあり得るんじゃないかというふうにも思うんですが、この考え方はおかしいでしょうか。
○仙谷国務大臣 まさに、そういう時期に合わせて各省の幹部人事を行うというために、今回のこの幹部職員人事の内閣一元管理という目的を設定して、現在の法案を提出させていただいているということでございます。
○西委員 そういたしますと、この対象者も一元的に管理するということと同時に、タイミングもある程度うまく合わせるということも兼ねて行おうというお考えがあるというふうに理解してよろしいんですね。
○仙谷国務大臣 官房長官、総理大臣はそのように動かれることになると考えております。
○西委員 よくわかりました。ありがとうございます。
続いて、先日、国民生活センターの理事長人事に関する新聞報道を拝見いたしました。
独法の役員人事については、公募するということで出発をいたしましたけれども、結局、政務三役が選出したり、それから選考委員会の決定を覆したりする選出プロセスの不透明さが問題になっている、こういう記事でございました。早速手を横に振っていらっしゃる方もいらっしゃいますが。
幹部職員への民間人の登用においても同様に、選出プロセスの透明化をどう図るかということが大変重要な課題であるというふうに思いますがどう思うか、また、透明化するにはどのような具体策があるのか、お答えをいただきたいと思います。
○階大臣政務官 公募の場合の選出プロセスの透明化というお尋ねでございました。
一つには、内閣官房長官が、公募に応募した民間人も対象に含みまして、幹部職に係る標準職務遂行能力の有無を適格性審査において判定し、審査の合格者について、幹部候補者名簿を作成する。それから、任命権者は、幹部候補者名簿に記載されている者の中から、人事評価等に基づき、任命しようとする幹部職についての適性を判断して任用を行う。三つ目に、幹部職員の任命を行う場合、内閣総理大臣及び内閣官房長官と任命権者により協議を行うということです。
要すれば、公募につきましても、通常の役所の中からの幹部職の登用と同じように適格性審査を公平中立に行い、かつその適性を見るときに有識者の判断を交える。そして、最後に、任命権者は内閣総理大臣や官房長官とも協議して最終判断をするという中で透明性が確保されてくるのではないかと考えております。
○西委員 民間人材登用・再就職適正化センターについて、次にお伺いしたいと思います。
再就職のあっせんについて、政府の使用者責任を組織の改廃の場合に限るというふうになっておりますが、人員の問題や政策展開のために行ういわゆる早期退職勧奨、これについても、これは政府の都合ということにはならないのか、これを限定していることに整合性はないのではないかというふうに思いますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○大島副大臣 お答えをさせていただきます。
早期退職勧奨は本人が同意して退職に応じるものであり、必ずしも政府の一方的な都合で離職するというわけではございません。一方、組織の改廃の場合の分限免職は、本人の同意の有無にかかわらず離職せざるを得ないものであると考えております。
このような相違があることから、組織の改廃等により離職せざるを得ない職員に限定して支援を行うこととしているものであり、整合性に問題はないと考えております。
○西委員 そういたしますと、組織とは言えないかもしれませんが、一つのポストをなくしたりというようなケースについては、これもどういうふうに理解をしていいのか、お答えをいただきたいと思います。
○大島副大臣 お答えをさせていただきます。
組織の改廃ですから、一つのポストをなくしていることが対象になるかというと、ならないという理解をさせていただいております。
○西委員 一つのポストだとどこかで補充ができるという発想かと思います。少数の場合とか、二つ、三つぐらいだったらどこかで吸収できるかとか、そこまでいくと非常に微妙な部分も出てくると思いますが、十分整合性のとれるような感じにしていただきたいということを要望しておきたいと思います。自己責任か、それともそうでないのかということが対象だとするならば、そこは十分な理解ができるような形にすべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
新しいセンターは何人の再就職のあっせんを想定しているのか。大きな組織改廃の場合は対応できないのではないかというふうに考えます。あっせんの対象には独法の改廃のケースも含まれるのか。この点についてお答えいただきたいと思います。
○大島副大臣 いろいろと御指摘いただきまして、ありがとうございます。
民間人材登用・再就職適正化センターの行う再就職支援は、組織の改廃等が行われ、職員が離職せざるを得ない場合に限定して行うものであり、年間何人という想定をまだしておりません。大規模な組織の改廃等が生じた場合には、これは仙谷大臣が御指摘していただいていると思うんですが、民間の再就職支援会社の活用や非常勤職員の活用を行うことで、できる限り発足時の組織で対応していきたいと思いますけれども、必要な場合には増員要求を検討することになるかもしれません。
今、先生御指摘の、独立行政法人の改廃があった場合、当該職員は民間人材登用・再就職適正化センターの支援の対象になるかどうかということなんですけれども、公務員型と非公務員型がありまして、公務員型の場合には対象になると想定をしております。
○西委員 これは前政権の時代だというふうに伺っておりますが、現行の官民人材交流センターの約一年間のあっせん実績は四百八十三人というふうに伺っております。その内訳は、独立行政法人や特殊法人十九名、社団・財団法人二百七名、それから民間会社が百二十二名、その他百三十五名。このその他は、医療法人、社会福祉法人、学校法人、各種組合などの団体であるというふうにお伺いをいたしました。
今後、事業仕分けで独立行政法人等の廃止も検討されるなど、再就職先が少なくなる方向のように思いますが、このような状況では、センターは再就職あっせんの機能を本当に果たせるのかどうかということが私は疑問でございますが、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○大島副大臣 西委員の質問にお答えをさせていただきます。
組織の改廃等により再就職を行うこととなった場合、法人の種類にかかわらず、多数の求人を求めることは、センターが職員の能力、適性を踏まえた再就職支援を行う上で重要な課題となると考えております。
特に民間企業への再就職の推進は重要であると考えておりまして、今後、組織の改廃等が行われ、センターで再就職支援を行う場合には、広報等を行うなどにより、民間会社も含めた求人の確保を図ってまいりたいと考えております。
西委員の御指摘のとおり、民間企業でも再就職の支援というのは非常に大変だということは、私の経験から承知をしておりまして、このセンターにおいても、十分その点は手当てをしていきたいと考えております。
以上です。
○西委員 この人材交流センターの内訳を見ますと、さすが、やはりというか、独法・特殊法人、社団・財団、その他でも、医療法人、社会福祉法人、学校法人、各種組合。政府にとって御縁のあるところは強いけれども、なかなか民間には難しいな、こういうことでしょう。民間でも非常に政府と強いつながりのあるところがあるわけですから、そういうところなのかなと、そこから先は追及はしておりませんが、なかなか現実は厳しい。こういう周辺のところに再就職という形になっているなというのが印象でございます。
それ以外の民間の開拓、これは厳しいながらもやはりどんどんやっていくべきだ、またそうしていかないとなかなか今後の展開がうまくいかないというふうに指摘をしたいと思います。
時間がもう迫ってまいりました。
最後に、四月の九日、この内閣委員会で同僚の高木美智代議員が、再就職あっせんに関して、常時設置する必要があるのかという質問をされております。そこで、仙谷大臣は、再就職適正化センターの職員の業務について、あっせん業務がないときは担当者は連絡調整など総務課の他の業務に従事していると答弁をしておられます。
それでは、あっせん業務が必要となったときその総務課の事業はどうするのかという矛盾が生じてくるわけでございます。両方できると強弁するなら、そんな人員配置は無駄だということになります。
政府の事務局からは、再就職適正化センターの体制は具体的な組織の改廃に応じて再編されることとなるというふうに説明を受けました。先ほども御説明ございましたが、やはり高木委員が指摘するように、アドホック的に対応するということにこれはなっているのではないかというふうに思いますが、この点についての確認をしたいと思います。
○大島副大臣 お答えをさせていただきます。
民間人材登用・再就職適正化センターにおいて、再就職支援は総務課の業務としており、その担当は通常は連絡調整など総務課の業務に従事することとしております。再就職支援が必要となった場合には再就職支援業務に従事し、当該職員が行っていた総務課の業務は他の職員が行うこととなります。
一般的に、業務に忙しいときと忙しくないときがあるものですから、その中で必要最小限の人員体制で効率的に業務を遂行するためには、このような柔軟な対応を行うことが必要であり、無駄という御指摘には当たらないのかなとも考えております。
再就職支援を行う場合には法律上の根拠が必要であると考えておりまして、民間企業においても整理解雇の場合に解雇回避努力義務があります。民間の整理解雇に当たる、組織の改廃等により離職せざるを得ない者については、分限免職回避の努力の一環として、内閣総理大臣が再就職支援を行うこととし、その業務をセンターが行うことを国家公務員法で規定しているものと考えております。
このような規定を置くことによって、組織の改廃等が行われる場合、センターが迅速に再就職支援を行うことが可能になりまして、センターの再就職支援の実施体制を適時見直すことはあっても、再就職支援を行うこと自体はあらかじめ国家公務員法上規定しておく必要があると考えております。
以上でございます。
○田中委員長 もう時間が参りましたので。
○西委員 組織の改廃の年次計画というものがない限り、それは常時行われるものであるということにはならないというふうに思いまして、私は、それは必ずしも必要ない、こう思っております。
以上です。
○田中委員長 午後三時五十五分から連合審査会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後二時五十二分休憩
――――◇―――――
午後三時五十八分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。高木美智代さん。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
まず、原口大臣に確認をさせていただきたいと思います。
けさ内閣委員会に御出席をいただきまして、その折に、大臣から、今後の人件費総額等の話からでございますが、「四月、四大臣会合をもう一回行いまして、そこで第一弾目、来年度に向けた新採、」新採用ということでしょうか、また、「定員管理についての基本的な考え方をもうじきお示しできる、これが私からの答弁でございます。」ということで、自民党の長島議員に対しまして答弁がございました。
それから、以前私、階政務官に対しまして質問させていただきまして、そのときに、退職管理基本方針、これにつきまして検討項目ということで三点、答弁をいただき、その際に、「四月中をめどに努力してまいります。」というお話で、私からは、「まとまり次第、この委員会への提出を求めたい」、このように申し上げたところ、「可能な限り、委員会の御判断があれば、対応したい」、このような答弁をいただいております。これは同じ話なのかどうなのか、大臣にお伺いします。
○原口国務大臣 高木先生、午前中に引き続き、ありがとうございます。
同じ話でございまして、これは人事管理の基本的な考え方、つまり定年まで勤務できる大臣管理による人事権、それから公務員の意識改革、公務員人件費の抑制、それから、ただただ削るだけでは公務員の士気も落ちてしまいます、公務員の活力の確保それから経験の多様化、こういったことを柱に、四大臣で来年度の人事管理をどのようにするかということの最終の詰めを行っているところでございまして、午前中、長島先生にお答えをしたことと、その階政務官の答弁がどれを指すかというのは、私も議事録を見てみなければいけませんけれども、違わないものと認識してくださって結構です。
○高木(美)委員 それでは、内閣委員会、今この公務員制度改革につきまして検討中であり、御承知のとおり、採用からそしてまた出口の退職管理に至るまで一貫したこのような管理が必要であると思っております。大変重要なポイントでもありますし、その内容につきまして委員会に速やかに提出を求めたいと思いますが、大臣の御見解、いかがでしょう。
○原口国務大臣 まとまり次第、これもまさに委員会の御判断でございますが、私どもの方として可能なものを出させていただきたいと思います。
○高木(美)委員 その折に、試算はどのようにされるのでしょうか。当然、総人件費の抑制に向けまして、さまざま検討項目、おまとめになられた上で試算までされるのかどうか。
○原口国務大臣 その試算という、委員がおっしゃっている意味がよくわからないんですが、シミュレーションという意味なんでしょうか。例えば、六十五歳までに定年延長をすると単純計算でどのようになるかとか、それから、仙谷大臣も、これは過去、記者会見でしたか触れておられたと思いますけれども、次官という、こういうピラミッドではなくてもう少し台形にならないかと、そして定年まで勤め上げることができる、そういうことについての単純計算という意味では、それはもう指示をしておりまして、たしかこれは総務委員会にも一部提示をさせていただいているところではないかというふうに承知をしております。
○高木(美)委員 それでは、ただいま大臣から御答弁がございましたシミュレーションもしくはそのような試算につきまして、あわせて提出を求めさせていただきますので、理事会におきまして検討をお願いしたいと思います。
○田中委員長 理事会で検討させてもらいます。
○高木(美)委員 それでは、続きまして、前回の官房長官に対する質疑の中で、私は、公務員制度改革に対する全体像、それから工程表の提出を求めました。本日朝、理事会におきまして、基本法に定められた措置の今後の検討方針という七枚紙をちょうだいいたしました。これはまさに、チェック項目のような形になっております。ほとんどの、十五項目あるうち十四項目が、法制上の措置が必要なものについては次期通常国会までに法案提出という、このような内容になっておりまして、要するに、検討がほとんど行われていないまま本法案が提出されたのだなということがよくわかったわけでございます。
また、ただいま大臣の御答弁にありましたとおり、退職管理基本方針、総合的なあり方につきましても、本来であれば、それが検討された上で公務員制度改革のこの法律が出されるべきではないかと思っております。順番が逆であるということを指摘させていただきます。
そして、次の質問ですが、官民人事交流について原口大臣にお伺いをいたします。
この官民人事交流を今後どのように推進されるのか、またどこが今後担っていくのか、答弁を求めます。
○階大臣政務官 官民人事交流の具体的な進め方ということです。これは先ほども別な方の答弁でお答えしましたけれども、民間企業での勤務経験を、特に中堅幹部職員を中心に進めていこうということで、今現在、国から民間にこの人事交流で行っているのは三十人程度だというふうに承知しておりますが、これを、官民交流の派遣基準を見直すことでさらに拡大していこうということでございます。
それから、委員が前回御提案くださっていた、民間シンクタンクなどへのより活発な交流ということでございますけれども、こちらにつきましても、先ほども答弁しましたが、直近では三百五十六人程度だということで、これをさらに派遣要件を見直して拡充していきたい。
もう一つ、独立行政法人などへの出向についても、直近で八十五人という数字になっておりますが、これを、出向対象法人を拡大することなどでさらにふやしていきたいというふうに考えております。こういったことを総務省で取り組んでまいりたいと思います。
○原口国務大臣 加えて答弁させていただきますが、民間企業での勤務経験の拡充というのは、これは今は若手が中心なんですね。私たちは、あっせんによるさまざまな天下りということについて禁止事項を置いております。ですから、これを中堅幹部職員にするということで御理解をいただきたいし、民間シンクタンク、独法、さまざまなところへの交流をふやしていきたい。
それで、先ほど順番が逆じゃないかとおっしゃいましたけれども、そこはぜひ御理解をいただきたいのは、私たちは与野党で合意をして公務員基本法、これは理念法をつくっているんですね。そしてその上で、これは私が起草者にならせていただきましたけれども、公共サービス基本法という法律をつくっているわけです。これが大きな枠なんです。
そして、その工程については、やはり出先機関、三十万人のうち二十万人は出先なんですよ、その出先についてどうするか、事業仕分けではなくて、権限仕分けをして、国、地方協議の場で議論をしないことには、それは詰まらないんです。一方的に私たちが、この出先機関は、はい、都道府県に渡しますよ、基礎自治体に渡しますよ、これはできない。ですから、今のようなお答えになっているということをぜひ御理解いただければと思います。
○高木(美)委員 私は、もう少し大枠の、要するに、新政権としての公務員制度をどのように考えるか。例えば、当初、早期退職勧奨は禁止するとかしないとか、さまざまな論議がありました。その中で、どのようにお考えなのか等々含めまして、全体像が欲しい、工程表が欲しいと思ったことでございます。また、そうしたベースがあって、その上で、本委員会と、また、きょうは連合審査でございますが、そこでよりよい審議ができるのではないかという点を指摘させていただいたということで、ただいまの大臣のお話はよく承知をさせていただいております。
今、もう一つ私は質問いたしました。この官民人事交流、どこが主体となって行っていくのかということにつきまして、重ねて答弁を求めます。
○階大臣政務官 これは従来、人事院と官民人材交流センターというところが主にやってきたことかと思いますけれども、引き続き、人事院の方もかかわりますでしょうし、それから、官民人材交流センターを廃止して再就職監視センターをつくりますので、再就職監視だけではなくて官民人材交流の方も担当しますので、そちらもかかわってくる、こういうことだと思います。
○高木(美)委員 例えば、十八条に規定されておりますこの官民人事交流につきましては、これは内閣総理大臣の仕事であるということで、官邸が支援をするというのが一つ。恐らく総務省の人恩局がこれを支えていらっしゃる、担っているというのがこの一つのやり方ではないかと思います。もう一つは、各省中心でやっております。ここは、官民人材交流法にのっとって、人事院がかみながらやっているというのが現在ではないかと思います。
そうしますと、これからこうした官民人事交流は、先ほど指摘があった民間人材登用・再就職適正化センター、ここで行うのでしょうか。それとも、今総務省の人恩局という主体がありますので、ここでも当然できると思いますし、また、各省中心の、人事院がかむこちらの交流法を使っての交流もできるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○階大臣政務官 恐れ入ります。今突然の御質問ですので、必ずしも答弁は準備しておりませんけれども、人恩局としましても、委員が先日来御指摘であります退職管理基本方針というものを今三大臣の御指導のもとつくっている途中でございますので、そういった形で、その官民人事交流の設計に加わっております。そういった中で、引き続き、総務省の人恩局もかかわってくるのではないかと思っております。
○高木(美)委員 重ねまして、幹部職員についてですが、一般からの公募につきましては内閣人事局が今後担うということで間違いないでしょうか。
○大島副大臣 内閣人事局が担当させていただきます。
○高木(美)委員 それで、民間人材登用・再就職適正化センター、先ほど我が党の西委員からの質問にもありました。ここでも、民間人材登用センターでこうした官民人事交流も行うという話なのでしょうが、当然、そこのところは各省中心でやり、また総務省の人恩局もかみながらやりということを考えますと、ほとんどこれは、どこまでこれから期待できるのかなという率直な思いがございます。
もし、今後、官民人事交流が実質各省でできる、そしてまた十八条にのっとって総務省人恩局でできるというのであれば、このような形のセンターというのは必要ないのではないか。特に、再就職適正化センターにつきましては、先ほどもありましたとおり、組織の改廃に伴う再就職の支援を行うとしておりますけれども、国鉄も法律をつくり、社保庁も閣議決定で行い、その際の再就職の援助規定を法律、閣議決定の中に盛り込んだという経緯から考えれば、このセンターというのは私は不要ではないかというふうに考えております。
ここは自民、みんなの党も、このセンターは要らない、このような見解のようでございますけれども、不要ではないか、無駄ではないかという考えでございます。このことにつきまして、総務大臣の見解はいかがでしょうか。
済みません、午前中に質疑をさせていただく予定でしたが、そこで漏れておりましたもので、今質問をさせていただいております。恐縮です。
○原口国務大臣 午前中とセットで質問されているんですね。答弁書をちょっと用意しないといけませんので、させていただきたいんですけれども。
やはり、今おっしゃったような官民の交流、これからは、回転ドアと申しますか、先ほど申し上げました人事管理の基本的な考えの中で、経験を多様化したいんです。民間等の他分野での勤務経験を通じた公務員の意識改革。ともすれば、これまで公務員というのは公務員の中で閉じていました。私たちは、新しい公共ということで、税制も今度変えたい、公助の分野についても変えたい、こう考えております。
そういう意味でも、それから、あっせんによるまさに肩たたきということがもうなくなるわけですから、先ほど、谷委員が御質問をされたと思いますけれども、その分はやはり外へ行けなくなるというのも事実でございます。今回一千人ぐらいが勧奨退職という数字を出させていただいたと思います。そういう意味からも、この法案にあるセンターは必要であるというふうに考えております。
○高木(美)委員 どうも話がかみ合っていないようです。今まで行われてきた官民人材交流センターにおきましては、ここはむしろ再就職のあっせんをしっかりやっていたわけです。
私が申し上げているのは人事交流の話です。ですから、その人事交流を担っているのは、本来、法律にのっとれば総務省の人恩局であり、そしてまた人事院を中心にした各省ではないか、こういう考え方です。そこをどこまで掌握していらっしゃるかという話になるわけですが、当然、民間人材登用・再就職適正化センター、ここでそうした人事というものが交流が行われないのであれば、またそうしたものが見込まれないのであれば、こうしたセンターは不要である、このことを申し上げているわけでございます。
○原口国務大臣 委員がおっしゃるように、総務省の人恩局は総合調整とか企画ということをやります。ただ、民間企業との人事交流は、人材育成、行政運営の活性化、先ほど申し上げたような官民の相互理解の促進などを目的とするものでございまして、国家公務員制度の改革基本法等においても推進、拡大すべき旨が明記されているところでございます。
他方、官民の人事交流というのは双方の合意があって初めて実現できるものでございまして、これまでも経済三団体の協力のもと、民間企業向け説明会等をセットするということで、民間側にも同様にメリットがありますよということをアピールして、理解と協力を求めてきたところでございまして、今後とも、官を開くことによって公務員の意識改革を進める観点から、なお一層民間側の努力、御協力を求めるとともに、公務の公正性にも反しない範囲で制度や運用の改善に向けて努力してまいりたいと思います。
委員がおっしゃるように、人恩局で企画や支援はできますけれども、しかし、それを一義的に今回の制度によってさらに担保していこうという趣旨でございますので、御理解をいただければと思います。
○高木(美)委員 恐らく各省庁が現実的には実施をするような形になると思いますので、それを官邸を挙げてこのようなセンターで実施するということは、今後見てまいりたいと思いますが、私は今の段階では不要であるということを再度申し上げさせていただきます。
あっという間に時間が迫ってまいりまして、退職手当制度、それから共済年金制度につきまして、質問させていただきます。
まず、総務大臣にお伺いいたしますが、退職手当制度を所管していらっしゃるのは総務省でございます。ここに、第三者機関を関与させるとともに、民間企業の退職金の実態調査につきまして根拠規定を明確に設けてはいかがかと思っております。
人事院はこうしたことにつきましても調査はしておりますけれども、退職手当につきましての勧告権を持ってはおりません。給与についての勧告権だけでございますので、この人事院に勧告権を与えてはいかがか。今、民間より高いという批判がある中で、やはり公正性を担保するということも必要ではないかと思っております。大臣、いかがでしょうか。
○原口国務大臣 高木委員にお答えいたします。
一つの考え方であると思いますけれども、私たちは今、労働三権の回復ということを基本法の中でも射程に入れて、当時の与党の法案責任者と議論をしてきたわけです。その労働三権の回復とあわせて、人事院のあり方についても一緒に検討していくことになっておりまして、抜本的な改革の中で、第三者機関としての人事院のあり方そのものを検討しておりますから、今、退職手当制度のあり方について、そこに勧告権を直ちに付与するという議論は、先ほど委員が最初におっしゃった、全体の改革を示せと、全体の改革の中からすると、その中の一部を取り上げて今勧告権を付与するということは私たちは考えておらないというふうに御答弁をさせていただきます。
○高木(美)委員 それでは、時間が参りましたので、野田副大臣には大変申しわけありませんが、あわせて勧告権につきまして今後御検討をいただければと思いまして、お願いだけさせていただきます。
ありがとうございました。
○田中委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。
幹部人事の一元管理、適格性審査における中立公正性の確保について質問をいたします。
幹部公務員の人事が、内閣一元管理の名のもとに情実人事や党派的人事がまかり通り、憲法の規定する全体の奉仕者を保障する中立性、公正性という国家公務員法の基本原則が取り崩されるようなことがあってはなりません。
幹部人事は、官房長官が行う適格性審査で標準職務遂行能力の有無が審査をされ、その能力が認められ、幹部候補者名簿に登載された中から幹部職への適性によって任用されるという仕組みが提案をされております。この審査において中立性、公正性が担保されるのか、政治家による情実人事、党派的人事は排除されるのかが問われているわけです。
第一段階となるのは標準職務遂行能力ですから、この審査をする適格性審査についてお尋ねをいたします。
客観的かつ公正に行われることが必要なわけで、原口大臣にお尋ねいたしますが、先日の内閣委員会の質疑におきまして、渡辺副大臣においでいただきました。標準職務遂行能力に基づく人事評価を具体的に定めるのは総務省だと承知をしておりますが、渡辺副大臣は、この標準職務遂行能力に基づく能力評価は非常に難しい、正直言って客観的に評価できないものは非常に多いと答弁をしておられます。
この標準職務遂行能力について、客観的に評価できないものが多いという点については原口大臣も同じ認識でしょうか、お答えください。
○原口国務大臣 平成十九年に成立した改正国家公務員法に基づいて、能力・実績主義、人事管理のための人事評価制度を実施しておるところでございまして、この制度においては、職員の人事評価は、職員が発揮した能力の程度を評価することにより行う能力評価と、職員が果たすべき役割を果たした程度を評価する業績評価、この二つになっています。
能力評価を含む人事評価については、評価者が被評価者である職員とできるだけ接する機会を設け、日常の業務監察等をしっかり行うことにより適切に行うことができるものと認識しています。
人事評価は、塩川委員、日々やはり進化しています。その人事評価を科学する、基本的に人が人を評価するという困難性は、渡辺副大臣が申したように、ございます。しかし、それが的確に行われるように、評価者に対する適宜適切な研修、講座あるいは制度の周知及び運用支援ということを推進していて、多くの企業やあるいは福利厚生についてしっかりとしたところは評価の基準がより明確であり、そしてその予見性が高いというのも事実でございますので、困難性があるからといって評価を行わないという意味ではございませんので、御理解をいただければと思います。
○塩川委員 困難性はあるということでございました。
そこで、幹部職の標準職務遂行能力は、この委員会の答弁の中でも確認されていますけれども、標準職務遂行能力で適格性審査の枠をつくっていくことになるわけです。現在の幹部級は、部長級以上の標準職務遂行能力があると一応認められた人たちになっているわけですけれども、その数は六百人。
そこで、どなたでも結構なんですが、ちょっと教えていただきたいのが、幹部候補者名簿にはどれだけの候補者を載せるというふうに考えておられるのか、目安で結構なんですが、お答えいただけますか。
○大島副大臣 質問にお答えをさせていただきます。
適格性審査を通った人が幹部職員の名簿に掲載されるわけでして、今のところは六百人が幹部職だというとらえ方をしていますけれども、将来的には、その数については、適格性審査を合格された方ですから、六百のポストがあったとしても、それよりもふえるということを想定しております。
○塩川委員 六百よりもふえるのは当然で、それが一・五倍なのか二倍なのか三倍なのかというのは今後の制度設計との関係だと思います。その際に、もちろん、民間からの公募という形で入る方もいらっしゃるわけですが、少なくない人数というのは、部長級以下の課長職などから名簿に入れていくという制度設計に当然なると思うんです。
そこで、総務省になるんでしょうか、幹部候補者名簿に一定数の数を確保するとなると、その対象の一つとなるのは現在の課長級の人たちになります。標準職務遂行能力をとりますと、部長級と課長級というのも余り大きな差がないというのが実態で、そういう点では非常に抽象的な表現で、微妙なところがあるわけですね。そうなると、現在課長級の職員が部長級に上がるための評価というのはどうなっていくんでしょうか、それは総務省としてお考えのところはどうでしょうか。
○階大臣政務官 この委員会でも何度かお答えさせていただいておりますけれども、私どもは、課長以下と部長以上は一線を画して、部長以上は一元管理、ワンプールで扱うというふうにしております。
そこで、部長に上がるときに、職務遂行能力がちゃんとあるかどうかというのをチェックしなくちゃいけない。そこで我々は、有識者の意見なども踏まえて、基準に当てはまるかどうかというのを公平中立に判断していくということで、課長までの、役所の人事課がチェックして上がっていくものとは、部長に上がるときはその審査の手続、方法が変わってくるということだと思います。
○塩川委員 課長級が部長級に上がるというのは、適格性審査の枠に入っていきますから、そういう意味でいいますと、政治家の官房長官が行うことになってくるということなわけです。
本来、仕組み上は、人事評価の基準そのものは使用者としての総務省が定めるものですけれども、その人事評価を踏まえて実際の任用をどうするのか、任用の仕組み、基準というのは人事院が定めるというのが国公法の仕組みだと考えますが、そのとおりでよろしいですか。
○大島副大臣 適格性審査、その任用の基準、そしてどのような方を任用していくかの手順については、先ほど階政務官が答えましたとおり、内閣の人事局、そして第三者の意見を聞きながらその制度設計をしていくことになると考えております。
○塩川委員 そういう意味では、内閣人事局が行うという話でありますけれども、従来であれば、国家公務員法の三十三条の任免の根本基準にありますように、任免に当たっての基準、必要な事項は人事院が定めるとなっているわけです。
そういう点で、今回の適格性審査も、そういう意味ではその審査の対象の大きな一群として課長級の職員の評価があるわけで、部長への昇格、任用に向けて、これまでは、中立性、公正性を確保するために、任用に当たっての基準の作成に第三者機関の人事院がかんでいたわけですけれども、今回の法案ではそういう仕組みになっていないということでよろしいですね。
○大島副大臣 この幹部職員の任用等に係る特例に関する事項については、幹部職員の適格性審査や幹部候補者名簿の作成等の仕組みが法律、政令で定められているものであることから、当該事項については、人事院規則を定めることは想定をしておりません。
○塩川委員 人事院の関与がないということであります。そういう点で、第三者機関として、任用に当たって中立性、公正性を確保するという役割を人事院は果たしてきたわけですけれども、それが外れるといったときに、この中立性、公正性をどう確保するのかということが、出発点に戻りますけれども、問われてくるわけです。
そこで、この適格性審査に係る政令がどうなるのか、政令案の骨子について示してもらいたいというのを委員会でも理事会でも要望してまいりました。そこで、きょうの理事会でいただいたものが、適格性審査についてというペーパーでございます。
読み上げますと、適格性審査は、幹部職に係る標準職務遂行能力の有無を判定するための審査、客観的かつ公正に行われることが必要、適格性審査の基本的な進め方については、民間有識者等の意見を聴取、個別具体的な審査は、例えば人事評価、職務履歴等に関する書類や面接の結果をもとに、必要に応じて民間有識者等からも意見を伺いながら審査を行うことを想定とあるんです。
これは委員会での答弁を起こしていただいたということで、これはこれで、このペーパーをベースに今後の議論があるわけですけれども、求めていましたのは、政治家の関与をどう排除するのかということをどう担保するのかという点であるわけです。その点で、政治家の関与を排除するためのどのような仕組みをつくるつもりなのかというのは、これを見る限りは明らかでない。
大島副大臣は、政治家の関与を排除する、そういうことをおっしゃっておられたわけでして、審査過程から政治家の関与を全く排除するというのも政治の恣意性を取り除く一つの方法であるわけですけれども、その点、どういうことを考えているのかというのを改めてお聞きしたいんです。
○大島副大臣 今先生御指摘であった、適格性審査の政治的な恣意性を排除することが大切だと思っておりまして、ですから、制度設計等については、これは政治の責任で制度設計を行い、そして、適格性審査については、ここに述べてありますとおり、人事評価、職務履歴ということで、その人事評価、職務履歴、手元に、去年始まりました新たな人事制度ということで、今回の解説したものがあるんですけれども、今ですと、能力評価とかあるいは業績評価をもとにしながら人事評価を行っています。
ですから、このような資料に、多分、現職、課長の皆さんが適格性審査を通るときには、今までの勤務実績、あるいは、今後は人事評価に基づきながら、どうやって政治的な恣意性を排除するかについては、これから制度設計をしていく中で、有識者の意見を踏まえながら制度を設計していきたいと考えております。
○塩川委員 ですから、そこが一番この委員会での議論の焦点の一つとなっているところで、だからこそ、皆さんは、恣意性の排除というのであれば、今後の話ではなくて、この委員会の場での議論に付すべきじゃないのかということを申し上げてきたわけですし、私も、その点で、適格性審査に係る政令案の骨子について、ぜひお示ししていただきたいということを求めてきたわけです。
政治家の関与の排除というのをどういうふうにつくるのかというので、そういう立場での政令案の骨子というのを出していただきたいと思うんですが、改めていかがですか。
○大島副大臣 塩川先生のお話については、要は、今、制度設計をしておりまして、これまで述べましたとおり、客観的な第三者の有識者の意見も聞きながら制度設計をしておりますので、それでできるだけ中立的に適格性審査が行われる仕組みをつくっていきたいと考えております。
○塩川委員 人事院にお尋ねします。
こういった政治家の関与についての事例として、イギリスの事例についてお尋ねしたいんです。イギリスにおける中立公正確保のための幹部職任用の仕組みがどうなっているのか、政治家の関与がどうなっているのかについて、お尋ねをいたします。
○小林政府参考人 お答えいたします。
まず、英国におけます幹部人事の仕組みでございますが、基本的には、行政官の最高ポストでございます内国公務の長、この人事につきましては、現職の内国公務の長が作成した候補者名簿の中から、首相が決定して任命するということにされております。
それから、事務次官につきましては、法令上、内国公務の長の推薦に基づいて首相が任命する。その他の局長等、トップ二百と言っていますが、トップ二百の職員につきましては、内国公務の長の推薦に基づいて首相の承認を得るということになっております。ただし、首相のこれらの任命にかかわる権限については、内国公務の長に委任されているという形になっております。
お尋ねの、中立公正性を確保するための仕組みということでございますが、実際の任命手続におきましては、成績主義の原則に基づきまして、一定の独立性を与えられました幾つかの委員会が審査、承認等を行うという仕組みになっております。
具体的には、まず、内国公務の長が議長を務めます幹部リーダーシップ委員会、ここが、任用に当たりまして、公募にするのか内部異動にするのか、いずれによるのかを決定いたします。これに基づきまして、公募の場合につきましては、人事委員会の委員あるいは当該ポストの上司等から成ります選考委員会、ここが候補者の専門知識あるいは能力等に基づきまして順位をつけます。その最上位の候補者を提示して、これに基づいて任用が決定されるとなっております。また、その任用に当たりましては、人事委員会の承認を得るということにされております。
したがいまして、首相、大臣は、これらの選考過程に直接関与するということはできませんが、大臣につきましては、選考基準となります募集ポストに求められております専門知識とか経験などについて、選考委員会に意見を述べるということができる形になっております。
また、選考委員会の順位づけにつきまして、これに反対という場合につきましては、理由を付記しまして差し戻すということができるようになっておりますが、このような差し戻しの例はほとんどないというふうに聞いております。
○塩川委員 今御答弁がありましたように、選考過程に政治家は関与できないという仕組みであります。
これは一つの事例だと思うんですけれども、仙谷大臣、いかがでしょうか。こういった、イギリスでは政治家が関与しない仕組みを考えているわけですけれども、日本の場合にはどういう事例を考えているのか。よろしいですか。
○仙谷国務大臣 適格性審査をどのようにするのか、午前中にもお答えを申し上げましたが、民間会社でいいますと、幹部試験をどのようにするのか、こういうことでありましょう。
日常の人事評価が、課長さんなら課長さん、手を挙げた課長なら課長について、当然のことながら、職務履歴ともども、その適格審査をする部署に上がってきていると思います。さらにそこから、口頭、口述試験といいましょうか、面接試験のようなものをどのような委員会の中でやるのかどうなのかというふうなことがこれからの課題になってくる。
私はそういうふうに考えておりまして、そこに有識者を含めるのかどうなのか、あるいは、政治家の関与を、今塩川議員がおっしゃっているように限定的にするのか、全くない、そういう選考委員会のようなものを改めてつくるのか、適格性審査委員会というふうなものをつくるのか、それはちょっと、民間の事例等とも参考にしながら、熟考を要するかなと思っているところであります。
○塩川委員 改めて、この適格性審査に当たっての政令案の骨子で、政治家の関与をどのように排除するのかという考え方について、ぜひ委員会にお出しいただきたい。その点、お諮りいただきたいと思います。
○田中委員長 理事会で諮ります。
○仙谷国務大臣 いつの間にか政治家の排除という話になっていますが、そもそも、きょうの議論の始まりは政治家の恣意性を排除しようというお話でございまして、政治家がこの適格性審査に、例えば官房長官とか、あるいは内閣人事局長も政治家の方がなる可能性もございますので、政治家の排除というふうなつもりは全くありません。
○田中委員長 時間が参りましたので。
○塩川委員 それでいいのかということも含めて、具体的な案についての提示をいただきたいということを求めて、質問を終わります。
○田中委員長 次に、柿澤未途君。
○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。
きょうは、先日、内閣委員会の方に提出されました総務省さんの資料をベースに質疑を行わせていただきたいと思います。
今、委員、諸先生方のお手元にはその書類が配られていると思います。
まず、この一枚目の資料なんですけれども、退職勧奨を拒否した人数ということであります。本府省の課長・企画官相当職以上の者に関して、退職勧奨に応諾して退職した人数八十三人。そして、その隣の欄をごらんいただければわかるとおり、退職勧奨を拒否した人は、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロということで、ゼロ人ということになっています。要は、退職勧奨を拒否した方というのはゼロだ、こういう資料でありますけれども、これは驚くべき、信じられない、こういう資料ではないかというふうに思います。
十四日の内閣委員会の質疑で、中川秀直議員が、退職勧奨を受けて退職した者の中で退職勧奨を拒否した者、退職勧奨、勧奨退職しているわけですから、これは理論的にゼロになるわけですけれども、こういう数字を出せと言っているわけではなくて、退職勧奨を行いました、その中で受けた人が何人、それを拒否した人が何人、こういう内訳を数値として出してくださいということで出てきたのがこの資料なわけです。
ということは、退職勧奨を行った人数が八十三人、本当だったら、例えば七十人が退職して十三人が拒否したとか、こういうことだったらわかるんですけれども、八十三人が全員、わかりました、退職しましょうということで、拒否した人は、拒否というか、私は退職しませんと言った人は一人もいなかったというのは非常に不自然ではないかというふうに思いますが、この資料は、今申し上げたような前提で調査をした資料であるということで間違いありませんか。
○原口国務大臣 これは、総務省において各府省等に退職勧奨を行った人数等に係る事実関係を照会し回答を取りまとめたものでございまして、各府省等からの回答によれば、退職勧奨が拒否された事例は存在しておりません。
○階大臣政務官 補足させていただきます。
前回の、四月十四日でしたか、中川委員の御指摘を受けて再調査をしました。
確かに、委員御指摘のとおり、拒否した人がゼロというのはおかしいんじゃないだろうか、八十三人よりもっとたくさんの人に声をかけて、何人かは断った人がいるんじゃないかということを私どもも考えて再調査をしたんですけれども、そういう事例は、この範囲といいますか、企画官以上の部分ではなかった。
そして、多分、きょう別な資料を、企画官未満の数字についても出させていただいたと思いますが、そちらについてごらんになっていただくと、拒否した人は実際にいるということでございます。
それにつきましても、全体で見ればわずかなわけでございますけれども、なぜそうかといえば、いろいろ役所の慣行で、声をかける、肩をたたく際に、この人だったら応じてくれるかなというところをまず大体見た上で声をかける。また、声をかけられる人も、自分の先輩とかを見ながら、そろそろ自分も声がかかりそうだということは何となくわかるんだそうです。そういう中で退職勧奨というのが行われるので、必然的に断る人は少なくなる、こういうことだそうです。
○柿澤委員 九日の内閣委員会で、階政務官自身が、今おっしゃられたことをある意味では否定する答弁をあらかじめされておられるんです。いわく、天下りあっせんとセットでなければ、退職勧奨をもしやるとしても、それに応じてやめられる方というのはごくごくわずかになる、そういう試算もしておりますということをおっしゃられているんです。
ところが、現実は全く逆で、課長、企画官以上ですけれども、一〇〇%退職勧奨に応じているということになっているわけではないですか。これは九日の階政務官の御答弁とどう整合するんですか、しないんですか。
○階大臣政務官 別に矛盾はしないと思っていまして、前回申し上げたのは、あっせんつきの退職勧奨がなくなります、これからはあっせんのない退職勧奨しかしません、こうなってくると必然的に声をかけることは少なくなりますし、もし声をかけたとしても、あっせんがなければそれは応じられない方はふえるだろう、こういうことを考えて申し上げました。
それで、今申し上げたのは、これまでも行われてきましたけれども、実際の退職勧奨については先ほどのような慣行のもとで行われておりますから、それは断る人は少ないのはさもありなんということを申し上げました。
○柿澤委員 現実にはこういうことで、退職勧奨に応じて一〇〇%が退職をしているということになっているわけです。
これをどう評価するかについては、いろいろな考え方があるだろうというふうに思いますけれども、今までなら、肩たたきをして、そのかわりこういうポストが用意されていますよということで退職勧奨に応じてきたということだったのではないかというふうに思います。
その一方で、今回、そうした先の約束なしに肩たたきをして、全員が全員、一〇〇%、上のクラスでいうと応じているというのは、私たちから見れば、これは水面下で天下りのあっせん等があったのではないかというふうにも感じられるわけであります。
さらに、十六日の委員会に、再就職あっせん状況ということで資料を出していただいているんですけれども、この八十三人については各省のあっせんは一切行っていないということになっているわけですけれども、この各省あっせんを行っていないという事実については、だれがどうやって確認をしたのかということについてお伺いをしたいというふうに思います。
○階大臣政務官 調査の手続でございますけれども、問題の八十三人につきまして、委員会での御指摘を受けて、総務省から各府省等に対して退職勧奨を行った人数等に係る事実関係を照会しまして、そこで返ってきた答えを取りまとめた、こういう次第でございます。
○柿澤委員 表向き各省あっせんはやってはいけないということになっているということは私もわかっていますし、私が今申し上げたかったのは、水面下で役人がこっそりあっせんをやっていないかということについて、どうやって確認をしたかということなんです。各省に、やっていますかと聞いたら、やっていませんと答えるに決まっているじゃないですか。各省任せでなくて、これをもっともっと政治主導で調べなければいけないというふうに思うんです。
今、あの仙谷大臣が民主党議員時代の悪名高い退職管理政令が生きていまして、こうしたことに関する調査、再就職監視委員会ではなくて、内閣総理大臣が法律上の調査権限を持っているわけです。これを、内閣総理大臣の調査権限を行使して、そして実態を政治主導で明らかにしていく、こうした調査を行わなければ不十分ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○仙谷国務大臣 かなり一方的におっしゃられているような気が、ちょっとこのケースはいたします。
八十三人、お求めに応じてここに出してあるわけであります。再就職先のところに未就職というふうに書かれた分が相当数ございます。未就職の方は、まさか、あっせんはしたけれどもそんなところへ行きたくないということで未就職になっているケースではないように思います。
それから、あるいは法務省の方々が、ある種、未就職であろうが就職されていようが、まあちょっと、退職をしてから時間を置いてその後のことを考えようかという方々もいらっしゃるんだろうなと思って、私は、そういう人生の生き方を、多分私と同年配の方か、もうちょっと若いかもわかりませんが、いずれにしても、我々世代になりますと、あっせんを受けようが受けまいが、この辺でそろそろハッピーリタイアしたいなという誘惑というか、そういう気持ちに駆られることもございますので、そう一概に、この八十三名をもって厳しい権限を発動して、何らかの調査をするということが今の時点で必要なのか。
今の時点でと申し上げますのは、例の総理大臣の権限を再就職監視委員会に委任しているわけでありますが、これは当然のことながら、独立性のある、あるいは客観的な観点からの調査ができる、そういう権限を与えるために同意人事を行って、合議制の五人委員会というような形にして調査権限を与えているということでありますから、今の時点で、その委員会がないのに、だから総理大臣がやれ、そういう構造自身が私は問題だというふうに昨年の国会でも申し上げてきたし、現時点で総理大臣がそういうことをやれば、必ず野党の皆さん方は、今度は、独裁だ、こういうふうにおっしゃる可能性があります。
というのは、この調査権限は、相当強い権限でありますから、そうめったやたらに振り回す、つまり今、合議制の委員会がないときに振り回すというようなことは私は慎んだ方がいいと。
先ほども問題にされましたけれども、この権限は、やはり、私どもの再就職監視・適正化委員会が合議機関として、五人委員会として発足してから適宜、もし疑いがあるような事案がございましたら、そこに何らかの格好で問題提起していただく、告発をしていただく、告発的なことをしていただければ、多分そこが動き出すということになろうかと思います。
○柿澤委員 この再就職監視委員会というのは、立ち上がるに当たって、むしろ皆さんが反対をして、動かないという状況に陥って、内閣総理大臣がその権限を行使するということになっていたはずだと思います。
こうした実態、私たちから見れば、こんな勧奨退職、八十三人全員が応じた、裏でやはりあっせんをやっているんじゃないか、こういうふうに思えるような実態があるにもかかわらず、調査をできる仕組みが整っていないということで調査をしないということであれば、これはやはり非常に問題ではないかというふうに思います。
もう一つあわせてお尋ねをしたいんですけれども、今回出していただいた資料の中に、当初、未就職あるいは未調査というようなことで判明をしていなかった分というのがあります。後からいろいろお出しをいただいたら、そこが再就職先がついて出てきたというものでありまして、これは大体二十人ぐらい、そういう方々がいらっしゃったんです。
こうした管理職の職員が再就職をする際には、国家公務員法上の届け出をしなければいけないということになっていたと思います。調べてみたら再就職をしていたというケースが今回次々に明らかになったわけでありまして、これは、国家公務員法をひもとくと、十万円以下の過料という行政罰の対象になるわけです。これについてはどうするんでしょうか、お伺いをしたいというふうに思います。
○階大臣政務官 届け出を怠っていた退職者に対してどういう対応をとるかということでございますが、今確認しましたところ、法令上は、届け出を退職後いついつまでにしなさいというような規定はないそうなんです。
ですから、社会通念上、合理的期間を経過した後はおっしゃるような過料という問題も出てくるかと思いますが、こちらの方については、まだ退職してからそれほど期間がたっていないこともあり、私としましては、まだ合理的期間は経過していないのではないかというふうに考えております。
○原口国務大臣 あと、柿澤委員は、あっせんがあったということを前提に御議論をされているように見えますけれども、退職勧奨をすると、自己都合による退職と違って、退職金についても差が出てまいります。
また、これをごらんいただくとおわかりのように、弁護士法人であるとか公証人合同役場、つまり、資格取得の見込みのある方、あるいは研究所、家業を継ぐことが可能な方、あっせんを受けなくても再就職が可能な方というのは、やはり中央官庁、私たちが思った以上に多くいらっしゃるということも事実でございますので、その辺のバランスをしっかりと御議論いただきたいと思いますし、再就職のあっせんは禁止されていますけれども、組織の改廃等に伴い離職を余儀なくされる場合や、若年定年制の自衛官等の場合についてはあっせん禁止の例外とされているということも、あわせて御報告をしておきたいと思います。
○田中委員長 時間が参りましたので。
○柿澤委員 調査をした上でならこれはわかりますけれども、しかし、結果として、各府省に、やっていますか、やっていません、これだけで足りるということでは、そのまま受け取ることはできないというふうに私は思います。
以上をもちまして、時間も来ておりますので、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田中委員長 次に、岸本周平君。
○岸本委員 民主党の岸本周平でございます。
午前中の内閣委員会に続いてダブルヘッダーで御質問をさせていただきます。連合審査の会場では、私の地元ゆかりの先輩議員がいらっしゃいまして、地元で御指導をいただいております。いささか緊張しておりますが、精いっぱい質問をさせていただきたいと存じます。
公務員改革が必要とされますのは、日本社会の急速な構造変化に対して公務員制度が完全に機能不全を起こしているからであります。このことは、与野党ともに共通の認識であると存じます。ですから、平成二十年の六月に国家公務員制度改革基本法が与野党一致で修正されて議決をされているわけであります。
私は、十年前には通産省で政府調達、主にITのシステムの調達を担当しておりました。当時、政府の調達と引きかえに天下りポストを得ることが当たり前のように行われておりました。社会保険庁のOBが数十人、特定のITベンダーグループに天下っていた事実も明らかになりました。
当時、私も含めて、政府はCIO補佐官を設けるなど努力はいたしましたけれども、事態はいまだに改善をされておりません。また、先輩OBの天下りのために公益法人をつくることが、当時でいうと霞が関の課長の主な仕事でありまして、公益法人をたくさんつくった官僚ほど省内で出世をする、そういう時代が続いたわけであります。
今まさに、パラダイムシフトが起きております。それが終わって、新しい退職管理のルールづくりが求められているわけであります。
そこで、原口総務大臣にお伺いいたします。原口大臣は、退職管理規定を今月中にもまとめられるように伺っておりますが、今やあっせんは完全に禁止されている中で、あっせんを伴わない形の独立行政法人、公益法人への再就職について、厳しく対応していかなければなりません。
そこで、お願いがございます。一つには、六十五歳以上、民間では当然、どんなに延長しても定年の六十五歳以上のすべての政府出身役職員を退任させていただきたい。二つ目には、六十歳以上の役員につきましても、民間水準をよく踏まえて、その報酬を引き下げていただきたい。
さらには、同一府省出身者が五代連続で同一ポストに就任している場合は、これは当然に再就職のあっせんありとみなして、以降の就任は即刻禁止をしていただきたい。また、現在の調査が五期連続になっておりますけれども、これはぜひ、三代連続で調べていただいても多分結果は一緒であります。私が言っているんですから、確かであります。
以上について、どう対応していくおつもりか、退職管理規定に何を盛り込むかを含め、御答弁をお願いいたします。
○原口国務大臣 岸本委員にお答えします。
たしか岸本委員に一番最初にお会いしたのは、この民主党をつくったばかりのとき、ニューヨークであったと思います。日本の国家を背負って、そしてアメリカにおいてさっそうと活動されている岸本委員の姿を見たときに、私たちも負けていられない、そういう思いを、覚悟を決めた瞬間のことを、今思い出しておりました。
その意味で、今おっしゃる独法、公益法人への再就職、総務省においても、所管の特例民法法人の常勤役員について、七十歳以上の公務員のOBの就職状況について調査を実施しています。
まさに、現役出向すればいいんですよ。いつまでも、何十歳までもなさる。それは年齢だけで言えません、高齢な方の中にもすぐれた方はたくさんいらっしゃいます。しかし、その方々が果たしてこういう公益法人にいらっしゃるべきなのか。
また、五代連続ポストについても、私も実際、調査を指示してみて、こんなに固定化しているのかと驚きました。三代連続でも同じだということで調査をして、やめる方向で退職基本方針の中に盛り込むということをお約束したいと思います。
○岸本委員 ありがとうございます。大変前向きの御答弁をいただきました。
そして、次の質問ですが、これまで、この場でも内閣委員会でも随分議論されてまいりましたが、国家公務員の総人件費二割カットのマニフェストについてお伺いをいたします。
総人件費五兆三千億円の二割である一・一兆円の削減でありますけれども、どうもこれまで、御答弁を聞いていますと、地方移管というものも含めてという御答弁が仙谷大臣も含めてありましたが、そういうごまかしはもうやめましょう。地方移管は関係なく、根っこから、国家公務員だけで一・一兆円の削減をお願いしたいと思います。明確にお答えをちょうだいしたいと思います。原口総務大臣に。
○原口国務大臣 地方移管はごまかしじゃないですよ。だって、出先に二十万人いらっしゃるわけで、その出先の権限仕分けをしないことには、生首を切るわけにはいかないんですよ。
ですから、多分、岸本委員がおっしゃっている意味は、ICT化、これで随分変わるところはあります。先ほどから申し上げている旅費の管理規定、これだけ見てもこんなに規定がございますね。そういう無駄なところを排除し、それから、先ほど申し上げました、現役出向していけば定年まで働けるんですね。そういったところについてもしっかりと議論をしていきたい。
ただ、私たちがマニフェストで一・一兆円を言ったときは、それは地方移管も含めての話ですから、さらに大きなお金を生み出すことができるという官僚の中の仕組みをまた岸本委員にも教えていただいて、先ほどの覚悟を形にできるようにしていきたい、このように思います。
○岸本委員 ありがとうございます。
この問題については引き続き御議論をさせていただきたいと思いますが、仙谷大臣がお戻りになられましたので。
仙谷大臣、五兆三千億円の公務員総人件費の二割カットでありますけれども、地方移管の分を含めるということではなくて、国家公務員だけで、根っこから、二割カットを平成二十五年までになさるという御覚悟はございませんか。
○仙谷国務大臣 これは、あと実質三年でございましょうか、昨年のマニフェストを提示したときからは四年をかけて必ずやり遂げる。そうでなければこの国が沈んでしまうだろうというふうにも思っております。
そのために、いろいろな手法を織りまぜてやらなければいけないと思いますけれども、私は、人員の問題、配置の問題、あるいは異動の問題、そして、現在の手当や退職金等の水準や定員の見直しということをもってやらなければならないし、そのためにこそ職員組合、労働組合との交渉というものを通じて行わなければならない、こういうふうに考えている次第です。
必ずやり切らなければならない、その思いは岸本議員と全く同じでございます。
○岸本委員 それでは、関連して原口総務大臣にお聞きをいたしますが、現行の定員の純減計画は今年度で終了となります。来年度からの定員純減計画をどのようにつくっていかれるのか。そしてまた、総人件費カットの観点からは、総人件費削減計画というものも新たにつくる必要があると考えております。
そのことについてと、さらに、その際、定員純減だけで賄えない分、これは労働基本権が付与された後ということになりましょうけれども、その際の労使交渉において大胆な給与カットを断行せざるを得ないと考えておりますけれども、その点についても御所見をお伺いいたします。
○原口国務大臣 まさに先ほどから答弁をさせていただいているように、今の状況の中で新規採用、これはやはりある一定以上に抑制せざるを得ない、このように考えております。
また、定員の見直しについては、地域主権改革における出先機関改革、これは絶対にやらなきゃいけないことなんですよ、権限仕分け。二重になっている、三重になっている、そしてやらなくていいことをもやっている。こういったことについても減少要因としてあります。
また、先ほどから御議論あります再就職のあっせんの禁止と、あるいは人事院による、今度は、こっちは、定年延長の方は増加要因なんですね。そういったものも含めながら、しっかりとした削減の方法あるいはスケジュールということについて政府において検討し、具体的にお示しをしていきたい、このように考えています。
○岸本委員 ありがとうございます。
今、原口総務大臣もお触れになりましたけれども、天下りのあっせん禁止に伴いまして高齢者を役所で抱える場合、当然定員がいっぱいとなります。採用削減が不可避となるというのは大臣のおっしゃるとおりであります。
これは、恐らく今の改正が一里塚でありますから、将来のゴールに向けて、まさに、おっしゃる定年まで引っ張ったときの本当にあるべき公務員の勤務のあり方、あるいはその際の給与のあり方も考えていかなければならないと存じますが、しかし、当面、目先、まさにおやめにならない方が多くなっていく。民間企業であれば、当然、このような厳しい経営事情の中で解雇ができないということでありますれば、新規採用は極力とめる。それは、採用計画上よくないことはわかっていてもやっています。
恐らく、日本政府も、次の採用は大変厳しいと思います。恐らく五割ぐらいは新規採用を削減するぐらいの覚悟で臨まれねばならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○原口国務大臣 もうじき出すペーパーを先取りされたような答弁ですけれども、まさに新規採用、これは幾つかの案を持っています。これはあくまで案ということで。
ただ、抑制できないものもあります。警察、治安、そういったもの。Aグループにおいては、あるところについては五割以上、逆に言うと採用抑制そのものというところも出てくるというふうに考えております。一方、ふやすところもございますが、今おっしゃったような、こういう厳しい状況の中で五割削減、あるいは五〇%の全体としての採用抑制、四〇%の採用抑制、二五%の採用抑制、こういった形をシミュレートした上で、どのような組織に対しての効果あるいはデメリットかについて今議論をして、四大臣会合で詰めを行う準備をしているところでございます。
○岸本委員 これまでの内閣委員会あるいは連合審査での審議を通じまして、私たちは今、本当の意味の公務員制度改革を推進していかなければならないわけであります。これは、きょうおいでのお二人の大臣、副大臣、そして政務官の皆さんもおわかりだと思いますが、今、霞が関で働いている国家公務員の皆さん、本当に志が高くて、日夜を問わず一生懸命働いている方ばかりであります。本当に国のために役に立ちたい、その思いで皆さん国家公務員になられた。そして、そのことは、私たち政治家が立候補する際に、いろいろなしがらみや、あるいはこれまでの生きざまの中でいろいろなものを犠牲にして、それでも国家のために働きたいと思って立候補して選挙で選ばれてくる、それと何ら変わることはございません。
どうか、今後、皆さん、この公務員制度改革に携わる政府の閣僚、副大臣、政務官の皆様に、公務員のやる気を出す、本当に政治家と官僚が一緒になってこの国の国民のために働ける政治をつくっていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○田中委員長 次に、重野安正君。
○重野委員 社会民主党の重野安正です。
質問も最後になりました。もしかして質問内容が重複している部分があるかもしれませんが、その点についてはお許しをいただきたいと思います。
きょうは国家公務員法改正を中心とする審議になっております。
そこで、簡潔に質問いたしますけれども、仙谷大臣は、幹部職員の一元管理を行えば縦割り行政の弊害が打破できる、このように述べておられますが、そう考える理由はどこにあるんでしょうか。
○仙谷国務大臣 縦割り行政の弊害を打破するためには、こういう幹部職員の一元管理と、それから、クロスした人事を幹部職員のところでできるかどうか、その必要条件であることは間違いがないと思います。
ただ、十分条件であるかどうかというのは、その人事をする大臣、官房長官、総理大臣、具体的にはそういうところも、そのつもりで適正な、そして公正な人事を行わなければできないと思いますし、それから、手を挙げる、もしくは、そういう人事配置を受けたといいましょうか、それを受け入れていただいた幹部職員の方々の意識が、縦割りを変える、つまり、全体的な意識のもとでその与えられた部署で政策の企画立案あるいは業務執行に精励していただくということにならなければならないわけであります。
それは、先ほどから申し上げておりますように、これだけですべてがうまくいくというふうに思っていませんけれども、こういうことを始めなければ何事も始まらない。官邸主導で各府省の横断的な幹部人事を積極的に行っていくこと、これをまずは行わなければならない、こういうふうに考えている次第であります。
○重野委員 現在行われている人事について問題ありという立場で一元化という方向に走るんですが、現在の幹部職員の人事のどこに問題があるのかということが一つ。それから、縦割り行政のもたらす行政の弊害を打破するためにこの人事を断行するんだということですが、今言った二点について、もっと詳しく説明願えませんか。
○仙谷国務大臣 先般から私が次官問題などを提起するものですから、官僚機構の中で育った我々も尊敬する先輩の方々も心配して、私のところへいろいろ御意見をするためにやってきてくれます。
そういうふうな方々と話しますと、結論的に、縦割りがなぜ悪いかということでありますが、これはやはり、普通に働く人々にとっては、政治家、大臣、副大臣、政務三役というのは、しょせんは何カ月か、あるいは一年か二年、せいぜいそのぐらいしかいない、やはり永遠の忠誠を誓うものはこの役所であり、当面は事務次官である、こういう意識が就職したときからどうしてもできる。
さらには、そこに次官OBの方々とか、次官じゃなくても、次官相当職か局長相当職か知りませんが、そのOBの方々が、一つの、同窓会か何か知りませんけれども、それぞれ日本のいろいろな重要なところに盤踞して、それは霞が関の各府省にも影響力を持てる団体であったり会社であったりということでありましょうが、そこに盤踞して、さらにその周りに、族議員と言われる、つまり各省庁ににらみのきく力のある先生方がいらっしゃって、どうもそこが幹部人事を実質上やる、あるいは、そこのあうんの呼吸に基づく承認がないと幹部人事はやっちゃいかぬのだというふうな雰囲気でどうも動いているのではないか。
そうなってきますと、これは若いときから、そこの御意向をうかがうというか、そこから何となく醸し出される空気で、空気が読めないやつと言われないように仕事をする、大体、こういうふうになっていくんだろうと思います。
自民党政権が未来永劫続くのであれば、そういうことでいいわけでしょうけれども、そうじゃなくなったという、ここが一番大事なときで、つまり、民主党に忠誠を誓えと言っているわけでも言いたいわけでもありません、まさにここから、中立、本当の意味での中立のポジションを官僚の方々もとっていただきたいと私は思います。
だから、ちょっと余分な話でありますが、これは各業界も、各府省ににらまれないようにするために今までどうするのか、そのために政治連盟をつくり、政党を支持してきたわけですね、どこかの政党を。
それで、慌てふためいて民主党支持に変わるとかなんとかという話がありますけれども、私は、そんなことは全くする必要ない、是々非々で、政策本位でお選びをいただいて、そのためには、従来、ある業界団体が一党支持で、そこでなければ日も夜も明けないみたいな、こんなばかげたこと、そしてそこにだけ政治資金を集中する、こういうやり方はおやめいただいた方がいいですよと、僕はその業界団体の人から何か言われたら言いますけれども、民主党を支持しなければならないなんということを言ったことは一回もありませんし、そうでなくてもいい。
だから、これは役人の方々にも、要するに、自民党支持をやめて民主党支持をせいなんということを言う必要はない、本当の意味での中立であっていただければいい、こういうふうに私は思っております。
○重野委員 今の大臣の発言、私は、文字どおり、そのとおりに受けとめたいと思います。そのとおりに間違わないように、その目線で今後ずっと見ていきたいと思うんです。
そこで、そういう今回の改革に対する大臣の意気込みと、では一体、具体的にどういうことが起こるのかということをそれぞれ検証してみますと、事務次官、局長、部長、このクラス、そういうところにどうして持っていくのかという点について、例えば適格性の審査をする、この適格性の審査というのはどういう審査なのか、これがひとつ私はよくわからない。
その適格性審査で合格された方が幹部候補者名簿に登載をされる。そして、その名簿登載者の中から幹部を任用していく、こういう仕組みですね。そして、その任用していく時間帯の中で、首相、官房長官が内閣全体の視点から適切な人材を登用する必要があると判断した場合は、閣僚に対して幹部職員の昇任などについて協議を求めることができる、こういうふうになっておるんですね。その協議に閣僚は応じなければならない。そういうプロセスを経て、官邸の意向を人事に反映させていくんだ、こういう仕組みですね。
その中で、私がまず言ったのは、この適格性審査というのはどういう審査で、何を目指しているのか、この点について答弁願います。
○階大臣政務官 お答えいたします。
適格性審査についてですけれども、条文に明確に書かれております適格性審査の定義は、幹部職に係る標準職務遂行能力の有無を判定することということになっております。
そこで、その標準職務遂行能力に合致するかどうかを審査するわけでございますが、ここについては、先ほど来議論がありますとおり、公平中立に行うということがポイントになるわけです。その具体的なやり方については有識者の意見をお聞きしながら決めて、そしてまた、実際に個別の審査を行うに当たっても、有識者の方にも面接等々に参加していただきながら的確な審査を行っていきたい、このように考えているわけです。
○重野委員 そういう説明なんでしょうけれども、その説明を聞きながら、標準職務遂行能力、こう言われても、一体どういうことなのか、これをまた聞かなきゃならぬですね。
○階大臣政務官 標準職務遂行能力ということについてお尋ねでした。
現行の国家公務員法におきましては、職制上の段階に応じて標準的な官職が政令で定められております。例えば事務次官であるとか局長であるとか部長であるとか、そういった標準的な官職の職務を遂行する上で発揮することが求められる能力として内閣総理大臣が定めているものが標準職務遂行能力でございます。
○重野委員 そういうことなんでしょうけれども、どうもその点、一体具体的にどういうことを言っているのかというのは、結局、人事というのは、そんなにえいやっと、ぴしゃっと、すぱっと割り切れるようなものではないんですよ。それをそういうふうな形にして正当性を担保しようとする、そういう思いはわかるけれども、そこら辺というのは、僕は率直に言って、はいそうでございますかというふうには受け取れないんですね。これは、常に緊張感を持って、そういうことのやりとりをしながらやっていくしかやはりないんだろうと思うんです。
きょう、あと時間がもう三分ぐらいしかないんですが、通告していたんですけれども、通告していないんだけれどもやはり今の客観的な世界的な情勢の中で言っておかなきゃならぬ点が出ましたので、これは原口大臣、ちょっとやらせてください。
それは、今、アイスランドの火山が爆発して、世界じゅうの航空路線が大混乱に陥っている。ところが、大臣の努力で、KDDIの国際オペレーター、これは、本当を言ったら、もうなくなっていたんですね。それを大臣の判断で残してくれた。このところ、全世界的に天変地異、地震が起こったり、中国で起こるしチリで起こるし、そのたびに、大臣、残ったおかげで、このいわゆる国際オペレーターの皆さん方、本当に頑張って、そして外地と日本をつないでいるんですね。
ところが、実はKDDIが、残したのはいいんですが、ブースの数を大幅に減らしたんですね。結果的につながるのが非常に難しいということになっておるんです。これはやはり、KDDIという大企業、何兆円ももうかるような企業なんですが、それが、政府から言われて残したのはいいんだけれども、それをそういうふうな形でやってしまうということについては、私はいかがなものかと。これについてひとつ伺いたい。
それと、せっかく厚生労働副大臣に来てもらって、通告をしておりますが、その点について答弁をいただければありがたい。お願いします。
○原口国務大臣 ありがとうございます。
これは、私の努力というよりも、むしろ重野先生が御指摘をくださって、社民党の先生方挙げて、脱北者であるとか、今お話しのような特別な災害、あるいは海外における不慮の事故、こういったときに日本にSOSコールをかけられるという意味で、ある意味ライフラインなんですね。それを残すことができたのは重野先生のお力のおかげだと思います。
今なお、海外において、邦人が日本へ帰れない方々もおられます。また、成田等で、本国に帰れない、日本に来ておられるんだけれども、帰りたくても帰れない、そういう方々についても、きのう政務三役会議で、政府としての特段の措置をするようにという指示をしたところでございます。
その上で、国際オペレーター業務は、民間企業が私たちの求めに応じて自主的に判断をしてくださったことでございますが、やはりそこでの雇用、これは一朝一夕にできるものではございません、オペレーターという形で長い間経験を積んだ方々でございますので、その方々が大事にされるように政府としては願うものでございます。
以上です。
○細川副大臣 質問の内容は通告の内容だということで、通告いただきました御質問は、先般の総務委員会で、山井政務官が能開機構の問題で、私のしごと館の政策の失敗の責任をとって職員の雇用契約について採用方式をとるかのような、そんな印象を受けた、真意はどうか、こういう御質問だというふうに思います。
そういう職員の採用方式をとったということについては、そのようなことは一切関係なく、今回、能開機構は廃止をして抜本的に組織を変える、こういうことになったんだ、こういう御説明をしたのであって、その責任をとってということはないので御確認をしておきたいと思います。
なお、職員の今後の問題につきましては、雇用問題はしっかり確保していくということでやってまいりますから、その点も念のために御報告しておきます。
○重野委員 以上で終わります。
○田中委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。
これにて散会いたします。
午後五時二十九分散会
――――◇―――――
〔参照〕
国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
国家公務員法等の一部を改正する法律案(塩崎恭久君外四名提出)
幹部国家公務員法案
は内閣委員会議録第四号に掲載