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絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 

一 常設の「野生動植物の種に関し専門の学識経験を有する者」からなる科学委員会の委員については、野生動植物種の保全に関し専門の学識経験を有する科学者等国民の理解を得られる人選を行い、自由闊達な議論を保障するとともに、明確な理由の存在しない限り、国民に対する情報の公開を徹底すること。また、科学委員会は、環境大臣の諮問を待たず、種の保存に関連して、種の保存法の見直しやその他関係法令の見直しを含め、積極的に意見具申を行うこと。

 

二 生息地等保護区の指定や保護増殖事業計画の策定についても、現場で実際に保全に取り組む団体等からの提案を受け入れる制度の法定化を検討するとともに、これら国民からの提案を踏まえ、科学委員会は、種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護増殖事業計画、生息地等保護区などを適切に具申すること。

 

三 二次的自然に分布する絶滅危惧種については、自然への働きかけの縮小による生息・生育状況の悪化が主な減少要因とされていることから、特定第二種国内希少野生動植物種の指定と同時に、生息環境の改善に取り組むこと。また、二次的自然については、厳格な行為規制よりも人の管理を継続することが重要となることから、農林水産業や市民活動を奨励するような生息地等保護区の指定の在り方について検討すること。

 

四 国内希少野生動植物種の指定は、科学的知見を最大限に尊重して実施することとし、当面、二〇三〇年度までに七百種を指定することを目指し、候補種の選定について検討すること。

 

五 「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」を法定の「基本方針」に確実に反映させ、閣議決定すること。

 

六 海洋生態系の要となる海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価の透明性を高め、その評価を環境省と水産庁で連携して同法の趣旨に沿って適切に行うこと。また、国内希少野生動植物種の指定に当たっては、現在は種指定の実績がない海洋生物についても、積極的に対象とすること。

 

七 生物多様性基本法第二十四条、種の保存法第五十三条第二項に則り、種の保存に関し、最新の科学的知見を踏まえた学校教育・社会教育・広報活動、専門的な知識・経験を有する人材の育成、種の保存に関して理解を深める場及び機会の提供等により、種の保存に関する国民の理解を深めること。

 

八 生物多様性基本法第八条を踏まえ、希少野生動植物種の保存のため、地方自治体への支援を含め、財政上、税制上その他の措置を講ずること。

 

九 改正法附則第十条に基づき、改正法施行五年後に本改正内容の評価を行うとともに、以下の措置を講ずること。

 

 1 ワシントン条約附属書に掲載されている種は、保全に国際的協力が不可欠であり、地球の自然体系のかけがえのない一部であるという観点から、国際情勢を踏まえて、抜本的な見直しを検討すること。

 

 2 違法取引が原産国での過度な捕獲や採取を助長するとの認識に立ち、国内取引の規制強化や交雑個体の取扱について検討すること。

 

十 今回創設される特定第二種国内希少野生動植物種については、販売・頒布目的以外の捕獲等及び譲渡し等が認められることから、種の分布や生息状況を定期的に把握すること。

 

十一 アフリカゾウの密猟を防ぐため、象牙の国内市場の閉鎖が世界的な潮流となる中、国内市場を存続させている我が国においては、違法取引が疑われることのないよう、象牙の管理の更なる強化に積極的に取り組むこと。

 

十二 輸入が差し止められた希少な野生動植物については、本来の生息地での保全が最も望ましいことから、原産国等へ返すための方策について検討すること。

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