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   過労死等防止対策推進法案(厚生労働委員長提出、衆法第25号)概要

 本案は、近年、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題となっていること及び過労死等が、本人はもとより、その遺族又は家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、過労死等に関する調査研究等について定めることにより、過労死等の防止のための対策を推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 この法律は、過労死等の防止のための対策を推進し、もって過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的とすること。

二 この法律において「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいうこと。

三 基本理念として、過労死等の防止のための対策は、過労死等に関する調査研究により実態を明らかにし、その成果を過労死等の効果的な防止の取組に生かすとともに、過労死等の防止の重要性について国民の自覚を促し、これに対する国民の関心と理解を深めること等により行われなければならないこととともに、国、地方公共団体、事業主等の相互の密接な連携の下に行われなければならないことを定めること。

四 基本理念にのっとり、過労死等の防止のための対策を効果的に推進する国の責務、国と協力しつつ、対策を推進する地方公共団体の努力義務等について定めること。また、国民の間に広く過労死等の防止の重要性について自覚を促し、これに対する関心と理解を深めるため、過労死等防止啓発月間を設けること。

五 政府は、毎年、国会に、我が国における過労死等の概要及び過労死等の防止のために講じた施策の状況に関する報告書を提出しなければならないこと。

六 政府は、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、過労死等の防止のための対策に関する大綱(以下「大綱」という。)を定め、公表しなければならないこと。また、厚生労働大臣は、関係行政機関の長と協議するとともに、過労死等防止対策推進協議会の意見を聴いて大綱の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこと。

七 国は、過労死等に関する調査研究等を行うものとするとともに、国及び地方公共団体は、過労死等の防止の重要性についての啓発、相談体制の整備等及び民間団体の活動への支援を行うものとすること。

八 厚生労働省に、大綱の案の作成に際して意見を聴くため過労死等防止対策推進協議会を設置すること。

九 政府は、過労死等に関する調査研究等の結果を踏まえ、必要があると認めるときは、過労死等の防止のために必要な法制上又は財政上の措置等を講ずるものとすること。

十 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

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