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   平成二十六年度畜産物価格等に関する件

 

 我が国の畜産・酪農は、配合飼料価格の高騰、畜産物消費の低迷等厳しい経営環境にあり、離農の増加により生産基盤が縮小するなど危機的な状況にある。

 よって政府は、こうした情勢を踏まえ、平成二十六年度の畜産物価格及び関連対策の決定に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

                 記

一 畜産・酪農経営が将来の展望を持って安定的に発展していけるよう、中長期的な観点から今後の畜産・酪農政策の在り方について検討を行うこと。特に、肉用牛肥育経営安定特別対策(新マルキン)事業をはじめとする畜産・酪農経営安定対策及び配合飼料価格安定制度については、配合飼料価格の高止まりに対処し、必要な財源を確保し、拡充を図るとともに、地方特定品種の扱いを含め現場の意向も踏まえつつ、実効ある安定的な対策・制度の確立に向けた検討を急ぐこと。

二 加工原料乳生産者補給金の単価及び限度数量については、飼料価格の高騰等を踏まえ、酪農家の経営努力が報われ、営農意欲が喚起されるよう、再生産の確保を図ることを旨として適切に決定すること。

  また、今後、需要の拡大が期待できる国産チーズの生産拡大のための対策を充実・強化するとともに、効率的な乳牛改良の推進、後継者の確保、酪農ヘルパーへの支援の充実など酪農生産基盤の強化を図ること。

三 牛肉・豚肉の安定価格及び肉用子牛の保証基準価格等については、畜産農家の経営安定に資するよう、需給動向、価格の推移、飼料価格の高騰等に十分配慮し、再生産の確保を図ることを旨として適切に決定すること。

  また、肉用牛繁殖経営への新規参入や繁殖雌牛の増頭、受精卵移植の取組等への支援を一層充実・強化することにより、肉用牛繁殖基盤の拡大を図ること。

四 飼料の輸入依存体質を転換し、国産飼料に立脚した畜産・酪農を確立する観点から、飼料用米・稲発酵粗飼料・稲わら・エコフィードの利用拡大等の耕畜連携を強力に推進するとともに、コントラクター・TMRセンターへの支援を充実・強化すること。

  特に、飼料用米の利用拡大には、輸入飼料に対する価格の優位性や安定的な供給が必要であることに鑑み、肉用牛等に対する給与法の普及、低コスト栽培技術や多収性品種の普及、集荷・流通・保管・製造に係る体制整備を支援すること。

五 地産地消や食育の取組を進め、国産畜産物の消費拡大を推進するとともに、国産畜産物の輸出解禁に向けた衛生協議の加速化、相手国の衛生条件に対応した食肉処理施設の整備に対する支援の充実など輸出促進対策を強化すること。

六 原発事故に伴う放射性物質により汚染された牧草地の除染対策と汚染された稲わら、牧草及び堆肥の処理を強力に推進するとともに、原発事故に係る風評被害対策に徹底して取り組むこと。

七 TPP交渉及びEPA交渉については、我が国の畜産・酪農が今後とも安定的に発展できるよう、平成二十五年四月の本委員会決議「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加に関する件」及び平成十八年十二月の本委員会決議「日豪EPAの交渉開始に関する件」を遵守し、確固たる決意をもって臨むこと。

 右決議する。

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