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第1号 平成24年6月13日(水曜日)

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本小委員会は平成二十四年四月十八日(水曜日)委員会において、設置することに決した。

四月十八日

 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      岡島 一正君    岡田 康裕君

      奥野総一郎君    黒田  雄君

      階   猛君    平  智之君

      初鹿 明博君    向山 好一君

      森岡洋一郎君    木村 太郎君

      河野 太郎君    新藤 義孝君

      平  将明君    遠山 清彦君

四月十八日

 新藤義孝君が委員長の指名で、小委員長に選任された。

平成二十四年六月十三日(水曜日)

    正午開議

 出席小委員

   小委員長 新藤 義孝君

      岡島 一正君    神山 洋介君

      黒田  雄君    階   猛君

      平  智之君    高井 崇志君

      初鹿 明博君    向山 好一君

      森岡洋一郎君    木村 太郎君

      平  将明君    遠山 清彦君

    …………………………………

   財務大臣         安住  淳君

   文部科学大臣       平野 博文君

   厚生労働大臣       小宮山洋子君

   経済産業大臣       枝野 幸男君

   国務大臣

   (原子力行政担当)    細野 豪志君

   決算行政監視委員会専門員 平川 素行君

    ―――――――――――――

六月十三日

 小委員岡田康裕君及び初鹿明博君同月十一日委員辞任につき、その補欠として神山洋介君及び初鹿明博君が委員長の指名で小委員に選任された。

同日

 小委員奥野総一郎君同日委員辞任につき、その補欠として高井崇志君が委員長の指名で小委員に選任された。

同日

 小委員高井崇志君同日委員辞任につき、その補欠として奥野総一郎君が委員長の指名で小委員に選任された。

同日

 小委員神山洋介君同日小委員辞任につき、その補欠として岡田康裕君が委員長の指名で小委員に選任された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 行政監視に関する件


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     ――――◇―――――

新藤小委員長 これより行政監視に関する小委員会を開会いたします。

 行政監視に関する件について調査を進めます。

 去る第百七十九回国会十二月八日の決算行政監視委員会において決定した、行政監視に基づく事業の見直しに関する決議を踏まえて、政府においてとられた措置について順次報告を求めます。

 なお、ただいまの幹事会におきまして、これより大臣から御報告を頂戴いたしますが、各省においては、この委員会の質疑に答えられるような形で、文書においてきちんと報告書を出していただきたい、そして、必要な資料や関係の書類を整えた上でこの小委員会に提出をいただきたいという旨、正式に私どもから要請をさせていただきますので、御承知おきを賜りたい、このように思います。

 まず、革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築及び原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出についての報告を求めます。平野文部科学大臣。

平野(博)国務大臣 決議をいただきました中で、革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築に関して、文部科学省において講じた措置について御報告を申し上げます。

 決議では、大きく分けて三点の指摘をいただきました。

 第一に、スーパーコンピューター「京」のシステムの技術選択に係る情報公開についての御指摘をいただきました。

 これまで「京」のシステム構成については、科学技術・学術審議会及び総合科学技術会議において、専門家による評価を受けつつ検討を進めてきました。

 その過程において、当初、スカラー・ベクトル複合型を選択し、その後、スカラー型単一システムに方針転換を行いました。その経緯については、これまで公開してきた資料に加え、概念設計及び中間評価に係る作業部会の資料及び議事録についても、企業機密に関する情報を除き、新たに文部科学省のホームページにおいて公開したところでございます。

 なお、このシステム変更を平成二十二年度予算に反映し、三十四億円を減額するとともに、平成二十一年度予算執行に当たっても、二十八億円の節減を行ったところです。

 ベクトル型スーパーコンピューターとの連携につきましては、幅広い利用者のニーズに応えられるよう、HPCI計画において、ベクトル型スーパーコンピューターを含め、我が国の主要なコンピューターが国全体の基盤として機能するよう環境整備を進めております。

 第二に、「京」以降のスーパーコンピューター開発の戦略についての御指摘をいただきました。

 本年二月に有識者から成るワーキンググループを設置し、今後十年程度を見据えたHPCI計画の推進のあり方に関する調査検討を進めており、平成二十五年夏ごろをめどに中間報告を、平成二十六年三月ごろをめどに最終報告を取りまとめることとしております。

 その中で、ベクトル型スーパーコンピューターとの連携に係る今後の方針についても議論を行うとともに、国内における必要な総計算能力、地域分散の必要性、民間のニーズ、研究開発に係る費用についても調査検討してまいります。

 第三に、「京」の利用について御指摘をいただきました。

 「京」は特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律に基づいて、国の方針のもと、登録機関が中立公正の立場から、有識者から成る選定委員会の意見を聞きつつ、利用者の選定等を行うこととしております。

 また、利用の枠組みとしては、大きく分けて戦略プログラム利用と一般利用の二つがあります。

 戦略プログラム利用枠は、「京」の共用開始後早期に社会が期待する画期的な成果の創出を目指すものであります。既に防災、減災など五つの戦略分野を設定し、戦略的見地から課題の選定を行っております。

 また、一般利用枠は、産業界を含む幅広い利用者から申請される公募の中から、産業利用の特性にも配慮しつつ、課題の選定を行うこととしております。

 早期の共用開始につきましては、当初予定していた本年十一月中の共用開始時期を九月末をめどに前倒しをすることとして準備を進めております。

 運営経費につきましては、平成二十四年度予算の概算要求額を精査し、一層の効率化を図ることにより、予算において十一億円を削減したところであります。また、利用料金につきましては、産業利用において成果を非公開とする場合には利用料金を徴収することといたしております。

 今後とも、引き続き、決議の趣旨を踏まえ、「京」の適切な運用とHPCI計画の推進に努めてまいります。

 次に、原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出に関して、文部科学省において講じた措置について御報告申し上げます。

 決議では、大きく三つの御指摘をいただきました。

 第一に、原子力関連予算について総組み替えをすべきとの御指摘をいただきました。これを踏まえ、独立行政法人日本原子力研究開発機構予算を初めとする平成二十四年度文部科学省原子力関連予算を見直しました。

 具体的には、高速増殖炉及び核燃料サイクルに関する予算を対前年度比百八億円減、二四%減まで縮減する一方で、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力安全向上分野等について重点的に予算を措置し、原子力関連予算総額としては、対前年度比八十二億円減、三・四%減まで縮減を図りました。

 第二に、高速増殖炉の開発計画及び核燃料サイクル計画の再検証を行うべき等の御指摘をいただきました。

 この点につきましては、今後のエネルギー、原子力政策に関して検討を進めておりますエネルギー・環境会議及び原子力委員会の新大綱策定会議等の場で、徹底した検証を行いながら、平成二十四年夏の政策決定に向けて議論を実施しております。政策決定後は、文部科学省としても、その方針に基づき必要な取り組みを実施してまいります。

 なお、高速増殖原型炉「もんじゅ」については、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全対策に取り組みつつ、維持管理経費について、安全性が確保できることを前提に検証を行った上で、平成二十四年度予算で対前年度比四十一億円減、一九%減まで縮減を図りました。

 第三に、原子力関連事業の実施状況についての検証及び法人の整理統廃合について御指摘をいただきました。

 この点につきましては、まず、独立行政法人日本原子力研究開発機構における、退職者が在籍している等の関係の深い法人との契約のあり方等を検証し、当該法人とは原則として随意契約を行わないこととする等の見直しを実施したところでありますが、今後とも不断の見直しを実施していく所存でございます。

 また、法人の整理統廃合については、「平成二十四年末を目途に成案を得るべく、原子力関連の独立行政法人の将来的な統合等も含めた在り方について検討する。」とする独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針を平成二十四年一月二十日に閣議決定をいたしました。原子力規制行政組織の改編に関する法案審議の状況や今後のエネルギー、原子力政策見直しの議論の状況を踏まえながら、当該閣議決定の方針に基づき、今後の組織のあり方を検討してまいります。

 今後とも、エネルギー、原子力政策見直しの議論の状況や決議の趣旨を踏まえ、原子力関連予算の適切な執行に努めてまいります。

 以上でございます。ありがとうございました。

新藤小委員長 ありがとうございました。

 それでは、大臣、御退席いただいて結構でございます。御苦労さまでした。

 続きまして、医療費レセプト審査事務についての報告を求めます。小宮山厚生労働大臣。

小宮山国務大臣 当委員会の決議のうち、医療費レセプト審査事務について、厚生労働省での検討の結果を報告します。

 まず、委員会での御意見を受けて、厚生労働省では、ことし四月に、全国三千四百四十九保険者に対し、審査支払い機関の統合に関して、アンケート調査を実施しました。

 調査を実施した保険者のうち、およそ八割の二千八百二十五保険者から回答があり、統合すべきという回答がおよそ三割の八百五保険者、統合すべきでないという回答がおよそ一割の三百八十五保険者、どちらとも言えないという回答がおよそ六割の千六百二十八保険者でした。

 このアンケート結果と新たなコスト推計を含めて、医療関係団体や保険者等の関係者が参画する社会保障審議会医療保険部会に報告し、四月から五月にかけて統合に向けた検討を行いました。

 医療保険部会では、長期的にはシステムの更新や管理部門の人件費などのコスト削減の効果が見込まれる、審査支払い業務は、目指す方向は同じなので、可能な統合を十分に考え、新たな体制を検討することが有効であるという意見があった一方で、国保連合会から審査部門を切り離せば、市町村国保の業務に支障が生じるおそれがあるので、留意する必要がある、統合で現場に混乱が生じることを危惧しているので、統合よりも業務合理化でコスト削減に取り組むべきなど、慎重な検討を求める意見もありました。

 また、保険者からは、コスト削減を強く要望しているので、コストを抑えながら適切な医療サービスを確保するための改善の議論は今後も必要であるという意見がありました。

 なお、新たなコスト推計では、管理部門のコスト削減やシステム改修のサイクルなど、一定の前提を置いて厚生労働省で試算を行った結果、統合後十四年目に、およそ八百三十億円から九百二十億円程度のコスト削減の効果が見込まれると推計されています。

 このため、厚生労働省としては、審査支払い機関の統合については、保険者を初めとする関係者の意見を聞きながら、理解が得られるような統合のあり方について引き続き検討していきたいと考えています。

 あわせて、今回の検討に基づいて、さらなるコストの削減や審査基準の統一化の取り組みを進めていきます。

 なお、決議で御指摘いただいた「レセプト審査に係る民間参入の環境整備」については、従来の調剤レセプトに加え、医科・歯科レセプトの具体的なルールについても、ことし二月に通知を発出し明確化したことを、あわせて報告します。

 次に、労災診療費のレセプト審査事務を支払基金等へ委託することについては、ことし三月から、学識経験者、医師、公認会計士の計五名による検討会を五回にわたって開催し、六月一日に報告書を公表しました。

 報告書では、労災レセプトの審査のうち、業務外の私傷病を除外するなどの労災固有の審査については、国が業務上と判断した範囲や根拠に基づき判断することから、労災保険給付の支給、不支給の決定と密接不可分な関係にあり、これを支払基金等に委託することは困難であること、診療報酬点数表等に基づく審査については、支払基金等に委託するよりも、審査体制、審査期間、費用の面から、国が審査した方が効率的、効果的であることとされ、結論として、「支払基金等に労災レセプトの審査を委託するより、国が労災レセプトを直接一括して審査する現行の方式の方が妥当であると考えられる。」としています。

 労災診療費のレセプト審査について、厚生労働省としては、国が直接一括して審査する現在の方式の中で業務改善を行い、さらなる経費の縮減に努めていきます。

 以上です。

新藤小委員長 御苦労さまでございました。

 それでは、大臣、御退席いただいて結構でございます。

 次に、公務員宿舎建設・維持管理等に必要な経費についての報告を求めます。安住財務大臣。

安住国務大臣 決議のうち、公務員宿舎建設・維持管理に必要な経費に関して、政府において講じた措置について御報告いたします。

 公務員宿舎建設・維持管理に必要な経費に関しては、平成二十四年度予算において、決議を踏まえ厳しい精査を実施しました。具体的には、公務員宿舎の建設に必要な経費について大幅な削減を行うとともに、国家公務員宿舎の維持管理に必要な経費について、PFI方式の活用を含め、積極的に民間委託を活用しました。

 その結果、平成二十四年度予算における国家公務員宿舎建設・維持管理に必要な経費については、全体で、前年度の三百二十億円から二百八十二億円とし、対前年度比三十八億円、一二%の予算削減をしております。

 また、国家公務員宿舎については、総理の指示を踏まえ、藤田財務副大臣を座長とする国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会を設置し、十二月に国家公務員宿舎の削減計画を策定し、総理に報告の上、公表しました。

 削減計画では、職務上宿舎への入居が認められる職員の類型を真に必要なものに限定しております。これに基づき、必要な国家公務員宿舎の戸数を約十六・三万戸とし、今後五年間をめどに、現在の宿舎戸数約二十一・八万戸に対して、五・六万戸、二五・五%程度の宿舎削減を実施することとしております。

 また、朝霞住宅及び方南町住宅の建設については、地元自治体からの要望等を踏まえ、事業を中止することとしております。

 さらに、削減計画では、老朽化し耐震性等に問題のある宿舎について、コスト比較等を行うことによって、極力、耐震改修等により対応し、できる限り建てかえを抑制しつつ、借り上げを積極的に活用するなど、決議に則した方針を示しております。

 現在、削減計画で示した工程表に沿って、宿舎の廃止に向けた手続を順次進めているところであり、今後も、引き続き、削減計画を着実に実施し、決議の趣旨を踏まえ、国家公務員宿舎の建設・維持管理に関する予算を最大限縮減してまいります。

 以上でございます。

新藤小委員長 御苦労さまでした。お疲れでないですか。(安住国務大臣「はい、大丈夫です」と呼ぶ)気をつけてどうぞ。(安住国務大臣「お心遣いありがとうございます」と呼ぶ)御苦労さまです。

 それでは、次に、原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出についての報告を求めます。細野国務大臣。

細野国務大臣 決議のうち、原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出に関して、政府において講じた措置について御報告いたします。

 独立行政法人及び公益法人へ支出していた事業につきましては、その妥当性、有効性の検証を行いつつ実施しているところであります。

 また、現在、核燃料サイクル政策を含む原子力政策の徹底した見直しが進められており、その結果等を踏まえて所要の措置が講じられるよう、関係行政機関とも協力しつつ努めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。

新藤小委員長 御苦労さまでございました。

 それでは、どうぞ御退席いただいて結構でございます。

 次に、枝野経済産業大臣。

枝野国務大臣 決議のうち、原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出について、経済産業省における取り組み状況を御報告いたします。

 経済産業省の原子力関係予算については、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、平成二十四年度予算においても抜本的な見直しを行っております。

 具体的には、これまで行ってきた研究開発予算を大幅に削減する一方、福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた研究開発や、シビアアクシデントにも耐えられる計装・計器類の開発など、既設原子力発電所の安全性向上に資する技術開発等に重点化しております。また、放射性廃棄物の最終処分に係る事業についても必要な予算を確保しております。

 さらに、高速増殖炉の実用化のための研究開発については、国際的な安全基準策定のために必要な予算に限定して計上しております。

 こうした原子力関連予算に加え、御指摘の核燃料サイクル政策や放射性廃棄物の最終処分に係る政策等については、今後のエネルギー政策全体の見直しの議論も踏まえ、さらなる見直しに真摯に取り組んでまいります。

 また、原子力関連予算の執行については、原則として一般競争入札または企画競争を行っているところでありますが、引き続き、不断に精査を行うとともに、必要な見直しを行ってまいります。

 原子力政策等に関する情報開示については、例えば、原子力政策を含む我が国のエネルギー政策全体の見直しの議論を行っている総合資源エネルギー調査会基本問題委員会において、インターネット中継を行うとともに、資料や議事録も全て公開するなど、その透明化を図っております。

 また、外部有識者から構成されるアドバイザリーボードを設置し、広聴・広報のあり方等の検討も行っております。

 こうした取り組みを含め、今後とも必要な情報開示を徹底してまいります。

 平成二十五年度予算も含め、今後も、引き続き、決議の趣旨を踏まえて、しっかりと取り組んでまいります。

新藤小委員長 以上で報告は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十九分散会


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